JPH04293532A - ポリオレフィン多孔質膜の親水化方法 - Google Patents

ポリオレフィン多孔質膜の親水化方法

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JPH04293532A
JPH04293532A JP5701991A JP5701991A JPH04293532A JP H04293532 A JPH04293532 A JP H04293532A JP 5701991 A JP5701991 A JP 5701991A JP 5701991 A JP5701991 A JP 5701991A JP H04293532 A JPH04293532 A JP H04293532A
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porous membrane
water
membrane
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JP5701991A
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Takeshi Kurushima
剛 久留島
Mitsuo Chiga
千賀 允雄
Masumi Kobayashi
真澄 小林
Hiroshi Tasaka
広 田阪
Masaaki Sato
正明 佐藤
Akitaka Uchida
内田 晃誉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、民生用分野、工業用分
野、医療用分野等に使用される親水化ポリオレフィン多
孔質膜の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン多孔質膜はその基質の化
学的安定性から医療用分野、半導体分野、浄水分野など
多方面の産業用、民生用分野で使用されている。しかし
ポリオレフィン多孔質膜は疎水性でありそのままでは水
性液体を透過させるのが困難であり、事前に親水化する
必要がある。
【0003】親水化の方法としては、水との相溶性が良
好な低表面張力有機溶剤であるアルコールやケトン等に
よりポリオレフィン多孔質膜の微細孔表面を湿潤処理し
た後、該有機溶剤を水と置換する方法があるが、この方
法ではポリオレフィン多孔質膜の親水性を保持するには
、絶えず水を保持していなければならない。又、ポリエ
チレングリコール等の水可溶性親水性高分子や界面活性
剤をポリオレフィン多孔質膜の微細孔表面に付着させ親
水性を付与する方法もあるが、この方法では一度水に接
すると該親水性物質が水に溶解、溶出し、この多孔質膜
を一度乾燥させてしまうと再親水化することが必要とな
り、これらの方法は十分な親水化法とはいえない。
【0004】上記欠点を改良するため、ポリオレフィン
多孔質膜に対して親和性があり、かつ、水への溶出が少
ない恒久的な親水化方法として、疎水−親水のバランス
の観点から親水化剤が選定され、ポリオレフィン多孔質
膜にエチレン−ビニルアセテート共重合体の薄膜を形成
させたのち、ケン化処理する方法(特開昭61−125
408号公報)が提案されているが、この方法では、エ
チレン−ビニルアセテート共重合体を付着させた後にケ
ン化処理するため、プロセスが複雑になるという問題点
を有していた。
【0005】又、プロセスを簡略化した方法として、エ
チレン−ビニルアルコール系共重合体を被覆する方法(
特開昭61−271003号公報)、エチレン、ビニル
アルコール、及び他の成分からなる多元系共重合体を被
覆する方法(特願平1−145695号)等が提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エチレン−ビニルアル
コール系共重合体、エチレン、ビニルアルコール及び他
の成分の多元系共重合体を水混和性有機溶剤と水との混
合溶剤に溶解し、ポリオレフィン多孔質膜に付着乾燥す
ることにより恒久的な親水性を付与させることができる
が、該共重合体を単にポリオレフィン多孔質膜に付着さ
せ、乾燥するだけの方法では、ポリオレフィン多孔質膜
の表面、特に微細孔面に該共重合体の被覆層が形成され
、水の濾過に寄与する微細孔を減少させるため濾過膜と
して使用する場合、濾過能力の低下をきたすといった問
題点、更には該多孔質膜が中空糸形状の場合、複数本の
中空糸膜を同時処理すると、隣接する中空糸膜が該共重
合体により接着し、膜の利用効率の低下をきたすといっ
