JP3547595B2 - マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置の実現が意図されている。
【0003】
図3(a)は、マルチビーム走査装置の1例を示している。光源装置10からは2本のビームが同時に放射される。これら2本のビームは共に平行光束であってシリンドリカルレンズ12により副走査対応方向(光源から被走査面に至る光路上で副走査方向と対応する方向)に集束され、光偏向器である回転多面鏡14の偏向反射面の近傍に主走査対応方向(光源から被走査面に至る光路上で主走査方向と対応する方向)に長い線像としてそれぞれ結像し、偏向反射面により反射されると、回転多面鏡14の等速回転に伴い等角速度的に偏向し、結像機能を有するfθミラー16に入射して反射され、ミラー18により折り返されると、樽型トロイダル面を有する長尺トロイダルレンズ20を透過し、ミラー22により光路を折り曲げられ、光導電性の感光体24の感光面(被走査面の実体を成す)に入射する。
fθミラー16と長尺トロイダルレンズ20とは共働して、各ビームを被走査面上にスポットとして集光させる。光源装置10からの各ビームは平行光束であり、回転多面鏡の偏向反射面位置に、主走査対応方向に長い線像として結像するから、偏向ビームは、主走査対応方向には平行光束、副走査対応方向には発散光束であり、fθミラー16は主として偏向各ビームを主走査対応方向において被走査面上に結像させる機能と、スポットによる光走査を等速化する機能(fθ機能)とを有する。長尺トロイダルレンズ20は、fθミラー16と共働して各偏向ビームを副走査対応方向において各偏向ビームを被走査面上に結像させる機能を有する。即ち、fθミラー16と長尺トロイダルレンズ20とは、副走査対応方向において偏向反射面近傍と被走査面位置とを幾何光学的な共役関係とする機能を有する。従って図3(a)のマルチビーム走査装置は回転多面鏡14における「面倒れ」を補正する機能を有する。
【0004】
図3(b)は(a)に示した光源装置10の「具体的構成の1例」を説明図的に示している。光源としての半導体レーザ101からのビームはカップリングレンズ103により、半導体レーザ102からのビームはカップリングレンズ104により、それぞれ以後の光学系にカップリングされ、カップリングされたビームは「平行光束」となる。カップリングされた各ビームはビーム合成手段105により合成される。
ビーム合成手段105は、1/2波長板1051とプリズム1052とを一体化して成り、プリズム1052は偏光分離膜1053を有する。偏光分離膜1053はP偏光を透過させ、S偏光を反射する。
【0005】
半導体レーザ101,102からのレーザビームは「偏光分離膜1053に対してP偏光となる」ように放射される。従って、カップリングレンズ103によりカップリングされたビームはプリズム1052に入射すると、偏光分離膜1053をそのまま透過する。カップリングレンズ104によりカップリングされたビームは1/2波長板1051を透過することにより偏光面を90度旋回され、偏光分離膜1053に対してS偏光となる。このビームはプリズム1052のプリズム面により全反射され、次いで、偏光分離膜1053により反射されてプリズム1052から射出する。かくして、半導体レーザ101,102からの各ビームが合成される。カップリングレンズ103,104の光軸は互いに平行であり、これら光軸の距離は、ビーム合成手段105でビーム合成したとき、各カップリングレンズ103,104の光軸が互いに合致するように定められている。
【0006】
プリズム105から射出する各ビームは何れも直線偏光状態にあり、偏光面が互いに90度をなしている。前記「共通の光学系」には、回転多面鏡14の偏向反射面や、fθミラー16、ミラー18,22が反射面として含まれる。周知のように、反射面による反射率は反射角に応じて変化するが、反射面に対してS偏光であるかP偏光であるかによっても反射率が変化するので、偏光状態による反射率の変動(スポットの強度変動の原因となる)を防止するため、合成された各ビームの偏光状態を円偏光にするための(各ビームに共通の)1/4波長板(図示されず)が、光源装置10の内部または光源装置10とシリンドリカルレンズ12との間に配備される。また、被走査面上に集光するスポットの形状を適当な形状とするために、合成された各ビームを「ビーム整形」する必要があり、このビーム整形のための(各ビームに共通の)アパーチュア(図示されず)が光源装置の内部あるいは適宜の位置に配備される。
【0007】
前述のように、カップリングレンズ103,104は、ビーム合成手段105によるビーム合成により「これらレンズの光軸が合致する」ように配備されているから、半導体レーザ101,102の発光部を対応するカップリングレンズの光軸上に配備すれば、これら半導体レーザ101,102からのビームのスポットは被走査面上で互いに重なりあう。そこで、一方もしくは双方の半導体レーザの発光部を、対応するカップリングレンズの光軸に対して微小距離ずらすと、各ビームの形成するスポットは被走査面上で互いにずれる。上記発光部と光軸のずれ量を固定すると被走査面上の2つのスポットの距離も一定と成るので、この距離を「L」とする。
