JPH11194284A - 光ビーム走査光学装置 - Google Patents
光ビーム走査光学装置Info
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Abstract
支持部材上で位置変動を生じても各光ビームの像点の相
対的な位置ずれが生じないようにした光ビーム走査光学
装置を得る。 【解決手段】 電子写真感光体25上にレーザダイオー
ド2,3から放射された光ビームで2ラインずつ走査す
る光ビーム走査光学装置。光ビームB1,B2はビームス
プリッタ4で結合される。ビームスプリッタ4はその半
透膜4cを含む平面で基台50に設けた計3個の球体5
3によって支持される。
Description
装置、詳しくは、レーザプリンタやデジタル複写機の画
像書込み手段として用いられる光ビーム走査光学装置に
関する。
段として種々の光ビーム走査光学装置が知られている。
それらは、基本的に、光源ユニットから放射された光ビ
ームをポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ等を介
して感光体上に結像している。
り、画像書込み速度を高めることが求められている。そ
のために、2個の光源を設置して、それぞれの光ビーム
を副走査方向に近接した状態で偏向走査し、1回の走査
で2ラインずつ画像を書き込むマルチビーム方式の光学
装置が開発されている。
ビーム走査光学装置の概略構成を示す。光源としてのレ
ーザダイオード2,3から放射された光ビームB1,B2
を、二つのプリズムを半透膜4cを介して接合したビー
ムスプリッタ4で同一進行方向(X方向)に結合し、レ
ンズ系を介して感光体(像面)上に結像させる。図面
上、光ビームB1,B2は1本の線で表されているが、両
者は互いに副走査方向(Z方向)に数10μmオーダー
の間隔で近接している。
(B)に示した光学装置において、ビームスプリッタ4
は支持台100上に平面的に載置、接着されており、支
持台100上での位置が光軸方向X、主走査方向Y又は
副走査方向Zに変動するおそれがある。ビームスプリッ
タ4が光軸方向Xに変動すると、レーザダイオード3か
ら放射されて半透膜4cで反射された光ビームB2は像
面上で副走査方向にΔZ’の位置ずれを生じる。同様
に、ビームスプリッタ4がZ軸を中心とする回転変動を
生じると、光ビームB2は像面上で主走査方向にΔY’
の位置ずれを生じる。
を結合するための光学素子が支持部材上で位置変動を生
じても各光ビームの像点の相対的な位置ずれが生じない
ようにした光ビーム走査光学装置を提供することにあ
る。
発明に係る光ビーム走査光学装置は、複数の光源から放
射された複数方向から入射する光ビームを副走査方向に
所定の間隔で出射させる、光学薄膜を有する光学素子
を、支持部材上にその光学薄膜を含む平面部で位置決め
して支持するようにした。
含む平面部で位置決めされているため、支持部材上で光
学素子の位置が変動しても、光学薄膜は同じ平面上に維
持される。即ち、複数の方向から入射する光ビームに対
する光学薄膜の角度は光学素子の位置変動によっても常
時一定であり、像面上での各光ビームの像点は所定の位
置関係を保つことができる。
ては、光学素子の底面部と支持部材との間に間隙を有す
ることが好ましい。光学素子の位置が変動してその底面
部が支持部材に当接すると、光学素子が傾いて光ビーム
の反射角度が変化し、像点がずれるおそれを有する。し
かし、両者の間に間隙を設けておけば、このような像点
のずれを生じることはない。
置において、前記光学素子は長さの異なる二つの二等辺
三角柱プリズムを互いの底辺面部を光学薄膜を介して接
合してなり、長いプリズムの底辺部が短いプリズムの両
端部から突出した構成とされている。このような光学素
子に対して、前記支持部材に光学素子の突出底辺面部の
片側で1点、他側で2点にて受けるように計3個の球状
突部を設けることが好ましい。3点支持は最も安定した
支持構造である。さらに、この光学素子を突出底辺面部
と直交する方向に弾性的に付勢して支持部材に保持すれ
