JP3689792B2 - 汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置 - Google Patents

汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置 Download PDF

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Description

【発明の目的】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は燃焼炉内に被処理物及び燃焼空気を供給し、燃焼炉内の被処理物を攪拌しながら燃焼することにより前記被処理物を炭化または焼却する処理方法並びに処理装置に関するものであって、特に単一の燃焼炉を用い炭化と焼却の両方の処理を行えるようにした汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
近年の産業廃棄物の増加は実に著しく、これに伴って産業廃棄物を廃棄する埋立処分場も不足しつつあり、あるいは海洋汚染等の影響で海洋投棄も困難になりつつある。そこでこのような環境問題を踏まえた産業廃棄物を自社内処分する必要性も叫ばれており、産業廃棄物の減量化、あるいは再利用化を図る必要性が指摘されている。しかしながら従来、そのまま投棄していた産業廃棄物、例えば汚泥、食品工場より排出されるコーヒー粕、その他の廃棄物等、あるいは余剰のコンポスト(堆肥)等については焼却することにより減量化を図ることが可能である。一方、資源のリサイクルの観点から、炭化することにより土壌改良剤として、あるいは燃料等として利用できれば、更なる資源の有効利用に繋がる。従って産業廃棄物の利用率を高めるために、近時、炭化の研究も進められている。
【0003】
しかしながら炭化を行うにあたっても以下のような問題点があり、これを直ちに実施するには多大の困難を伴う。すなわち炭化を行うためには低酸素状態で材料に熱を加えることにより、材料中より熱分解ガスを気化させる必要があるが、その際の未燃ガス(熱分解ガス)は二次燃焼炉により燃焼させる必要があり、炭化炉のほかに燃焼炉が必要となる。またこれらの接続用のダクト等も必要になるため装置コストが高くなり、また二次燃焼用の補助燃料も別途必要になってくる。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】
本発明はこのような背景の認識の上に立って発案されたものであって、焼却と炭化との違いがこれに使用する燃焼空気の供給量に関係すること及び攪拌焼却炉の構造が上記炭化炉と燃焼炉とを兼ね具えた構造であることに着眼し、攪拌焼却炉に炭化機能を付与することにより、上記問題点の解決を図った新規な汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置の開発を試みたものである。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】
すなわち請求項1記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、燃焼炉内に被処理物及び燃焼空気を供給するとともに、燃焼炉内の被処理物を攪拌しながら燃焼することにより前記被処理物を炭化または焼却する処理方法において、前記処理方法は単一の燃焼炉を用い、この燃焼炉内に、前記被処理物を攪拌するための攪拌棒を構成する炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とを設け、これら炭化用攪拌棒に接続された炭化用経路または焼却用攪拌棒に接続された焼却用経路のいずれか一方または双方の経路から被処理物の攪拌個所に対して燃焼空気を供給するものであり、前記燃焼空気の供給量を調節することにより炭化と焼却の両方の処理を行うようにしたことを特徴として成るものである。
【0006】
また請求項2記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、前記要件に加え、前記燃焼空気の供給量の調節は燃焼炉の外部に設けられる切替ダンパにより行うようにしたことを特徴として成るものである。
【0007】
