JPH04284206A - 医療用廃プラの熔解処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は使用済みの合成樹脂製注
射器や、合成樹脂製の薬品容器等医療機関で発生する合
成樹脂製廃棄物をきわめて効率良く処理する医療用廃プ
ラの熔解処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】医療機関からは規模にもよるが、毎日使
用済み合成樹脂製注射器や、合成樹脂製の薬品容器等の
廃棄物（以下単に廃プラと称する）が多量に発生する。 従来はこれら廃プラの処理を専門の処理業者に委託して
おり、当該受託業者はこれら廃プラを一般の産業廃棄物
と分別して焼却処理しているのが実情である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
は廃プラのほとんどが専門の処理業者による焼却処分に
よって処理されていた。ところが、廃プラは一般の廃棄
プラスチックと異なり血液や、諸種の薬品、溶液等が複
雑に混ざり合っており、単純な焼却処分では廃プラから
生ずる臭気ガスにより周囲の環境を害するという問題点
がある。また、医療機関から発生する廃プラの量に較べ
て専門の処理業者の処理能力が低く、回収までに時間が
掛かるため医療機関においてその間廃プラを管理してお
かなければならないという不具合があった。また、医療
機関独自にて処理する場合にも、当然ながら処理の過程
で臭気ガスが発生し、環境を害するという不具合がある
。

【０００４】そこで、本発明は従来の単純な焼却処理を
改め、熔解炉内で２００℃〜３００℃の熱風で廃プラを
熔解させると共に、この熔解過程で発生する臭気ガスを
脱臭炉に導き、当該脱臭炉内にて７００℃〜１０００℃
の高温にて臭気ガスを熱分解して無臭化し、しかも熱エ
ネルギーを脱臭炉と熔解炉の間を循環させ、きわめて効
率良く廃プラを処理し得るようになし、且つ熔解させた
廃プラを再利用できるようになした医療用廃プラの熔解
処理装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成を詳述すれば、請求項１に係る発明は、
外周部に排気熱風用の通路となるジャケットを付設して
なる廃プラの熔解炉と、この熔解炉のジャケットに連通
させた排気筒と、外周部に熱交換室となるジャケットを
付設してなる熱交換型の脱臭炉と、この脱臭炉内に高熱
を供給するバーナーと、前記脱臭炉内の排熱を熔解炉の
前記ジャケットに導く排気ガスダクトと、前記脱臭炉の
ジャケット内の高温に熱せられた熱風を前記熔解炉内に
導く循環ガスダクトと、前記熔解炉内で廃プラが熔解さ
れるときに発生する臭気ガスを脱臭炉及び脱臭炉のジャ
ケット内に導く臭気ガス吸引ダクトと、この臭気ガス吸
引ダクトの管路中に付設した誘引ファンとを具えたこと
を特徴とする医療用廃プラの熔解処理装置であり、また
請求項２に係る発明は、熔解炉内に電動機によって廻転
駆動する攪拌羽根を付設したことを特徴とする請求項１
記載の医療用廃プラの熔解処理装置である。さらに、請
求項３に係る発明は、熔解炉内に熱風の吹き出し孔を穿
設した環状の熱風吹き出しパイプを付設し、当該熱風吹
き出しパイプに循環ガスダクトの先端部を連結したこと
を特徴とする請求項１または請求項２記載の医療用廃プ
ラの熔解処理装置である。

【０００６】本発明装置によれば、熔解炉内に発生する
臭気ガスは、臭気ガス吸引ダクトを通じ脱臭炉内に導か
れ、当該脱臭炉内において８００℃前後の高温にて熱分
解により脱臭されるので、排気筒から大気に放出されて
も環境を害するおそれがないものである。また、脱臭炉
内の熱エネルギーは排気ガスダクトを通じて熔解炉の外
周部に付設してあるジャケットに導かれ、熔解炉の昇温
乃至保温に資すると共に、脱臭炉の外周部に付設してあ
るジャケット内の高温に熱せられた熱風が循環ガスダク
トを通じて熔解炉内に供給されるので、エネルギーのロ
スがほとんどなくきわめて効率良く熔解処理がなされる
ものである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明医療用廃プラ熔解処理装置の具
体的構成を図示の実施例に基づき詳細に説明する。図１
は本発明装置の一実施例を示す概略図である。

