JPH04229852A - 写真用乳化物の製造方法 - Google Patents

写真用乳化物の製造方法

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JPH04229852A
JPH04229852A JP2415037A JP41503790A JPH04229852A JP H04229852 A JPH04229852 A JP H04229852A JP 2415037 A JP2415037 A JP 2415037A JP 41503790 A JP41503790 A JP 41503790A JP H04229852 A JPH04229852 A JP H04229852A
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oil
solution
porous membrane
emulsion
membrane
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Mitsuo Saito
光雄 斎藤
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/4105Methods of emulsifying

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真の分野において有用
であるハロゲン化銀(以後、AgXと記す)乳剤乳化物
に関する。更には分散媒を含む水溶液中に、少なくとも
写真的に有効な疎水性添加剤を含む油溶液を微細でサイ
ズ分布の揃った油滴で乳化する乳化装置に関する。更に
は写真的に有効な疎水性添加剤を含む溶液を微細でサイ
ズ分布が単分散である油滴として含むAgX乳剤乳化物
に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料では、色像形成剤、紫外線
吸収剤、混色防止剤(色かぶり防止剤)、増白剤、酸化
防止剤(退色防止剤、色像安定剤)等を含む溶液をAg
X乳剤に油滴状に分散させることがあるが、この場合、
該油滴のサイズ分布が揃っている方が該乳化物は安定で
ある。また、該サイズが小さい方が、撮影時の光散乱効
果が小さく、従って鮮鋭度がよくなる。また、特に色像
形成剤の場合、該油滴サイズを更に小さくし、かつ、サ
イズ分布を揃えた方が、該比表面積が増し、色像形成反
応速度が増加し、かつ、色素が分子分散系に近い系にあ
る為に、色素有効濃度がより高くなるというメリットが
あるという状況がある。しかし、従来の水中油滴乳化分
散法(高速度回転ミキサーまたはコロイドミル、フロー
ジェットミキサー、ホモジナイザー、毛細管乳化装置、
液体サイレン、超音波装置、ボールマン笛を有する乳化
装置)では該油滴のサイズ分布および平均サイズの制御
は十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は分散媒
を含む水溶液中に、少なくとも写真的に有効な疎水性添
加剤を含む溶液を小サイズでサイズ分布の揃った油滴で
乳化する装置を提供するものである。更には保存中の乳
化物の安定性がよく、かつ、鮮鋭度がよく、高画質なカ
ラー像を与えるAgXカラー写真感光材料を与えるもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は(1) 
容器中の分散媒を含む水溶液中に少なくとも写真的に有
効な疎水性添加剤を含む溶液を油滴状で添加し、乳化物
を製造する装置において、該添加溶液を該水溶液中に存
在する平均孔径0.3μmφ以下の多孔膜を通して直接
に液中に添加することを特徴とする写真用乳化物の製造
装置。 (2) 該多孔膜の孔径サイズ分布が変動係数で30%
以下であることを特徴とする前記(1) 記載の写真用
乳化物の製造装置。 (3) 該多孔膜が弾性体多孔膜であることを特徴とす
る前記(1) 、(2) 記載の写真用乳化物の製造装
置。 (4) 該添加がパルス状に添加されることを特徴とす
る前記(1) 、(2) 、(3) 記載の写真用乳化
物の製造装置。 (5) 該分散媒を含む水溶液がハロゲン化銀粒子を含
むハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする前記(1)
 記載の写真用乳化物の製造装置。 (6) ハロゲン化銀乳剤中に少なくとも写真的に有効
な疎水性添加物を含む溶液を油滴状に含むハロゲン化銀
