JPH04253011A - 走査レンズの保持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばレーザービーム
プリンタ等に使用される偏光走査装置の走査レンズの保
持構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来例の偏向走査装置の斜視図を
示し、光学箱１に固定された半導体レーザー光源２から
出射されたレーザービームは、図示しないモータにより
回転する回転多面鏡３によって偏向走査された後に、光
学箱１に固定された走査レンズ４を経てミラー５で反射
されて、光学箱１の下方の感光ドラム６上に結像される
。

【０００３】走査レンズ４は等速度書き込み作用、レー
ザービームの集光作用を持たせるために、一般的に光軸
に関して対称で偏平な形状とされており、この走査レン
ズ４を光学箱１に固定する際には、例えば図８に示すよ
うに、光学箱１に主走査方向位置決め部材１ａ及び光軸
方向位置決め部材１ｂを一体的に形成し、それらに走査
レンズ４の側面を突き当てて位置決めを行い、走査レン
ズ４の裏面の複数部位４ｓに接着剤を塗布して固定する
。

【０００４】或いは、接着剤は使用せずに図９に示すよ
うに、折曲した形状の板金７によって走査レンズ４を上
側から押圧し、ボルト８により締め付けて固定する方法
が採られている。なお、接着剤のみによって固定する場
合には、振動、衝撃、温度変化に伴う膨張、収縮によっ
て走査レンズ４が光学箱１から剥離しないように、接着
面積を大きくして固定が強化されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例において、接着剤により固定する場合には、光学箱
１と走査レンズ４との熱膨張率は一般的に異なるため、
環境温度が変化すると接着剤が剥離したり、或いは比較
的横幅の長い走査レンズ４では接着面積が大きいために
、走査レンズ４が変形して破壊される場合もある。光学
系の組立作業は常温で行われるが、その常温に対して動
作時は±２５℃、輸送時及び倉庫内での保管時は±５０
℃の環境温度を保証をする必要があるが、走査レンズ４
の横幅が長く膨張差が大きくなるため、光学箱１と走査
レンズ４の材質に熱膨張率差が小さいものを選択しても
、上述の保証を行うことが困難であるという欠点を有し
ている。

【０００６】一方、板金７、ボルト８を使用して固定す
る場合には、走査レンズ４の上面を均一に押圧するため
に板金７の面積を走査レンズ４の上側面の面積程度に広
くとって、更に板金７に弾性を持たせる必要があり、製
造コストが高くなるという欠点がある。

【０００７】本発明の目的は、上述の従来例の欠点を解
消し、簡素な構造であって、環境温度の変化に対して接
着剤の剥離、走査レンズの変形破壊を防止する走査レン
ズの保持構造を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る走査レンズの保持構造は、走査レンズ
を基板に固定する保持構造であって、前記走査レンズの
レンズ有効部領域以外に上面を斜面とした突出部を設け
、前記斜面を上方向から弾性的に押圧する保持部を前記
基板に設けたことを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】上述の構成を有する走査レンズの保持構造は、
走査レンズの突出部の斜面を保持部によって上方向から
押圧して、走査レンズを基板に固定するので、温度変化
に伴う膨張、収縮による光学箱と走査レンズ間の変形応
力が保持爪に吸収される。

【００１０】

【実施例】本発明を図１〜図６に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。なお、従来例と同一の符号は同一の
部材を示している。

【００１１】図１は第１の実施例の斜視図、図２は断面
図である。走査レンズ１０には、レーザービームの入射
面のレンズ有効部の下部に、上面を斜面とした突出部１
０ａが長手方向に沿って設けられている。光学箱の基板
１１は熱可塑性樹脂等の弾性を有する合成樹脂材で形成
されており、突出部１０ａの上面から、斜面と直角方向
に押圧するような形状とされた一対の鉤状の保持爪１１
ｃ、１１ｄが、レーザービームの光軸から離れて基板１
１と一体的に形成され、一方で走査レンズ１０の位置決
めのために主走査方向位置決め部材１１ａが基板１１と
一体的に形成され、光軸方向位置決め部材１１ｂ、１１
ｂ’が走査レンズ１０を挟んで、保持爪１１ｃ、１１ｄ
と反対側で光軸から離れた位置に基板１１と一体的に形
成されている。

【００１２】組立時においては、走査レンズ１０の側面
を主走査方向位置決め部材１１ａ、光軸方向位置決め部
材１１ｂ、１１ｂ’に突き当てて位置決めを行い、突出
部１０ａを上面から保持爪１１ｃ、１１ｄによって押圧
すると同時に、補助的に突出部１０ａの裏面の光軸Ｌの
下方の微小部Ｓ１に接着剤を塗布して基板１１に固定す
る。

【００１３】図３は図２の保持爪１１ｃの拡大図であり
、突出部１０ａの傾斜角度をθ、保持爪１１ｃの押圧力
をＦとすると、保持爪１１ｃ、１１ｄの形状から斜面と
垂直方向に押圧するようにされているので、走査レンズ
１０は水平の光軸方向に押圧力Ｆ１（θ）＝Ｆ・ｓｉｎ
　θ、鉛直下向き方向に押圧力Ｆ２（θ）＝Ｆ・ｃｏｓ
　θで押圧されていることになって、傾斜角θを変化す
ることにより押圧力Ｆ１（θ）、Ｆ２（θ）の適当なバ
ランスを得ることができる。