ば、さらに安定した状態で光学素子を支持部材上に保持
することができる。
光学装置の実施形態について添付図面を参照して説明す
る。
ム走査光学装置は、概略、光源ユニット1と、シリンド
リカルレンズ11とポリゴンミラー12と3本のfθレ
ンズ13,14,15及びシリンドリカルレンズ16
と、平面ミラー17と、これらの光学部材を収納するハ
ウジング20とで構成されている。
ームB1,B2を放射する第1及び第2レーザダイオード
2,3と、二つのプリズムを半透膜を介して接合したビ
ームスプリッタ4と、コリメータレンズ5とからなる。
第1レーザダイオード2から放射された光ビームB
1は、ビームスプリッタ4の半透膜を透過して直進し、
コリメータレンズ5によって平行光(又は収束光)とさ
れる。第2レーザダイオード3から放射された光ビーム
B2は、ビームスプリッタ4の半透膜で90゜に反射さ
れ、コリメータレンズ5によって平行光(又は収束光)
とされる。
行方向に結合されるが、互いに副走査方向に数10μm
オーダーの間隔で近接して進行する。例えば、印字密度
が400dpiの場合は光ビームB1,B2の像面上での
間隔は63.5μm、600dpiの場合は42.3μ
mである。
ームB1,B2は、シリンドリカルレンズ11を介してポ
リゴンミラー12に到達する。シリンドリカルレンズ1
1は光ビームB1,B2をポリゴンミラー12の反射面近
傍に主走査方向に長い線状に集光する。ポリゴンミラー
12は矢印a方向に一定角速度で回転駆動される。光ビ
ームB1,B2はポリゴンミラー12の回転に基づいて各
反射面で等角速度に偏向走査され、fθレンズ13,1
4,15及びシリンドリカルレンズ16を透過し、平面
ミラー17で下方に反射される。その後、光ビーム
B1,B2はハウジング20のスリット21を通過して感
光体ドラム25上で結像すると共に、矢印b方向に走査
する。即ち、この光学系では1回の走査で2ラインを同
時に書き込む。
ラー12で等角速度に偏向された光ビームB1,B2を感
光体ドラム25上での主走査速度を等速に補正(歪曲収
差補正)機能を有している。シリンドリカルレンズ16
は前記シリンドリカルレンズ11と同様に副走査方向に
のみパワーを有し、二つのレンズ11,16が協働して
ポリゴンミラーの面倒れ誤差を補正する。
で回転駆動され、ポリゴンミラー12及びfθレンズ1
3,14,15による矢印b方向への主走査と、感光体
ドラム25の矢印c方向への副走査によって感光体ドラ
ム25上に画像(静電潜像)が書き込まれる。
ト1の組立て構造について図4〜図9を参照して説明す
る。図4〜図7は光源ユニット1を各方向から図示した
もの、図8は構造を模式的に示したもの、図9は断面を
示したもので、説明の簡略化のために主に図8を参照し
て説明する。なお、以下の説明でx方向とはビームスプ
リッタ4から射出される光軸Bに対して平行な方向、y
方向とはx方向に対して水平面上で直交する方向、z方
向とは、x,y方向に直交する方向をいう。
1,50、第1レーザダイオード2を保持する第1可動
保持台32、第2レーザダイオード3を保持する第2可
動保持台33、コリメータレンズ5を保持する鏡胴3
4、スリット板35(但し、図6では図示を省略してい
る)によって構成されている。基台31はねじ41によ
ってハウジング20の水平基準面(床面)22上に固定
されている。
4を以下に説明するように保持し、基台31の光軸Bに
対して平行な面31a上に、x方向に位置調整可能にね
じ43によって取り付けられている。鏡胴34はこの基
台50の光軸Bに対して平行な面50a上に、x方向に
位置調整可能に板ベルト36で締め付けられた状態で取
り付けられている。板ベルト36はその両端部でねじ4
4によって基台50上に固定されている。なお、鏡胴3
4を保持する面50aは、図示されていないが、光軸B
と平行に延在するV形状の溝である。
対して垂直な面31b上に、y,z方向に位置調整可能
にねじ45によって取り付けられている。第2可動保持
台33は基台50の光軸Bに対して平行な面50b上
に、x,y方向に位置調整可能にねじ46によって取り