乳剤乳化物において、該油滴の平均サイズが0.3μm
φ以下でかつ、サイズ分布が変動係数26%以下である
ことを特徴とするハロゲン化銀乳剤乳化物。によって達
成された。以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0005】(A)多孔膜 本発明においては写真的に有効な疎水性化合物を有機溶
媒に溶解させ、あるいは界面活性剤と共に有機溶媒に溶
解させて、これを必要に応じて界面活性剤を加えた親水
性分散媒水溶液中へ、該水溶液中に存在する平均孔径0
.3μmφ以下の多孔膜を通して直接に液中に添加する
ことにより、水中油滴型乳化物を調整する。この場合の
多孔膜としては、出口側の平均孔径が0.3μmφ以下
であり、好ましくは0.2μmφ以下、より好ましくは
0.12〜0.04μmφである。該孔出口の形状に関
しては特に制限はないが、押し出された油溶液は、表面
張力により、いずれの形状であっても球状化する。通常
は円形もしくは円形に近い多角形である。但し、針をつ
きさして孔を開けた場合のように該孔形状は孔の開け方
により制限を受ける場合もある。
【0006】該出口孔の円相当径のサイズ分布の変動係
数〔(サイズ分布の標準偏差/平均サイズ)×100%
で定義される値〕は30%以下が好ましく、20%以下
がより好ましく、12%以下がより好ましい。それは該
孔より押しだされる油滴のサイズ分布と直接に相関する
為である。また、孔のエッジ間間隔は、孔から押し出さ
れる油滴同志が直接に接触しない間隔であることが好ま
しく、通常、該間隔は0.1μm以上、より好ましくは
0.5μm以上、更に好ましくは2μm以上、最も好ま
しくは2μm〜1cmである。該間隔の最大側は、要求
される孔密度により規定される。該多孔膜の形状として
は平膜型、中空管型、プリーツ型をとることができるが
、機能的に平膜型、中空管型が好ましく、中空管型がよ
り好ましく、中空円管型が更に好ましい。中空円管型は
次の利点を有する。 1)支持具が簡単である。油溶液の送液管とコネクター
で接続するだけで簡単に設置できる。該円管自身が耐圧
構造になっている為に、平膜型やプリーツ型のような膜
を支持する支持具が不用な為である。 2)膜面積を簡単に調節できる。該円管の長さを変える
だけで簡単に該膜面積を変えることができる。 3)孔の散在度を選ぶことができる。該円管の長さを長
くし、溶液内で該円管を張りめぐらせることにより、容
器内における該孔の位置分布(散在度)を自由に選ぶこ
とができる。
【0007】4)膜の比表面積を選ぶことができる。該
円管の径を選ぶことにより簡単に該(表面積S/体積V
)値を選ぶことができる。例えば後述の如く、該水溶液
の温度と該油溶液の温度を異ならせる場合は、両者の熱
交換量を抑える為に比表面積を小さく選ぶことができる
。 5)  加圧時の特性がよい。中空管型で印加圧を大き
くした場合、中空管径は大きくなり、該孔径は大きくな
る。特に該中空管材料が弾性体である場合は、この傾向
がより顕著になる。印加圧を減らすと、該管径は小さく
なり、孔径も小さくなる。この挙動は後述する如く、孔
から押しだした油溶液をくびれさせ、微滴化を促進する
効果を有する。これは本発明において特に好ましい特長
である。多孔膜の構造としては対称膜と非対称膜をあげ
ることができる。対称膜の場合の孔の断面形状としては
モデル的には、図1に示すが、図1の(a)のような円
筒型と、(b)図のような台錐型や、(c)図のような
円錐型をあげることができる。孔径が常に実質的に一定
の態様で用いる場合には、(a)〜(c)の型を好まし
く用いることができる。(a)型は、孔から押し出され
る油溶液の外径精度は良いが、孔径が小さい場合には、
該孔における圧損率が高くなる。(b)、(c)型は該
圧損率が(a)型より低く、かつ、押し出された油溶液
の微滴化がより促進されるという利点を有する。
【0008】該孔を前述のように、伸び、縮みさせて用
いる場合には、(b)、(c)型の方がより好ましい。 それは、(b)、(c)型の方が孔径の伸び、縮みに対
応して、押し出した油溶液が微滴化しやすい為である。 (a)型では(膜厚)>>孔径)の為、微滴化のくびれ
が不鮮明になる。該台錐の(小孔径/大孔径)比は、好
ましくは1.5以上、より好ましくは3以上、更に好ま
しくは5〜100である。積層膜は孔径の大きい多孔膜
(支持層とよぶ)上に孔径の小さい多孔膜(活性層とよ
ぶ)が積層された構造をしている。前者の層は厚く、膜
強度を大きくする役割を持ち、後者の層は薄く、膜厚の
