JPH04232906A - 可撓性多層導光シート及びその製造方法 - Google Patents

可撓性多層導光シート及びその製造方法

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JPH04232906A
JPH04232906A JP40868690A JP40868690A JPH04232906A JP H04232906 A JPH04232906 A JP H04232906A JP 40868690 A JP40868690 A JP 40868690A JP 40868690 A JP40868690 A JP 40868690A JP H04232906 A JPH04232906 A JP H04232906A
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JP
Japan
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light guide
polymer
guide sheet
sheet
inner layer
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Application number
JP40868690A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Fujita
勲 藤田
Norinobu Maeda
礼信 前田
Heiroku Suganuma
菅沼 平六
Tadayoshi Matsunaga
松永 忠與
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の表示パネルや
各種ディスプレイ、ライトガイドや各種センサおよび信
号伝送媒体などに有用な表面強度の高い可撓性多層導光
シートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車用途におけるオプトエレク
トロニクス技術は著しい進歩を遂げており、各種表示部
材、検知部材および信号伝送媒体などとして各種の光伝
送素材が用いられている。
【0003】その1つとして、光分波器や光ミキサ等と
して有効な平板形光導波路があり、この光導波路として
は、プラスチック系導光層をシート状にして製造したシ
ート状導光素材が知られている。
【0004】例えば、特開昭51−73445号公報や
特開昭52−87046号公報では、芯成分にポリスチ
レン樹脂を用い、ポリメタクリル系重合体をクラッドと
して用いたシート状導光素材が提案されている。
【0005】また、特開昭57−139711号公報や
特開平2−903号公報では、芯成分にポリメタクリル
系重合体を用い、その周りに低屈折率の重合体で被覆し
たシート状導光素材が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このシート状導光素材
は、自動車内のライトガイドネットワークシステムに用
いるための信号伝送媒体として注目されているが、上記
した従来のシート状導光素材では、種々の問題があり、
さらに改善が望まれていた。
【0007】例えば、特開昭51−73445号公報や
特開昭52−87046号公報で提案されているシート
状素材では、芯成分にポリスチレン樹脂を用いているの
で、導光層の透明性が劣り、特に信号伝送媒体のように
通信システム用素材としては伝送性能が不十分である。
【0008】また、特開昭57−139711号公報や
特開平2−903号公報では、ポリメタクリル酸メチル
系重合体を芯成分としているので光伝送性能は優れてい
るものの、表面強度が不十分であるために取扱い時や後
加工時等において外層部に傷が発生して漏光を生じ易い
という問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記した従来のシート
状導光体の有する問題を解決し、可撓性に富み、優れた
導光性能を有し、しかも、傷が発生しにくいという特性
を併せもち、自動車用の信号伝達媒体として特に有用な
可撓性多層導光シートを提供することを、主な目的とす
る。
【0010】また、本発明は、その可撓性多層導光シー
トを得るために工業的に有利な製造方法を提供すること
