JPH04258809A - 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法

Info

Publication number
JPH04258809A
JPH04258809A JP1859991A JP1859991A JPH04258809A JP H04258809 A JPH04258809 A JP H04258809A JP 1859991 A JP1859991 A JP 1859991A JP 1859991 A JP1859991 A JP 1859991A JP H04258809 A JPH04258809 A JP H04258809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
substrate
magnetic recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1859991A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuro Ishida
達朗 石田
Ryuji Sugita
龍二 杉田
Kiyokazu Toma
清和 東間
Yasuhiro Kawawake
康博 川分
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP1859991A priority Critical patent/JPH04258809A/ja
Publication of JPH04258809A publication Critical patent/JPH04258809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録再生特性に
優れた磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は小型化、高密
度化の傾向にあり、従来の塗布型媒体の高密度化の限界
を越えるものとして金属薄膜型媒体が注目されている。 これに関しては、Co−Ni−Oを主成分とする金属薄
膜型媒体がVTR用の磁気テープとして実用化されてい
る。このような磁気記録媒体を生産性良く形成するため
には、例えばウエッブコータ式の連続蒸着装置などによ
り、長尺の高分子基板を移動させながらその上に磁性層
を連続して蒸着すればよい。この際、斜方蒸着の手法を
用いることにより、磁性層の膜面に垂直方向の磁化成分
の寄与によって従来の塗布型媒体に比べて高密度記録再
生特性を向上させている。しかしながら、家庭用ディジ
タルVTR、ハイビジョン用VTRなど次世代のVTR
に対応する磁気記録媒体には、さらに優れた高密度記録
再生特性が要求されており、その候補としてCo−Cr
、Co−Ni−Cr、Co−O、Co−Ni−O等を主
成分とする垂直磁気記録媒体が期待されている。これら
垂直磁気記録媒体には、長波長記録領域での再生出力が
低い、孤立再生波形がダイパルス形状となるためディジ
タル信号処理が困難であるなどの問題点があった。これ
らの問題点は、斜方蒸着法により適度の面内磁化成分の
寄与を取り入れ、積層構造とすることにより、その優れ
た高密度特性を損なうことなく解決される。特に、非磁
性基板上にCoとCrあるいはCoとNiとCrを主成
分とする第1の磁性層、及びその上にCoとOあるいは
CoとNiとOを主成分とする第2の磁性層が形成され
た磁気記録媒体において、両磁性層を斜方蒸着法で形成
し、その磁化容易軸を基板の法線に対して傾けることに
より、高密度ディジタル信号記録に極めて適した特性が
リング型磁気ヘッドとの組合せにより得られる(例えば
、米国特許出願番号:P7821−01)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体にお
けるもう一つの問題点として、リング型磁気ヘッドでの
記録再生におけるスペーシングロスが従来の磁気記録媒
体に比べて大きいということが挙げられる。磁気記録媒
体に安定な記録再生を行なうために、その表面には適度
な密度で微小突起や溝が形成され、ヘッド、あるいは磁
気テープの場合は走行系各部との間の動摩擦係数を低減
している。これら微小突起や溝によって、媒体とヘッド
の間にはスペーシングが生じ、スペーシングロスとなっ
て再生出力を低下させてしまう。リング型磁気ヘッドで
の記録再生時において、スペーシングによる再生出力の
低下分は一般的に K・d/λ  (dB) で表わされる。ここで、dはヘッドと媒体との間のスペ
ーシング長、λは記録波長である。また、Kはスペーシ
ングロスファクタと呼ばれる比例係数であり、おもに媒
体の種類に依存する。上式から明らかなように、スペー
シングロスをできる限り小さくするためには、安定なヘ
ッド摺動およびテープ走行が確保される限りにおいて微
小突起や溝によるスペーシングdの値をできる限り小さ
くする一方で、媒体の方にはKの値が小さいことが要求