小さい微細孔膜層の役割を持つ。該活性層の孔形状とし
ては図1の(a)〜(c)と同様に円筒型と台錐型、円
錐型をあげることができる。該相孔膜の孔形状としては
、やはり図1の(a)〜(c)のモデル形態をあげるこ
とができる。従って、その間の両者の組み合わせ型をす
べてとりえる。例えば図2の(a)は円筒孔粗孔膜と円
筒孔微孔膜の組み合わせを、(b)は円筒孔粗孔膜と台
錐孔微孔膜の組み合わせを示している。積層膜としては
、その他、図2の(c)のように微孔膜の両面側に粗孔
膜を配した態様もあげることができる。
【0009】該活性層の厚さは特に制限はないが、本発
明の場合は(孔径<0.3μm)であるから、10μm
以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。該対称膜
、該非対称膜の全体の膜厚は、膜強度の点で、好ましく
は10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好
ましくは100μm〜5mmである。該粗孔膜と該微孔
膜間の接合に関しては、柳原栄一著、接着技術の新展開
、工業調査会(1985)、溶接学会編、溶接・接合便
覧、丸善(1990)の記載を参考にすることができる
。接合の基本は、両相間のもしくは接着剤相間に(1)
 1次結合(化学結合)、(2) 2次結合(ファンデ
アワールスカ)、(3) 相互拡散、(4) 水素結合
、(5) 静電気、(6) 投描効果を生ぜしめること
である。具体的には、例えば、次の態様をあげることが
できる。■粗孔膜上に感光性ゴムを塗布し、両相の長鎖
高分子鎖が互いにからみ合う程度に加熱する。次に、該
塗布層に電子線照射をし、現像し、水洗し、微孔を開け
る。■粗孔膜上に感光性ゴムを含む溶液を塗布し、粗孔
膜表面の一部を溶かし、該感光性ゴム長鎖分子と互いに
からみ合わさせる。 次に該溶剤を、蒸発・除去し、次に該感光性ゴム層に微
孔を開ける。■粗孔膜上に微孔膜を重ね合わせ、適度に
加熱し、両相の感応基間に結合を生じさせるか、分子鎖
同志をからみ合わせる。微孔膜はガラス等の平滑支持体
上に積層させた状態で重ね合わせればよい。そして接合
後に、ガラス支持体を除去すればよい。図1の(b)、
(c)の態様は膜制作上のこのようなわずらわしさがな
く、かつ、該積層膜の特性をだせる為に特に好ましい。
【0010】(B)多孔膜の作り方 1)機械的加工 有機高分子膜、特に弾性体膜に針をさし込み、抜くこと
により、意図通りの孔を形成することができる。膜に針
で孔を開ける時、膜厚が薄くなる程、より小さい孔を開
けることができる。また、添加溶液側から針をさし込ん
で孔を開けると、出口孔径を更に小さくすることができ
る。それは、より細い針先を有効に利用して、孔を開け
ることができる為である。弾性膜の場合、針のさし込む
速さによっても該孔径を調節することができる。ゆっく
り針をさし込み、ゆっくり針を抜くと、該孔径は該針径
よりも小さくなる。即ち、針のさし込み、抜き速度を遅
くする程、形成される孔径は小さくなる。ゴム弾性が大
きくなると、針を抜いた時に孔はふさがれ、見かけの孔
径≒0μmとなる。従って弾性限界伸び%や弾性率の種
々異なる膜と、種々の針先径の針を用い、種々の針速度
で実験計画法的に孔を形成すると、孔径0.3μm以下
の種々の孔径の孔を形成することができる。従って、希
望通りの孔径、孔径サイズ分布、孔位置分布の多孔膜を
得ることができ、特に好ましく用いることができる。
【0011】用いることのできる針に特に制限はなく、
金属針、竹針、セラミック針等を用いることができるが
、加工性、針先強度の点で金属針がより好ましい。金属
針は、市販の針(裁ほう用、医療用、鍼用、特殊用途用
)や金属細線を加工(塑性加工やケンマ加工)して制作
した針を用いることができる。塑性加工法としては寸法
精度の点で冷間引き抜き加工法がより好ましい。また、
該針を100℃以上に加熱して膜にさし込み、さし込ん
だ所を可塑化もしくは焼くことにより孔を開ける方法も
用いることができる。その他、針で孔を開ける時、1本
の針を何回もさし込むよりも、2本以上の針を配列し、
それを工作機械で精密に1回以上、動作させて、孔を開
ける方がより正確に、迅速に制作できる。針をさし込ん
で孔を開けた場合は、図1の(b)、(c)の態様の孔
を開けることができるという点でも好ましい。但し、中
空管に外から針で孔を開けると、それとは逆の孔形状と
なる。この場合は、図3に示すように、先端を折り曲げ
た針を中空管内に入れて針先と反対側からもしくは上か