た問題点があった。
【0007】本発明者等は、ポリオレフィン多孔質膜を
連続的に親水化処理する際に多孔質膜の微細孔が共重合
体により被覆されたり、隣接する中空糸膜が接着する原
因は、過剰に付着した共重合体溶液の乾燥に伴ない発生
するものであることを見い出した。一方、過剰液の脱液
については先に挙げた特開昭61−271003号公報
の実施例中に「過剰の共重合体溶液を除いた後」という
記載があるものの、具体的方法は開示されていない。通
常考えられる過剰液の脱液方法としては、多孔質膜を浸
漬液から引き上げて自重により脱液する方法、エアブロ
ーにより共重合体溶液を吹きとばす方法等があげられる
が、前者の方法では、自重による脱液時間が短いと脱液
効果はなく、脱液時間が長くなると共重合体溶液の溶剤
が蒸発し、多孔質膜表面に共重合体の皮膜が形成される
といった問題点があり、後者の方法では脱液と同時に、
多孔質膜表面での乾燥が急激に行なわれて共重合体の皮
膜が形成され、問題点を解決するには到らなかった。吸
引により過剰液を除去する方法もエアーブローと同じよ
うに該共重合体の皮膜の形成が認められた。
【0008】又、該多孔質膜をガイド等により、しごい
て脱液する方法もあるが、この方法では十分な脱液が行
なわれず、その後の乾燥により多孔質膜表面に該共重合
体の皮膜が認められた。マングル等により過剰液を絞り
とる方法もあるが、この方法では、多孔質膜表面での該
共重合体の皮膜形成を防止するまで液を絞ると、多孔質
構造がマングルの圧力により変形、微細孔の消失(つぶ
れ)といった問題点が発生し、上記いずれの方法でも問
題点の解決法にはならなかった。
【0009】本発明者等は、上記検討の結果、過剰液の
脱液方法として画期的な方法、即ち、該多孔質膜の該共
重合体溶液への浸漬処理後、乾燥処理に移る前に、該共
重合体溶液の急速な乾燥による皮膜形成を防止しつつ、
該溶液の濃縮脱液を行う目的で、該共重合体溶液の溶剤
の蒸気を含む雰囲気中に、該多孔質膜を所定時間処理し
、該溶液の溶剤の一部を蒸発させることで、その後の乾
燥処理で該共重合体の皮膜を形成させない方法を考案し
、本発明に到達したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、エチレ
ンを20モル%以上、親水性モノマーを10モル%以上
含むエチレン系共重合体を水混和性有機溶剤単独又は該
溶剤と水との混合溶剤に溶解した溶液中にポリオレフィ
ン多孔質膜を浸漬した後、該水混和性有機溶剤の蒸気を
3%以上含み、かつ温度が室温から混合溶剤の沸点以下
の範囲にある雰囲気中に該ポリオレフィン多孔質膜を立
ち上げ、該雰囲気中に少くとも30秒以上滞在させたの
ち、乾燥することを特徴とするポリオレフィン多孔質膜
の親水化方法にある。
【0011】本発明のポリオレフィン多孔質膜を構成す
るポリオレフィン素材としては、エチレン、プロピレン
、4−メチル−1−ペンテンおよび3−メチル−1−ブ
テンからなる群から選ばれる一種以上の単量体を主成分
とする重合体または共重合体あるいはこれらのフッ素化
合物を挙げることができる。
【0012】本発明の多孔質膜としては、中空糸膜、平
膜、管状膜等任意の形態のものを用いることができ、ま
た用途に応じて種々の細孔径のものを使用することがで
きる。好ましい例として膜厚がおよそ20〜200μm
程度、空孔率がおよそ20〜90%程度、細孔径が0.
01〜5μm程度のものを挙げることができる。
【0013】多孔質膜としては、溶融賦形後延伸する方
法、無機物等を混入し溶融賦形後、混入物を抽出する方
法を始めとして種々の方法によって得られる細孔構造の
ものを用いることができるが、その中でも空孔率が大き
く目詰りによる性能低下が少なく、混入物を含んでいな
い点から溶融賦形後延伸する方法(延伸法)によって得
られる多孔質膜が好ましい。
【0014】延伸法による多孔質膜とは、ミクロフィブ
リルと節部とによって形成されるスリット状の微小空間
(微細孔)が3次元的に相互に連通した細孔構造を有す
る多孔質膜であり、例えば特公昭56−52123号公
報、特開昭57−42919号公報等に記載された方法
によって製造することができる。
【0015】又、多孔質膜の形態としては単位容積当た
りの膜面積が大きい中空糸状のものが好ましい。
【0016】ここで多孔質膜の空孔率vとはρa を多
孔質膜の見掛け密度、ρ1 を多孔質膜の空孔を有さな
い基質の密度として下式で定義される値である。
【0017】v=(1−ρa /ρ1 )×100 (