付けられている。
組立て方法及び調整方法について説明する。ビームスプ
リッタ4が固定されている基台50に鏡胴34を板ベル
ト36及びねじ44で仮止めした状態で、基台50を基
台31上にねじ43で仮止めする。また、第1及び第2
可動保持台32,33をそれぞれ基台31,50にねじ
45,46で仮止めする。
台50をねじ43とその取付け孔とのクリアランスの範
囲でx方向に1次元的に移動させて基台31上に固定す
る。ここでは、コリメータレンズ5を仮想上の光軸Bに
対して位置決めする。次に、ねじ44をゆるめて鏡胴3
4をx方向に位置調整し、光ビームのピント合わせを行
う。さらに、ねじ45をゆるめて第1可動保持台32を
ねじ45とその取付け孔とのクリアランスの範囲でy,
z方向に2次元的に移動させる。ここでは、第1レーザ
ダイオード2の光ビーム放射位置が決められる。
れ、光源ユニット1はこの状態で他の光学部材が組み込
まれているハウジング20に組み込まれる。即ち、ねじ
41によって基台31がハウジング20の水平基準面2
2上に固定される。その後は、ねじ46をゆるめて第2
可動保持台33をねじ46とその取付け孔とのクリアラ
ンスの範囲でx,y方向に2次元的に移動させる。ここ
では、第2レーザダイオード3の光ビーム放射位置が決
められる。ハウジング20に関しては、以上の調整作業
の後、図示しない蓋部材で閉じられる。
ームスプリッタ4は、図10に示すように、長さの異な
る二つの二等辺三角柱プリズム4a,4bを互いの底辺
面部を半透膜を介して接合したもので、長いプリズム4
aの底辺面部4d,4eが短いプリズム4bの両端部か
ら突出している。
スプリッタ4が位置する凹部51と、その両側に設けた
位置決め面52とを有している。図11の手前側の位置
決め面52には2個の球体53が半分埋め込まれ、奥側
の位置決め面52には1個の球体53が半分埋め込まれ
ている。ビームスプリッタ4は板ばね60の2本の腕部
61の先端部にて弾性的に押圧されることにより、底辺
面部4d,4eが球体53に圧接した状態で基台50に
保持される。板ばね60は孔62,63を基台50上の
突起54,55に嵌合し、取付け用孔64から図示しな
いねじをねじ孔56に螺着することで基台50に固定さ
れる。孔63は突起55に対して僅かなクリアランスを
有し、板ばね60のセット位置を微調整可能となってい
る。板ばね60の腕部61の先端部はビームスプリッタ
4の頂点面部4fを微小突起で押圧し、両者の間にシリ
コンゴムを介在させ、接着力や弾性力を持たせている。
部4d,4eを3個の球体53で3点支持することによ
って、ビームスプリッタ4を安定して支持することがで
きる。また、板ばね60は腕部61によってビームスプ
リッタ4に対して底辺面部4d,4eと直交する方向に
弾性的に付勢するため、ビームスプリッタ4はさらに安
定した状態で基台50上に保持される。また、ビームス
プリッタ4の底面部と凹部51の床面には間隙59(図
9参照)を有している。この間隙59の存在によって、
ビームスプリッタ4が下方へ多少ずれたとしても、基台
50に当接して設置角度が変動することはない。
決め面52に形成した穴に嵌合するようにしたが、材質
は任意である。あるいは、位置決め面52に基台50と
一体的に突部を形成してもよい。また、3点支持ではな
く、位置決め面52自体でビームスプリッタ4を受け止
めてもよい。この場合、位置決め面52に底辺面部4
d,4eを接着してもよい。従って、必ずしも板ばね6
0によってビームスプリッタ4を弾性的に付勢する必要
はない。
を粗面として板ばね60の腕部61との摩擦抵抗を多く
してもよい。衝撃等でビームスプリッタ4が位置ずれを
生じたり、脱落することを極力防止できる。
(A)に本光ビーム走査光学装置における光路の概略を
示す。レーザダイオード2から放射された光ビームB1
はビームスプリッタ4の半透膜4cを透過して像点で結
像する。レーザダイオード3から放射された光ビームB
2は半透膜4cで反射され像点で結像する。像点は同じ
位置に描かれているが、実際は副走査方向Zに400d
piで63.5μm、600dpiで42.3μmのピ