ら膜を押しつければよい。弾性体中空管であれば可能で
ある。この場合も、該針の態様は(b)図の如き多針態
様を用いることができる。弾性膜の場合、弾性限界内で
膜をひき伸ばした状態で針をさし込んで孔をあけ、針を
抜いてから、膜を元の状態に戻すこともできる。孔径を
より小さくすることができて好ましい。この場合の拡張
は、もとの面積の20%以上が好ましく、50%以上が
より好ましく、100〜800%がより好ましい。
【0012】2)電磁波、電子線、荷電粒子線による加
工 前記感光性高分子に光(自然光、単色光、レーザー光、
シンクロトロンラジエーション光、紫外光、遠紫外光)
、軟X線、X線、電子線、荷電粒子線、高エネルギー線
を照射することにより該高分子膜の溶解性が(変性、架
橋、崩壊、解重合、重合反応などにより)変化すること
を利用して該感光性高分子に孔を開けることができる。 照射後、現像液中で現像し、次に洗浄することにより多
孔膜化できる。容易さの点でフォトポリマーが最も多用
されている。電子線や荷電粒子線を用いて照射する場合
、含ビームを電磁場で制御し、直接描画することができ
る。その他の場合には通常フォトマスクを用いて照射す
る。フォトマスクは通常、電子線直接描画法により制作
される。他の寸法(例えば銀塩写真乾板法)に比べて、
精度が高い為である。マスク露光法としては1)ハード
コンタクト法、2)ソフトコンタクト法、3)プロキシ
ミティ法、4)プロジェクション法、5)全反射式のプ
ロジェクション露光法がある。平膜型多孔膜の場合は、
半導体LSI微細加工の場合と同様に処理して微細加工
できる。一方、中空管の場合は、例えば中空管内に不透
光性板(光吸収板)を入れ、マスクを押しつけ、露光(
片面もしくは両面)する方法(図4の(a)参照)をあ
げることができる。このようにして希望する場所に希望
の孔径、孔分布で孔を開けることができる。
【0013】半導体微細加工の場合と異なり、〔■一度
制作すれば該膜を何回も使用できる為、電子線直接描画
法やイオンビーム露光法のように時間を要する方法も好
ましく用いることができる。■半導体の微細加工の場合
と異なり、半導体に対する損傷対策を考慮しなくてよい
為、高エネルギー荷電粒子線、電子線、軟X線、X線等
による描画法も用いることができる。■必ずしも膜の厚
味方向に対して、垂直な孔でなくてもよい。厚味方向に
対して孔径が広がる形態であってもよい。添加溶液の出
口部の孔径が小さければよい。■孔間距離が大きい為、
微細加工時の相互作用効果等を考慮しなくてもよい。〕
というメリットを有する為、より高精度の微細加工を行
うことができる。上記の場合、高エネルギー線を照射し
た場合には、nucleopore filter の
ように、孔形状は円筒型になる。該荷電粒子線のエネル
ギーを低下させると、孔形状は円筒型から台錐形状へと
変化する。電磁波照射の場合も、短波長波の方が、孔形
状はより円筒型に近くなる。
【0014】それは、一般にスリットを通過した電磁波
の回折による広がりか、長波長波の方がより大きくなる
為である。この為該電磁波の波長を選ぶことによっても
、該台錐形状孔の斜面角度を変化させることができる。 その他、該感光性高分子材料中に光散乱性粒子(例えば
酸化チタン等のセラミックス粒子、金属粒子、AgX粒
子等)を混合しておくか、もしくは該フォトマスクと該
感光材料間に光散乱体を挿入することにより、該台錐形
状孔の斜面角度を変化させることができる。図4の(b
)参照)該スリットによる回折や、粒子による光散乱、
光散乱体に関しては、T.H.James (ジェーム
ス)編、The Theory of the Pho
tographic Process(写真過程の理論
)、第4版、第20、21章、Macmillan,N
ew York(1977)、ヤーゲンソンスら著、玉
虫文一ら訳、コロイド化学、培風舘(1967)、久保
輝一郎ら編、粉体、丸善(1962)、の記載を参考に
することができる。入射波側を油溶液の出口側として用
いれば図1の(b)の態様の多孔膜が得られる。これら
の方法で中空管型に対しても、簡単に図1の(b)の態
様の孔を形成することができる。
【0015】その他、電子線のように膜に対する透過能
が低く、それが問題になる場合は、電子線の加速エネル
ギーを上げ、透過能を増すことや、膜の両側から照射す
ることが有効である。その他、弾性膜に電子ビームやレ
ーザー光ビームを照射し、可塑化もしくは焼くことによ
り、孔を開けることもできる。また金属薄板やセラミッ
クス板(SiO2 等)に対し、異方性、ドライエッチ
