JPH0424338B2 - - Google Patents

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JPH0424338B2
JPH0424338B2 JP23564090A JP23564090A JPH0424338B2 JP H0424338 B2 JPH0424338 B2 JP H0424338B2 JP 23564090 A JP23564090 A JP 23564090A JP 23564090 A JP23564090 A JP 23564090A JP H0424338 B2 JPH0424338 B2 JP H0424338B2
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phenol
phenols
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JP23564090A
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Hiroo Momose
Kyohiko Yoshitani
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPH03115239A publication Critical patent/JPH03115239A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、P−ハロゲン化フエノール類を効率
良く製造する方法に関する。 P−ハロゲン化フエノール類は例えば医薬、農
薬の中間体或いは原体として極めて有用な物質で
ある。 従来、P−ハロゲン化フエノール類を製造する
方法としては、フエノール類をハロゲン化剤で直
接ハロゲン化する方法が知られている。しかしな
がら、かかる直接ハロゲン化方法ではパラ位への
ハロゲン化の選択性が悪く、オルト位の置換体の
ほか、オルト位及びパラ位の2置換体あるいは3
置換体等が多量に副生するため、その後の分離工
程の複雑化及び原料フエノール類の利用率の低下
等の問題が生じる。また、前記ハロゲン化剤とし
て、パラ位のハロゲン化の選択性が優れた物質を
用いる方法も提案されているが、選択性の向上が
充分でなく、とりわけ安価なハロゲン化剤が望ま
しい工業的な実施においては満足されるものでは
ない。 本発明者等は、上記した問題に鑑み、オルト位
の置換体、オルト位及びパラ位の2置換体、3置
換体等の副生を防止するP−ハロゲン化フエノー
ル類の工業的な製造方法を開発することを目的と
して鋭意研究を重ねた。その結果、後述する特定
の構造式で示されるフエノール類のシリルエステ
ルを原料として使用し、その原料をハロゲン化し
たものを更に加水分解するというP−ハロゲン化
フエノール類の製造方法によつて上記の目的を達
成しうる見出し、本発明を完成するに至つた。即
ち、本発明は 式
【式】(但し、mは0〜 2の整数で、nは0〜3の整数であり、Xはパラ
位以外の位置に核置換されたハロゲン原子又はア
ルキル基であり、X′はハロゲン原子又はアルキ
ル基である。)で示されるフエノール類のシリル
エステルを塩素化剤及び臭素化剤から選ばれたハ
ロゲン化剤によつてハロゲン化し、パラ位がハロ
ゲン化されたフエノール類のシリルエステルを得
て、次いで該パラ位がハロゲン化されたフエノー
ル類のシリルエステルを加水分解しP−ハロゲン
化フエノール類を得ることを特徴とするP−ハロ
ゲン化フエノール類の製造方法を提供する。 本発明において使用されるフエノール類のシリ
ルエステルは下記式() (但し、mは0〜2の整数で、nは0〜3の整数
であり、Xはパラ位以外の位置に核置換されたハ
ロゲン原子又はアルキル基であり、X′はハロゲ
ン原子又はアルキル基である。) で示される。 上記()式において、mは0〜2の整数であ
る。このことに伴い、()式のフエノキシ基の
数は、2〜4個となるが、特に3又は4個である
ことが、フエノキシ基の濃度を高めてP−ハロゲ
ン化フエノール類を効率よく製造しうるために好
ましい。また、置換基(X)の数nは、0〜3の
整数であれば、0又は1が一般的にである。置換
基(X)の置換位置はパラ位置以外の位置であれ
ば特に制限されない。また、置換基(X)の種類
は後述するハロゲン化の条件で安定なものである
ハロゲン原子又はアルキル基である。上記アルキ