更にまた請求項3記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、前記要件に加え、前記被処理物を炭化するにあたっては、燃焼炉内の雰囲気を低酸素状態とし、この低酸素状態の雰囲気下において被処理物から発生する熱分解ガスを燃焼させ、これにより生ずる放射伝熱により被処理物を炭化させるようにしたことを特徴として成るものである。
【0008】
更にまた請求項4記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、燃焼炉と、この燃焼炉内に設けられ、内部に燃焼空気の供給経路が形成されて成る攪拌アームと、この攪拌アームを回転駆動する駆動機構とを具えて成る汚泥等の炭化または焼却用の処理装置において、前記処理装置は、燃焼炉を一基のみ有するとともに、前記燃焼空気の供給経路は炭化用経路と、焼却用経路とにより構成されていることを特徴として成る。
【0009】
更にまた請求項5記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、前記請求項4記載の要件に加え、前記燃焼炉の外部には、前記燃焼空気の供給経路への燃焼空気の供給停止を切り替える切替ダンパが設けられていることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項6記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、前記請求項4または5記載の要件に加え、前記攪拌アームには炭化用攪拌棒と、焼却用攪拌棒とが設けられ、これら炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とのそれぞれには前記炭化用経路と、焼却用経路とがそれぞれ接続され、なお且つ前記炭化用攪拌棒及び焼却用攪拌棒の周面並びに攪拌アームの上部周面には燃焼空気供給口が形成されていることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記目的を達成しようとするものである。
【0011】
【発明の作用】
すなわち請求項1記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、単一の燃焼炉を用い、この燃焼炉内に、前記被処理物を攪拌するための攪拌棒を構成する炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とを設け、これら炭化用攪拌棒に接続された炭化用経路または焼却用攪拌棒に接続された焼却用経路のいずれか一方または双方の経路から被処理物の攪拌個所に対して燃焼空気を供給するものであり、前記燃焼空気の供給量を調節することにより炭化と焼却の両方の処理を行うように構成している。これにより単一の燃焼炉により被処理物の炭化と焼却の両方の処理を行うことが可能となり、装置の有効利用が図れ、部品点数の減少、装置コストの削減に寄与し得る。
【0012】
また請求項2記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、前記燃焼空気の供給量の調節を燃焼炉の外部に設けられる切替ダンパにより行うという構成をとる。これにより炭化と焼却の両方の処理を燃焼炉の外部において容易に切り替えることが可能となる。
【0013】
更に請求項3記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、被処理物を炭化するにあたり、燃焼炉内の雰囲気を低酸素状態とし、この低酸素状態の雰囲気下において被処理物が発生する熱分解ガスを燃焼させ、これにより生ずる放射伝熱により被処理物を炭化させるという構成をとる。これにより被処理物から発生する熱分解ガスの有効利用が図れ、燃焼炉内に大量の熱分解ガスが充満することもなく、燃焼炉内をクリーンに保つことが可能となる。
【0014】
更にまた請求項4記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、燃焼炉を一基のみ有し、燃焼空気の供給経路を炭化用経路と、焼却用経路とにより構成している。これにより装置の有効利用が図れ、部品点数の減少、装置コストの削減に寄与し得るほか、燃焼空気の供給量の調節が可能になって、炭化と焼却の両方の処理を行うことが可能となる。