図3(c)は、被走査面上の2つのスポットSP1,SP2の関係を示している。図の左右方向が「主走査方向」、上下方向が「副走査方向」である。スポットSP1,SP2の距離が「L」であるから、これら2つのスポットSP1,SP2を結ぶ直線が主走査方向と成す角を「ξ」とすれば、スポットSP1,SP2は主走査方向には「Lm(=L・cosξ)」だけ互いに分離し、副走査方向には「Ls(=L・sinξ)」だけ相互に分離することになる。
【0008】
そこで、図3(a)に戻って、光源装置10を全体として(カップリングレンズ103の光軸を軸として)回転調整可能とし、光源装置10を全体として回転させることにより前記の角:ξを調整することができ、このようにしてスポットSP1,SP2の副走査方向の分離量:Lsを調整することができる。上記分離量:Lsは、同時に走査される2ラインのピッチであるから、これを変化させることにより、マルチビーム走査による書込みにおける「書込み密度」を変化させることができる。即ち、密度切り換えを行うときは「密度切り換え信号」を角度制御部(コンピュータ等)26に入力し、角度制御部26によりモータ28の回転駆動を制御して上記角:ξを調整し、所望の密度を実現するのである。
「書込み信号」は、図3(b)に示すように、書込制御部30(コンピュータ等)を介してLD駆動部32に送られ、LD駆動部32は、奇数ラインの書込み信号により半導体レーザ101の発光を変調制御し、偶数ラインの書込み信号により半導体レーザ102の発光を変調制御する。
光走査を開始するに先立ち、各ビームは検出され、その検出結果に基づき、各ビームによる書込み開始のタイミングが決定される。
図3(c)に示すスポットSP1,SP2の主走査方向の分離量:Lmはこれを、各スポットを「同一の検出部で独立して検出できる程度の大きさ」に分離するように設定される。
【0009】
図4(a)は、図3のマルチビーム走査装置の光源装置10用に、従来、意図された「ホルダ」を示している。ホルダ50は、板状の基部51から直交するように2つの棚状部501,502が突設され、これら棚状部501,502にそれぞれ、カップリングレンズ103,104が配備される。半導体レーザ101,102は(b)に示すように、基部51に穿設されている穴503,504に基部51の裏面側から圧入固定され、各発光部からのレーザビームは、穴503,504を抜けてカップリングレンズ103,104に入射する。
【0010】
このように半導体レーザ101,102とカップリングレンズ103,104を保持したホルダ50は、光源装置のケーシング(図示されず。ビーム合成手段を固定的に設けられている)に、螺子穴B1〜B4により螺子(図示されず)で固定される。
【0011】
従来、意図された上記の如き光源装置には、以下の如き問題がある。
即ち、半導体レーザとカップリングレンズとがホルダにより一体化されるのに対し、ビーム合成手段がケーシングの側に固定されるので、ホルダをケーシングに固定する際、ビーム合成手段とカップリングレンズ・半導体レーザとの相対的な位置関係を調整する必要があり、光源装置の組立ての作業性が悪い。
マルチビーム走査装置は半導体レーザや回転多面鏡の駆動モータのような発熱部を有し、マルチビーム走査装置が組み込まれる画像形成装置(デジタル複写機や光プリンタ等)にも発熱を伴う機械部分が少なからず含まれる。
従って、画像形成装置が長時間連続使用された場合などには画像形成装置内の温度が上昇し、この温度上昇が20度以上に達することも珍しく無い。上記光源装置のホルダは一般に金属材料で構成されるが、ケーシングは、その形状が複雑であることもあってプラスチック材料によりプラスチック整形で形成される。すると、光源装置を構成するホルダとケーシングとは、その材料が一方は金属で他方はプラスチックであるから互いに熱膨張係数が異なり、上記の如き温度上昇が生じたとき、膨張による変形量がホルダとケーシングとで異なることになる。
プラスチックと金属とでは金属の方が熱膨張係数が大きいので、この場合、ホルダの側に大きな応力が集中し、図4(c)のように、ホルダの板状の基部51が弾性変形による反りを生じることがあり、このような反りが発生するとカップリングレンズ103,104の光軸は正規の方向からずれてしまう。
図4(c)の基部51の弾性変形は誇張されているが、弾性変形の変形量が微小であっても上記光軸の変動は光走査に影響する。即ち、上記弾性変形に起因するカップリングレンズの光軸の変動は、被走査面上に集光する2つのスポットの間隔を変化させる。
スポット間隔が変化すると、図3(c)に示した主・副走査方向の間隔、Lm,Lsが変動することになるが、特に副走査方向の間隔:Lsが狂うと書込み密度が狂うのみならず、等間隔であるべきライン間隔が狂い、書込み画像の像質を著しく低下させることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、マルチビーム走査装置における、温度上位に伴う主走査のライン間隔変動の有効な防止・軽減と、光源装置の組立て性の向上を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の光源ユニットは「複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により複数ビームを同時に偏向せしめ、複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において用いられる光源装置の一部」であって、複数個の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段と、ホルダとを有する。