ング法やウェットエッチング法を適用することにより、
孔を開けることができる。これは半導体微細加工技術を
参考にすることができる。これらの方法では、希望通り
の孔径、孔径サイズ分布、孔位置分布の多孔膜を得るこ
とができる為に、特に好ましく用いることができる。該
感光性高分子の微細加工法のその他の上記詳細に関して
は特願平2−78534号、特開昭62−36598号
、S.Z.Sze(シー)編、VLSI技術、7章、M
’cGraw−Hill, アメリカ(1983)、楢
岡清威著、エレクトロニクスの精密微細加工、総合電子
出版社(1980)、マイクロ加工技術編集委員会編、
マイクロ加工技術、日刊工業新聞社(1988)、中野
朝安ら著、微細加工、東京電気大学出版局(1989)
、右高正俊ら編、LSIプロセス工学、オーム社(19
83)、高分子学会編、高分子新素材、One Poi
nt 3(微細加工とレジスト)、共立出版(1987
)半導体ハンドブック、第5編(第10章、11章)、
オーム社(1977)の記載を参考にすることができる
【0016】3.高分子鎖網の網目サイズの調節ゴム弾
性体は通常、非結晶性、長鎖高分子間を架橋剤で架橋し
た分子構造を有する。該架橋点間の網目鎖分子量と、架
橋剤の分子量を調節することにより、該網目面積を変化
させることができる。この方法で三次元網目構造の網目
サイズが種々異なるメンブレンフィルターを調節するこ
とができる。膜状多孔膜としてはその他、酢酸セルロー
ス膜のように良溶媒に溶解させ、製膜し、次に貧溶媒に
膜を浸し、分子を球状化させ、次に熱処理をし、球状粒
子が互いにそのとびでた分子鎖でからみあって結合され
た多孔膜を挙げることができる。この場合、貧溶媒の程
度、熱処理法により、平均孔径が0.1〜10μmφの
多孔膜が形成される。また、微量の架橋剤ジビニルベン
ゼンを含むポリスチレン膜、ポリスルホン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリアミド、ポリフッ化エチレン(テトラ
、トリ、ジ、モノフルオロエチレン)等〕の他、ポリス
チレンスルホン酸ナトリウム、アクリロニトリル共重合
体膜、12−ナイロン等のイオン選択透過膜を挙げるこ
とができる。
【0017】4.微粒子結合体膜 セラミックス粒子、金属粒子、有機高分子粒子およびそ
れらの複合粒子(例えば金属粒子表面を合成有機高分子
材料で被覆した粒子)の粒子同志の融着させて形成した
多孔膜。孔径は骨剤粒子の粒子径が小さく、結合剤の量
が多い程、一般的に平均径は小さくなる。また該粒子の
粒子サイズ分布が狭い程、また形状が揃っている程、該
孔径のサイズ分布は狭くなる。該形状が球の場合、該孔
径は予め計算で予知できるという利点を有する。該微粒
子に、該弾性体を用いた態様、例えば粒子サイズ分布の
揃った熱可塑性エラストマー微粒子を加熱により粒子同
志を融着させて形成した多孔膜がより好ましい。
【0018】5.その他 特願平2−78534号記載の織布繊維多孔膜や不織布
繊維多孔膜をあげることができるが、0.3μmφ以下
の孔径で、該孔径サイズ分布の狭い孔を作るという点で
、上記1)〜4)の方法の方がより好ましい。 (C)多孔膜の材質 本発明に用いることのできる多孔膜の材質としては、金
属、セラミックス、有機高分子材料をあげることができ
、特に用いられる分散媒水溶液や油溶液に対して耐食性
である材料が好ましい。具体的には、セラミックスとし
てSiO2 、Al2 O3 、シリカアルミナ、酸化
チタン、SiC、およびそれらの2種以上の混成物を、
金属として、ステンレス鋼、Al、Ti、アルミニウム
合金、ニクロム系、白金、金をあげることができる。有
機高分子材料としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エ
ラストマーを、より具体的にはテフロン等のフッ素樹脂
、アイオノマー、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホ
ン、ポリオレフィン、エポキシ、ポリカーボネート、ビ
ニルエステル樹脂、ビスフェノール系不飽和ポリエステ
ル、フラン樹脂、エチレン−プロピレンゴム、セルロー
ス誘導体、シリコーン樹脂、および上記材料の2種以上
の複合材料をあげることができる。
【0019】本発明においては後述の理由で非弾性体よ
りも弾性体の方がより好ましい。ここで弾性体とは使用
温度領域でもとの大きさの1%を越える歪にまで可逆的
な弾性変形をする物体(即ち、弾性限界伸び%が1以上