ル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましく
は1〜3個である。上記ハロゲン原子の例として
は、フツ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子などが挙げられる。また、アルキル基の例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基などが挙げられる。置換基(X)
の数が複数の場合、それぞれの置換基(X)は同
一のものであつてもよいし、異なるものであつて
もよい。また、前記式()においてSiに結合し
た結合基(X′)は後述するハロゲン化の条件で
安定なものであるハロゲン原子又はアルキル基で
ある。該ハロゲン原子又はアルキル基は置換基
(X)と同じ種類のものである。 本発明においては、前記()式における結合
基(X′)の数及び種類並びに置換基(X)の数、
置換位置及び種類を前述したように特定すること
が、副生物が生じることなくP−ハロゲン化フエ
ノール類を工業的に製造する上で重要である。ま
た、前記()式により示されるフエノール類の
シリルエステルを使用することは、後述するよう
に該フエノール類のシリルエステルに工業的に製
造することが容易であるために、重要である。 本発明において好適に使用されるフエノール類
のシリルエステルを、フエノキシ基がO−クレゾ
キシ基の場合を例にして具体的に示せば、例えば
テトラ−O−クレジルシリルエステル モロクロル−トリ−O−クレジルシリルエステル モノブロム−トリ−O−クレジルシリルエステル ジクロル−ジ−O−クレジルシリルエステル ジブロム−ジ−O−クレジルシリルエステル モノメチル−トリ−O−クレジルシリルエステル ジメチル−ジ−O−クレジルシリルエステル 等が挙げられる。フエノキ基として、上記のO−
クレゾキシ基以外に例えば m−クレゾキシ基
【式】 フエノキシ基
【式】 O−エチルフエノキシ基
【式】 m−エチルフエノキシ基
【式】 2,3−キシレノキシ基
【式】 3,5−キシレノキシ基
【式】 2,5−キシレノキシ基
【式】 O−クロルフエノキシ基
【式】 m−クロルフエノキシ基
【式】 O−ブロムフエノキシ基
【式】 m−ブロムフエノキシ基
【式】 O−ヨードフエノキシ基
【式】 m−ヨードフエノキシ基
【式】 O−フルオロフエノキシ基
【式】 m−フルオロフエノキシ基
【式】 2−クロル−5−メチルフエノキシ基
【式】 等を有するフエノール類のシリルエステルも好適
に使用されている。 本発明において、上記した如きフエノール類の
シリルエステルは単独で使用してもよいが、数種
類のフエノール類のシリルエステルの混合体とし
て使用しても良い。またフエノール類のシリルエ
ステルは前述した式()を有するものであれば
いかなる方法で得られたものでもよい。代表的な
製造方法を例示すれば、テトラクロルシラン、メ
チルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、トリメチルクロルシラン等のクロルシラン類
等のフエノール類との反応による方法が挙げられ
る。上記反応において、フエノール類はフエノー
ル及び前記式()の置換基(X)を有するもの
が一般に使用される前記反応は公知の条件が特に
制限なく採用される。また、前記反応のうち、ク
ロルシラン類とフエノール類との反応が工業的に
も最も好ましい。上記方法をテトラクロルシラン
を用いる場合について具体的に例示すれば以下の
ようになる。即ち、使用するフエノール類にもよ
るが、一般にフエノール類とテトラクロルシラン
は室温でも反応が進行し、該フエノール類とテト
ラクロルシランのモル比を変えることによつてSi
原子1ケに対してフエノール類のフエノキシ基が
2〜4ケ、従つて該Si原子に未反応のクロル原子
2〜0ケ置換した組成の異なる種々のフエノール
類のシリルエステルを製造することができる。反
応を速やかに、かつ効率的に進行させる為に、反
応は通常室温下にテトラクロルシランをフエノー
ル類そのもの、あるいは溶媒に溶解させたフエノ
ール類の溶液の中に滴下し、しかる後に徐々に温
度を上昇させ最後的に100数十〜200数十℃で数時
間加熱する方法が好適に採用される。 次に、本発明においては、前述の如きフエノー
ル類のシリルエステルをハロゲン化剤によつてハ
ロゲン化し、下記式() (但し、m、n、X及びX′は式()の場合と
