JPH0728517Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は天井に埋込まれる空気調和機に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第４図は従来の空気調和機の断面図、第５図は同空気調
和機の下面図である。図において、天井１に設置された
本体２の内部には熱交換器７及び遠心送風機６が配設さ
れ、この本体２の下部はほぼ正方形の化粧パネル８によ
つて覆われている。化粧パネル８の中央部にはほぼ正方
形の空気吸込口３が形成され、かつ、この空気吸込口３
の外側には化粧パネル８の各辺縁に沿つて伸びる長方形
の空気吹出口４が形成されている。

本装置において、モータ５によつて送風機６を駆動する
と、室内９の室内空気が、破線矢印で示すように、空気
吸込口３から吸込グリルを通つて本体２内に吸込まれ、
送風機６によつて付勢され、熱交換器７を流過する過程
で冷却又は加熱されることにより調和空気となつて空気
吹出口４から吹出ルーバ12に案内されて室内に吹き出さ
れる。なお、第４図において、16はドレンパン、17,18
は導風板である。

〔考案が解決しようとする課題〕

第６図は従来の空気調和機を天井１に備えた室内９の断
面図である。図において、10は床面、室内空間に描かれ
ている複数の曲線Ｂは暖房運転時の等温線であり、14は
高温域、15は低温域である。

従来の空気調和機においては、図示のように、室内９の
上部には高温域14が形成され、室内９の下部、即ち、居
住空間には低温域15が形成されるので、所謂頭熱足寒の
状態となつて暖房フイーリングが損なわれるという不具
合があつた。

本考案は室内の人々に快適な暖房フイーリングを与える
ような温度分布を生じる空気調和機を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記課題を解決したものであつて、化粧パネル
を備えたその下面を室内に露出して天井に埋込まれ、室
内の空気を吸込み、送風機と熱交換器とを経由した後室
内へ吹出す空気調和機において、上記化粧パネルの周辺
部に設けられた空気吸込口、同化粧パネルの中央部に設
けられた空気吹出口、上記送風機として上記空気吹出口
の上方において同空気吹出口に近接し下方へ空気を送る
よう設けられたプロペラフアン、上記空気調和機の内部
において上記空気吸込口から吸込まれた空気の一部を上
記熱交換器を経由することなく上記プロペラフアンの外
周部へ流入させるよう設けられたバイパス流路、および
同バイパス流路を開閉するダンパを備えたことを特徴と
する空気調和機に関するものである。

〔作用〕

本考案の空気調和機においては、天井の下面に露出して
いる化粧パネルの周辺部に設けられている空気吸込口か
ら室内の空気を吸込む。バイパス流路のダンパが閉じら
れている時は、すべての空気は熱交換器によつて空調さ
れ、プロペラフアンによつて化粧パネル中央部の空気吹
出口から下方へ吹出させる。以上の作用は主として冷房
時のもので、通常の空調機の場合とほぼ同じである。

特に暖房時にはバイパス流路のダンパが開かれる、この
時前記の吸込まれた空気の一部はバイパス流路を経て、
室温のままでプロペラフアンの外周部に導かれ、熱交換
器を経由した温風の周辺部に合流して下方へ吹出され
る。上記温風は、その周辺部を室温の空気が取巻いて下
方へ流れるので、温風の熱浮力による舞い上りが防止さ
れ、室内下部へ確実に温風が到達するので、室内の人々
に快適な暖房フイーリングを与えることができる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は同実施例
の下面図である。図において、17aおよび18aは従来のも
のとは位置形状の異なる導風板、19は新たに設けられた
バイパス口20は同バイパス口に設けられたダンパ、6aは
従来の遠心送風機に替えて設けられたプロペラフアン、
3aは従来の吹出口の位置にある吸込口、4aは従来の吸込
口の位置にある吹出口である。上記以外の部分は従来の
ものと同じであるので説明を省略する。以上の構成を有
する空気調和機において、室内９の空気は空気吸込み口
3aより吸込まれ、バイパス口を経由しない空気は、熱交
換器７により加熱，冷却，除湿等が行なわれ、モータ５
によつて回転しているプロペラフアン6aにより空気吹出
し口4aより室内９に吹出される。バイパス口19のダンパ
20は主として暖房運転時に開となる様になつている。空
気吸込み口3aより吸込まれた空気の一部は上記ダンパ20
が開のとき、バイパス口19より熱交換器７を経由するこ
となく、導風板17aおよび18aに導かれ、プロペラフアン
6aにより生ずる空気の流れの外周部に合流して吹出口4a
から吹出される。すなわち、ダンパ19が開のときの本体
２内の空気の流れは、第１図中の破線矢印で示すように
２系列の流れとなつている。