「複数の半導体レーザ」は、その個々が光源として用いられる。
「複数のカップリングレンズ」は、その個々が各半導体レーザに対応し、対応する半導体レーザからのビームを以後の光学系にカップリングする。カップリング作用は、カップリングされたビームが「実質的な平行光束」となるようにする「コリメート作用」でも良いし、光学系の設計如何によっては、カップリングされたビームが弱い発散性の光束になるようにすることもできるし、弱い集束性の光束となるようにすることもできる。
「ビーム合成手段」は、カップリングされた複数のビームを合成する手段である。ビーム合成手段は、後述する「各ビームの偏光状態を利用してビーム合成を行うもの」のほか、周知のハーフミラーを用いるものを用いることもでき、ハーフミラーを用いるビーム合成手段を用いると、3以上の半導体レーザからのビームを容易に合成できる。
「ホルダ」は、複数個の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段とを固定的に保持する。
【0014】
上記ホルダは、複数の半導体レーザを固定的に保持する板状基部と、この板状基部に保持された半導体レーザの配列方向に平行で、板状基部に略直交するように張り出した棚状部とを有する一体構造で、棚状部に複数のカップリングレンズとビーム合成手段とを固設される。そして棚状部は「板状基部における棚状部幅方向の弾性変形を防止する」ように形成される。「棚状部幅方向」は、上記半導体レーザの配列方向である。
【0015】
請求項1記載のマルチビーム走査装置の光源ユニットにおいて、半導体レーザの個数を2個とし、ビーム合成手段が「反射面と偏光分離膜とを有するプリズムと、一方のビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板とを有し、各ビーム偏光状態を利用してビーム合成を行うもの」とすることができる(請求項2)。
上記複数のカップリングレンズをホルダの棚状部に固定する方法は種々の方法が可能であるが「光硬化性の接着剤によりホルダの棚状部に接着固定する」ことができる(請求項3)。マルチビーム走査装置には、前述したように、ビーム合成手段により合成された複数のビームの個々に対してビーム整形を行うための、「各ビームに共通のアパーチュア」や、複数のビームの偏光状態を円偏光にするための「各ビームに共通の1/4波長板」が用いられるが、上記アパーチュアおよび/または1/4波長板をホルダの棚状部に保持させることもできる(請求項4)。
【0016】
この発明の光源装置は「複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において用いられるもの」であって、請求項1〜4の任意の1に記載の光源ユニットと、保持部材と、ブラケットと、係合手段と、取付け角調整手段を有する(請求項5)。
「保持手段」は、光源ユニットを保持する手段であって、光源装置のケーシングとなる。
「ブラケット」は、保持部材を保持し、共通の光学系のハウジングに取り付けられる。
「係合手段」は、保持部材をブラケットに対し、各カップリングレンズの合成された光軸の回りに回転可能とする手段である。
「取付け角調整手段」は、ブラケットのハウジングに対する取付け角を調整する手段であり、これにより、光源装置から射出する複数ビームの方向が、ハウジング内の光学系に対して定められる。
【0017】
この発明のマルチビーム走査装置は「複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置」であって、上記請求項5記載の光源装置を有することを特徴とする(請求項6)。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明のマルチビーム走査装置の光源ユニットの実施の1形態を説明するための図である。繁雑を避けるため、混同の虞れが無いと思われるものについては図3におけると同一の符号を用いた。
図1(a)は「ホルダ」を示している。ホルダ60は、2個の半導体レーザと2個のカップリングレンズと「ビーム合成手段」とを保持するための部材で、板状基部61と棚状部62とを有する。板状基部61は、半導体レーザ取付け用の取付け孔63,64を穿設されている。
図1(b)は光源ユニットの一部断面図で、図中にハッチを施した部分が断面である。取付け孔63,64は板状基部61を貫通し、半導体レーザ101,102はそれぞれ取付け孔63,64に基部裏側から圧入固定されている。