を別の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために次の構成からなる。
【0012】請求項1の可撓性多層導光シートは、光伝
送性能を有するポリメチルメタクリレートを主成分とす
る重合体からなるシート状導光性の内層部、該内層部の
全周面を被覆して配された、前記重合体の屈折率よりも
0.02以上小さな屈折率を有する弗素含有重合体から
なる中層部、及び、最外部の被覆を形成するハードコー
ト被膜部を有することを特徴とするものである。
【0013】請求項2の可撓性多層導光シートは、さら
に、可撓性多層導光シートが下記式(a) 、(b) 
、(c) を同時に満足する断面形状を有することを特
徴とするものである。
【0014】 7≦W/T≦50              ‥‥(
a) T/10≦R≦10T          ‥‥
(b) 3≦t≦100              
  ‥‥(c) (ただし、W:導光シートの幅(mm
)、T:導光シートの厚み(mm)、R:導光シート断
面端部の曲率半径(mm)、t:中層部の厚み(μm)
、をそれぞれ表す。)。
【0015】請求項3の発明は、モノマ精製、塊状ラジ
カル重合、ベント方式脱モノマの各工程よりなる連続製
造方法で得られた高度の光伝送性能を有するポリメチル
メタクリレートを主成分とする重合体を、口金上面の内
層部成分注入口より供給し、該注入口に連通した内層部
成分分流用の長溝と、長溝の下部に沿って連通する成型
用スリットと、口金上面の中層部成分注入口に連通して
前記長溝を外囲する第1環状溝と、第1環状溝から中層
部成分を分散流出させる複数の小孔と、前記成型用スリ
ットに対向するスリット状の成型出口と、前記複数の小
孔に連通して前記成型出口を外囲する第2環状溝と、こ
の第2環状溝と前記成型出口とをその全周にわたって連
通する小間隙とを備えた矩形形状の複合口金より吐出し
、冷却固化し、引取った後、非接触加熱延伸し、その後
、ハードコート処理を施すことにより、請求項1記載の
可撓性多層導光シートを製造する方法である。
【0016】本発明で用いたポリメチルメタクリレート
を主成分とする重合体とは、ポリメチルメタクリレート
、あるいは5重量%以下の他の共重合成分を含むポリメ
チルメタクリレート共重合体である。
【0017】その共重合成分としては、エチルメタクリ
レート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等の
脂肪族メタクリレート又はアクリレート;ボルニルメタ
クリレート、アダマンチルメタクリレート等の脂環式炭
化水素基を有するメタクリレート;イソプロピルマレイ
ミド、sec −ブチルマレイミドの如き脂肪族マレイ
ミド等が挙げられる。
【0018】また、本発明で用いた弗素含有重合体とし
ては、ポリ(フルオロアルキルメタクリレート)、その
共重合体、ポリ弗化ビニリデン、その共重合体等が挙げ
られる。
【0019】ポリ(フルオロアルキルメタクリレート)
の共重合体としては、ポリ(フルオロアルキルメタクリ
レート)同士の共重合体、脂肪族メタクリレートやアク
リレートとの共重合体等が挙げられる。
【0020】弗化ビニリデンの共重合体としては、テト
ラフルオロエチレンのようなパーフルオロアルキレン基
からなるポリマやパーフルオロアルキル基を側鎖に含む
ポリマ等が挙げられる。
【0021】上記したポリメチルメタクリレートを主成
分とする重合体で内層部を形成し、弗素含有重合体でそ
の外周を被覆して中層部を形成し、その両層部の界面に
おいてスネルの法則に基づく光の全反射を生じさせるシ
ート状導光体を得るには、中層部の弗素含有重合体の屈
折率は内層部のポリメチルメタクリレートを主成分とす
る重合体の屈折率よりも0.02以上小さいことが必要
である。
【0022】ポリメチルメタクリレートを主成分とする
重合体で内層部を形成し、その外周を弗素含有重合体で
被覆させればよいが、弗素含有重合体の中層部の外側に
、ポリメチルメタクリレートを主成分とする重合体で被
覆させた3層目(外層部)を形成してもよい。このよう
に3層目を形成させれば、弗素含有重合体の容積を低減
できるため低コスト化が図れるし、また、含弗素メタク
リレート樹脂のように脆く硬い被覆層を薄くできるので
可撓性をさらに改善することもできる。
【0023】含弗素含有重合体で被覆させたままでは表