される。我々の測定によれば、従来の塗布型媒体が10
0、Co−Ni−O斜方蒸着テープが70程度のK値を
有するのに対し、Co−Cr膜などの垂直磁気記録媒体
では200以上の値を有する。上記のCo−Ni−O斜
方蒸着テープのK値が小さいのは、斜方蒸着により磁化
容易軸方向をリング型磁気ヘッドの記録磁界の傾斜方向
に近づけることによって記録効率が上がり、記録時のス
ペーシングロスが大幅に低減されているものと考えられ
る。Co−Cr膜などの垂直磁気記録媒体の場合にも、
面内磁化成分の寄与を取り入れて磁化容易軸を傾けるこ
とによりK値の低減が期待される。しかしながら、あま
り面内磁化成分の寄与を多く取り入れすぎると、その優
れた高密度記録再生特性が損なわれてしまい、現在のと
ころCo−Ni−O斜方蒸着テープに見られるほどの効
果は上がっていない。例えば、前述したCoとCrある
いはCoとNiとCrを主成分とする第1の磁性層、及
びその上のCoとOあるいはCoとNiとOを主成分と
する第2の磁性層が形成された磁気記録媒体において、
斜方蒸着法によりその磁化容易軸を基板の法線に対して
傾けたものでも150以上のK値を有する。このような
大きなK値を有するため、垂直磁気記録媒体は実用特性
においてその優れた高密度記録再生特性を発揮しきれて
いない。逆に、垂直磁気記録媒体の優れた高密度記録再
生特性を維持したままK値が低減された磁気記録媒体が
開発されれば、従来の磁気記録媒体に対する優位性はさ
らに高まることになり、その実現が待たれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記要望を満
たすもので、非磁性基板上にCoとCrあるいはCoと
NiとCrを主成分とする第1の磁性層、及びその上に
CoとOあるいはCoとNiとOを主成分とする第2の
磁性層が形成された磁性膜において、第1の磁性層が基
板の法線方向から傾斜した方向に成長した柱状構造を有
し、かつ第1の磁性層のhcp  c軸方向が前記柱状
構造の傾斜方向と略一致するように構成する。
【0005】
【作用】上記した構成により、第1の磁性層において柱
状構造の成長方向に依存する形状磁気異方性の方向とc
軸方向に依存する結晶磁気異方性の方向とが一致し、基
板法線に対して斜めに傾斜している磁化容易軸を、リン
グ型磁気ヘッドの記録磁界の傾斜方向と一致させること
ができるので記録効率が上昇する。
【0006】
【実施例】斜方蒸着法によりCoとCrあるいはCoと
NiとCrを主成分とする第1の磁性層、及びその上の
CoとOあるいはCoとNiとOを主成分とする第2の
磁性層が形成された磁気記録媒体において、第1の磁性
層の磁化容易軸の基板法線に対する傾斜方向を決定する
要因としてはおもに次の2つが考えられる。1つは基板
法線に対して斜めに傾いた方向に成長した柱状構造によ
る形状磁気異方性であり、もう1つはhcp(最密六方
構造)c軸の成長方向に依存する結晶磁気異方性である
。我々は上記2つの要因とスペーシングロスファクタK
との関連を調べ、従来の大きなK値を有する媒体におい
ては第1の磁性層のc軸がほぼ基板法線方向に一致して
成長していること、および第1の磁性層のc軸を基板法
線に対して傾斜した柱状構造の成長方向とほぼ一致する
方向に成長させた本発明の媒体において、その優れた高
密度記録再生特性を損なうことなく100程度以下の小
さいK値が得られることを見いだした。(図1)には本
発明の媒体の構成を、(図2)には従来の大きなK値を
有する媒体の構成を比較して示す。ここで、第1の磁性
層2の柱状構造は必ずしも一方向にまっすぐ成長してい
るわけではない。例えば後述するような円筒状ローラを
用いた連続蒸着装置によって作製された膜の場合には、
柱状構造は若干湾曲して成長していることが多い。 このような場合、第1の磁性層の柱状構造の成長方向4
とは、第1の磁性層の膜厚方向の中心点における柱状構
造の湾曲線の接線方向と定義する。(図2)に示す従来
の大きなK値を有する媒体の第1の磁性層においては、
柱状構造の成長方向4に依存する形状磁気異方性の方向
とc軸方向5に依存する結晶磁気異方性の方向とが一致
していない。両者の加算により磁化容易軸は基板法線に
対して斜めに傾斜しているものの、ほぼ基板法線方向に
成長したc軸がリング型磁気ヘッドの記録磁界の傾斜方
向とは大きく異なるために期待された記録効率の上昇を
阻んでいるものと考えられる。一方、(図1)に示す本
発明の媒体においては、形状磁気異方性と結晶磁気異方
性両者の方向がほぼ一致して基板法線に対して傾斜した
方向を向いている。すなわちc軸もリング型磁気ヘッド
の記録磁界の傾斜方向に近くなっているため記録効率が
上昇し、記録時のスペーシングロスが大幅に低減されて
いるものと考えられる。我々の検討に依れば、hcp 
 c軸方向5が基板法線となす角θcは、第1の磁性層
の柱状構造の成長方向4が基板法線となす角θsの±1
0°以内の範囲にあることが好ましい。(図3)にθs