【０００８】図中１は一側部に廃プラの投入口２を設け
た熔解炉であり、３はこの熔解炉１の外周部に形成した
排気熱風用の通路となるジャケットである。熔解炉１の
底板部４には溶融した廃プラを下方に落下させるための
落下孔５を開口させてあり、当該落下孔５の真下には溶
融樹脂を受けるトレー６を用意してある。なお、ジャケ
ット３の上部における適当箇所には、当該ジャケット３
に連通するように大気開放型の排気筒７を付設してある
。８は前記熔解炉１の外部に設置した電動機９によって
廻転駆動する攪拌羽根を示し、熔解炉１内に投入された
廃プラに均等に熱エネルギーが伝えられるようにすると
共に、溶融した樹脂を落下孔５方向に導く作用をなす。

【０００９】次に、１０は熔解炉１内で廃プラが熔解す
るときに発生する臭気ガスを高温にて脱臭する熱交換型
の脱臭炉を示し、１１は当該脱臭炉１０の外周部に設け
たジャケットを示す。１２はこの脱臭炉１０内に熱エネ
ルギーを供給するバーナーであり、１３は脱臭炉１０内
に配設した赤熱脱臭筒である。なお、赤熱脱臭筒１３の
周面には処理済ガスを通すため多数の通孔１４を穿設し
てある。１５は前記脱臭炉１０内の排熱を熔解炉１の前
記ジャケット３内に導く排気ガスダクト、１６は脱臭炉
１０外周部のジャケット１１内の高温に熱せられた熱風
を前記熔解炉１内に導くための循環ガスダクト、１７は
熔解炉１内で廃プラが熔解するときに発生する臭気ガス
を脱臭炉１０および脱臭炉１０外周部のジャケット１１
内に導くための臭気ガス吸引ダクトをそれぞれ示す。な
お、臭気ガス吸引ダクト１７の管路途中には誘引ファン
１８を付設してあり、この誘引ファン１８の廻転駆動に
より熔解炉１内で発生する臭気ガスが脱臭炉１０および
ジャケット１１内に強制的に送出される。

【００１０】その他、図中の１９は脱臭炉１０外周部の
ジャケット１１内の熱エネルギーを循環ガスダクト１６
を通じて熔解炉１内に供給するにあたり、当該熔解炉１
内に満遍なく熱風が行き渡るようにするため、熔解炉１
内に配設した環状の熱風吹き出しパイプであり、循環ガ
スダクト１６の先端部が当該熱風吹き出しパイプ１９に
接続されている。また、２０は熔解炉１から脱臭炉１０
内に到る臭気ガス吸引ダクト１７の管路中に付設したガ
ス量調節ダンパー、２１は熔解炉１から脱臭炉１０外周
部のジャケット１１内に到る臭気ガス吸引ダクト１７の
管路中に付設したガス量調節ダンパーである。２２は熔
解炉１における廃プラの投入口２に密に被着させる扉体
、２３は攪拌羽根８を廻転させる廻転軸である。

【００１１】次に、本発明装置の作用につき説明すれば
、先ず、扉体２２を開けて投入口２より熔解処理対象の
廃プラを熔解炉１内に投入し、扉体２２を閉じる。次い
で、バーナー１２を点火して赤熱脱臭筒１３を通じ脱臭
炉１０内に高熱エネルギーを供給すると共に、誘引ファ
ン１８を廻転駆動させる。すると、脱臭炉１０内の熱風
は排気ガスダクト１５を通じ、熔解炉１外周部のジャケ
ット３内に入り、熔解炉１内の温度を上昇させる。これ
と同時に、脱臭炉１０外周部のジャケット１１内の高温
に熱せられた熱風が循環ガスダクト１６を通じて熔解炉
１内に配設してある熱風吹き出しパイプ１９より熔解炉
１内に供給される。熔解炉１内はこの熱風吹き出しパイ
プ１９から吹き出す熱風と、ジャケット３内を通る脱臭
炉１０内の排気熱風とによって廃プラを熔解するのに適
当な２００℃〜３００℃が保持される。そして、時間の
経過に伴い廃プラは熔解され、攪拌羽根８によって案内
されながら落下孔５を通じ、下方のトレー６内に落下し
て大気によって冷却され塊状となって硬化する。