【0015】
更にまた請求項5記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、燃焼炉の外部に前記燃焼空気の供給経路への燃焼空気の供給停止を切り替える切替ダンパを設けるという構成をとる。これにより切替ダンパを開放状態とすれば、前記炭化用経路及び焼却用経路の両方に充分な燃焼空気を供給することが可能となり、被処理物の焼却に供するほか、切替ダンパを閉塞状態とすれば、炭化用経路のみに燃焼空気が供給されるようになり、燃焼炉内を燃焼空気の少ない状態、すなわち低酸素状態の雰囲気下に設定することが可能となり、被処理物の炭化処理に供することができる。
【0016】
更にまた請求項6記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、攪拌アームに対し、炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とを設け、これらのそれぞれに炭化用経路と焼却用経路とを接続し、なお且つ前記炭化用攪拌棒及び焼却用攪拌棒の周面並びに攪拌アームの上部周面に燃焼空気供給口を形成するという構成をとる。これにより被処理物は炭化用攪拌棒及び焼却用攪拌棒の周面に形成される燃焼空気供給口から供給される燃焼空気により燃焼されるほか、被処理物から発生する熱分解ガスは攪拌アームの上部周面に形成される燃焼空気供給口から供給される燃焼空気により燃焼される。
【0017】
【実施例】
以下図面に基づいて本発明の汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置について具体的に説明する。なお以下の説明にあたっては、まず本発明の適用対象物である汚泥等の被処理物について簡単に説明し、次いで本発明の汚泥等の炭化・焼却処理装置の具体的構成について説明した後、このような汚泥等の炭化・焼却処理装置の作動状態と併せ、本発明の汚泥等の炭化・焼却処理方法について言及する。
【0018】
本発明の適用対象物である被処理物Hとしては、し尿汚泥、下水汚泥、産業廃水処理汚泥をはじめとする各種汚泥、食品工場より排出されるコーヒー粕、製紙工場より排出されるパルプ粕等、各種産業生産工程排出粕、その他、ビール粕、コンポスト(堆肥)等、種々の廃棄物が対象となる。
【0019】
そしてこのような被処理物Hを炭化または焼却する本発明の汚泥等の炭化・焼却処理装置1は、図1、2に示すように燃焼炉2と、この燃焼炉2内に設けられ、内部に燃焼空気の供給経路18が形成されて成る攪拌アーム15と、この攪拌アーム15を回転駆動する駆動機構5とを具えることにより基本的に構成される。このうち燃焼炉2は一例として上部を幾分、先窄まり状に縮径した円形横断面形状の筒状の容器部材であって、優れた耐火性を満足するに充分な材料、肉厚により形成されている。
【0020】
そしてこのような燃焼炉2における炉床3の中央には、回転軸4が設けられ、この回転軸4の上方に前記攪拌アーム15が、そして下方に前記駆動機構5が設けられる。図1、2に示す実施例にあっては、炉床3には前記回転軸4の近傍から炭化物Tまたは焼却灰Sの排出機構6が下方に向かって設けられる。
【0021】
このほか、図1、2に示す実施例にあっては、燃焼炉2における上部小径部2Sに焼却時に発生する排気ガスG0 を外部に排出する排気口7と、炭化時に発生する熱分解ガスGを燃焼させる二次助燃バーナ7aとが設けられ、燃焼炉2における下部大径部2Lには、被処理物Hの燃焼を助ける一次助燃バーナ8aと、燃焼炉2内への被処理物Hの供給口となる被処理物供給口8が設けられている。なおこの被処理物供給口8には、被処理物供給装置9が設けられるものであって、供給ホッパ10に供給された被処理物Hをスクリューコンベヤ11により、前記被処理物供給口8を介して燃焼炉2内に供給するという構成になっている。
【0022】
次に攪拌アーム15について説明する。攪拌アーム15は燃焼炉2内の被処理物Hを攪拌するとともに、攪拌しながら被処理物H中に燃焼空気Aを供給する働きをするものである。そして図1に示す実施例にあっては、一例として前記回転軸を中心として放射状に四本の円環状の攪拌アーム15を設け、各々の攪拌アーム15には、それぞれ複数本ずつ下方に向けて攪拌棒17を接続することにより構成されている。因みに攪拌棒17は被処理物供給口8から投入された被処理物Hを炉中心部の開口部30に移送する機能を有するので、炭化・焼却の連続処理を可能としている。また攪拌アーム15の内部には燃焼空気の供給経路18が形成されており、この燃焼空気の供給経路18は更に前記回転軸4及び後述する駆動機構5の内部に形成される連絡経路と連通されている。
