JPH0427750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、連続移送される車両にシートを搭載
する装置に関するものである。

（従来技術） 従来、車両に外装品及び内装品を組付ける車両
組立ラインにおいて、それらの作業は、コンベア
で移送中の車両に手作業として行なわれるのが一
般的である。そして組付けられる外装品及び内装
品を車両に供給する位置は、車両を搬送するコン
ベアの側方に設けられ、この供給位置とコンベア
との間を作業者が保持して車両に組付けている。

しかしながら、内装品の中で最も重量のあるシ
ートを車両に組付ける工程においては、シート供
給位置と搬送される車両との間で作業者が重いシ
ート保持しなければならないとともに、移動中の
車両の狭いキヤビン内にシートを搭載しなければ
ならないといつた作業上好ましくないものであ
り、作業改善の要望が強かつた。

（考案の目的） 上述する問題点を解決するため、本考案は内装
品の中のシートを供給位置から搬送される車両ま
で作業者の労力を必要せずにシートを保持し、且
つ車両の所定組付位置にシートを確実に搭載する
ことができる装置を提供することを目的とする。

（考案の構成） 上述するように本考案は、シート供給位置での
シートを保持して、連続移送される車両に搭載す
る装置であつて、車両を搬送するコンベアと、こ
のコンベアの一側方に設けられるシート供給位置
との間に移動可能な基台と、先端にシートを保持
する保持具を備えたアームと、このアームを基台
に対して垂直軸廻りに回転可能に且つ上下方向に
昇降可能に支持するアーム支持体と、前記アーム
を昇降駆動させる駆動手段と、前記基台に設けら
れ、車両にシートを搭載する際、基台を車両と同
期移動させる同期移動手段とを備えたことを特徴
とする。

（実施例） 以下、図面において本考案の実施例を説明す
る。

第１図、第２図及び第３図は本考案のシート搭
載装置を示す図である。

１は車両２を連続搬送するコンベアである。シ
ート搭載装置３は基台となる台車４がシート５の
供給側からコンベア１方向に移動可能に前輪７、
後輪８，８が支持部材９を介して取りつけられ、
この前輪７及び後輪８の周辺を覆うように円柱形
のケース１０が取り付けられている。後輪８のケ
ース１０の上面には、シート５の供給側６のシー
ト搭置台１１の側壁に当接可能な当接部１２を備
えている。また、この後輪８のケース１０の上面
には、シート５を車両２のキヤビン内に搭載する
時、車両２のサイドフレーム１３のアウター側に
当接して台車４の位置決めをおこなう弾性部材１
４がブラケツト１５を介して取り付けられてい
る。そして台車４の前輪７と後輪８との中間位置
には、弾性部材１４がサイドフレーム１３のアウ
ター側に当接して台車４を位置決めした時、サイ
ドシル１６側を受ける弾性部材１７とコンベア１
側を受ける弾性部材１８とを各々上方向及び下方
向に押圧するロツド１９ａ，１９ｂを備えたシリ
ンダ装置２０が固設されている。また、台車４の
後輪８間の位置には、立設する支柱２１を台車４
に対して垂直軸廻りに回転可能に支持する支持板
２２が設けられている。この支柱２１および支持
板２２は、本案におけるアーム支持体を構成す
る。この支柱２１の上部先端には、下部に板部材
２３を介して取り付けられているシリンダ装置２
４により位置を規制され、上下方向に移動可能な
アーム２６が、先端にシート５を保持する保持具
２７を備えて支持されている。シリンダ装置２４
は、駆動ロツド２５ａ，２５ｂを有する２つのシ
リンダ２４ａ，２４ｂにより構成している。

そしてシート５の供給側６のシート搭載台１１
の側壁には、後輪８のケース１０の当接部１２が
側壁に当接して位置決め出来るようにガイド部材
２８が設けられ、また側壁には、台車４側のペダ
ル２９に連結され、後輪８，８間に設けられる軸
３０を中心に回動する係合フツク３１と係合可能
な係合部材３２が設けられている。

次に、この装置を用いて車両にシートを搭載す
る作業ステツプを説明する。

コンベア１により、車両２が連続搬送され、そ
の側方では、シート５が搬送手段（図示せず）に
より搬送され、シート搭載台１１上にセツトされ
ている。

まず作業者がシート搭載装置３を、シート５の
供給側６に移動させる、その時台車４は、後輪８
のケース１０の当接部１２がシート搭載台１１の
側壁のガイド部材２８にガイドされて側壁に当接
する。そして、作業者がペダル２９を踏み、係合
フツク３１とシート載置台１１側の係合部材３２
とを係合させて、シート搭載装置３の位置を固定
する。次に作業者はシリンダ２４ａ，２４ｂの駆
動ロツド２５ａ，２５ｂを調節してアーム２６を
下降させ、シート５の折りたたみ箇所に保持具２
７を引掛け、再度、シリンダ装置２４を調節する
ことによりアーム２６は上昇し、その結果、シー
ト５は持ち上げられる。

そして、シート５が持ち上げられた状態で作業
者により、アーム２６を回転させシート５をコン
ベア１側に向けるとともに、係合フツク３１は係
合部材３２から解除させる。その後作業者はシー
ト搭載装置３をコンベア１側に移動させる。移動
時にシート５は、コンベア１により搬送される車
両のキヤビン内に運ばれるが、その時、台車４に
設けられる弾性部材１４がサイドフレーム１３の
アウター側に当接してシート搭載装置３は位置決
めされる。そして作業者は、シリンダ装置２０を
調節し、弾性部材１７及び１８が車両２のサイド
シル１６及びコンベア１を押圧する。その後、台
車４の前輪７と後輪８は浮上し、シート搭載装置
３はコンベア１上の車両と同期移動する。最後に
キヤビン内に持ち運ばれたシート５は、作業者が
シリンダ装置２４を調整し駆動ロツド２５ａ，２
５ｂを縮めてアーム２６を下降させることにより
フロア上の所定位置に載置されて作業は終了す
る。

尚、本実施例において、アーム２６は支柱２１
の上部先端に支持され、シリンダ装置２４の駆動
により移動するようにしたが、この支柱２１の軸
方向にガイドを設けて、アーム２６を支柱２１の
軸方向に昇降可能に設けてもよい。

また、シート搭載装置３を搬送される車両に同
期移動させる手段として、上下にロツド１９ａ，
１９ｂを備えたシリンダ装置２０を設けている
が、シート搭載装置に車両の所定箇所と係合する
係合手段を設けてシート搭載装置を車両と同期移
動させてもよい。

（考案の効果） 以上のことから明らかなように本考案は、シー
ト供給位置から搬送される車両まで作業者の労力
を必要とせずにシートを保持することができ、且
つ車両の所定組付位置にシートを確実に搭載でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を示す全体図、第２図は
本考案の装置の平面図、第３図は本考案の装置の
側面図である。 ３……シート搭載装置、４……基台となる台
車、２０……シリンダ装置、２１……支柱、２４
……シリンダ装置、２６……アーム、２７……保
持具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両を連続移送するコンベアと、このコンベア
   の一側方に設けられるシート供給位置との間を移
   動可能な基台と、先端にシートを保持する保持具
   を備えたアームと、このアームを基台に対して垂
   直軸廻りに回転可能に且つ上下方向に昇降可能に
   支持するアーム支持体と、前記アームを昇降駆動
   させる駆動手段と、前記基台に設けられ、搬送さ
   れる車両にシートを搭載する際、基台を車両と同
   期移動させる同期移動手段とを備えたことを特徴
   とするシート搭載装置。