第３図は上記空気調和機を天井１に備えた室内９の断面
図であり、暖房運転時の室内の空気の流れを示すもので
ある。図において、実線で描かれている複数の曲線Ａは
流線である。21は室温の空気の流れ、22は温風の流れで
ある。図において、天井１付近の空気は化粧パネル８の
各辺に設けられた空気吸込み口3aより本体２内で空調さ
れ、空気吹出し口4aより室内９に吹出される。吹出され
た気流はバイパス口19からの室温の空気のバイパスによ
り外周にその室温の空気の流れ21が、中央に温風の流れ
22がそれぞれ存在し、温風が熱浮力により舞い上がるの
を防止している。これらにより天井設置の空調機から吹
出された温風も床面に確実に到達できる。

以上詳述したように、本実施例の空気調和機は、従来の
空気調和機に対して、空気吹出口と空気吸込口の位置を
逆にし、バイパス口を設け、遠心送風機の代りにプロペ
ラフアンを用いたことによつて、以下のような効果がも
たらされる。

（１）空気吹出口より吹出される温風は、熱交換器をバ
イパスした室温の空気をその周囲部に合流して吹出すの
で、床面へ確実に到達できる。

（２）プロペラフアンを空気吹出口の近くに置いたこと
により、下向きの大風量が得られ、この面からも床面へ
の風の到達性が改善できる。

（３）冷暖房を伴わない単なる送風運転の場合でも、上
記の様な大風量システムであれば室内の空気循環用とし
て用いることができる。

〔考案の効果〕

本考案の空気調和機は、その下部の化粧パネル周辺部に
空気吸込口、その中央部に空気吹出口、空気吹出口の上
方に近接して下方へ空気を送るプロペラフアン、吸い込
まれた空気の一部をプロペラフアン外周部へ流入させる
バイパス流路、および同流路を開閉するダンパを備えて
いるので、特に暖房運転時にバイパス流路を開いて用い
ることによつて、吹き出される温風の熱浮力による舞い
上りを防ぎ、室内下部へ確実に温風を送り、室内の人々
に快適な暖房フイーリングを与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は同実施例
の下面図、第３図は同実施例を備えた室内の断面図、第
４図は従来の空気調和機の断面図、第５図は同空気調和
機の下面図、第６図は同空気調和機を備えた室内の断面
図である。 １…天井、２…本体、3,3a…空気吸込口、4,4a…空気吹
出口、５…モータ、６…遠心送風機、6a…プロペラフア
ン、７…熱交換器、８…化粧パネル、９…室内、10…床
面、12…吹出ルーバ、14…高温域、15…低温域、16…ド
レンパン、17,17a…導風板、18,18a…導風板、19…バイ
パス口、20…ダンパ、21…室温の空気の流れ、22…温風
の流れ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧パネルを備えたその下面を室内に露出
   して天井に埋込まれ、室内の空気を吸込み、送風機と熱
   交換器とを経由した後室内へ吹出す空気調和機におい
   て、上記化粧パネルの周辺部に設けられた空気吸込口、
   同化粧パネルの中央部に設けられた空気吹出口、上記送
   風機として上記空気吹出口の上方において同空気吹出口
   に近接し下方へ空気を送るよう設けられたプロペラフア
   ン、上記空気調和機の内部において上記空気吸込口から
   吸込まれた空気の一部を上記熱交換器を経由することな
   く上記プロペラフアンの外周部へ流入させるよう設けら
   れたバイパス流路、および同バイパス流路を開閉するダ
   ンパを備えたことを特徴とする空気調和機。