棚状部62は、板状基部61に保持された半導体レーザ101,102の配列方向に平行で、板状基部61に略直交するように張り出し、板状基部61と一体構造である。図1(a)に示すように、棚状部62は「棚状部として一枚構造」であり、カップリングレンズ103,104を保持する部分621と、ビーム合成手段を保持する部分622とを有し、上記部分622にはまた、アパーチュアを保持するための保持溝623を穿設されている。図1(a)において、符号6211,6212で示す部分は「カップリングレンズを接着」する領域で、符号6221で示す部分は「ビーム合成手段を接着する」領域である。
【0019】
図1(b)に示すように「ビーム合成手段」は、図3に即して説明したのと同様のものであり、反射面1050と偏光分離膜1053を有するプリズム1052と、一方のビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板1051とを有し「各ビームの偏光状態を利用してビーム合成を行う」ものである。
【0020】
光源ユニットを組み立てるに当っては、先ず、前述の如く、半導体レーザ101,102を取付け孔63,64にそれぞれ圧入固定する。
次に、棚状部62の、図1(a)に符号6221で示す部分に光硬化性の接着剤、例えば「紫外線硬化樹脂」を塗布し、この部分に「ビーム合成手段」を配備し、半導体レーザ101,102に対して位置調整を行い、調整が完了したら紫外光を照射して樹脂を硬化させ、「ビーム合成手段」をホルダ60に固定する。次に、各ビームに共通に設けられ、各ビームのビーム整形を行うアパーチュアAPを保持溝623に差し込み固定する。アパーチュアAPは図1(c)に示すように長方形の開口を有し、各ビームはこの開口を通過することによりビーム周辺部分を遮断されてビーム整形される。続いて、図1(a)の符号6211,6212で示す部分に紫外線硬化樹脂を塗布し、カップリングレンズ103,104を配備し、各カップリングレンズの光軸方向の位置(カップリングされたビームが平行ビームになるように調整する)を調整し、且つ、各カップリングレンズの光軸と、半導体レーザの発光部との位置関係を「被走査面上で2つのスポットが所望の距離:Lで分離する」ように位置調整し、調整終了後、紫外光を照射して各カップリングレンズを棚状部に固定する。
【0021】
従って、図1に実施の形態を示す「光源ユニット」は、複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において、複数個の半導体レーザ101,102と、各半導体レーザ101,102に対応し、対応する半導体レーザからのビームを以後の光学系にカップリングする複数のカップリングレンズ103,104と、これらカップリングレンズ103,104によりカップリングされた複数のビームを合成するビーム合成手段1051,1052と、複数個の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段とを固定的に保持するホルダ60とを有し、ホルダ60は、複数の半導体レーザ101,102を固定的に保持する板状基部61と、この板状基部61に保持された半導体レーザ101,102の配列方向に平行で、板状基部61に略直交するように張り出した棚状部62とを有する「一体構造」で、棚状部62に複数のカップリングレンズ103,104とビーム合成手段1051,1052とを固設されている。そして、棚状部62は前述の如く、棚状部として一枚構造であるので、ケーシングをなす保持部材との間の熱膨張量の差により応力が集中しても、図4(c)に示したような「板状基部における棚状部幅方向の弾性変形」が有効に防止される(請求項1)。
【0022】
図1の実施の形態はまた、半導体レーザの個数が2個で、ビーム合成手段は、反射面1050と偏光分離膜1053を有するプリズム1052と、一方のビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板1051とを有し、各ビームの偏光状態を利用してビーム合成を行うものであり(請求項2)、複数のカップリングレンズ103,104は光硬化性の接着剤によりホルダの棚状部62に接着固定され(請求項3)、ビーム合成手段により合成された複数のビームの個々に対してビーム整形を行う、各ビームに共通のアパーチュアAPが、ホルダ61の棚状部62に保持される(請求項4)。
【0023】
なお、図1の実施の形態において、カップリングレンズは「単レンズ」であるが、これを2枚以上の複合レンズ(張り合わせレンズでもよい)で構成することもできる。カップリングレンズが単レンズの場合、カップリングレンズを紫外線硬化樹脂でホルダに接着するのにレンズのコバ面で接着が行われる。その際、コバ厚が小さいと、紫外線硬化樹脂の固化の際に樹脂の固化の不均一により、樹脂の固化に伴う収縮の力がカップリングレンズに作用して、カップリングレンズの光軸を傾かせる場合がある。これを避けるには、カップリングレンズのコバ厚はある程度大きい方が良く、例えば、コバ厚を3mm以上とすれば、上記の如き光軸の傾きを有効に防止できる。
【0024】
図2は、請求項5記載の光源装置の実施の1形態を示す一部断面図である。
符号600は図1に即して説明した「光源ユニット」を示し、光源ユニット600は、図1(a)に示す螺子孔b1,b2,b3等により、ケーシング70に螺子で螺子留め固定される。ケーシング70は「保持部材」であり、光源ユニット600を保持する。