面強度が低く、機械的作用で表面傷が発生しやすく、そ
の部分から光の漏洩が生じ易い。そこで、表面強度を増
加させる目的で、含弗素エポキシ樹脂、含弗素シリコー
ン、紫外線硬化型アクリル樹脂、オルガノポリシロキサ
ン等を用いてハードコート被膜を形成させることが必要
である。
【0024】含弗素エポキシ樹脂としては、例えば、ヘ
キサフルオロアセトンから合成される下記式(I) で
表される化合物や、含弗素ジオールから合成される下記
式(II)で表される化合物が用いられる。
【0025】
【化1】
【0026】また、含弗素シリコーンとしては、例えば
、ポリジメチルシロキサンの一つのメチル基をトリフル
オロプロピルで置換した化合物が用いられる。
【0027】紫外線硬化型アクリル樹脂としては、一般
的には3官能以上のモノマ、またはペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ジアリルイソシアヌレート等の末
端OH基を利用した多官能オリゴマを主成分とし、また
光増感剤としてはベンゾイン系、ベンゾフェノン系、ア
ミン系等を適宜組合せて使用するが、必要に応じて密着
向上処理としてコロナ処理、プライマー処理等を行う。
【0028】オルガノポリシロキサンとしては、下記一
般式(III) で表される有機珪素化合物やその加水
分解物、及び、下記一般式(IV)で現される有機珪素
化合物やその加水分解物からなる群から選ばれる少なく
とも1種の有機珪素化合物類が用いられる(特願平2−
223455号公報)。
【0029】
【化2】
【0030】以下、本発明に係る可撓性多層導光シート
およびその製造方法を例示する図面に基づいて説明する
【0031】図1及び図2は成形された多層導光シート
の一部を示す斜視図であり、図1は3層構造の導光シー
トの一例、図2は4層構造の導光シートの一例をそれぞ
れ示す。
【0032】図3及び図4は、図1の3層構造導光シー
トの断面を示す図であり、図4はその部分拡大断面図で
ある。
【0033】これら図において、Aはポリメチルメタク
リレートを主成分とする重合体からなる内層部、Bは弗
素含有重合体からなる中層部、Cは4層導光シートの場
合に中層部の外側に形成される外層部、Dは最外層部を
形成するハードコート被膜部であり、また、Eは多層導
光シートを示す。
【0034】また、図3、4において、Wは多層導光シ
ートの幅(mm)、Tは多層導光シートの厚み(mm)
、tは中層部の厚み(μm)である。
【0035】図3、4において、シートの幅と厚みとの
比(W/T)は、7〜50とすることが好ましい。この
W/Tの値が7未満になると可撓性が劣るため導光シー
トとして用いる上で支障をきたし、本発明の目的を達成
し得ない。また、W/Tの値が50を越える場合、導光
シートとして必要な厚みにした際にシート全体としての
幅方向の拡がりが大きくなり過ぎ、シートへの入光及び
シートからの伝送光量全体の受光を均一に行うことが困
難となり、自動車用途の信号伝送媒体としては使い難い
【0036】シート状導光体の断面形状端部は、図3、
4に示したように端部内接円により求めた曲率半径Rが
T/10以上、かつ、10T以下である曲面となってい
ることが好ましい。この曲率半径RがT/10以下では
断面端部の偏平度合が大き過ぎるため、多層導光シート
への入光及びシートからの伝送光量全体の受光を均一に
行うことが困難となり、自動車用光データリンク等の信
号媒体として光分岐や光合波を行ったりする場合には使
い難い。
【0037】この端部の曲率半径Rの値は、熱可塑性重
合体を実質的に短形の吐出孔から溶融吐出させて、冷却
、固化させるという成形過程において、重合体の表面張
力の働きにより端部断面形状が丸味を帯びてくるという
現象を利用して、所望の値とすればよい。
【0038】また、弗素含有重合体からなる中層部の厚
みtは3μmを越え、かつ、100μm未満とすること
が好ましい。この値tが、3μm以下では内層部を伝搬
してきた光の電磁界分布がグース・ヘンシェン・シフト
により中層部の内部にまで及ぶため、中層部弗素含有重
合体が薄いと電磁界は中層部弗素含有重合体の外部へ出
てしまい漏洩してしまう。界面での反射損失係数で見て
、10−4〜10−5の漏洩度を与える中層部弗素含有
重合体の厚さは光伝送で一般的に用いる波長(650〜
850nm)の4〜5波長分に相当する3μm程度であ