【0023】
また本発明にあっては、その特徴的構成として前記攪拌棒17を炭化用攪拌棒17Tと、焼却用攪拌棒17Sとにより構成し、これら炭化用攪拌棒17Tと、焼却用攪拌棒17Sとのそれぞれには、前記燃焼空気の供給経路18を構成する炭化用経路18Tと焼却用経路18Sとがそれぞれ接続されるという構成になっている。更にこれら炭化用攪拌棒17T及び焼却用攪拌棒17Sの周面並びに攪拌アーム15の上部周面には燃焼空気供給口16が形成されている。
【0024】
なお図1〜4に示す実施例にあっては、前記炭化用攪拌棒17Tを焼却用攪拌棒17Sに対し同軸状に内嵌するという構成をとったが、例えば図5(a)に示すように並列的に設けたり、図5(b)に示すように攪拌アーム15の上下の周面にそれぞれ炭化用攪拌棒17Tと焼却用攪拌棒17Sとを振り分けて設けるようにすることも可能である。また前記燃焼空気供給口16の形状も図1、3に示すように円形の小孔を多数設けることにより形成するほか、図示は省略するが長穴状、長円状、角穴状に形成したり、更にこれらを長手方向に延ばしてスリット状とする等、種々の改変が可能である。
【0025】
次にこのような攪拌アーム15を回転駆動する駆動源であると同時に、前記攪拌アーム15内の燃焼空気の供給経路18内に燃焼空気Aを供給する供給源でもある駆動機構5について説明する。すなわち前記回転軸4の下方には従動スプロケット20が設けられていて、この従動スプロケット20に電動機21の出力軸に設けられる駆動スプロケット22による回転がチェーン23を介して伝達されることにより駆動系が形成され、更に前記回転軸4内に燃焼空気Aを供給する送風ブロワ19及び両者の連通を図る連通ダクト24a、24bとにより燃焼空気Aの供給系が形成され、これら駆動系と燃焼空気Aの供給系とによって駆動機構5は基本的に構成されている。
【0026】
なお本実施例にあっては、更にその特徴的構成として燃焼炉2の一例として外部に燃焼空気Aの供給量の調節を行う切替ダンパ25a、25bを設けるという構成をとっている。そして図1〜3に示す実施例にあっては、このうち切替ダンパ25bを前記焼却用経路18Sに連通する連絡経路途中に設け、この切替ダンパ25bにより前記焼却用経路18Sへの燃焼空気Aの供給・停止を切り替えるという構成となっている。また炭化空気・燃焼空気の供給量は被処理物Hの性状に応じて切替ダンパ25a、25bの開度を調整することによってなされる。
【0027】
一方、図5(b)に示す実施例の場合には、前記図1〜3に示す実施例における切替ダンパ25a、25bが焼却用経路18Sを開放、閉塞することにより燃焼炉2内に供給する燃焼空気Aの供給量の調節を図っているのと相違し、送風ブロワ19により送られてきた燃焼空気Aを炭化用経路18Tと焼却用経路18Sとに攪拌アーム15を反転させることによって、炭化用経路18T、あるいは焼却用経路18Sのどちらか一方に供給するものである。燃焼空気Aの供給量は炭化用攪拌棒17Tまたは焼却用攪拌棒17Sの周面に設けられる燃焼空気供給口16の全開口面積あるいはその数により調節している。
【0028】
また排出機構6は、図1〜3に示すように炉床3における回転軸4の近傍にその開口部30を形成し、そこから斜め下方に排出シュート29が延び、その他端側に排出コンベヤ31が接続される。この排出コンベヤ31は、モータMの駆動により、スクリュー32を回転させ、これにより炭化物Tまた焼却灰Sを移送するものである。
【0029】
次にこのようにして構成される本発明の汚泥等の炭化・焼却処理装置1の作動状態と併せ、本発明の汚泥等の炭化・焼却処理方法について説明する。まず駆動機構5を起動し、回転軸4を回転させて攪拌アーム15による攪拌作用を開始させる。またこれと同時に送風ブロワ19を作動させて燃焼空気の供給経路18内に燃焼空気Aを供給する。そして一次助燃バーナ8aを着火し、炉内温度を上昇させた後、供給ホッパ10のスクリューコンベヤ11を作動させて燃焼炉2内に被処理物Hを供給する。