ケーシング70は「中空円筒状」の嵌合部71を有し、この嵌合部71の中心軸は、前記「ビーム合成手段」により合成されたカップリングレンズ103,104の合成光軸AX(合成により合致させられた光軸)に一致している。また嵌合部71の先端部には「合成された各ビームの偏光状態を円偏光にする」ための1/4波長板80が接着固定されている。
【0025】
嵌合部71は、ブラケット90の嵌合孔に回動自在に嵌合している。嵌合部71の先端部には止めリング74が固定され、圧縮性のバネ75が止めリング74とブラケット90との間に介設されている。従って、バネ75の弾性力は、保持部材としてのケーシング70を、ブラケット90に図の右側から圧接させるように作用する。この圧接力により、ケーシング70は当接部72,73等によりブラケット90に圧接する。当接部は全部で3つあるが、1つは図に現われていない。従って、ケーシング70のブラケット90への当接は「3点支持」である。留めリング74とバネ75と当接部72,73等は「保持部材70をブラケット90に対し、各カップリングレンズの合成された光軸AXの回りに回転可能とする係合手段」を構成する。
このようにして、ケーシング71を光軸AXを中心として回転させることができ、これにより先に説明したように「副走査方向のライン間隔を可変して書込み密度を変更したり、ライン間隔を調整したり」することができる。
【0026】
ブラケット90は、光学系のハウジング95に固定される。ブラケット90は、ハウジング95に3点で螺子留めされる。これら3点の「螺子留め部」のうち2つは「通常の螺子留め部」であり、図2に図示されていない。
【0027】
残る一つの螺子留め部は、図2に示すように、ハウジング95の壁面に対して傾斜し、この傾斜部に、楔96を介在させて螺子97で螺子留めする。このようにすると、楔96の位置を図2の上下方向に調整することにより、ブラケット90によりケーシング70を、図2の図面内で揺動的に調整できるので、光軸AXの方向を図の面内において調整できる。この調整は、シリンドリカルレンズ12の光軸と上記光軸AXとを合致させるように行われる。
【0028】
即ち、図2に示す実施の形態は、複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において、光源ユニット600と、光源ユニット600を保持する保持部材70と、保持部材70を保持するブラケット90と、保持部材600をブラケット90に対し、各カップリングレンズ103,104の合成された光軸AXの回りに回転可能にする係合手段72,73,74,75等と、ブラケット90の、共通の光学系のハウジング95に対する取付け角を調整する取付け角調整手段96とを有する(請求項5)。そして、このような光源装置を、図3に示すごときマルチビーム走査装置の光源装置10として用いることにより「複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置」を実現できる(請求項6)。
【0029】
なお、図2において、楔96による光軸調整を行う代わりに、あるいは楔96による光軸調整と共に、シリンドリカルレンズ12を、パワーを持つ方向(図2の上下方向)に変位調整するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規なマルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニットを実現できる。
この発明の光源ユニットは、上記の如く、ホルダが複数の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段とを一体的に保持するので、これら半導体レーザ、カップリングレンズ、ビーム合成手段の位置関係を、光源ユニットの組み付けを行いつつ行うことができ、位置関係の調整を容易且つ確実に行うことができ、光源装置の組立て性が良くなる。
【0031】
また、ホルダは、板状基部と棚状部とを有する一体構造で、棚状部が「板状基部における棚状部幅方向の弾性変形」を防止するので、光源ユニットのホルダとケーシングの熱膨張係数の違いにより、温度上昇に伴って、ホルダに応力が作用しても、ホルダの弾性変形が有効に防止され、被走査面上における複数スポットの副走査方向の分離幅の変動が有効に防止もしくは軽減される。
【0032】
また、この発明の光源装置は、上記光源ユニットを用いることにより、組立て性が良く、共通の光学系に対する光軸調整を容易且つ確実に行うことができる。
そして、この発明のマルチビーム走査装置は、上記の如き光源装置を用いることにより、温度上昇に伴うライン間隔の変動なしに、あるいは変動の影響を有効に軽減して良好なマルチビーム走査を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光源ユニットの実施の1形態を説明するための図である。
【図2】この発明の光源装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図3】従来、実施が意図されているマルチビーム走査装置の1例を説明するための図である。