の物体)を指し、好ましくは5以上、より好ましくは2
0〜800、更に好ましくは80〜800の物体を指す
。弾性は熱可塑性樹脂やゴム材料のように長い分子鎖を
有する高分子に特有の力学的性質で、硬質固体に見られ
るエネルギー弾性とは本質的に異なるエントロピー弾性
に由来する。分子構造的には長鎖高分子鎖間が架橋ある
いは加硫により化学的に結合された分子構造を有し、手
で引っぱった時に該架橋点が分子鎖間のスリップを防ぐ
。従って、外力を除いた時に、引き伸ばされた網目状分
子構造は元の構造に戻る。該弾性体の種類は天然ゴム、
合成ゴム、ラテックスゴム、液状ゴム、粉末ゴム、熱可
塑性ゴムに分類される。
【0020】該架橋反応には加硫法と非加硫法がある。 加硫法では硫黄、無機含硫化合物、有機含硫化合物、セ
レン、テルル等を加えて加熱する方法である。AgX乳
剤製造の場合、S、Se、Te不純物は写真特性に大き
な影響を及ぼす為に好ましくない。従って本発明の弾性
体としては加硫法弾性体よりも非加硫法弾性体の方がよ
り好ましい。加硫法弾性体を用いる場合は、■未反応イ
オウがなくなるまで十分に加硫反応させる、■加熱水中
で十分に溶出不純物をだしきってから使用する、ことが
好ましい。非加硫法としては過酸化物(例えばジベンゾ
イルオキシド、ジ−2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、過安息香酸−t−ブチル等)、2価金属酸化物
(例えばZnO、MgO等)、キノイド架橋(例えばp
−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジ
オキシム等)、樹脂架橋(例えばフェノールホルムアル
デヒド樹脂等)、亜鉛、アミン、フェノール類(例えば
ジアミン、ポリアミン、尿素、ポリオール等)等による
方法を挙げることができる。架橋様式によって分類する
と、共有結合架橋、イオン架橋(金属イオン、非金属イ
オン)、結晶相架橋(例、熱可塑性エラストマー)、水
素結合架橋、凍結相架橋を挙げることができる。
【0021】耐久性の点で共有結合、結晶相架橋、凍結
相架橋がより好ましい。共有結合架橋は基本的には官能
基Aを1分子あたり2個以上有する有機長鎖高分子に、
官能基Bを1分子あたり2個以上有する架橋用有機分子
を加え、官能基Aと官能基B間で共有結合形成反応を行
なわせることにより、もしくは、官能基Aを(2個/分
子)以上有する有機長鎖高分子と、官能基Bを(2個/
分子)以上有する有機長鎖高分子を均一に混合し、官能
基Aと官能基B間で共有結合形成反応を行なわせること
により形成することができる。該官能基の種類や官能基
Aと官能基B間の共有結合形成反応に関しては、A.S
treitwieser(ストライトヴィーザー)、有
機化学、Macmillan,New York(19
85)、L.G.Wade(ウェイド)、有機化学、P
rentice−Hall,U.S.A.(1987)
、日本化学会編、新実験化学講座14、〔I〕〜〔V〕
、丸善(1977)の記載を参考にすることができる。
【0022】不純物としてはその他、金属イオンやハロ
ゲンイオンが溶出してこない弾性体がより好ましい。特
に銀塩溶液の添加系ではハロゲンイオンの溶出は好まし
くない。また、該弾性体は耐久性であり、かつ、使用条
件下で耐食性、耐熱性であることが要求される。通常、
不飽和結合基を有する弾性体よりも有しない弾性体の方
が耐久性がよい。従って、天然ゴム、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等よりはエチレン−
プロピレンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムの方がより耐
久性が高く、好ましい。AgX乳剤製造の場合、使用温
度は10〜90℃、より多くは20〜80℃、pHは2
〜10、より多くは3〜9である。従ってこの領域で耐
熱性、耐食性である弾性体が好ましい。より好ましい弾
性体としてエチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ア
クリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム、熱可塑性ゴム(例えばオレフ
ィン系、エステル系、ポリフロロカーボン系)を挙げる
ことができる。
【0023】また、弾性体は該ガラス転移点(Tg)以
下の温度ではガラス体となり固化する。従って弾性体の
性質を示さなくなる。従って、本発明の場合、Tgが1