ッチを有している。この2ビームの像面上での相対的な
位置は、半透膜4cの設置角度が変動することによっ
て、専ら反射光ビームB2の像点が移動し、ΔZ’、Δ
Y’のずれを生じることは前述した(図13(B)参
照)。
ように、ビームスプリッタ4の基台50上での位置は、
主走査方向Y、半透膜4cに平行な方向tに移動する可
能性、及び、半透膜4cの法線方向nを中心として回転
する可能性がある。しかし、ビームスプリッタ4がいず
れかの方向に移動したり回転しても、それらの位置変動
ΔY、Δt、Δθnは半透膜4cの設置角度に影響を与
えることはなく、感光体ドラム25(像面)上での光ビ
ームB1,B2の相対的な位置ずれは発生しない。
ウジング20の床面(水平基準面)22へ取り付ける構
造について説明する。基台31に関してはハウジング2
0に弾性的に取り付けられていることが必要である。基
台31と取付けねじ41との間に弾性部材を介在させる
か、基台31の一部に弾性を持たせることでこの目的を
達成できる。また、基台31を取付けのために押圧する
力、即ち、ねじ41で締め付ける力量は基台31に保持
台32,33を介して取り付けられたレーザダイオード
2,3に位置変動を及ぼさない値である必要がある。さ
らに、基台31はハウジング20に対して3個の突起に
よって3点支持されることが好ましい。
固定するには、本実施形態にも示すように、ねじ(4
1)を用いた締結が一般的に行われている。ところで、
光源ユニット1は、レーザダイオード2,3とコリメー
タレンズ5との光軸調整を、ハウジング20とは別にし
て独立して行い、調整終了後にハウジング20に組み込
まれる。この組み込み時には調整時と座面が公差内で一
致していないと、ねじ41で締め付けた際に基台31に
歪みが生じ、レーザダイオード2,3とコリメータレン
ズ5との位置関係に微小なずれを生じ、像点の変動を引
き起こす。現実問題としては、調整時と組み込み時とで
座面を公差内で一致させるのは不可能である。このよう
な像点の変動は、レンズ/ミラー系の誤差許容値に対し
て十分に小さく、これまではあまり問題とされてこなか
った。しかし、複数の光ビームを用いて感光体に画像を
書き込むマルチビーム走査対応機では、光ビームの像点
での相対位置の変化として現れる。マルチビーム方式で
は、ビームの間隔を数10μm単位で調整し、かつ、数
μm単位で変動を抑えることが要求される。
する際の押圧を弾性的に行うと共に、押圧力を基台31
が歪まない範囲に設定することが必要である。これに
て、光源ユニット1をハウジング20に取り付ける際の
歪みを除去し、光ビームB1,B2の像点の相対的な変動
を防止することができる。また、基台31と取付けねじ
41との間に弾性部材を介在させるか、基台31の一部
に弾性を持たせることで、環境温度が変化したり、光源
ユニット1の各部品間の応力解放によって生じる位置ず
れを弾性的に吸収し、光ビームB1,B2の像点の相対的
なずれを防止することができる。
の取付けねじ41を使用し、基台31とねじ頭部との間
に圧縮ばね71を介在させればよい。また、図15に示
すように、基台31に突片部31cを形成し、この突片
部31cをねじ41で締め付ける際、ハウジング20と
突片部31cとの間に弾性スペーサ72を介在させても
よい。また、図16に示すように、ねじ41の頭部と基
台31の突片部31dとの間に弾性スペーサ73を介在
させてもよい。
に弾性を有する薄肉部31fを介して突片部31eを形
成し、この突片部31eをねじ41で締め付けてもよ
い。また、図18に示すように、板ばね74をハウジン
グ20にねじ止めし、この板ばね74の先端突部74a
で基台31の突片部31gを弾性的に押圧する構成であ
ってもよい。
てハウジング20に取り付ける際、4点で締め付けるよ
り、図19に示すように、3点で締め付け、かつ、支持
する方が取付け状態での安定性において優れている。図
19において、23はねじ41の締付け箇所に対応して
ハウジング20に設けた座面である。
る取付け例を示す。ここでは、基台31を板ばね74の