以下炭化処理の場合と焼却処理の場合とに分けて説明する。
【0030】
(i)炭化処理の場合
この場合には切替ダンパ25bを閉塞状態とし、焼却用経路18Sの燃焼空気Aの供給を停止させる。また図5(b)の場合は、炭化用攪拌棒17Tを下向きになるよう調整する。これにより燃焼空気Aは炭化用経路18Tにのみ供給され、炭化用攪拌棒17Tの周面及び攪拌アーム15の上部周面に形成される燃焼空気供給口16からのみ供給される。これは炭化処理の場合には被処理物Hの層では酸素の少ない状態を作り出すことが必要であり、一方、被処理物Hから揮発し、燃焼炉2内を上昇する熱分解ガスGにあっては、燃焼炉2内上部において燃焼させることにより炭化に必要な熱量を放射伝熱として利用する必要があるためである。
【0031】
そして被処理物Hから発生する熱分解ガスGを燃焼させるに際し、必要に応じて二次助燃バーナ7aを使用し、熱分解ガスGを燃焼させる。これにより放射伝熱が生じ、この放射伝熱により被処理物Hを炭化する。これにより製造された炭化物Tは開口部30により排出機構6から取り出され、更に排出コンベヤ31を経て外部に取り出される。
【0032】
(ii) 焼却処理の場合
この場合には、被処理物Hを完全燃焼させるために効率良く燃焼空気Aを供給する必要がある。従って切替ダンパ25a、25bは開放状態とし、焼却用経路18S及び炭化用経路18Tの両方に燃焼空気Aを供給する。また図5(b)の場合は、燃焼用攪拌棒18Sを下向きに調整する。なお焼却の際には被処理物Hに対して必要な酸素を効率良く供給することが必要であり、通常は理論上必要な酸素量(空気量)より過剰な燃焼空気Aを供給する。この供給空気量と必要空気量の比(空気比)が1に近ければ理想的な燃焼炉2と言えるが、通常、流動焼却炉で空気比m=1.3程度、円形焼却炉ではm=2.0程度である。因みに炭化の際には、単に空気比を下げるだけでは熱分解ガスGを燃焼させることができないため未燃ガスが大量に発生し、運転上も危険が生じる。そこで上部小径部2Sにおいてガス燃焼を行うことにより対処しているのである。
【0033】
そして被処理物Hは、攪拌アーム15によって炉床3上で満遍なく掻き均されるため常に表面が更新され、可燃性ガスが炉床3上で平均して発生し、上部小径部2S内で完全燃焼し、排気ガスG0 は排気口7から外部に排気される。
【0034】
これらガスを放出した後の炭化を主体とした固形物は、赤熱灰と攪拌混合しながら燃焼空気Aと接触し、いわゆる燠燃焼して徐々に炉中心部へ移動する。炉中心部の近傍から延びる排出シュート29における開口部30付近では、焼却を完了した焼却灰Sが攪拌棒17の燃焼空気供給口16から吹き出した燃焼空気Aにより冷却され、前記炭化物Tと同様に開口部30より排出機構6から取り出され、更に排出コンベヤ31を経て外部に取り出される。
【0035】
次に炭化処理を例にとった二種の具体的実施例について説明する。
〈実施例1〉
すなわち炉床面積1m2 の装置においてコンポストを炭化した例である。本発明によらない場合は、排気ガスG0 中の一酸化炭素量が数千〜1万ppm程度発生し、従ってその他の未燃ガスも大量に発生していたと予想されるが、本発明による攪拌アーム15を具えた汚泥等の炭化・焼却処理装置1においては、一酸化炭素濃度は数十ppm程度となり、燃焼炉2内の観察によれば被処理物Hの層の上部でガス化燃焼している様子が観察される。燃焼炉2内の被処理物Hの滞留時間、及び空気比を1.2〜1.5程度の範囲で調整することにより、炭化を行うことができる。炭化物Tの熱灼減量の調整も可能であり、13%程度では一部灰色がかった黒色の炭化物Tとなり、22%程度では全く黒色の炭化物Tができる。因みに密閉容器内に被処理物Hを封入し、外部より加熱を行って炭化した場合の炭化物Tの熱灼減量は21〜22%であり、全く同等の製品ができている。また煤塵量が四分の一以下となり、その他、排気ガスG0 の測定結果はすべて規制値以下であり、臭気についても同様であった。
【0036】
〈実施例2〉
