JP2000159702A - 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法 - Google Patents

1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法

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JP2000159702A
JP2000159702A JP10333837A JP33383798A JP2000159702A JP 2000159702 A JP2000159702 A JP 2000159702A JP 10333837 A JP10333837 A JP 10333837A JP 33383798 A JP33383798 A JP 33383798A JP 2000159702 A JP2000159702 A JP 2000159702A
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mmol
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copper
chlorophenyl
reaction
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Shuji Ichikawa
修治 市川
Keihei Kiyoku
景平 曲
Hiroshi Iwane
寛 岩根
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/26Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton
    • C07C17/263Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton by condensation reactions
    • C07C17/2632Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton by condensation reactions involving an organo-magnesium compound, e.g. Grignard synthesis

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモア
ルカンを高選択率、高収率で且つ簡便に製造する方法の
提供。 【解決手段】 一般式(2) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で表される4−ハロ
ゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと一般式(3) 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるジブロ
モアルカンとを銅化合物及びリチウム化合物の存在下に
反応させることを特徴とする、一般式(1) 【化3】 (式中、nは式(3)と同義である)で表される1−
(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(4−クロロ
フェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法に関する。
詳しくは、4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシ
ウムとジブロモアルカンとを反応させて1−(4−クロ
ロフェニル)−ω−ブロモアルカンを製造する方法の改
良に関する。1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモ
アルカンは、医薬及び農薬の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、1−(4−クロロフェニル)−ω
−ブロモアルカンは対応するアルコール体を製造した
後、水酸基部位を臭素化する方法が一般的であった。例
えば3−(4−クロロフェニル)−1−ブロモプロパン
は、3−(4−クロロフェニル)−1−プロパノールを
トリフェニルフォスフィンと臭素(特開平4−2470
86号、特開平2−289579号各公報;収率49
%)、三臭化リン(特開平2−502381号公報;収
率65%)及び臭化水素酸[J.Chem.Soc.,
1548頁(1964);収率80%]等の試剤で臭素
化することにより製造されている。中間体3−(4−ク
ロロフェニル)−1−プロパノールはp−クロロベンジ
ルクロライドをMgで処理した後、エチレンオキサイド
と反応させる方法[J.Chem.Soc.,1548
頁(1964);収率75%/特開平2−502381
号明細書;収率56%]及び3−(4−クロロフェニ
ル)プロピオン酸をボランで還元する方法(特開平4−
247086号、特開平2−289579号各公報;収
率84%)等が既に知られている。
【0003】しかしながら、前記の製造方法は、安全
性、毒性の面で設備的な負荷の大きい、ボラン、p−ク
ロロベンジルクロライド、エチレンオキサイド等を使用
すること、高価な原料或いは試剤を必要とすること及び
二工程反応に起因する総収率が低いこと等工業的な製造
方法としては満足のいくものではない。
【0004】公知の4−ハロゲノ−1−クロロベンゼン
マグネシウムを求核試剤として用い、炭素炭素結合生成
反応に利用する試みは既に幾つか報告されている。V.
Murrayらはピラゾール環上に存在するアルデヒド
に対して上記試剤を反応させ対応するアルコール体の合
成例を報告している[J.Heterocyclic.
Chem.,27巻,1933頁(1990)]。ま
た、芳香族環の隣接基としてアルキルイミンを有するメ
トキシル基に対して、4−ブロモ−1−クロロベンゼン
マグネシウムを作用させることにより、炭素炭素結合を
伴う求核置換反応が起こり、ビフェニル骨核が形成する
反応が報告されている[J.Chem.Soc.Per
kinI,23巻,2961頁(1993)]。これら
の報告は、潜在的に求電子能が高いアルデヒドないしは
隣接基関与により求電子能が高められた基質への反応例
であり、一般的には、1位に存在する電子吸引性の塩素
原子により、求核性が減じられるため、アルキルブロマ
イド或いはアルケニルブロマイドに対する反応性は著し
く低く、収率は低い。この問題を解決するため、4−ハ
ロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと共にニッケ
ルホスフィン錯体を用いる方法が開示されている(特公
昭62−1927号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法は、通常ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)−ブタン]ニッケル等の高価なニッケルホスフィ
ン錯体を使用すること及びジブロモアルカンを使用した
場合、二つの臭素部位で反応が起こり選択性が低下する
等の問題点を有している。本発明の目的は、前記した従
来技術を改善して、工業的に有利な1−(4−クロロフ
ェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、4−ハロゲノ−1−
クロロベンゼンマグネシウムとジブロモアルカンとのグ
リニャール反応を特定の化合物の存在下に行うことによ
り、目的物が高選択率且つ高収率で得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨
は、一般式(2)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Xはハロゲン原子を示す)で表さ
れる4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと
一般式(3)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、nは2〜10の整数を示す)で表
されるジブロモアルカンとを銅化合物及びリチウム化合
物の存在下に反応させることを特徴とする、一般式
(1)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、nは式(3)と同義である)で表
される1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
ンの製造方法、にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明化合物の製造方法を
更に詳細に説明する。 (I)4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウム
[式(2)化合物]の合成 グリニャール試薬である式(2)化合物は、活性化した
金属マグネシウムを無水ジエチルエーテル或いは無水テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒を0〜100℃の
範囲、好ましくは10〜50℃に保ち、撹拌下、4−ハ
ロゲノ−1−クロロベンゼンを滴下し、更に0.1〜8
時間、撹拌を継続すると得られる。本発明で使用する4
−ハロゲノ−1−クロロベンゼンとは1,4−ジクロロ
ベンゼン、4−ブロモ−1−クロロベンゼン及び4−ヨ
ード−1−クロロベンゼンを示し、何れも本反応により
目的4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムを
高収率で与えるが、選択性、反応性の面で4−ブロモ−
1−クロロベンゼン及び4−ヨード−1−クロロベンゼ
ンがより好ましい。
【0014】反応に使用する金属マグネシウムは、市販
のテープ状或いは削り状(チップ状)のものを使用し、
その使用量は、4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンの1
〜2倍モル程度である。また、反応に先立って、金属マ
グネシウムの活性化を目的に窒素雰囲気或いは減圧条件
でかき混ぜたり、微量のヨウ素或いはヨウ化メチル、臭
化エチル、ジブロモエタン等を添加することは、その後
の反応を円滑に進めるうえで有効である。使用する溶媒
は、テトラヒドロフランやジエチルエーテルの単独或い
はこれらとベンゼンやトルエン等の混合系であっても同
様の結果を得ることができる。
【0015】(II)1−(4−クロロフェニル)−ω−
ブロモアルカン[式(1)化合物]の合成 (a)ジブロモアルカン;本反応で使用される一般式
(2)で示されるジブロモアルカンとは、具体的には、
1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロパン、
1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、
1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジブロモヘプタ
ン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジブロモノナ
ン、1,10−ジブロモデカンを意味し、何れも本反応
により高収率で目的とする1−(4−クロロフェニル)
−ω−ブロモアルカンが得られる。主として、工業的製
品として流通し、入手の容易さから1,2−ジブロモエ
タン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブ
タンが選ばれ、特に1,3−ジブロモプロパンが目的物
の需要量の多さという観点から、好んで適用される。こ
れら、ジブロモアルカンの使用量は、(2)に対してモ
ル比で1〜20の範囲であることが好ましく、特に2〜
6の範囲であることが好ましい。
【0016】(b)銅化合物;本発明に用いられる銅化
合物とは、一価又は二価の銅化合物を指し、その具体例
としては、酸化銅、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化
銅、硫酸銅、炭酸銅、硝酸銅等の無機塩類;ギ酸銅、酢
酸銅、安息香酸銅、オクタデカン酸銅等の有機酸塩類;
アセチルアセトナト銅(I)又は(II)、銅に一酸化炭
素、ニトリル類、アミン類、ホスフィン類、オレフィン
類等が配位した錯化合物:それら錯化合物が反応系中で
生成するような化合物類と銅との混合物等が挙げられ
る。これら銅化合物の中、一価又は二価の塩化銅、臭化
銅、ヨウ化銅が好ましく、目的物の高い収率、選択率を
与えることから、一価の塩化銅が特に好ましい。反応に
用いられる銅化合物の量は、特に制限はないが、化合物
(2)に対してモル比で10-4〜1の範囲であることが
好ましく、特に10-2〜10-1の範囲であることが好ま
しい。
【0017】(c)リチウム化合物;本発明に用いられ
るリチウム化合物としては、酸化リチウム、フッ化リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、
硫酸リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等の無機塩
類;ギ酸リチウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、
オクタデカン酸リチウム等の有機酸塩類等が例示でき
る。これらの中、リチウム塩が好ましい。
【0018】そして、これらリチウム塩の中、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムが好ましく、塩化
リチウムが特に好ましい。反応に用いられるリチウム化
合物の量は、特に制限はないが化合物(2)に対してモ
ル比で10-4〜1の範囲であることが好ましく、特に1
-2〜10-1の範囲であることが好ましい。また、本発
明の方法に従えば、反応を効率よく進行させるために
は、反応系に銅化合物及びリチウム化合物の両者を添加
する。その際、銅化合物に対してリチウム化合物は、モ
ル比で0.1〜10の範囲であることが好ましく、特に
1〜5の範囲であることが好ましい。
【0019】式(1)の化合物は、溶媒、ジブロモアル
カン(3)、銅化合物及びリチウム化合物を混合し、グ
リニャール試薬(2)を0〜30℃で30分から2時間
かけて滴下し、更に反応液を所望の温度、時間で継続し
反応を完結させる。この場合、グリニャール試薬中にジ
ブロモアルカン(3)を滴下すると、最終目的物である
1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの収
率が低下する。使用する溶媒は、ジブロモアルカンを溶
解し反応を妨げないようなものなら制限を受けない。そ
の具体例としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
これらの溶媒は予め脱水等の前処理をすることなくその
まま使用することが可能である。
【0020】反応は、0℃以下でも十分に反応するが、
より反応速度を向上させるために、通常0℃以上で実施
する。反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜15
0℃の範囲である。反応は好ましくは窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で実施する。反応時間は反応温度
にもよるが、通常0.1〜200時間、好ましくは0.