先端突部74aにて3箇所で押圧してハウジング20に
取り付ける構造を示す。ハウジング20には座面として
半球状の突起24が形成されている。
31への押圧力と歪み量について考察する。基台31の
単純化したモデルを図22に示す。図22(A)に示す
モデルでは、基台31をb×hの断面で長さC3の柱状
体とし、その両端で支持すると共に、両端からC1,C2
の位置に荷重Wを作用させ、そのときの歪み量Xについ
て考察する。なお、図22(B)は同じ柱状体を荷重点
の真下で支持するようにしたもので、この場合には歪み
は発生しない。
は以下の式で求められる。 X=(W・C1 2・C2 2)/(3・E・I・C3 2) 但し、Wは荷重、Eはヤング率であり、I=b・h3/
12である。光ビームの像点変動量が光源であるレーザ
ダイオード2,3の位置変化量の10倍であるとし、二
つの光ビームB1,B2のずれ量の許容幅を6μmとする
と、歪み量Xは0.6μm以下に抑える必要がある。
258、E:750000、C1:0.8、C2:4、C
3:4.8とすると、例えば、100kgfの荷重Wを
作用させると、歪み量Xは3.853673μmとなっ
て、許容値0.6μmを大きく上回ってしまう。2.2
kgfの荷重Wであれば、歪み量Xは0.084781
μmであり、この程度の荷重が最小値となる。15kg
fの荷重Wであれば、歪み量Xは0.578051μm
であり、この程度の荷重が最大値となる。
を前記例と同じとした場合、Iは0.020503であ
り、100kgfの荷重Wを作用させると、歪み量Xは
9.634183となって、許容値0.6μmを大きく
上回ってしまう。2.2kgfの荷重Wであれば、歪み
量Xは0.211952μmであり、この程度の荷重が
最小値となる。12.5kgfの荷重Wであれば、歪み
量Xは0.58737μmであり、この程度の荷重が最
大値となる。
で、本実施形態の如く、レーザダイオード2,3をそれ
ぞれ保持台32,33に取り付け、該保持台32,33
を基台31,50上にねじ45,46で締結する構成に
あっては、基台31,50と保持台32,33との当接
面の摩擦力に対して、保持台32,33とねじ45,4
6との当接面の摩擦力が十分に小さいことが要求され
る。
にして説明すると、保持台32をねじ45を用いて基台
31に締結する構成では、締結時に発生する残留応力が
解放されると、保持台32が基台31に対して位置ずれ
を生じる。この位置ずれは保持台32に固定されている
レーザダイオード2の位置ずれとなり、像点の変動を招
来する。
ては、特開平6−160745号公報に開示されている
ように、保持部材とフレームとの間のいずれかの面を仕
上げ面として両者の摩擦力を小さくするか、いずれかの
面を粗面として両者の摩擦力を大きくすることが考えら
れる。しかし、摩擦力を小さくすると、フレームに対し
て保持部材が容易に動くために光源の位置を微調整して
固定することが困難になる。また、摩擦力を大きくして
も応力そのものは小さくできないため、環境温度等の変
化による保持部材の位置ずれは避けることができない。
ずれを防止するためには、応力自体を抑え、かつ、応力
が残存していても位置変動を生じさせないだけの摩擦力
に設定する必要がある。なお、締結時に発生する残留応
力とは、例えば、ねじで締結する場合には、ねじ頭部
(座金を含む)と保持台との間で押圧力とは別に、ねじ
の回転によってねじり力(回転モーメント)が発生し、
その応力が保持台に残留したものをいう。
うに、基台31と保持台32との当接面A1の摩擦力を
大きく設定し、保持台32とねじ45の頭部との間に座
金45a,45bを設け、保持台32と座金45bとの
当接面A2の摩擦力を小さく設定した。これらの部材3
1,32,45,45a,45bはアルミニウムからな
る。当接面A1の摩擦力を大きくするには、少なくとも
いずれかの面を粗面化(ブラスト処理等)すればよい。
当接面A2の摩擦力を小さくするには、保持台32の上
面を研摩して平滑面としたり、保持台32の上面と座金
45bとの間に潤滑剤を塗布すればよい。
その表面仕上げの状態によって異なるが、1.0〜1.