【００１４】本実施例の場合には、押圧力Ｆ１（θ）に
より走査レンズ１０が光軸方向位置決め部材１１ｂ、１
１ｂ’に押圧されるから、押圧力Ｆ１（θ）を大きくす
る、つまりは傾斜角θを大きくした方が固定が確実にな
るが押圧力が過度に大きくなると、保持爪１１ｃ、１１
ｄと突出部１０ａとの位置の精度が厳しくなって成形加
工が困難となるので、適当な傾斜角θにおいて押圧力に
より片寄せするとよい。

【００１５】なお、実際に固定を確実にするためには、
保持爪１１ｄによる光軸方向の押圧力Ｆ１（θ）を、保
持爪１１ｃによる光軸方向の押圧力Ｆ１（θ）より大き
くする、つまり突出部１０ａの傾斜角θを保持爪１１ｃ
、１１ｄが当接する部分で変化する必要がある。

【００１６】図４は第２の実施例を示し、基板１１と一
体形成した保持爪１１ｃ、１１ｄの代りに、折曲した板
金１２ａ、１２ｂを用いて、ボルト１３ａ、１３ｂによ
って締め付けられている。また、板金１２ａ、１２ｂの
位置を移動して、水平面内で光軸と直交する方向に押圧
力を加えてもよく、板金１２の個数は走査レンズ１０の
重量、大きさ等によって１個又は３個以上としてもよい
。

【００１７】図５は第３の実施例の斜視図であり、光軸
方向位置決め部材１１ｅ、１１ｅ’は、走査レンズ１０
に対して保持爪１１ｃ、１１ｄと同じ側の光軸から離れ
た位置に基板１１と一体的に形成されており、他の部材
及び構成は第１の実施例と同様である。

【００１８】この実施例の場合には、位置決めは走査レ
ンズ１０の側面を主走査方向位置決め部材１１ａ、光軸
方向位置決め部材１１ｅ、１１ｅ’に突き当てて行い、
保持爪１１ｃ、１１ｄによって走査レンズ１０を基板１
１に押圧し、補助的に走査レンズ１０の光軸の下方の底
面の微小部Ｓ１に接着剤を塗布して固定しているので、
図３における押圧力Ｆ２（θ）を大きくする、つまり傾
斜角θを可能な限り小さくすることが望ましい。しかし
、突出部１０ａはその斜面での反射光束が走査レンズ１
０のレンズ有効部に入射することを防止するためにコー
ティングを行うこともあって、その際の工具の取り付け
等の工程から傾斜角θの最小角度に限界がある。

【００１９】図６は第４の実施例の斜視図であり、突出
部１０ａには走査レンズ１０の光軸の下方に円柱面の切
欠部１０ｂが設けられ、基板１にはこの切欠部１０ｂに
嵌合させるために円柱状の主走査方向位置決め部材１１
ｆが設けられており、一方で突出部１０ａに当接するた
めの光軸方向位置決め部材１１ｇが光軸Ｌから離れた位
置で基板１１と一体成形によって設けられており、他の
部材は第３の実施例と同様である。

【００２０】この実施例の場合には、位置決めの方法は
異なるが、保持構造及び接着方法は第２の実施例とほぼ
同様であり、位置決め部材の個数が少ないため構造が更
に簡素となっている。

【００２１】温度変化に伴う膨張、収縮によって基板１
１及び走査レンズ１０が変形した場合に変形応力が発生
して、特に走査レンズ１０の長手方向での変形応力が大
きくなるが、本発明においては上述のように保持爪１１
ｃ、１１ｄ又は板金１２ａ、１２ｂによって、突出部１
０ａの上側から押圧しているだけなので、その変形応力
は保持爪１１ｃ、１１ｄ又は板金１２ａ、１２ｂの弾性
変形によって、吸収、緩和され、接着剤の剥離、走査レ
ンズ１０自体の変形による破壊が防止される。

【００２２】また、突出部１０ａの傾斜角を変化するこ
とによって、保持爪１１ｃ、１１ｄ、板金１２ａ、１２
ｂの押圧力の水平成分と鉛直成分の比を自在に変化して
、最適な保持バランスを容易に得ることが可能である。 更に、組立工程が簡素であり、保持爪１１ｃ、１１ｄを
基板１１と一体形成すれば製造コストが削減される。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る走査レ
ンズの保持構造は、走査レンズのレンズ有効領域以外に
上面を斜面とした突出部を設け、この斜面を上方向から
弾性的に押圧する保持部を基板に取り付けるので、簡素
な構造であり、温度変化に伴う膨張、収縮による基板、
走査レンズ間の変形応力が保持部に吸収され、走査レン
ズの変形、破壊が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例の斜視図である。

【図２】断面図である。

【図３】保持爪の拡大図である。

【図４】第２の実施例の斜視図である。

【図５】第３の実施例の斜視図である。

【図６】第４の実施例の斜視図である。

【図７】偏向走査装置の斜視図である。

【図８】第１の従来例の保持構造の説明図である。

【図９】第２の従来例の保持構造の説明図である。

【符号の説明】

１０　　走査レンズ １０ａ　　突出部 １１　　基板 １１ａ、１１ｂ、１１ｅ、１１ｆ、１１ｇ　　位置決め
部材 １１ｃ、１１ｄ　　保持爪 １２ａ、１２ｂ　　板金

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　走査レンズを基板に固定する保持構造
   であって、前記走査レンズのレンズ有効部領域以外に上
   面を斜面とした突出部を設け、前記斜面を上方向から弾
   性的に押圧する保持部を前記基板に設けたことを特徴と
   する走査レンズの保持構造。
2. 【請求項２】　　前記保持部による押圧と合わせて、前
   記走査レンズの下面の微小部分を接着剤により前記基板
   に接着した請求項１に記載の走査レンズの保持構造。