同じであり、Yは塩素原子又は臭素原子である。) で示されるパラ位がハロゲン化されたフエノール
類のシリルエステルに得る。 本発明において使用するハロゲン化剤は、塩素
化剤及び臭素化剤より選ばれる。上記塩素化剤と
しては、分子状塩素、塩化スルフリル、5塩化ア
ンチモンなどを使用しうる。また、上記臭素化剤
としては、分子状臭素、臭化スルフリル、5臭化
アンチモンなどを使用しうる。このうち、特に分
子状に塩素又は臭素である分子状ハロゲンが取扱
い上、或いは経済性の面から好適であるが、他
方、より高選択的にパラ位がハロゲン化されたフ
エノール類のシリルエステルが得やすいという面
においては塩化スルフリル又は臭化スルフリルが
より好適である。そして、上記ハロゲン化剤は、
一種類の化合物を単独、或いは2種類以上の化合
物を組合せて用いる。 本発明におけるハロゲン化において、供給する
ハロゲン化剤の量は、ハロゲン化剤とシリルエス
テルと反応率、後の分離工程の難易等を勘案して
決定すればよい。例えば、後述するハロゲン化の
条件下で分子状ハロゲン、5塩化アンチモン、5
臭化アンチモン等は一般に供給量の100%がフエ
ノール類のシリルエステルと反応するので、この
ような場合、ハロゲン化剤の供給量は、フエノー
ル類のシリルエステルと反応するハロゲン化剤の
反応量と等しくなる。このハロゲン化剤の反応量
については、フエノール類のシリルエステルのフ
エノキシ基1モルに対して、0.8〜1.2モル、さら
には0.9〜1.1モルの分子状ハロゲンに相当する量
のハロゲン化剤が反応することが好ましい。な
お、分子状ハロゲン以外のハロゲン化剤にあつて
は、分子状ハロゲンの1モルに相当する量は、ハ
ロゲン化において発生し得る塩素量又は臭素量に
応じて適宜決定すればよい。例えば、前記塩化ス
ルフリル類と5塩化アンチモン類の場合、分子状
塩素の1モルに相当する量はいずれも1モルであ
る。 ハロゲン化剤の反応量が前記範囲内にあると、
フエノール類のシリルエステルのハロゲン化が適
度に進行し、1置換体、特にP−置換体の選択率
が高くなり得る。また、未反応物の分離や利用率
等において経済的に有利となり得る。前記フエノ
キシ基に対するハロゲン化剤の反応量は、生成す
るパラ位がハロゲン化されたフエノール類のシリ
ルエステルを後に加水分解してP−ハロゲン化フ
エノール類を得る際に未反応フエノール類との分
離が困難となるような場合はフエノキシ基に対し
て過剰となるように、また副生するジハロゲン化
フエノール類との分離が困難となるような場合は
フエノキシ基に対して少な目となるよう調整する
ことが好ましい。 前記ハロゲン化においては、ハロゲン化剤の反
応量(分子状ハロゲンの量に相当する量)と当量
のハロゲン化水素が発生するので、該ハロゲン化
水素の量を検出することによつても反応の制御を
容易に行なうことができる。 フエノール類のシリルエステルとハロゲン化剤
との反応は、溶媒の存在下或いは不存在下で適宜
実施すればよい。即ち、一般に前記したフエノー
ル類のシリルエステルは上記した反応条件下で液
体のものが多く、この場合は他の溶媒を用いるこ
となく反応を実施してもよい。勿論、上記の場合
でも溶媒を用いることは特に制限されず、むし
ろ、より好結果を与える場合もあり得る。前記溶
媒は反応に悪影響を与えない、所謂不活性なもの
を使用すればよい。例えば四塩化炭素、クロロホ
ルム、ジクロルメタン等の塩素系炭化水素、二硫
化炭素、酢酸等が挙げられる。また、フエノール
類のシリルエステルのハロゲン化は、必要に応じ
て塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化
鉄、臭化鉄、塩化亜鉛等のフリーデルクラフツ反
応の触媒の存在下に行なわれる。また反応時の温
度はハロゲン化剤によつても若干異なる場合があ
るが、通常は−20〜100℃、好ましくは−5〜80
℃、圧力は特に限定されないが、通常は大気圧で
実施すれば十分である。 以上の説明したハロゲン化によれば、フエノー
ル類のシリルエステルから極めて高い選択率でパ
ラ位がハロゲン化されたフエノール類のシリルエ
ステルを得ることが可能である。この理由につい
ては詳しくは不明であるがハロゲンの核置換に対
してシリル基が電子的又は立体的に大きな影響を
及ぼしている為と本発明者等は考えている。 本発明においては、以上に示した操作により得
られたパラ位がハロゲン化されたフエノール類の
シリルエステルを加水分解して、下記式() (但し、Xは式()の場合、Yは式()の場