、θcの異なる磁気記録媒体におけるスペーシングロス
ファクタKの|θs−θc|依存性の一例を示す。この
ように|θs−θc|が10°以下の範囲において10
0程度以下の十分小さいK値が得られている。
【0007】さらに望ましくは、本発明の磁気記録媒体
の第2の磁性層の磁化容易軸6は、基板法線に対して第
1の磁性層の磁化容易軸方向と同方向に傾斜させた方が
、スペーシングロスファクタKはさらに小さくなる傾向
にある。これに関しては本発明の磁気記録媒体への磁気
記録方法に関連して後述する。
【0008】第1の磁性層における本発明の結晶構造は
、シュルツ法を用いたX線回折測定によって容易に確認
できる。(図4)にCo−Cr膜の測定結果の一例を示
す。横軸は基板法線からの傾斜角度θ、縦軸はhcp(
002)回折線強度である。(図4)よりこのCo−C
r膜のc軸の基板法線に対する傾きθcは、約52°で
あることがわかる。また図の回折ピークの半値幅Δθc
50よりc軸の傾斜方向の分散を評価することもできる
。Δθc50の値が小さいほど結晶配向性が良く、スペ
ーシングロスファクタKも小さい値が得られるものと考
えられる。我々の実験においては、Δθc50の値を3
0°程度以下とすることにより100程度以下のK値を
得ることができた。(図4)においては27°程度の値
が得られている。
【0009】このような磁気記録媒体を得るための第1
の磁性層の製造方法について次に述べる。(図5)は本
発明の磁気記録媒体を作製するための連続蒸着装置の一
例を示したものである。供給ロール9から巻き出された
長尺の高分子基板は回転する円筒状ローラ7の周面に沿
って走行し、この間に蒸発原子が堆積される。8は円筒
状ローラ7の回転方向、10は磁性膜が形成された後、
円筒状ローラ7を出た高分子基板を巻き取るための巻き
取りロールである。磁性膜の形成に際しては、シールド
11を設けることにより、蒸発原子の基板への入射角を
基板法線に対して初期入射角φiから終期入射角φfま
で変化させている。我々の検討によれば、第1の磁性層
の柱状構造の成長方向4が基板法線となす角θsとhc
p  c軸方向5が基板法線となす角θcは、終期入射
角φfにはあまり依存せず、初期入射角φiに大きく依
存して変化する傾向がある。ここで第1の磁性層が本発
明の構造を有するためには、第1の磁性層形成初期にお
ける蒸発原子の基板への入射角φiを55゜以上とし、
かつ第1の磁性層形成初期における膜堆積速度Riが第
1の磁性層形成終期における膜堆積速度Rfの50%以
上とする必要がある。このことについて以下に説明する
【0010】(図6)は(Ri/Rf)×100=60
%、終期入射角φf=15゜という条件で初期入射角φ
iのみを変化させて作製した第1の磁性層の柱状構造の
成長方向4が基板法線となす角θsとhcp  c軸方
向5が基板法線となす角θcを示したものである。(図
6)によれば、θsは初期入射角φiの増加とともに単
調に増加する傾向にある。一方θcは初期入射角φiを
50゜程度まで増加させてもほとんど変化せず、c軸は
ほぼ基板法線方向に配向したままである。さらに初期入
射角φiを増加させるとθcはφiが50゜から55゜
の付近で急激に立ち上がり、ほぼθsと同程度の値を示
すようになる。すなわち、φiが55゜よりも小さい領
域においては(図2)に示すように、柱状構造の成長方
向4とc軸方向5とが一致せず、従来の大きなK値を有
する媒体しか得られない。φiを55゜以上とすること
により、柱状構造の成長方向4とc軸方向5とがほぼ一
致して基板法線に対して傾斜した方向を向き、(図1)
に示す本発明の媒体が得られるのである。この領域にお
いて、θcは前述したθs±10°以内の範囲にあるこ
とも(図6)より確認できる。
【0011】(図7)は、初期入射角φi=60゜、終
期入射角φf=15゜という条件で(Ri/Rf)×1
00を変化させて作製した第1の磁性層のΔθc50の
値の変化を示したものである。このように初期入射角φ
iが55゜以上という条件を満たしていても、(Ri/
Rf)×100が50%よりも小さい領域ではc軸の分
散が急激に大きくなり、ほとんど無配向に近い状態にな
ってしまう。一方(Ri/Rf)×100を50%以上
とすることにより、Δθc50は30゜程度以下の良好
な値が得られ、第1の磁性層における本発明の構造が得
られるのである。一般に、(図5)に示すような円筒状
ローラ系を用いて磁性層を作製する場合には、膜形成終
期における蒸発原子の入射部よりも膜形成初期における
蒸発原子の入射部の方が蒸発源12からの距離が遠くな
り、膜堆積速度Riが小さくなる。従って(Ri/Rf
)×100が50%以上という条件を満たすためには、
蒸発源12をできる限り膜形成初期部に近づけて配置す
るよう留意しなければならない。あるいは、膜形成初期
を担う蒸発原子を供給する蒸発源を別に設けるなどの手
段により、膜形成初期における膜堆積速度Riを大きく
してもよい。
【0012】次に、本発明の磁気記録媒体へのリング型