%)本発明に用いるエチレン系共重合体は、エチレンを
20モル%以上、親水性モノマーを10モル%以上含む
共重合体であり、これら共重合体は、ランダム、ブロッ
ク、グラフト等いずれのタイプの共重合体であってもよ
い。
【0018】共重合体に占めるエチレン含量が20モル
%未満では、共重合体はポリオレフィンに対して親和性
が弱く、吸着性が概して不十分となり、浸漬処理後の脱
液処理等により、脱離する可能性があり好ましくない。
【0019】又、親水性モノマー含量が10モル%未満
では、親水性が十分に発現されない。親水性モノマーの
含量は好ましくは20モル%以上である。
【0020】本発明に使用する親水性モノマーとしては
、例えばビニルアルコール、(メタ)アクリル酸及びそ
の塩、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ビニル
ピロリドン、アクリルアミド等のビニル化合物を挙げる
ことができ、これら親水性モノマーが1種以上含まれて
いればよいが、特に好ましいモノマーとしてビニルアル
コールをあげることができる。又、本発明に用いるエチ
レン系共重合体は、エチレン及び親水性モノマー以外の
第三成分を一種以上含んでいてもよく、第三成分として
は例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、ビ
ニルアルコール脂肪酸エステル、ビニルアルコールのフ
ォルマール化物もしくはブチラール化物等を挙げること
ができる。
【0021】本発明において用いられる共重合体の溶剤
は水混和性有機溶剤であり、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
等を挙げることができる。これら溶剤は単独でも用いら
れるが、水との混合系の方が共重合体に対する溶解性が
強くて好ましい。又、溶剤の蒸気雰囲気の作り易さ、即
ち、蒸気圧の低さ、人体に対する低毒性の点から、沸点
100℃未満のアルコール類例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール等と水との混合系溶剤
を用いることが特に好ましい。
【0022】水混和性有機溶剤と水との混合割合は、ポ
リオレフィン多孔質膜への浸透性を阻害せず、共重合体
の溶解を阻害しない範囲であればよく、用いられる共重
合体の成分比率によってもその混合割合は異なるが、有
機溶剤としてエタノールを用いる場合を例にとると、エ
タノール/水の割合は、90/10〜50/50 (V
ol %)であることが好ましい。
【0023】共重合体溶液の濃度は、通常0.1〜10
重量%程度であり、好ましくは0.5〜5重量%程度で
ある。濃度が0.1%未満では、乾燥処理後の共重合体
の均一な付着が難しく、10重量%を超えると溶液粘度
が大きくなりすぎ、本発明の方法を用いても、ポリオレ
フィン多孔質膜の微細孔が共重合体で閉塞されてしまう
。共重合体溶液をポリオレフィン多孔質膜に浸漬する方
法としては、同じ濃度の共重合体溶液を用いて2回以上
行なってもよく、濃度の異なる溶液を用いて2回以上行
なってもよい。
【0024】又、より均一な浸漬を行うため、浸漬槽に
超音波を併用し、多孔質膜の空孔部の空気を除去しやす
くすることは好ましい方法である。
【0025】共重合体溶液の温度は、高温である程その
粘性は低下し、ポリオレフィン多孔質膜への溶液の浸透
性が向上し好ましいが、安全面から温度はその溶液の沸
点以下であることが好ましく、(沸点−5)℃以下であ
ることがより好ましい。
【0026】浸漬処理時間は、用いるポリオレフィン多
孔質膜の膜厚、微細孔径、空孔率により異なり、又、浸
漬浴の深さによっても異なるが、数秒〜数分が至適であ
る。
【0027】ポリオレフィン多孔質膜を共重合体溶液に
浸漬後、乾燥処理工程の前に、共重合体溶液の水混合性
有機溶剤の蒸気が3%以上含まれ、温度が室温から該溶
液の沸点以下の温度にある雰囲気下に立上げ少くとも3
0秒以上滞在させることが必要である。
【0028】この処理工程の目的は、多孔質膜表面に共
重合体の皮膜形成を防止しつつ、該溶液の濃縮及び脱液
を行うことにあり、その後の乾燥処理における共重合体
の多孔質膜表面、特に、微細孔部での皮膜形成をおこさ
せない程度まで溶液を蒸発させることにある。更に付随
的に共重合体のマイグレーションによる多孔質膜への均
一付着化が行なわれる。
【0029】本工程中での共重合体の皮膜形成を防ぐに
は、多孔質膜表面での急速な乾燥を防ぐ必要があり、そ