【図4】発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【符号の説明】
101,102 半導体レーザ
103,104 カップリングレンズ
1051 1/2波長板
1052 プリズム
1053 偏光分離膜
60 ホルダ
61 板状基部
62 棚状部
Claims (6)
- 複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において、
複数個の半導体レーザと、
各半導体レーザに対応し、対応する半導体レーザからのビームを以後の光学系にカップリングする複数のカップリングレンズと、
これらカップリングレンズによりカップリングされた複数のビームを合成するビーム合成手段と、
上記複数個の半導体レーザと、複数のカップリングレンズと、ビーム合成手段とを固定的に保持するホルダとを有し、
該ホルダは、上記複数の半導体レーザを固定的に保持する板状基部と、この板状基部に保持された半導体レーザの配列方向に平行で、上記板状基部に略直交するように張り出した棚状部とを有する一体構造で、上記棚状部に上記複数のカップリングレンズとビーム合成手段とを固設され、上記棚状部が、上記板状基部における棚状部幅方向の弾性変形を防止するようにしたことを特徴とするマルチビーム走査装置の光源ユニット。 - 請求項1記載のマルチビーム走査装置の光源ユニットにおいて、
半導体レーザの個数は2個であり、
ビーム合成手段は、反射面と偏光分離膜とを有するプリズムと、一方のビームの偏光面を90度旋回させる1/2波長板とを有し、各ビームの偏光状態を利用してビーム合成を行うものであることを特徴とするマルチビーム走査装置の光源ユニット。 - 請求項1または2記載のマルチビーム走査装置の光源ユニットにおいて、
複数のカップリングレンズは、光硬化性の接着剤によりホルダの棚状部に接着固定されることを特徴とするマルチビーム走査装置の光源ユニット。 - 請求項1または2または3記載のマルチビーム走査装置の光源ユニットにおいて、
ビーム合成手段により合成された複数のビームの個々に対してビーム整形を行う、各ビームに共通のアパーチュアおよび/または上記複数のビームの偏光状態を円偏光にする、各ビームに共通の1/4波長板が、ホルダの棚状部に保持されることを特徴とするマルチビーム走査装置の光源ユニット。 - 複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において、
請求項1〜4の任意の1に記載の光源ユニットと、
該光源ユニットを保持する保持部材と、
該保持部材を保持し、共通の光学系のハウジングに取り付けられるブラケットと、
上記保持部材を上記ブラケットに対し、各カップリングレンズの合成された光軸の回りに回転可能とする係合手段と、
上記ブラケットの上記ハウジングに対する取付け角を調整する取付け角調整手段とを有する、マルチビーム走査装置の光源装置。 - 複数の発光部からの複数のビームを共通の光学系を介して被走査面に導き、副走査方向に互いに分離した複数のスポットとして集光せしめ、上記光学系に含まれる光偏向器により上記複数ビームを同時に偏向せしめ、上記複数のスポットにより複数ラインを同時走査する方式のマルチビーム走査装置において、
請求項5記載の光源装置を有することを特徴とするマルチビーム走査装置。
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JP25635297A JP3547595B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニット |
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JP25635297A JP3547595B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニット |
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JPH1195139A JPH1195139A (ja) | 1999-04-09 |
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JP25635297A Expired - Lifetime JP3547595B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | マルチビーム走査装置およびマルチビーム走査装置の光源装置および光源ユニット |
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-
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- 1997-09-22 JP JP25635297A patent/JP3547595B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH1195139A (ja) | 1999-04-09 |
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