り、中層部弗素含有重合体の厚みとしては3μmを越え
る厚さが必要である。
【0039】しかし、中層部を形成する弗素含有重合体
は一般的に高価であり、中層部弗素含有重合体の厚みを
必要以上に厚くすることは経済上好ましくないし、また
、含弗素メタクリレート等の脆い重合体を中層部に用い
た場合には可撓性が劣り、取扱い上も好ましくない。 さらにまた、溶融押出法により多層導光シートを得る場
合には、外層ほど低粘性重合体を用いた方が複合状態が
安定するので、一般的に外側の層の溶融粘度を低くする
が、この場合、外側の層の厚みを増すほど断面形状端部
の偏平化が著しくなって、端部の曲率半径Rを所望の値
に制御することが困難となる。これら点からして、中層
部の厚みtは、厚くとも100μm未満とすることが好
ましい。
【0040】図5及び図6は、請求項3の製造方法で用
いる矩形形状複合吐出口金の一例を示す図であって、そ
れぞれ、分解斜視図、及び組立断面図(重合体流も図示
)である。
【0041】この矩形形状複合吐出口金は、口金上面に
設けられた内層部重合体注入口(2)と中層部重合体注
入口(3)、前記内層部重合体注入口に連通した内層部
重合体分流用の長溝(4) 、該長溝の下部に沿って連
通する成型用スリット(5) 、前記中層部重合体注入
口に連通して前記長溝を外囲する第1環状溝(6) 、
該第1環状溝から中層部重合体を分散流出させる複数の
小孔(7) 、前記成型用スリットの下端を受けるスリ
ット状の成型吐出口(8) 、前記複数の小孔に連通し
かつ前記成型吐出口を外囲する第2環状溝(9) 、及
び、該第2環状溝と前記成型吐出口とをその全周にわた
って連通する小間隙(11)とを具備するものである。
【0042】そして、内層部重合体としてのポリメチル
メタクリレートを主成分とする重合体は、口金上面の内
層部重合体注入口(2) より供給され、内層部重合体
分流用の長溝(4) 、成型用スリット(5) を通っ
て成形吐出口(8) 内に吐出され、複合シート状物の
内層部を形成する。
【0043】また、中層部重合体としての弗素含有重合
体は、口金上面の中層部重合体注入口(3) より供給
され、第1環状溝(6) 、複数の小孔(7) 、第2
環状溝(9) 、及び、小間隙(11)を通って成形吐
出口(8) 内に、成型用スリット(5) からの内層
部重合体を包囲するように吐出され、複合シート状物の
中層部を形成する。
【0044】このようにして形成された複合吐出シート
状物は、常法により冷却、固化され未延伸状態のシート
状物で引取られる。
【0045】この際、成形吐出口(8) の形状は、延
伸後に所定の厚み、幅となるような寸法の矩形スリット
であればよく、その吐出口の端部は、曲率を有してもよ
いし、また、曲率のない角形であってもよい。
【0046】図7及び図8は、請求項3における製造方
法の一例を示すものであって、矩形形状複合口金より吐
出された複合シート状物を、冷却、固化、引取り、非接
触加熱延伸、非接触熱処理、そして、巻取りするプロセ
スの一例を示すものである。また、図8は冷却、固化の
他の方法(水冷方式)を例示するものである。
【0047】矩形形状複合口金に供給される内層部重合
体は、光伝送損失を極度に低減させる目的からモノマ段
階で厳密な精製を行い、微小塵埃、不純物を完全に除去
した高純度モノマを得て、さらに完全密閉下で重合、脱
モノマを実施するため、モノマ精製、塊状ラジカル重合
、ベント方式脱モノマの各工程よりなる連続製造方法を
適用するのが好ましい。
【0048】得られた高度な光伝送性能を有するポリメ
チルメタクリレートを主成分とする重合体は、前記した
口金上面の内層部重合体注入口(2) に供給され、ま
た、所定屈折率の弗素含有重合体は、前記した口金上面
の中層部重合体注入口(3) に供給され、前記したよ
うに矩形形状複合吐出口金で複合され、複合シート状物
で吐出される。
【0049】溶融状態で吐出された複合シート状物(C
) は、冷却風(12)により冷却、固化される。シー
トサイズが比較的小さい時は第7図のような空冷法が作
業性がよい点から好ましいが、比較的シートサイズが大
きい場合には第8図に示すような水冷方法が好ましい。 この第8図は、バンド・キャスティング法とキャスティ
ングドラムを組合せたプロセスの例であリ、符号(20
)が水冷キャスティングドラム、(21)が水槽である