のためには、共重合体溶液の溶剤の蒸発速度を押さえか
つ、多孔質表面が共重合体の溶剤に濡れていることが必
要であり、この点から、該溶液の水混和性有機溶剤の蒸
気が3%以上の雰囲気下にすることが必要となり、これ
以下の蒸気濃度では急速な乾燥を防ぐことが困難となる
。又、溶剤の蒸発速度を極力遅くする方が、共重合体の
本工程における皮膜形成を防ぐことができるため、好ま
しくは溶剤の飽和蒸気濃度に近い方がよい。
【0030】又、共重合体の溶剤の蒸発を遅くするには
、温度を低温にする方がよいが、本工程で多孔質膜に付
着した共重合体溶液の蒸発を全く行なわせないで、次の
乾燥工程に移った場合は、浸漬後ただちに乾燥した場合
と同じことになり、共重合体の皮膜が形成されてしまう
【0031】従って、該雰囲気の温度は室温以上共重合
体溶液の沸点以下が好ましい。沸点を超えると多孔質膜
表面で、共重合体溶液が沸とうし、共重合体の析出がお
こり、多孔質膜への共重合体の付着が不均一となり場合
によっては、乾燥後、共重合体の多孔質膜からの脱落が
あり好ましくない。
【0032】浸漬後のポリオレフィン多孔質膜を該雰囲
気中に立ち上げるが、立ち上げの角度は45°〜90°
が好ましい。立ち上げることにより多孔質膜に付着した
共重合体溶液の一部が自重によって脱液される。脱液量
は、立ち上げる速度、溶液の粘度、立ち上げる高さ等に
より異なる。この時、脱液効果を高めるための補助手段
として、ガイド、スリット等により機械的に多孔質膜の
表面にある溶液の拭き取りを併用してもよい。
【0033】上記のように浸漬後のポリオレフィン多孔
質膜は、共重合体溶液を付着し、共重合体溶液の有機溶
剤の蒸気を3%以上含み、かつ室温から該溶液の沸点以
下の温度にある雰囲気中に立ち上げられ、ここで溶液の
蒸発が始まる。この雰囲気に滞在している時間は、少く
とも30秒が必要であり、この間に、溶液の蒸発に伴な
う共重合体溶液の濃縮と共重合体の膜厚及び長さ方向へ
のマイグレーションによる均一化が行なわれる。
【0034】滞在時間が少くとも30秒以上必要であり
、これ未満では、該雰囲気中での溶液の蒸発に伴なう濃
縮が不十分であって、過剰液が付着した状態で乾燥を行
うことになり、共重合体の皮膜が発現し、併せて、共重
合体のマイグレーションが不十分となり、共重合体の均
一付着化が不十分となる。
【0035】ちなみに、上記雰囲気に30秒間滞在させ
た時の該溶液の蒸発量は、浸漬後の共重合体溶液付着量
の15〜50%程度であることが好ましい。
【0036】蒸発量をコントロールする方法としては雰
囲気温度、雰囲気中に蒸発してくる溶液の蒸気をコンデ
ンスする方法、空気や不活性ガス等の気体を送風する方
法等をあげることができる。
【0037】次の乾燥処理は、真空乾燥、熱風乾燥等公
知の乾燥方法によればよく、温度はポリオレフィン多孔
質膜が熱によって変形を受けない温度であればよい。例
えば、ポリエチレン多孔質膜の場合には、120℃以下
の温度で乾燥するのが好ましく、40〜70℃の温度で
乾燥することが特に好ましい。
【0038】共重合体のポリオレフィン多孔質膜に対す
る付着量は、基質であるポリオレフィン多孔質膜の重量
に対して、濾過特性の点からおよそ1〜40重量%、好
ましくは5〜20重量%である。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お実施例中の各種測定、評価は下記の方法によった。
【0040】蒸発量は、浸漬処理後の付着量(W1 %
 owf)と該雰囲気滞在時間30秒後の付着量(W2
 % owf)とから{(W1 −W2 )/W1 }
×100 (%)として求めた。滞在時間が30秒未満
(t′)の時のW2 はその時間t′での値とした。
【0041】雰囲気中のエタノール濃度は、ガステック
検知管を用い、高濃度の場合は空気により稀釈して測定
した。
【0042】透水量は、有効膜面積70〜90cm2 
のミニモジュールを作成し、差圧1kg/cm2 でイ
オン交換水を全量濾過しその時の透水量を測定した。
【0043】透水量保持率は、透水量を測定したモジュ
ールを用い、差圧1kg/cm2 で名古屋市水を全量
濾過し、初期2分後の透水量(aml/min )と1
0リットル濾過後の透水量(bml/min )とから
(b/a)×100(%)として求めた。
【0044】実施例1 ポリエチレン多孔質中空糸膜(三菱レイヨン(株)製、
EHF270T,内径270μm,外径380μm,空
