JPH0423663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱変色性印刷物に関する。詳細には、
適宜間隔をおいて配設した多数の点状印刷像のい
ずれかを変色させて、全体として変色前とは異な
る印刷像が視覚されるよう構成した熱変色性印刷
物に関する。

従来より、熱変色性インキの印刷物は、特定の
温度に感応して変色（発色、消色を含む）させて
適温ないし警告表示、装飾、玩具等に使われてい
る。

しかし、その印刷像は、一般インキにみられる
通例のパターンが主として適用されており、熱変
色性印刷像としての変色特性を効果的に視覚させ
る構成の印刷物は、ほとんど開示されておらず、
色変化による面白さ、アピール性、玩具性等を必
ずしも満足させていなかつた。

本考案は前記の不具合を解消するものである。
以下に本考案を詳細に説明する。

本考案における支持体２は、印刷適性を備えた
基材であれば、すべて有効であり、例えば、紙、
フイルム、布、ガラス、陶磁器、プラスチツク、
木材、金属材等のシート状に限定されず、肉厚
状、変曲状、その他の基材が用いられる。本考案
は前記支持体２面上に多数の点状印刷像３を互い
に適宜間隔をおいて配設してなり、前記の点状印
刷像３の少なくとも一部が熱変色像３−１であ
り、所定の温度以下又は以上で該像が変色して全
体として変色前とは異なる像を視覚させるよう構
成したことを特徴とする。

点状印刷像３は、円形、角形等の幾何図形、星
形、ハート形、花、動物、鳥類、符号等、その他
目的に応じた形状の像であり、支持体面上に多数
を分散配置して、これらの組合せにより変色像を
形成して視認させる。

熱変色像３−１は、温度に感応して変色（発
色、消色を含む）する、可逆性の従来公知のイン
キにより形成される。それらの中の一例として、
電子供与性呈色性化合物と電子受容性顕色剤との
組合せをベースとしたインキが挙げられる。例え
ば、特公昭52−7764号公報による印刷インキが好
適である。該印刷インキは、広範囲の温度域にお
いて、赤、青、黄、緑、橙、紫、その他配合によ
り微妙な色まで有色から無色に、或いは、無色か
ら有色に、或いは一般の染顔料を添加混在させる
ことにより、有色（）から他の異なる有色
（）へ可逆的に鋭敏に変化させることができる。

前記の熱変色性インキ及び一般印刷インキ（非
変色インキ）による印刷像３−１及び３−２は、
従来公知の転写、グラビア、スクリーン、オフセ
ツト等の印刷技法により支持体に印刷される。熱
変色像３−１は、適宜重ね刷りされた複層形成さ
せることもできる。また、熱変色性インキ中に予
かじめ一般の染顔料をブレンドした混合インキを
用いれば、印刷像を多様に変色でき、同様の効果
が得られる。

前記の点状印刷像３は、互いに適宜間隔をおい
て配設されており、温度変化により変色して全体
として変色前とは異なる像を視覚させる。従つ
て、視覚される像は、連続性の印刷像でなく、不
連続の多数の点状印刷像の組合せによつて形成さ
れるパターンであり、意外性、デザイン性、アピ
ール性が付与される。さらに、点状印刷像３であ
るから、変色前後における数量変化も併せて視認
させる効果を与えることもできる。

次に実施例を記載し説明を加える。第１図は本
考案熱変色性印刷物の一実施例の平面図であり、
第２図は第１の変色状態、第３図は第２の変色状
態の各平面図である。

白色の支持体２面上に、円形状の、14個の熱変
色像３−１及び40個の非変色像３−２、六角形状
の７個の熱変色像３−１が適宜間隔をおいて配設
されて熱変色性印刷物１が構成されている。さら
に詳細には、14個の熱変色像３−１はいずれも39
℃に変色点をもち、39℃未満の温度で赤色に着色
しており、39℃を越えると無色に可逆的に変色す
る熱変色性インキにより形成されている。40個の
非変色像３−２は、いずれも赤色の非変色性イン
キ（一般印刷インキ）で形成されており、常温で
は両者の色調、濃度が視覚上同一に保持されてい
る。一方、７個の六角形状の熱変色像３−１は常
温では無色であり、５℃以下の温度で青色に変色
する、熱変色性インキにより形成されている。

かくして、常温では54個の赤色の点状印刷像３
が視覚されるのみであるが、39℃以上の温度では
14個の熱変色像３−１が消色して、消色像の組合
せにより数字「８」を形成して視覚される。一
方、５℃以下の温度域では、７個の六角形状の青
色像が顕色して、これらの組合せにより、数字
「１」が視覚される。

本考案の熱変色性印刷物は、前記実施例に特定
されることなく、多様に応用展開が可能であり、
風呂用絵本、人形の服、教材、玩具、冷菓、飲
料、食料、衣料、広告、デイスプレイ、装飾、家
庭用、工業用分野等において適用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案熱変色性印刷物の平面図であ
り、第２図は第１の変色状態、第３図は第２の変
色状態の各平面図である。 １……熱変色性印刷物、２……支持体、３……
点状印刷像、３−１……熱変色像、３−２……非
変色像。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 温度変化により少なくとも一部が変色して変化
   前とは異なる模様、図柄、情報等を現出する印刷
   像が支持体上に設けられた熱変色性印刷物におい
   て、前記印刷像は多数の任意の色の非変色の点状
   印刷像と熱変色性の点状印刷像が混在して互いに
   間隔をおいて配置されて構成されており、前記熱
   変色性点状印刷像は変色温度より低温域で相対的
   に濃色な着色状態を呈し、変色温度より高温域で
   は相対的に淡色であるか無色状態となる可逆熱変
   色性を示し、前記熱変色性点状印刷像は常温より
   低温の変色温度をもつもの及び常温より高温の変
   色温度をもつものの１種または２種であり、前記
   印刷像全体は常温域では多数の着色の点状印刷像
   が配列している様相を呈していることを特徴とす
   る熱変色性印刷物。