0℃より下、好ましくは0℃以下の弾性体がより好まし
い。フッ素ゴムの種類としては、フッ化ビニリデン系、
フルオロシリコーン系、テトラフルオロエチレン−プロ
ピレン系、フルオロフォスファゼン系、パーフルオロ系
をあげることができる。シリコーンゴムの種類としては
ポリジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーン
ゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコ
ーンゴムを挙げることができる。その他、好ましい弾性
体として感光性ゴムを挙げることができる。感光性ゴム
は画像形成材料として、印刷分野や半導体集積回路用、
プリント配線基板用等に用いられている。感光性ゴムは
、ゴムに感光材を添加したものと、ゴムの構造中に感光
性基を導入したものに大別される。感光材は光反応によ
ってラジカル、ナイトレン、カチオンを生成してゴムを
架橋する。従って、通常、光や電子線、X線、高エネル
ギー線が照射された所が架橋化し、不溶化するネガ型レ
ジストである。
【0024】フォトレジスト剤の具体例としてSIS(
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SB
S(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、
ポリウレタン、1,2−ポリブタジエン、ニトリルゴム
、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソプレン系
フォトレジスト等を挙げることができる。電子線レジス
トとしてはエポキシ化1,4−ポリブタジエン、エポキ
シ化ポリイソプレン、メチルビニルシロキサンポリマー
、ポリブタジエンをあげることができる。X線が物質に
及ぼす化学的作用は電子線と同じであるので、電子線レ
ジストはそのままX線レジストとして使用できる。ポジ
型フォトレジストとしてはクレゾール・ノボラック樹脂
にキノンアジド化合物を添加したもの(UV照射により
アルカリ可溶性になる)、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リメチルイソプロペニルケトンなどの光崩壊性ポリマー
を、ポジ型電子線レジストとしてブチルゴム、イソプレ
ンゴム、メタクリレート系をあげることができる。
【0025】一般に該ゴム分子の分子量分布が揃ってい
る方が解像度が高い。これらの材料の詳細に関しては、
特願平2−78534号、本出願人が平成2年11月2
8日で出願した特許願(J)の発明の名称「溶液の均一
混合装置」の明細書、日本化学会編、化学便覧、応用化
学編、8章、12章、15章、20章、丸善(1986
)、A,K.Bhowmickら編、エラストマーのハ
ンドブック(Handbook of Elastme
r),Marcel Dekker Inc.,New
 York and Basel (1988)、高分
子学会編、高分子新素材 One Point No.
3、6、7、8、19、23、共立出版(1987)島
村昭治編、未来を拓く先端材料、工業調査会(1983
)化学工学協会編、化学装置便覧、A編、丸善(198
9年)、村橋俊介ら編、プラスチックハンドブック、朝
倉書店(1969年)、佐多敏之ら編、新しい工業材料
、森北出版(1986年)の記載を参考にすることがで
きる。
【0026】(D)油溶液側への加圧法多孔膜の孔より
油溶液を押し出す時、油溶液側への加圧法としては、次
の方法をあげることができる。■高圧ガスボンベより減
圧弁を通してガス圧を印加する方法。ガスの種類として
は該添加液との相互作用の少ないガスが好ましく、N2
 、Ar等の不活性ガス、空気等が好ましく、N2 、
不活性ガスより好ましい。通常、市販のガスボンベによ
り0〜150気圧のガス圧を得ることができる。■圧縮
機を用いて高圧ガスを作り、それを該添加系に印加する
。通常ピストン式ポンプ、回転式ポンプやピストン圧縮
機等が用いられる。■ガスを介さず、液に直接、ピスト
ン等で圧をかける方式。いわゆるプランジャーポンプや
ダイヤフラム型プランジャーポンプで圧をかける方式で
ある。これらの方法の内、プランジャーポンプまたはダ
イヤフラム型ポンプによる加圧法がより好ましい。(図
5の(a)および(b)にその代表例図を示した。)そ
れは、該孔径が温度やΔp値で変化した場合でも、該押
し出し速度は、プランジャーの下降速度により正確に制