【００１２】一方、廃プラの溶融に伴い発生する臭気ガ
スは、誘引ファン１８によって誘引され、臭気ガス吸引
ダクト１７を通って脱臭炉１０内に配設してある赤熱脱
臭筒１３内に導かれると共に、臭気ガスの一部はジャケ
ット１１に通じる臭気ガス吸引ダクト１７を通って脱臭
炉１０外周部のジャケット１１内に入る。そして、赤熱
脱臭筒１３内に入った臭気ガスは、バーナー１２から供
給される７００℃〜１０００℃の高熱エネルギーによっ
て熱分解され、脱臭される。脱臭された処理済ガスは赤
熱脱臭筒１３に穿設してある通孔１４を通って脱臭炉１
０から前記排気ガスダクト１５より排気熱風用の通路で
あるジャケット３内に入り、上部の排気筒７より無臭の
処理済気体となって大気中に放散される。また、ジャケ
ット１１内に入った一部の臭気ガスは循環ガスダクト１
６を通じ再度熔解炉１内に送られ、前記と同様にして循
環し、その過程で徐々に臭気ガス濃度が低下していくも
のである。なお、理解のため臭気ガスの流れを図中実線
の矢印で示し、処理済ガス乃至燃焼排ガスの流れを図中
点線の矢印で示す。このように、本発明装置によった場
合は臭気ガスが未処理のままで排気筒よりブローされる
ことがなく、臭気ガスは臭気ガス吸引ダクト１７、ジャ
ケット１１及び循環ガスダクト１６がなす循環ラインを
通じて繰り返し循環し、その過程で脱臭炉１内において
脱臭処理されていくものである。

【００１３】

【発明の効果】このように、本発明装置によった場合は
、きわめて効率良く、しかも熱損失がほとんどなくして
廃プラを熔解処理することができ、脱臭にあたって何ら
のフィルターも用いないので、経済的にも甚だ有利であ
る。また、臭気ガスは循環ガスダクト及び臭気ガス吸引
ダクトを通じて熔解炉と脱臭炉外周部のジャケットを循
環する構造となっているので、未処理の臭気ガスが大気
中に放出されることがなく、環境を害するといった問題
点を解消することができるものであると共に、注射針の
ような危険物は熔解した廃プラの塊中に埋没状態となる
ので安全であり、得られる溶融硬化した廃プラのインゴ
ットは粉砕処理して再生材料とすることもできるもので
ある。また、熱源をガス又は重油バーナーとすれば、大
電力を要することなく医療機関の運営に支障を来すおそ
れもなく、各医療機関単位にての廃プラ処理が可能とな
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明医療用廃プラの熔解処理装置の一実施例
を示す概略図である。

【符号の説明】

１：熔解炉　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２：投入口３：ジャケット　　　　　　　　　　　　　
　　　４：底板部５：落下孔　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　６：トレー７：排気筒　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　８：攪拌羽根９：電動機　
　　　　　　　　　　　　　　　　　１０：脱臭炉１１
：ジャケット　　　　　　　　　　　　　　１２：バー
ナー１３：赤熱脱臭筒　　　　　　　　　　　　　　１
４：通孔１５：排気ガスダクト　　　　　　　　　　１
６：循環ガスダクト１７：臭気ガス吸引ダクト　　　　
　　１８：誘引ファン１９：熱風吹き出しパイプ　　　
　　　２０：ガス量調節ダンパー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　外周部に排気熱風用の通路となるジャ
   ケットを付設してなる廃プラの熔解炉と、この熔解炉の
   ジャケットに連通させた排気筒と、外周部に熱交換室と
   なるジャケットを付設してなる熱交換型の脱臭炉と、こ
   の脱臭炉内に高熱を供給するバーナーと、前記脱臭炉内
   の排熱を熔解炉の前記ジャケットに導く排気ガスダクト
   と、前記脱臭炉のジャケット内の高温に熱せられた熱風
   を前記熔解炉内に導く循環ガスダクトと、前記熔解炉内
   で廃プラが熔解されるときに発生する臭気ガスを脱臭炉
   及び脱臭炉のジャケット内に導く臭気ガス吸引ダクトと
   、この臭気ガス吸引ダクトの管路中に付設した誘引ファ
   ンとを具えたことを特徴とする医療用廃プラの熔解処理
   装置。
2. 【請求項２】　　熔解炉内に電動機によって廻転駆動す
   る攪拌羽根を付設したことを特徴とする請求項１記載の
   医療用廃プラの熔解処理装置。
3. 【請求項３】　　熔解炉内に熱風の吹き出し孔を穿設し
   た環状の熱風吹き出しパイプを付設し、当該熱風吹き出
   しパイプに循環ガスダクトの先端部を連結したことを特
   徴とする請求項１または請求項２記載の医療用廃プラの
   熔解処理装置。