合とそれぞれ同じである。) で示されるP−ハロゲン化フエノール類を製造す
る。 この加水分解の方法は、従来公知の方法が制限
なく採用される。即ち、該加水分解は酸性条件下
でもアルカリ性条件下でも実施できる。酸性条件
下の場合には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸の
水溶液(一般に5〜30重量%濃度)にて、一方ア
ルカリ性条件下の場合には水酸化ナトリウム、水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等の水溶液(一般に5〜30重量%の濃度)にて通
常室温〜150℃の温度下に数十分ないし数十時間
加熱し、更にアルカリを使用した時は最後に酸を
加えて酸性とすることにより、パラ位がハロゲン
化されたフエノール類のシリルエステルを定量的
にP−ハロゲン化フエノール類へと変換する。 以上に説明したように、本発明は、置換基を有
しないか又は置換基としてハロゲン原子又はアル
キル基を有し、工業的に有用なP−ハロゲン化フ
エノール類を製造するにあたり、フエノール類の
シリルエーテルを原料として使用するという新し
いプロセスを提供したものである。この本発明の
方法によれば、該P−ハロゲン化フエノール類を
効率よく、かつ工業的に製造しうる。 以下、本発明を更に具体的に説明するため実施
例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 実施例 1 冷却管(ドライアイス−メタノールにて冷却)、
滴下漏斗および窒素ガス導入管付きの500ml三ツ
口フラスコにO−クレゾール324.4g(3モル)
を入れ、オイルバスで少し加温して溶融状態にな
つたところで窒素ガスを導入しながら、テトラク
ロルシラン85.0g(0.5モル)をスピンバーによ
る撹拌下に滴下した。最初45〜50℃で2時間反応
し、徐々に昇温して最終的に200℃にて5時間加
熱した。最後、未反応の過剰O−クレゾールを減
圧下に除去することにより液体生成物216.4gを
得た。ガスクロマトグラフイーによる分析で未反
応O−クレゾールが残存していないことを確認し
た。更に元素分析、13C−NMR分析の結果 の構造式で示されるO−クレジルシリルエステル
であることを確認した。 該O−クレジルシリルエステル20.0g(O−ク
レゾール基準0.175モル)、溶媒としてジクロルメ
タン50ml、触媒としてヨウ素0.4gを、冷却管、
塩素導入管の付設した内容積160mlの円筒型ガラ
ス反応器に入れ、氷水にて0〜5℃に保ちながら
スピンバーによる撹拌下に塩素ガスを毎分25ml
(NTP)の供給速度で2時間40分にわたつて導入
した(塩素の供給量は全部で0.175モル)。反応後
減圧下に溶媒のジクロルメタンを留去し、残査
26.1gを得た。この塩素化物を13C−NMRで分析
し、更にその一部を加水分解して得られたフエノ
ール類を分析することにより、この塩素化物は原
料O−クレジルシリルエステルのクレゾキシ基が
塩素原子により核置換されたものであり、モノ置
換体が98.8%、ジ置換体が1.2%の組成の核塩素
化O−クレジルシリルエステルであることがわか
つた。さらに、モノ置換体については、クレゾキ
シ基の酸素原子に対してパラ位及びオルト位に置
換したものであり、それぞれの生成比が96.9:
3.1ときわめて高選択的にパラ位に置換したもの
であることがわかつた。 なお、該核塩素化O−グレジルシリルエステル
を5%の水酸化ナトリウム水溶液にて110℃、2
時間加熱して加水分解し、塩酸にて酸性として、
油層をガスクロマトグラフイーにて分析したとこ
ろ、4−クロル−O−クレゾール、6−クロル−
O−クレゾール、4,6−ジクロル−O−クレゾ
ールがそれぞれ95.7、3.1、1.2%の組成の混合物
であることがわかつた。なお原料O−クレゾール
基準の4−クロル−O−クレゾールのガスクロ収
率は94.8%であつた。 実施例 2 フエノール282.3g(3モル)を用いる以外は
実施例1と全く同様の方法によりシリル化反応を
行ない白色固体生成物193.1gを得た。ガスクロ
マトグラフイーによる分析で未反応フエノールが
残存していないことを確認した。更に元素分析、
13C−NMR分析の結果 の構造式で示されるフエニルシリルエステルであ
ることを確認した。 該フエニルシリルエステル20.0g(フエノール