磁気ヘッドを用いた磁気記録方法について述べる。(図
8)は、本発明の磁気記録媒体にリング型磁気ヘッドを
用いて記録再生を行なう際の磁気記録媒体とリング型磁
気ヘッドの相対移動の向きを示したものである。本発明
の媒体において、より小さいスペーシングロスファクタ
Kを得るためには、磁気記録媒体とリング型磁気ヘッド
の相対移動の向きを第1の磁性層のhcp  c軸方向
5とリング型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍のヘ
ッド磁界方向とが略一致する向き17とすることが望ま
しい。この理由を以下に考察する。本発明の磁気記録方
法とは逆に、磁気記録媒体とリング型磁気ヘッドの相対
移動の向きを(図8)における矢印17の逆向きにした
場合を考える。この場合、リーディングエッジ近傍のヘ
ッド磁界ではなく、トレイリングエッジ近傍のヘッド磁
界方向が第1の磁性層の磁化容易軸方向に近い。このた
め磁化反転はおもにヘッド磁界16のトレイリングコア
側で決定され、同じトレイリングコア側の反転磁界から
も強い減磁作用を受ける。この減磁作用のために記録効
率が減少し、スペーシングロスファクタKが大きくなっ
てしまうものと考えられる。一方、(図8)に示した本
発明の磁気記録方法の場合、第1の磁性層の磁化容易軸
方向はリーディングエッジ近傍のヘッド磁界方向と近く
、磁化反転はおもにヘッド磁界16のリーディングコア
13側で決定される。トレイリングエッジ近傍のヘッド
磁界方向は第1の磁性層の困難軸方向に近く、トレイリ
ングコア14側のヘッド磁界から減磁作用を受け難い。 このため、記録効率が高く、十分に小さいK値が得られ
るものと考えられる。
【0013】以上の考察は第2の磁性層に関しても当て
はまるものと考えられる。従って、本発明の磁気記録媒
体の第2の磁性層の磁化容易軸6も、基板法線に対して
第1の磁性層の磁化容易軸方向と同方向に傾斜させ、ヘ
ッドのリーディングエッジ近傍のヘッド磁界方向に近く
した方が、スペーシングロスファクタKはさらに小さく
なる傾向にある。
【0014】以下に本発明の実施例を従来例と比較して
述べる。 (実施例1)(図5)に示す連続蒸着装置を用い、第1
の磁性層としてCo−Cr膜、第2の磁性層としてCo
−O膜を形成した。第1の磁性層作製時の蒸発原子の基
板への入射角は、初期入射角φi=60゜から終期入射
角φf=25゜まで変化させた。また、膜形成初期にお
ける膜堆積速度Riの膜形成終期における膜堆積速度R
fに対する比(Ri/Rf)×100は60%とした。 Co−Cr膜の飽和磁化は450emu/cc、膜厚は
120nmである。なおCo−Cr膜作製時の基板温度
は270℃とした。第2の磁性層としてのCo−O膜は
、蒸発原子の基板への入射角を初期入射角φi=45゜
から終期入射角φf=15゜まで変化させ、その磁化容
易軸が第1の磁性層の磁化容易軸と基板法線に対して同
方向に傾斜するように作製した。Co−O膜の飽和磁化
は650emu/cc、膜厚は50nmである。Co−
O膜作製時の基板温度は100℃とした。基板には耐熱
性の高分子基板を用いた。この際、スペーシングロスフ
ァクタKの測定に対応するため、表面突起形状を付与し
た高分子基板で、突起高さの異なるものを4種類用いた
【0015】(実施例2)上記の(実施例1)において
、第2の磁性層の磁化容易軸が第1の磁性層の磁化容易
軸と基板法線に対して逆方向に傾斜するように作製した
。他の条件は(実施例1)と同様である。
【0016】(比較例1)上記の(実施例1)において
、第1の磁性層作製時の蒸発原子の基板への入射角を初
期入射角φi=50゜から終期入射角φf=25゜まで
変化させた。他の条件は(実施例1)と同様である。
【0017】(比較例2)上記の(比較例1)において
、第2の磁性層の磁化容易軸が第1の磁性層の磁化容易
軸と基板法線に対して逆方向に傾斜するように作製した
。他の条件は(比較例1)と同様である。
【0018】(比較例3)上記の(実施例1)において
、第1の磁性層作製時の膜形成初期における膜堆積速度
Riの膜形成終期における膜堆積速度Rfに対する比(
Ri/Rf)×100を40%とした。他の条件は(実
施例1)と同様である。
【0019】(比較例4)上記の(比較例3)において
、第2の磁性層の磁化容易軸が第1の磁性層の磁化容易
軸と基板法線に対して逆方向に傾斜するように作製した
。他の条件は(比較例3)と同様である。
【0020】以上6つの例について第1の磁性層の柱状
構造の成長方向4が基板法線となす角θsとhcp  
c軸方向5が基板法線となす角θcおよびΔθc50の
値と得られた磁気記録媒体のスペーシングロスファクタ
Kの測定値を(表1)に示す。Kの値は、各例において
作製された突起高さの異なる磁気記録媒体の、記録波長
0.5μmにおける再生出力から求めた。なお、(表1
)においてKの値は(正),(逆)の2つが示されてい
る。これは(正)が、磁気記録媒体とリング型磁気ヘッ