これは籾殻を炭化した例である。空気比を1.1程度とし、滞留時間はコンポストに比べて長く必要であるが、同様に炭化物Tを作ることが可能である。炉内温度(炉頂部で測定)を700℃以上とすると、被処理物Hが固まる傾向が見られるが、供給量を調整し、炉内発熱量を調節することにより良好に運転することができる。一酸化炭素濃度は60ppm程度であり、燃焼炉2内で揮発したガスの燃焼する様子がよく観察され、非常に安定した運転が可能であった。また始動時に昇温のために少量の燃料を必要とする以外は全くの無燃料での運転が可能であり、被処理物Hから気化した熱分解ガスGが被処理物Hの上部で燃焼する発熱で必要熱量をまかなうことができた。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上述べたような構成を有するものであって、このような構成を有することによって以下のような効果が発揮される。
すなわち請求項1記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、単一の燃焼炉2を用い、この燃焼炉2内に、前記被処理物Hを攪拌するための攪拌棒17を構成する炭化用攪拌棒17Tと焼却用攪拌棒17Sとを設け、これら炭化用攪拌棒17Tに接続された炭化用経路18Tまたは焼却用攪拌棒17Sに接続された焼却用経路1Sのいずれか一方または双方の経路から被処理物の攪拌個所に対して燃焼空気を供給するものであり、前記燃焼空気Aの供給量を調節することにより炭化と焼却の両方の処理を行うように構成している。これにより単一の燃焼炉2により被処理物Hの炭化と焼却の両方の処理を行うことが可能となり、装置の有効利用が図れ、部品点数の減少、装置コストの削減に寄与し得る。
【0038】
また請求項2記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、前記燃焼空気Aの供給量の調節を燃焼炉2の外部に設けられる切替ダンパ25a、25bにより行うという構成をとる。これにより炭化と焼却の両方の処理を燃焼炉2の外部において容易に切り替えることが可能となる。
【0039】
更に請求項3記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法は、被処理物Hを炭化するにあたり、燃焼炉2内の雰囲気を低酸素状態とし、この低酸素状態の雰囲気下において被処理物Hが発生する熱分解ガスGを燃焼させ、これにより生ずる放射伝熱により被処理物Hを炭化させるという構成をとる。これにより被処理物Hから発生する熱分解ガスGの有効利用が図れ、燃焼炉2内に大量の熱分解ガスGが充満することもなく、燃焼炉2内をクリーンに保つことが可能となる。
【0040】
更にまた請求項4記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、燃焼炉2を一基のみ有し、燃焼空気の供給経路18を炭化用経路18Tと、焼却用経路18Sとにより構成している。これにより装置の有効利用が図れ、部品点数の減少、装置コストの削減に寄与し得るほか、燃焼空気Aの供給量の調節が可能になって、炭化と焼却の両方の処理を行うことが可能となる。
【0041】
更にまた請求項5記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、燃焼炉2の外部に前記燃焼空気の供給経路18への燃焼空気Aの供給停止を切り替える切替ダンパ25a、25bを設けるという構成をとる。これにより切替ダンパ25a、25bを開放状態とすれば、前記炭化用経路18T及び焼却用経路18Sの両方に充分な燃焼空気Aを供給することが可能となり、被処理物Hの焼却に供するほか、切替ダンパ25bを閉塞状態とすれば、炭化用経路18Tのみに燃焼空気Aが供給されるようになり、燃焼炉2内を燃焼空気Aの少ない状態、すなわち低酸素状態の雰囲気下に設定することが可能となり、被処理物Hの炭化処理に供することができる。
【0042】
更にまた請求項6記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置は、攪拌アーム15に対し、炭化用攪拌棒17Tと焼却用攪拌棒17Sとを設け、これらのそれぞれに炭化用経路18Tと焼却用経路18Sとを接続し、なお且つ前記炭化用攪拌棒17T及び焼却用攪拌棒17Sの周面並びに攪拌アーム15の上部周面に燃焼空気供給口16を形成するという構成をとる。これにより被処理物Hは炭化用攪拌棒17T及び焼却用攪拌棒17Sの周面に形成される燃焼空気供給口16から供給される燃焼空気Aにより燃焼されるほか、被処理物Hから発生する熱分解ガスGは攪拌アーム15の上部周面に形成される燃焼空気供給口16から供給される燃焼空気Aにより燃焼される。