【0050】冷却、固化された未延伸状態の複合シート
状物は、引取ローラ(13)、延伸用非接触加熱装置(
14)、延伸用ローラ(15)、熱処理用加熱装置(1
6)、熱処理用ローラ(17)、ニップローラ(18)
を経て熱処理され、チーズ(19)に巻上げられる。延
伸用非接触加熱装置(14)や熱処理用加熱装置(16
)に用いられる加熱方式としては、熱風循環、遠赤外線
加熱、高周波加熱等、あるいはこれらを組合せた方式が
適用できる。巻取る方法の一例としては、ボビントラバ
ース方式で、フリーレングスをできる限り短くして、定
ピッチで平行巻取ができるシートワインダを適用するの
が好ましい。
【0051】この製法において、非接触加熱延伸は、得
られる多層導光シートに所望の機械的特性を与えるため
に必要であるが、その後に行われる熱処理用加熱装置(
16)による熱処理は場合によっては省略してもよい。
【0052】
【実施例】(実施例1)十分に精製された市販のメタク
リル酸メチルに通常のラジカル反応開始剤と連鎖移動剤
とを添加して連続塊状ラジカル重合し、次いで、1軸の
ベント型エクストルーダからなる脱モノマ機により単量
体等を除去して、重量平均分子量が83000、残存モ
ノマ含有率が0.22重量%のポリメチルメタクリレー
トを得た。
【0053】このポリメチルメタクリレートを内層部重
合体とし、市販のポリ弗化メタクリレート系共重合体を
中層部重合体として図5、6に示した矩形形状複合口金
を用いて240℃で溶融成形し、空冷法式で冷却・固化
して、シート幅28mm、厚さ1.4mm、中層部重合
体の厚さ25μm、断面形状端部のRがT/2の未延伸
シート状導光体を作製した。引続き、この未延伸シート
状導光体を、図7に示した熱風循環方式の延伸用非接触
加熱装置(14)と熱処理用加熱装置(16)及び巻取
装置を有するプロセスにより、速度3m/分、延伸倍率
2.0、延伸温度165℃、定長熱処理温度170℃で
非接触加熱延伸及び非接触熱処理を行い、シート幅20
mm、シート厚1mm、中層部重合体の厚み18μmの
延伸導光シートを得た。
【0054】得られた延伸導光シートに、前処理として
、ポリメチルメタクリレートのトルエン溶液にメチルイ
ソブチルケトン、ベンジルアルコール、n−ブタノール
、シリコーン系界面活性剤を添加し均一撹拌して得られ
たプライマ組成物を浸漬塗布し、80℃、1時間熱風乾
燥器中でキュアした。
【0055】次いで、オルガノポリシロキサン系ハード
コート組成物を浸漬塗布し、80℃、1時間熱風乾燥中
でキュアすることによりハードコート被膜を形成させ、
3層の導光シートを得た。
【0056】ここで用いたオルガノポリシロキサン系ハ
ードコート組成物は、ビニルトリメトキシシランに酢酸
を加え、撹拌下で液温を10℃に保ちつつ、0.01N
−塩酸を滴下し、ビニルトリメトキシシラン加水分解物
を得、一方、メチルトリメトキシシランに酢酸を加え、
撹拌下で液温を10℃に保ちつつ0.01N−塩酸を滴
下し、メチルトリメトキシシランを得、該メチルトリメ
トキシシランに前記ビニルトリメトキシシラン加水分解
物と撹拌混合し、さらに、酢酸ナトリウム、キシレン、
酢酸ブチル、シリコーン系界面活性剤を加えて均一撹拌
して得た組成物である。
【0057】得られた多層導光シートを、スチールウー
ルによって擦過してみたが、傷がつかず十分な表面強度
を有していた。しかも、可撓性に優れ、引張破断強度は
11.7kg/mm2 と高く、光伝送損失は波長65
0nmのハロゲン単色光で173dB/kmと優れた伝
送性能を有していた。
【0058】(比較例)前記したハードコート被覆を行
う前の2層の多層導光シートについて、上記同様に評価
したところ、可撓性や光伝送性能は、引張破断強度が1
1.5kg/mm2 、光伝送損失が176dB/km
と、優れていたが、擦過により簡単に傷が付き、擦過後
の光伝送損失は221dB/kmに低下した。
【0059】
【発明の効果】本発明の多層導光シートは可撓性、耐ス
クラッチ性等の表面強度、機械的強度等が優れ、かつ、
自動車用途の光データリンク等の光分岐を伴う信号伝送
として要求される高度の光伝送性能を有している。
【0060】また、本発明の製造方法を用いることによ
り、上記のごとき優れた可撓性多層導光シートを安定か
つ効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層導光シートの3層構造の一例を示