孔率72%)16本を合糸し、70℃に維持したエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含量44モル
%、日本合成化学工業(株)製ソアノールA)1.3重
量%溶液(溶剤エタノール/水=75/25 Vol%
)に20秒浸漬後、セラミックガイドにより該多孔質膜
表面に過剰に付着した共重合体溶液の一部を絞り落とし
たのち、60℃のエタノール蒸気濃度約40 Vol%
の雰囲気中に立ち上げ角度90℃で立ち上げ、80秒間
滞在させ、次いで55℃の熱風にて乾燥し、中空糸膜走
行速度15m/min で連続的に親水化処理された多
孔質中空糸膜を得た。
【0045】この時の雰囲気中での溶剤の蒸発量は22
%、共重合体の付着率は8.7%owf 、透水量は6
.5ml/min ・cm2・kg/cm2 、透水量
保持率は80%であった。
【0046】実施例2〜5及び比較例1実施例1におい
て多孔質中空糸膜を浸漬した後、立ち上げる雰囲気のエ
タノール蒸気濃度と温度を変更し、その他の条件は実施
例1と同様にして多孔質中空糸膜を処理した。エタノー
ル蒸気濃度及び温度と膜性能をまとめて表1に示した。
【0047】比較例1ではエタノール蒸気濃度が低すぎ
るため、該雰囲気中でその後の乾燥と同様の処理が行な
われたものと考えられ、走査型電子顕微鏡による該多孔
質膜の観察の結果、微細孔部に該共重合体の皮膜形成が
認められ、そのために透水量保持率が低い値を示してい
る。
【0048】
【0049】実施例6、7及び比較例2、3実施例1に
おいて雰囲気中における滞在時間を変更し、その他の条
件は実施例1と同様にして多孔質中空糸膜を得た。滞在
時間と膜性能をまとめて表2に示した。
【0050】実施例6及び7で得られた多孔質膜を走査
型電子顕微鏡にて観察したところ、微細孔部に該共重合
体の皮膜形成が顕著に認められた。
【0051】比較例2及び3では雰囲気中での滞在時間
が短かすぎるため透水量保持率は低かった。又、比較例
2では16本の中空糸膜が互に接着していた。
【0052】
【0053】実施例8 エチレン・ビニルアルコール共重合体の部分酢化反応に
より得たモル比30/40/24のエチレン、ビニルア
ルコール及び酢酸ビニル共重合体の1.15重量%溶液
(溶剤エタノール/水=70/30 Vol%)を70
℃に維持し、実施例1と同様の方法によりポリエチレン
多孔質中空糸膜を処理した。この時の処理速度は10m
/min であり、該雰囲気中のエタノール蒸気濃度は
約45 Vol%、溶剤の蒸発量は21%とした。共重
合体の付着率は6.9% owf、透水量は6.8ml
/min ・cm2 ・kg/cm2 、透水量保持率
は73%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法で得られる親水化多孔質膜
は、多孔質膜の微細孔部が親水化剤であるエチレン系共
重合体で閉塞されることが殆んどないため従来の親水化
法で得られる親水化膜と比較すると連続透水における透
水量の低下を著しく防ぐことができる。
【0055】又、本発明の方法によれば、その処理にお
いて、共重合体溶液の溶剤蒸気雰囲気で、多孔質膜に付
着した溶液の蒸発濃縮を行うことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  エチレンを20モル%以上、親水性モ
    ノマーを10モル%以上含むエチレン系共重合体を水混
    和性有機溶剤単独又は該溶剤と水との混合溶剤に溶解し
    た溶液中にポリオレフィン多孔質膜を浸漬した後、該水
    混和性有機溶剤の蒸気を3%以上含み、かつ、温度が室
    温から該溶液の沸点以下の範囲にある雰囲気中にポリオ
    レフィン多孔質膜を立ち上げ、該雰囲気中に少くとも3
    0秒以上滞在させたのち、乾燥することを特徴とするポ
    リオレフィン多孔質膜の親水化方法。
  2. 【請求項2】  親水性モノマーがビニルアルコールで
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】  水混和性有機溶剤が沸点100℃未満
    のアルコール類である請求項1又は2記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013147188A1 (ja) * 2012-03-29 2013-10-03 三菱レイヨン株式会社 多孔質中空糸膜の製造方法、及び製造装置

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