基準0.200モル)を用い、実施例1と同じ供給速
度の塩素ガスを3時間にわたつて導入(供給塩素
は全部で0.200モル)する以外は実施例1と全く
同じ方法により塩素化反応を実施し、塩素化物
26.9gを得た。これを13C−NMRで分析し、更に
その一部を加水分解して得られたフエノール類を
分析することにより、この塩素化物は原料フエニ
ルシリルエステルのフエノキシ基が塩素原子によ
り核置換されたものであり、モノ置換体が99.7
%、ジ置換体が0.3%の組成の核塩素化フエニル
シリルエステルであることがわかつた。さらに、
モノ置換体については、フエノキシ基の酸素原子
に対しパラ位及びオルト位に置換したものであ
り、それぞれの生成比が93.1:6.9と高選択的パ
ラ位に置換したものであることがわかつた。な
お、該核塩素化フエニルシリルエステルを実施例
1と同様の方法で加水分解したところ、上記と同
じ比率のP−クロルフエノールとO−クロルフエ
ノールの混合物を得た。原料フエノール基準のP
−クロルフエノールのガスクロ収率は91.5%であ
つた。 実施例 3 O−クレゾール162.2g(1.5モル)とテトラク
ロルシラン85.0g(0.5モル)を用い、実施例1
と同様の方法によりシリル化反応を実施し、最後
は未反応O−クレゾールの減圧留去の操作を施こ
すことなく液体生成物186.8gを得た。ガスクロ
マトグラフイーによる分析で未反応O−クレゾー
ルが残存していないことを確認した。更に元素分
析、13C−NMR分析結果、
【式】
【式】
【式】 の構造式で示されるO−クレジルシリルエステル
類が15:70:15のモル比で混在していることが確
認された(組成式としては
【式】で示される)。 該O−クレジルシリルエステル(混合物)20.0
g(O−クレゾール基準0.156モル)を用い、実
施例1と同じ供給速度の塩素ガスを2時間20分に
わたつて導入(供給塩素は全部で0.156モル)す
る以外は実施例1と全く同じ方法により塩素化反
応を実施し、塩素化物25.4gを得た。これを実施
例1と同様の方法で分析した結果、原料O−クレ
ジルシリルエステルのクレゾキシ基が塩素原子に
より核置換されたものであり、モノ置換体99.6
%、ジ置換体0.4%の組成の核塩素化O−クレジ
ルシリルエステルであることがわかつた。また、
クレゾキシ基への塩素原子のモノ置換体に関し、
そのパラ位選択率は97.1%であつた。また、塩素
化O−クレジルシリルエステルを実施例1と同様
の方法で加水分解したところ、上記比率とほとん
ど同じ組成のクロル化O−クレゾール類の混合物
を得た。原料O−クレゾール基準のP−クロル−
O−クレゾール類のガスクロ収率は94.5%であつ
た。 実施例 4 m−クレゾール324.4g(3モル)に用いる以
外は実施例1と全く同様の方法によりシリル化反
応を行ない液体生成物216.5gを得た。実施例1
と同様の分析の結果、 の構造式で示されるm−クレジルシリルエステル
であることを確認した。 該m−クレジルシリルエステル20.0g(m−ク
レゾール基準0.175モル)、溶媒としてジクロルメ
タン40ml、触媒としてヨウ素0.4gを、冷却管、
滴下管の付設した内容積200mlのガラス製二ツ口
フラスコに入れ、氷水にて0〜5℃に保ちなが
ら、スピンバーによる撹拌下に臭素28.0g
(0.175モル)を含むジクロルメタン溶液43gを2
時間かけて滴下した。反応後減圧下に溶媒のジク
ロルメタンを留去し、残査33.8gを得た。この臭
素化物は原料m−クレジルシリルエステルのクレ
ゾキシ基のパラ位に臭素原子が1ケ置換した、構
造式
【式】 で示される臭素化m−クレジルシリルエステルが
ほぼ100%占めており、更に実施例1と同様な方
法で加水分解した結果、その全量が4−ブロム−
m−クレゾールに変換された。4−ブロム−m−
クレゾールの原料に対する収率は97.8%であつ
た。 実施例 5 実施例1で得た
【式】の構造式 で示されるO−クレジルシリルエステル20.0g
(O−クレゾール基準0.175モル)、溶媒として四
塩化炭素50ml、触媒として無水塩化アルミニウム
0.2gを、実施例1で用いたと同様の反応容器に
入れ、20℃に保ちながらスピンバーによる撹拌下
に、上記クレジル基1モルに対して分子状塩素1
モルに相当する量の塩化スルフリル26.0g
(0.193モル、クレジル基に対し1.1倍当量)を1
時間かけて滴下した。その撹拌下室温にて一夜保
つたのち、70℃へ昇温し1時間加熱した。最後は