そしてこのような各請求項記載の構成によりもたらされる効果が相乗的に作用することによって、炭化処理と燃焼処理との両方を単一の燃焼炉2により行うことが可能であり、比較的安価で燃料費も極めて少なくて済む汚泥等の炭化・焼却処理方法並びにその装置の提供が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の汚泥等の炭化・焼却処理装置を一部破断して示す斜視図である。
【図2】 同上縦断側面図である。
【図3】 同上攪拌アーム及び駆動機構周辺を拡大して示す縦断側面図である。
【図4】 攪拌棒の構造を拡大して示す縦断側面図である。
【図5】 同上攪拌棒の他の二種の配設態様を示す縦断側面図並びに横断面図である。
【符号の説明】
1 汚泥等の炭化・焼却処理装置
2 燃焼炉
2S 上部小径部
2L 下部大径部
3 炉床
4 回転軸
5 駆動機構
6 排出機構
7 排気口
7a 二次助燃バーナ
8 被処理物供給口
8a 一次助燃バーナ
9 被処理物供給装置
10 供給ホッパ
11 スクリューコンベヤ
15 攪拌アーム
16 燃焼空気供給口
17 攪拌棒
17T 炭化用攪拌棒
17S 焼却用攪拌棒
18 燃焼空気の供給経路
18T 炭化用経路
18S 焼却用経路
19 送風ブロワ
20 従動スプロケット
21 電動機
22 駆動スプロケット
23 チェーン
24a 連通ダクト
24b 連通ダクト
25a 切替ダンパ
25b 切替ダンパ
29 排出シュート
30 開口部
31 排出コンベヤ
32 スクリュー
A 燃焼空気
G 熱分解ガス
0 排気ガス
H 被処理物
M モータ
S 焼却灰
T 炭化物

Claims (6)

  1. 燃焼炉内に被処理物及び燃焼空気を供給するとともに、燃焼炉内の被処理物を攪拌しながら燃焼することにより前記被処理物を炭化または焼却する処理方法において、前記処理方法は単一の燃焼炉を用い、この燃焼炉内に、前記被処理物を攪拌するための攪拌棒を構成する炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とを設け、これら炭化用攪拌棒に接続された炭化用経路または焼却用攪拌棒に接続された焼却用経路のいずれか一方または双方の経路から被処理物の攪拌個所に対して燃焼空気を供給するものであり、前記燃焼空気の供給量を調節することにより炭化と焼却の両方の処理を行うようにしたことを特徴とする汚泥等の炭化・焼却処理方法。
  2. 前記燃焼空気の供給量の調節は燃焼炉の外部に設けられる切替ダンパにより行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法。
  3. 前記被処理物を炭化するにあたっては、燃焼炉内の雰囲気を低酸素状態とし、この低酸素状態の雰囲気下において被処理物から発生する熱分解ガスを燃焼させ、これにより生ずる放射伝熱により被処理物を炭化させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の汚泥等の炭化・焼却処理方法。
  4. 燃焼炉と、この燃焼炉内に設けられ、内部に燃焼空気の供給経路が形成されて成る攪拌アームと、この攪拌アームを回転駆動する駆動機構とを具えて成る汚泥等の炭化または焼却用の処理装置において、前記処理装置は、燃焼炉を一基のみ有するとともに、前記燃焼空気の供給経路は炭化用経路と、焼却用経路とにより構成されていることを特徴とする汚泥等の炭化・焼却処理装置。
  5. 前記燃焼炉の外部には、前記燃焼空気の供給経路への燃焼空気の供給停止を切り替える切替ダンパが設けられていることを特徴とする請求項4記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置。
  6. 前記攪拌アームには炭化用攪拌棒と、焼却用攪拌棒とが設けられ、これら炭化用攪拌棒と焼却用攪拌棒とのそれぞれには前記炭化用経路と、焼却用経路とがそれぞれ接続され、なお且つ前記炭化用攪拌棒及び焼却用攪拌棒の周面並びに攪拌アームの上部周面には燃焼空気供給口が形成されていることを特徴とする請求項4または5記載の汚泥等の炭化・焼却処理装置。
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