JPH0424349Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は天井埋込形空気調和機の吹出装置に関
するものである。

従来の技術 従来、ビルデイング等の天井側より空気調和を
行なうようにした天井埋込形空気調和機の吹出装
置は第４図および第５図に示すような構造となつ
ている。すなわち、化粧パネル３は天井面１の開
口部２に設けられ、天井裏内に埋込まれた空気調
和機の本体（図示せず）に接合される。前記化粧
パネル３には、その一側方においてグリル枠４と
仕切枠５とによつて形成される吹出口６と、他側
方において仕切枠５とグリル枠４間に形成される
吸込口１０を有している。前記の吹出口６の両端
にはゴム製からなるルーバー保持具７を設け、こ
のルーバー保持具７に形成した三角形状の保持穴
９に、平板状のルーバー８の端部が挿入されてい
る。そして吸込口１０より流入した室内の空気が
送風機、熱変換器（いずれも図示せず）を経て、
吹出口６に流れ、ここでルーバー８に沿つて矢印
Ａに示すような方向に吹出すようにしていた。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、複数枚のルーバー
８を使用しているにもかかわらず、風向調整の範
囲が保持穴９の範囲に限られて少なく、またルー
バー８の近辺を通過する吹出風は風向が多少変化
するが、矢印Ａに示す部分からの吹出風は十分に
風向を変えることができず室内の空調範囲が限ら
れて適切な室内温度分布が得られないという問題
点があつた。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
一枚のルーバーで吹出方向を水平から垂直までと
いう広範囲の吹出方向を得ることを目的とするも
のである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために、本考案は本体と
接合して設けられる化粧パネルにおいて、垂直に
立ち上げられたグリル枠と仕切板間に吹出口を形
成するとともに前記吹出口に一つのルーバーを設
け、前記グリル枠は吹出口の出口部に円弧部をも
ち、仕切板は吹出口側に仕切板と平行な折曲片を
有し、ルーバーは巾方向の断面が略Ｓ字状となる
形状に形成され、その端部が仕切板の折曲部の上
端に係り合うように回動自在に設けてなる空気調
和器の吹出装置の構成としたものである。

作 用 この構成により、冷暖房運転時風向を水平方向
とする場合はルーバーが横方向に位置しさらにル
ーバーの略Ｓ字状の上端部が仕切板折曲片に掛け
られるために吹出風向はルーバーの略Ｓ字状およ
びグリル枠の円弧部の面にそつて流れ水平に吹出
されることとなる。また風向を垂直方向とする場
合は、ルーバーが縦向きとなりルーバーの略Ｓ字
状に規制されることなく吹出風が垂直に吹出され
ることとなる。

実施例 以下本考案の一実施例を第１図〜第３図にもと
づいて説明する。天井埋込形空気調和機は第１図
に示すように、天井裏内に据付けられた本体１１
と、この本体１１に接合し天井１２の下面に露出
して備えた化粧パネル１３よりなつている。前記
本体１１内にはしや閉板１４の両側に送風機１５
と、熱交換器１６が設けられ、送風機１５の流入
側にはエアフイルタ１７を、また熱交換器１６の
下流側にはチヤンバー１８が備えられている。前
記化粧パネル１３はグリル枠１９と、中央部に位
置して開閉するようにした点検パネル２０よりな
り、点検パネル２０の外締とグリル枠１９間に仕
切板２３を設け、点検パネル２０の両端と仕切板
２３間に吸込口２１を形成し、さらに仕切板２３
とグリル枠１９間に吹出口２２を形成している。
前記仕切板２３には吹出口２２側にこの仕切板２
３と平行して垂直に立ち上げられた仕切板折曲片
２４を有している。第２図および第３図は吹出口
２２近辺の拡大図で、グリル枠１９は吹出口２２
の出口となる部分に円弧部３０を有している。吹
出口２２を形成するグリル枠１９の内側には、一
端を円弧状に形成した断熱材２５が貼付けられ、
また吹出口２２には長手方向に長く形成した一枚
のルーバー２６を設けている。このルーバー２６
は巾方向の断面がＳ状に形成され、両端にルーバ
ー保持片２９を有している。そしてルーバー保持
片２９を吹出口２２の両端側方部に保持ピン２７
で回転するように取り付けられ、回動により前記
仕切板折曲片２４の上端部に前記略Ｓ字状に形成
されたルーバー２６の上端が掛かるように構成さ
れている。

上記構成において、冷房運転時は第２図に示す
ようにルーバー２６を回動してその上端を仕切板
折曲片２４に掛けるまで調整する。その場合吹出
口２２より吹出された吹出風はグリル枠１９の吹
出側に円弧３０と略Ｓ字状に形成されたルーバー
２６に沿つて流れ、矢印Ｂに示すように天井面２
２に沿つて吹出され冷房時に適した吹出方向の吹
出しとなる。

次に暖房時においては第３図に示すようにルー
バー２６を保持ピン２７を支点として回転させル
ーバー２６の円弧部３１を仕切板折曲片２４の垂
直部に当接させる。その場合吹出口２２より吹出
された吹出風は矢印Ｃに示すように直接室内下方
に向つて吹出され暖房時に適した吹出方向とな
る。このように一枚のルーバー２６を調整するこ
とによつて吹出風は水平から垂直までという広範
囲の吹出方向を得ることができる。

考案の効果 前記実施例の説明より明らかなように本考案は
化粧パネルの吹出口を形成する仕切板に仕切板折
曲片を設け、同じく吹出口を形成するグリル枠の
吹出口の出口部には円弧部を設け、吹出口に回動
自在に設けたルーバーを、その巾方向断面がほぼ
Ｓ字状としたため、一枚のルーバーで吹出方向が
水平から垂直まで広範囲に変化させることができ
適切な気流分布、温度分布を得ることができると
いう効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の空気調和機の吹出
装置の断面図、第２図は同吹出装置の水平吹出時
の詳細断面図、第３図は同吹出装置の垂直吹出時
の詳細断面図、第４図は従来の吹出装置の詳細断
面図、第５図は同従来の吹出装置の斜視図であ
る。 １１……本体、１３……化粧パネル、１９……
グリル枠、２２……吹出口、２３……仕切板、２
４……仕切板折曲片、２６……ルーバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体と接合して設けられる化粧パネルにおい
   て、垂直に立ち上げられたグリル枠と仕切板間に
   吹出口を形成するとともに前記吹出口に一つのル
   ーバーを設け、前記グリル枠は吹出口の出口部に
   円弧部をもち、仕切板は吹出口側に仕切板と平行
   な折曲片を有し、ルーバーは巾方向の断面が略Ｓ
   字状となる形状に形成され、その端部が仕切板の
   折曲部の上端に係り合うように回動自在に設けて
   なる空気調和機の吹出装置。