ドの相対移動の向きを、第1の磁性層のhcp  c軸
方向とリング型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍の
ヘッド磁界方向とが略一致する向きとした場合、すなわ
ち(図8)に示す本発明の磁気記録方法に対応する値で
あり、(逆)が第1の磁性層のhcp  c軸方向とリ
ング型磁気ヘッドのトレイリングエッジ近傍のヘッド磁
界方向とが略一致する向きとした場合の値であることを
示すものである
【0021】。
【表1】
【0022】(表1)に示すように、(実施例1)およ
び2の本発明の媒体においては、θcの値がほぼθsの
値に一致しており、Δθc50の値も十分に小さい。結
果的に他の4つの比較例よりも顕著に小さいK値が得ら
れている。この際、ヘッドと磁気記録媒体の相対移動の
向きを本発明の磁気記録方法である(正)の向きとした
方が(逆)向きにした場合よりもより小さいK値が得ら
れていることがわかる。また、(実施例2)よりも(実
施例1)の方がより小さいK値が得られていることから
、第2の磁性層の磁化容易軸は、基板法線に対して第1
の磁性層の磁化容易軸方向と同方向に傾斜させた方が、
K値はさらに小さくなる傾向にあることがわかる。
【0023】一方、(比較例1)および(比較例2)に
おいては、第1の磁性層形成時の蒸発原子の初期入射角
φiが50゜と小さいために、θcの値がθsの値より
も顕著に小さくなる。すなわち、第1の磁性層のc軸が
基板の法線方向に近く配向するために記録効率が減少し
、K値は150以上の大きな値となってしまう。また、
(比較例3)および(比較例4)においては、(Ri/
Rf)×100の値が40%と小さいために、第1の磁
性層のc軸は殆ど無配向となる。このため、K値は20
0程度以上の大きな値となってしまう。
【0024】以上の結果から、(実施例1)および(実
施例2)における本発明の媒体において、従来の垂直磁
気記録媒体よりもスペーシングロスファクタKの低減が
図れることが明かとなった。
【0025】なお、第1の磁性層、第2の磁性層の一方
または両方に、30重量%以下の割合でNiを添加した
場合においても、上記と同様に本発明の効果が十分に得
られた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、従来の垂直磁気記録媒
体の優れた高密度記録再生特性を維持したままスペーシ
ングロスファクタKの値が低減された磁気記録媒体を提
供することが出来る。すなわち本発明の磁気記録媒体は
、安定な記録再生を行なうために表面に微小突起や溝を
形成した場合など、実用特性においてもその優れた高密
度記録再生特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の構成の一例を示す断面
【図2】従来の磁気記録媒体の構成の一例を示す断面図
【図3】スペーシングロスファクタKの|θs−θc|
依存性を示す図
【図4】シュルツ法によるX線回折測定結果の一例を示
す図
【図5】本発明の製造方法に用いた連続蒸着装置の概略
【図6】第1の磁性層のθsおよびθcのφi依存性を
示す図
【図7】第1の磁性層のΔθc50の(Ri/Rf)依
存性を示す図
【図8】本発明の磁気記録方法におけるヘッドと磁気記
録媒体の相対移動の向きを示す断面図
【符号の説明】
1  高分子基板 2  第1の磁性層 3  第2の磁性層 4  第1の磁性層の柱状構造の成長方向5  第1の
磁性層のhcp  c軸方向6  第2の磁性層の磁化
容易軸方向 7  円筒状ローラ 8  円筒状ローラの回転方向 9  供給ロール 10  巻き取りロール 11  シールド 12  蒸発源 13  ヘッドのリーディングコア 14  ヘッドのトレイリングコア 15  ヘッドギャップ 16  ヘッド磁界

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性基板上にCoとCrあるいはC
    oとNiとCrを主成分とする第1の磁性層、及びその
    上にCoとOあるいはCoとNiとOを主成分とする第
    2の磁性層が形成された磁性膜において、第1の磁性層
    が基板の法線方向から傾斜した方向に成長した柱状構造
    を有し、かつ第1の磁性層のhcp  c軸方向が前記
    柱状構造の傾斜方向と略一致することを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】  第2の磁性層の磁化容易軸方向が基板
    法線に対して第1の磁性層の磁化容易軸方向と同方向に
    傾斜していることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】  走行する長尺の高分子基板上に真空蒸
    着法によってCoとCrあるいはCoとNiとCrを主
    成分とする第1の磁性層及びその上にCoとOあるいは
    CoとNiとOを主成分とする第2の磁性層を形成する