溶媒の四塩化炭素を減圧下に留去し残査26.3gを
得た。この塩素化物は原料O−クレジルシリルエ
ステルのクレゾキシ基のパラ位に塩素原子が1ケ
置換した、構造式
【式】で示 される塩素化O−クレジルシリルエステルがほぼ
100%占めており、更に実施例1と同様な方法で
加水分解した結果、その全量が4−クロル−O−
クレゾールに変換された。4−クロル−O−クレ
ゾールの原料に対する収率は96.4%であつた。 実施例 6 m−クレゾール324.4g(3モル)およびメチ
ルトリクロルシラン74.7g(0.5モル)を原料に
用いる以外は実施例1と全く同様の方法によりシ
リル化反応を行ない、液体生成物178.6g得た。
ガスクロマトグラフイーによる分析で未反応m−
クレゾールが残存していないことを確認した。更
に元素分析、13C−NMR分析の結果、 の構造式で示されるm−クレジルシリルエステル
であることを確認した。 該m−クレジルシリルエステル20.0g(m−ク
レゾール基準0.165モル)を用い、実施例1と同
じ供給速度の塩素ガスを2時間30分にわたつて導
入(供給塩素は全部で0.165モル)する以外は実
施例1と全く同じ方法により塩素化反応を実施
し、塩素化物25.7gを得た。実施例1と同様の分
析の結果、この塩素化物は原料m−クレジルシリ
ルエステルのクレゾキシ基の大部分が塩素原子に
より核置換されたものであり、モノ置換体が96.0
%、ジ置換体が1.9%、および塩素原子の未置換
のものが2.1%の組成の核塩素化m−クレジルシ
リルエステルであることがわかつた。さらにモノ
置換体についてはクレゾキシ基の酸素原子に対し
てパラ位またはオルト位に置換したものであり、
それぞれの生成比が92.0:8.0と高選択的にパラ
位に置換したものであることがわかつた。なお、
該核塩素化m−クレジルシリルエステルを実施例
1と同様の方法により加水分解したところ、クロ
ル化m−クレゾール類とm−クレゾールが得られ
た。更に、クロル化m−クレゾール類について、
4−クロル−m−クレゾール、6−クロル−m−
クレゾール、4,6−ジクロル−m−クレゾール
が90.1、7.8、2.1%の組成であつた。なお、原料
m−クレゾール基準の4−クロル−m−クレゾー
ルのガスクロ収率は88.1%であつた。 実施例 7 O−クロルフエノール192.8g(1.5モル)とテ
トラクロルシラン85.0g(0.5モル)を用い、実
施例1と同様の方法によりシリル化反応を実施
し、最後は未反応O−クロルフエノールの減圧留
去の操作を施こすことなく液体生成物223.0gを
得た。ガスクロマトグラフイーによる分析で未反
応O−クロルフエノールが残存していないことを
確認した。更に元素分析、13C−NMR分析結果、
組成式が
【式】で示されるO− クロルフエニルシリルエステルであることを確認
した。 該O−クロルフエニルシリルエステル20.0g
(O−クロルフエノール基準0.134モル)を用い、
臭素21.4g(0.134モル)を含むジクロルメタン
溶液33gを用いる以外は実施例4と同様の方法で
臭素化反応は実施して、臭素化物30.5gを得た。
この臭素化物は原料−O−クロルフエニルシリル
エステルのフエノキシ基のパラ位に臭素原子が1
ケ置換した、組成式
【式】 で示される臭素化O−クロルフエニルシリルエス
テルであり、更に実施例1と同様な方法で加水分
解した結果、その全量が4−ブロム−2−クロル
フエノールに変換された4−ブロム−2−クロル
フエノールの原料に対する収率は98.2%であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式【式】(但し、mは 0〜2の整数で、nは0〜3の整数であり、Xは
    パラ位以外の位置に核置換されたハロゲン原子又
    はアルキル基であり、X′はハロゲン原子又はア
    ルキル基である。)で示されるフエノール類のシ
    リルエステルを塩素化剤及び臭素化剤から選ばれ
    たハロゲン化剤によつてハロゲン化し、パラ位が
    ハロゲン化されたフエノール類のシリルエステル
    を得て、次いで該パラ位がハロゲン化されたフエ
    ノール類のシリルエステルを加水分解しP−ハロ
    ゲン化フエノール類を得ることを特徴とするP−
    ハロゲン化フエノール類の製造方法。
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