5〜50時間の範囲である。反応終了後、反応液に塩
酸、硫酸、硝酸等の鉱酸水溶液又は、ギ酸、酢酸、トリ
フェニル酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を加
え未反応のグリニャール試薬を中和分解した後、必要に
応じて溶媒を濃縮除去し、抽出、蒸留、晶析等の一般的
手法で目的の1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモ
アルカンを単離することが可能である。
【0021】反応生成物:本発明の製造方法により目的
とする1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
ンが高収率、高選択率で得られる。他ジブロモアルカン
の両末端臭素部位で反応した、α,ω−ビス(4−クロ
ロフェニル)アルカンが微量副生する。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの
実施例に限定されるものではない。なお、生成物は、ガ
スクロマトグラフィーを用い、内部標準法によって定量
分析し、転化率及び選択率を求めた。
【0023】実施例1 窒素置換した100mL容量の四つ口フラスコにチップ
状の金属マグネシウム0.24g(10mmol)と無
水テトラヒドロフラン10mLを加え撹拌する。1−ク
ロロ−4−ブロモベンゼン1.91g(10mmol)
を10mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、20℃
で1時間を要して滴下し、更に、2時間撹拌を続けてグ
リニャール試薬を得た。このグリニャール試薬の一部を
採り加水分解してガスクロマトグラフィーにより分析を
行うと、転換率は99.7%であった。次いで、前記の
操作により得られたグリニャール試薬を20℃に保持
し、未反応のマグネシウムを分離するために、窒素雰囲
気下、上澄液をグラスフィルターで濾過して別の50m
L容量の滴下ロートに移送する。別の100mL容量の
四つ口フラスコに1,3−ジブロモプロパン6.06g
(30mmol)、塩化銅(I)0.05g(0.5m
mol)、塩化リチウム0.042g(1mmol)及
びテトラヒドロフラン15mLを入れ、ここにグリニャ
ール試薬を20℃で0.5時間かけて滴下する。更に、
この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応後、反
応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加えて、3
0分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィ
ーによって生成物を定量分析した結果、未反応の1−ク
ロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベンゼン
1.02mmol、目的物3−(4−クロロフェニル)
−1−ブロモプロパン7.11mmol及び両末端臭素
部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロフェニ
ル)プロパン0.35mmolが生成していた。収率は
71.1%、選択率は88.4%であった。
【0024】実施例2 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン2.02g(10mmol)、塩
化銅(I)0.05g(0.5mmol)、塩化リチウ
ム0.042g(1mmol)及びテトラヒドロフラン
15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作により得
られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグリニ
ャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(20mL)を、室温で0.5時間かけて滴下する。滴
下後、反応液を昇温し還流下2時間撹拌を継続した。反
応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加
えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマト
グラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応
の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベ
ンゼン0.32mmol、目的物3−(4−クロロフェ
ニル)−1−ブロモプロパン6.51mmol及び両末
端臭素部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロ
フェニル)プロパン0.93mmolが生成していた。
収率は68.5%、選択率は80.3%であった。
【0025】実施例3 窒素置換した100mL容量の四つ口フラスコにチップ
状の金属マグネシウム0.365g(15mmol)と
無水テトラヒドロフラン5mL及びトルエン5mLを加
え撹拌する。1−クロロ−4−ブロモベンゼン1.91
g(10mmol)を5mLの無水テトラヒドロフラン
と5mLの無水トルエンに溶解し、10℃で1時間を要
して滴下し、更に、2時間撹拌を続けてグリニャール試
薬を得た。このグリニャール試薬の一部を採り加水分解
してガスクロマトグラフィーにより分析を行うと、転換
率は99.9%であった。次いで、前記の操作により得
られたグリニャール試薬を20℃に保持し、未反応のマ
グネシウムを分離するために、窒素雰囲気下上澄液をグ
ラスフィルターで濾過して別の50mL容量の滴下ロー
トに移送する。別の100mL容量の四つ口フラスコに
1,3−ジブロモプロパン12.11g(60mmo
l)、臭化銅(I)0.029g(0.2mmol)、
塩化リチウム0.017g(0.4mmol)及びテト
ラヒドロフラン6mLを入れ、ここにグリニャール試薬
を室温で0.5時間かけて滴下する。更に、この反応液
を室温16時間撹拌を続けた。反応後、反応液を冷却
し、10℃以下で酢酸0.3gを加えて、30分間室温
で撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーによって
生成物を定量分析した結果、未反応の1−クロロ−4−
ブロモベンゼン由来の1−クロロベンゼン1.53mm
ol、目的物3−(4−クロロフェニル)−1−ブロモ
プロパン6.97mmol及び両末端臭素部位で反応し
副生した1,3−ビス(4−クロロフェニル)プロパン
0.12mmolが生成していた。収率は69.7%、
選択率は92.3%であった。
【0026】実施例4 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
4−ジブロモブタン6.48g(30mmol)、塩化
銅(I)0.051g(0.52mmol)、塩化リチ
ウム0.042g(1mmol)及びテトラヒドロフラ
ン15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作により
得られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグリ
ニャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下す