す部分斜視図である。
【図2】本発明の多層導光シートの4層構造の一例を示
す部分斜視図である。
【図3】図1の導光シートの断面図である。
【図4】図1の導光シートの部分拡大断面図である。
【図5】本発明法において、内層部と中層部からなる2
槽構造の導光シートを溶融複合吐出する際に用いられる
矩形形状複合口金の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明法において、内層部と中層部からなる2
槽構造の導光シートを溶融複合吐出する際に用いられる
矩形形状複合口金の構成を示す組立断面図である。
【図7】本発明法を実施する工程の一例を示すものであ
る。
【図8】本発明法で用いられる他の冷却、固化方式を例
示する図である。
【符号の説明】
A:  内層部(ポリメチルメタクリレート系重合体)
B:  中層部(弗素含有重合体)、 C:  外層部(ポリメチルメタクリレート系重合体等
)D:  ハードコート被膜部 E:  可撓性多層導光シート W:  導光シートの幅 T:  導光シートの厚み t:  中層部重合体の厚み R:  導光シート断面端部の曲率半径1:  矩形状
複合口金 2:  内層部重合体注入口 3:  中層部重合体注入口 4:  長溝、        5:  成型用スリッ
ト6:  第1環状溝、  7:  小孔8:  成型
吐出口、  9:  第2環状溝11:  小間隙、 
     12:  冷風装置13:  引取ローラ、
  14:  延伸用非接触加熱装置15:  延伸用
ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    光伝送性能を有するポリメチルメ
    タクリレートを主成分とする重合体からなるシート状導
    光性の内層部、該内層部の全周面を被覆して配された、
    前記重合体の屈折率よりも0.02以上小さな屈折率を
    有する弗素含有重合体からなる中層部、及び、最外部の
    被覆を形成するハードコート被膜部を有することを特徴
    とする可撓性多層導光シート。
  2. 【請求項2】    可撓性多層導光シートが下記式 
    (a)、(b) 、(c) を同時に満足する断面形状
    を有することを特徴とする請求項1記載の可撓性多層導
    光シート。 7≦W/T≦50              ‥‥(
    a) T/10≦R≦10T          ‥‥
    (b) 3≦t≦100              
      ‥‥(c) (ただし、W:導光シートの幅(mm
    )、T:導光シートの厚み(mm)、R:導光シート断
    面端部の曲率半径(mm)、t:中層部の厚み(μm)
    、をそれぞれ表す。)
  3. 【請求項3】    モノマ精製
    、塊状ラジカル重合、ベント方式脱モノマの各工程より
    なる連続製造方法で得られた高度の光伝送性能を有する
    ポリメチルメタクリレートを主成分とする重合体を内層
    部重合体とし、前記重合体の屈折率よりも0.02以上
    小さな屈折率を有する弗素含有重合体を中層部重合体と
    し、かつ、口金上面に設けられた内層部重合体注入口(
    2)と中層部重合体注入口(3)、前記内層部重合体注
    入口に連通した内層部重合体分流用の長溝(4) 、該
    長溝の下部に沿って連通する成型用スリット(5) 、
    前記中層部重合体注入口に連通して前記長溝を外囲する
    第1環状溝(6) 、該第1環状溝から中層部重合体を
    分散流出させる複数の小孔(7) 、前記成型用スリッ
    トの下端を受けるスリット状の成型吐出口(8) 、前
    記複数の小孔に連通しかつ前記成型吐出口を外囲する第
    2環状溝(9) 、及び、該第2環状溝と前記成型吐出
    口とをその全周にわたって連通する小間隙(11)とを
    具備してなる矩形形状複合口金より吐出した複合シート
    状物を、冷却固化し、引取った後、非接触加熱延伸し、
    その後、ハードコート処理を施すことを特徴とする請求
    項1記載の可撓性多層導光シートの製造方法。
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