    過程において、前記第1の磁性層形成初期における蒸発
    原子の基板への入射角を基板法線方向に対して55゜以
    上とし、かつ前記第1の磁性層形成初期における膜堆積
    速度が前記第1の磁性層形成終期における膜堆積速度の
    50%以上とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】  請求項1もしくは2のいずれかに記載
    の磁気記録媒体にリング型磁気ヘッドを用いて記録再生
    を行なう際の磁気記録媒体とリング型磁気ヘッドの相対
    移動の向きを、第1の磁性層のhcp  c軸方向とリ
    ング型磁気ヘッドのリーディングエッジ近傍のヘッド磁
    界方向とが略一致する向きとすることを特徴とする磁気
    記録媒体への磁気記録方法。
JP1859991A 1991-02-12 1991-02-12 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法 Pending JPH04258809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1859991A JPH04258809A (ja) 1991-02-12 1991-02-12 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1859991A JPH04258809A (ja) 1991-02-12 1991-02-12 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04258809A true JPH04258809A (ja) 1992-09-14

Family

ID=11976111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1859991A Pending JPH04258809A (ja) 1991-02-12 1991-02-12 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04258809A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05342553A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH04258809A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法及び磁気記録媒体への磁気記録方法
JP2988188B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH08129736A (ja) 磁気記録媒体
JP2798745B2 (ja) 垂直磁気記録二層媒体の製造方法
JPH01264632A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
JP3248700B2 (ja) 磁気記録媒体
JPS619821A (ja) 磁気記録媒体
JPH06139541A (ja) 磁気記録媒体
JP2607288B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造法
JPH01205716A (ja) 磁気記録媒体
JPH05159268A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH0612649A (ja) 磁気記録媒体
JP2959110B2 (ja) 磁気テープの製造方法
JPH0562146A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法および磁気記録媒体への磁気記録方法
JPH05159269A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH05342551A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH0476813A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH04364224A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH04206017A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2006059397A (ja) 磁気記録媒体
JPH04269814A (ja) 垂直磁気記録媒体
JPH07122931B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JPH05151549A (ja) 磁気記録媒体
JPS61239423A (ja) 磁気記録媒体