る。更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。
反応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを
加えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマ
トグラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反
応の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロ
ベンゼン0.97mmol、目的物4−(4−クロロフ
ェニル)−1−ブロモブタン7.31mmol及び両末
端臭素部位で反応し副生した1,4−ビス(4−クロロ
フェニル)ブタン0.36mmolが生成していた。収
率は73.1%、選択率は89.0%であった。
【0027】実施例5 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
5−ジブロモペンタン6.91g(30mmol)、塩
化銅(I)0.052g(0.52mmol)、塩化リ
チウム0.043g(1mmol)及びテトラヒドロフ
ラン15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作によ
り得られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグ
リニャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン
溶液(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下す
る。更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。
反応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを
加えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマ
トグラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反
応の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロ
ベンゼン0.95mmol、目的物5−(4−クロロフ
ェニル)−1−ブロモペンタン7.43mmol及び両
末端臭素部位で反応し副生した1,5−ビス(4−クロ
ロフェニル)ペンタン0.38mmolが生成してい
た。収率は74.3%、選択率は87.2%であった。
【0028】比較例1 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン2.05g(10mmol)及び
テトラヒドロフラン15mLを入れ、ここに実施例1と
同様の操作により得られた4−クロロフェニルマグネシ
ウムブロミド(10mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(20mL)を、室温で0.5時間かけて滴下する。
更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応
後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加え
て、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応の
1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベン
ゼン8.92mmol、目的物3−(4−クロロフェニ
ル)−1−ブロモプロパン0.31mmol、収率は
3.1%であった。
【0029】比較例2 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン6.08g(30mmol)、ジ
クロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン]ニッケル0.115g(0.2mmol)及びテト
ラヒドロフラン15mLを入れ、ここに実施例1と同様
の操作により得られた4−クロロフェニルマグネシウム
ブロミド(10mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下する。
更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応
後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加え
て、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応の
1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベン
ゼン0.88mmol、目的物3−(4−クロロフェニ
ル)−1−ブロモプロパン4.03mmol及び両末端
臭素部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロフ
ェニル)プロパン1.54mmolが生成していた。収
率は40.3%、選択率は61.3%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、医薬及び農
薬の中間体として有用な1−(4−クロロフェニル)−
ω−ブロモアルカンを高収率で、高選択率且つ安全に、
しかも簡単な操作で得られるため、工業的に極めて有利
である。
フロントページの続き (72)発明者 岩根 寛 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 BA03 BA05 EA21 4H039 CA12 CA19 CD20 CD90 CE90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で表される4−ハロ
    ゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと一般式(3) 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるジブロ
    モアルカンとを銅化合物及びリチウム化合物の存在下に
    反応させることを特徴とする、一般式(1) 【化3】 (式中、nは式(3)と同義である)で表される1−
    (4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 一般式(2)のXが臭素原子又はヨウ素
    原子であることを特徴とする請求項1に記載の1−(4
    −クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(2)のXが臭素原子であり、一
    般式(3)のnが3であることを特徴とする請求項1に
    記載の1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
    ンの製造方法。
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