2である。但し、鋳造した場合は表面粗さにかなりのば
らつきが出る。面粗さに関しては、切削面で3μm以
下、ダイキャスト面で10μm以下、ブラスト面で10
〜15μmである。摩擦係数は面粗さに比例すると考え
てよく、ブラスト面の摩擦係数は切削面の摩擦係数に対
して3〜5倍程度である。従って、当接面A1,A2の摩
擦力の比は3〜5:1に設定されることになる。
接面A2の摩擦力を充分に小さく設定したため、この当
接面A2にはねじ45の軸方向(界面直交方向)の押圧
力のみが発生し、ねじり力による残留応力をかなり小さ
く抑えることができる。同時に、基台31と保持台32
との当接面A1の摩擦力を相当に大きく設定したため、
両者間の相対的な移動を防止でき、両摩擦力の関係によ
ってレーザダイオード2の位置調整を容易かつ正確に行
うことが可能となる。さらに、締結時に残留応力が発生
したとしても、当接面A1は残留応力に耐え得る摩擦力
に設定されているため、界面上で応力が解放されること
はない。従って、結果的に温度変化や振動等によるレー
ザダイオード2の位置ずれを防止することができる。
との関係において行われたが、基台50と保持台33と
の関係においても同様である。
に、基台31,50、保持台32,33及びねじ45,
46の材質は同じであることが好ましい。保持台32,
33を基台31,50にねじ45,46で締結する際
に、保持台32,33とねじ45,46との間に応力歪
みが生じ、図24に示すように、保持台32,33が歪
む。そして、該応力歪みが部材の熱収縮で解放されると
きに、保持台32,33と共にレーザダイオード2,3
の位置がずれることになる。
33を鉄からなるねじ45,46で締結すると、図24
に示すように、保持台32,33が歪んだ状態で固定さ
れる。レーザダイオード2,3の位置調整はこの状態で
行われるため、保持台32,33はこの歪んだ状態を維
持することが好ましい。保持台32,33の歪み状態
は、保持台32,33とねじ45,46の圧接力と摩擦
力とのバランスによって維持される。しかし、温度変化
が生じると、鉄とアルミニウムとの熱膨張率の差によっ
てねじ45,46と保持台32,33との間の圧接力に
変化(低下)が生じ、保持台32,33が元の歪みのな
い状態に戻ろうとし、これがレーザダイオード2,3の
像点の移動として現われる。
が、本実施形態のような2ビーム方式では、像点ピッチ
の1/10程度の変化量が光源としてレーザダイオード
2,3の変化量の許容値となるので無視できない。
3及びねじ45,46の材質を同じもの(例えば、アル
ミニウム)とすることにより、温度変化が生じても、そ
れぞれの熱膨張率は同じであるため、保持台32,33
とねじ45,46間の圧接力が変化(低下)することは
ない。結果的に、レーザダイオード2,3の像点ピッチ
の変動を抑えることができる。
33に座ぐり穴32a,33aを形成し、この座ぐり穴
32a,33aにねじ45,46の頭部を位置させれ
ば、保持台32,33の変形を極力避けることができ
る。
ーム走査光学装置は前記実施形態に限定するものではな
く、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば、二つのレーザダイオード2,3の光ビームを結
合する素子としては、プリズムを組み合わせたビームス
プリッタ4以外に、無偏光ハーフミラー面を有する平板
及び偏光特性を有するフィルタミラー面を有する平板を
組み合わせたものであってもよい。
ひとつのマルチビーム方式の光源ユニット1’を設け、
その光ビームをビームスプリッタ6によってポリゴンミ
ラー12へ入射させてもよい。この場合は光源ユニット
1又は1’を選択的に切り換えて駆動する。例えば、光
源ユニット1は画素密度が400dpi、光源ユニット
1’は600dpiである。
置の概略構成を示す斜視図。
す平面図。
視図。
本発明例、(B)は従来例である。
す断面図。
示す断面図。
の例を示す断面図。
の例を示す断面図。
の例を示す断面図。
図。
断面図。
す断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 それぞれ異なる方向に光ビームを放射す
る複数の光源と、 前記光源から放射された複数方向から入射する光ビーム
を副走査方向に所定の間隔で出射させる、光学薄膜を有
する光学素子と、 前記光学素子をその光学薄膜を含む平面部で位置決めし
て支持する支持部材と、 前記光学素子から出射された複数の光ビームを平行光又
は収束光とするレンズと、 前記レンズから出射された複数の光ビームを同時に偏向
する偏向器と、 偏向された複数の光ビームを受光面上に結像する結像レ
ンズと、 を備えていることを特徴とする光ビーム走査光学装置。 - 【請求項2】 前記光学素子の底面部と前記支持部材と
の間に間隙を有することを特徴とする請求項1記載の光
ビーム走査光学装置。 - 【請求項3】 前記光学素子は長さの異なる二つの二等
辺三角柱プリズムを互いの底辺面部を光学薄膜を介して
接合してなり、長いプリズムの底辺面部が短いプリズム
の両端部から突出していることを特徴とする請求項1記
載の光ビーム走査光学装置。 - 【請求項4】 前記支持部材は前記光学素子の突出底辺
面部の片側を1点で他側を2点で受ける計3個の球状突
部を有することを特徴とする請求項3記載の光ビーム走
査光学装置。 - 【請求項5】 前記光学素子は突出底辺面部と直交する
方向に弾性的に付勢されて前記支持部材に保持されてい
ることを特徴とする請求項4記載の光ビーム走査光学装
置。
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