御される為である。該Δp値としては100kg/cm
2 以下が好ましく、50〜0.1kg/cm2 の領
域で選ぶことがより好ましい。100kg/cm2 よ
り高圧側は破損しやすく、かつ、危険である。
【0027】該Δpの印加方法としては、連続印加法の
他、後述に記載の如く、パルス状(断続状)に与えるこ
とができる。パルス状に与える場合、該プランジャーを
パルスモーターで駆動させる方式がより好ましい。該パ
ルスモーターは、1つのデジタル入力信号が入ると、一
定角度だけ回転して停止するモーターである。例えば図
5でパルスモーター51を1パルス分だけ回転させると
、動力伝達用ネジ付シャフト52を通してプランジャー
53を1パルス分だけ押し下げる。そして、1パルスに
相当する油溶液量が添加される。1パルスあたりの押し
だし容量は製造装置の大きさや、必要量に応じて任意に
選ぶことができる。また、1パルスの入力が入ると、図
5の(a)もしくは(b)のポンプが1往復して停止す
る態様もあげることができる。
【0028】該Δpをパルス的に印加する他の例として
、上記■、■の方法でパルス的に印加する方法もあげる
ことができる。加圧ラインの栓を開、閉すればよい。 該Δpをパルス的に印加する場合、該Δpの変化率は3
0%以上が好ましく、100%以上がより好ましく、3
00%以上が更に好ましい。上記プランジャーポンプの
場合も、該プランジャーの下降速度の変化率は30%以
上が好ましく、100%以上がより好ましく、300%
以上が更に好ましい。上記の加圧、押し出し法等の詳細
に関しては、特願平2−43791号、同2−7853
4号、同2−142635号、同2−78533号、特
願昭63−22842号、特開昭62−182623号
、メカトロニクス委員会監修、メカトロニクス実用便覧
、第9章、技術調査会発行(1983年)、化学装置百
科辞典、第1章、第22章、化学工業社(1976)、
化学装置便覧、第18章、化学工学協会(1989)、
大矢晴彦編、膜利用技術ハンドブック、第2・6節、幸
書房(1983)、石原、市川、金子、竹中編「油圧工
学ハンドブック」朝倉書店(1972)の記載を参考に
することができる。
【0029】(E)油溶液の分散媒水溶液中への油滴分
散過程 該多孔膜添加系に油溶液を入れる場合、図6に示すよう
にガス抜きLineを設けておけば容易に該多孔膜添加
系のガスを抜くことができる。即ち、切りかえコック6
3を油溶液側に開け、同時にガス抜きコック64を開け
ると、該添加系内のガスは64を通って出口65へ放出
される。ガス抜きが終ると、ガス抜きコック64を閉じ
ればよい。次に分散媒水溶液中に該油溶液を押し出す。 一定量を押し出し終れば、次の操作をする。 1)切りかえコック63をN2 ボンベ66側に切りか
え、ガス抜きコック64を油溶液タンク側へきりかえ、
該添加系内の油溶液を、油溶液タンク68に回収する。 切りかえコック63を閉にする。 2)送液バルブ62を開にし、該乳化溶液を次の工程に
送る。 3)該乳化容器および、多孔膜添加系を洗浄する。
【0030】または、次の操作もとることができる。 1)切りかえコック63を閉にし、送液バルブ62を開
にし、該乳化溶液を次の工程に送る。 2)該容器に分散媒水溶液を入れ、コック63を開にし
、乳化を開始する。あとはこれをくり返す。同一の乳化
液をくり返し製造する場合は、前回の乳化液の少量が、
次回の分散媒溶液中に混入しても、大きな支障にならな
い。従って1回毎の洗浄を省くことも可能である。 Δp≒0kg/cm2 の時に孔径≒0μmの多孔膜の
場合には問題ないが、常に孔が開の状態の多孔膜の場合
には、次の点を考慮することが好ましい。該多孔膜添加
系内の油溶液は〔{油溶液が細孔から押し出される時に
なされる定圧膨張の仕事(Δp・dV)}<{表面張力
に抗して新しい表面が作られる為の仕事(σo ・dA
)}〕、即ち、押し出される油滴を球近似した時、Δp
<2σo /rの条件に設定すれば、孔が開いていても
、油溶液は外へ出てゆかない。ここでσo は、押しだ
される油滴表面の表面張力である。外界が空気の中はσ
OA(油溶液相と空気相間の表面張力)であり、外界が
分散媒水溶液の時はσOW(油溶液相と分散媒水溶液相
間の表面張力)である。
【0031】該多孔膜が親水性で、分散媒水溶液との接
触角θが0〜90°の場合、〔{毛管現象により該水溶
液が細孔内に入っていこうとする力(2πrσW co
s θ)}<{Δpにより該水溶液を細孔から押し出す
力(Δp・πr2 )}〕、即ち、(2σW cos 
θ/r<Δp)の時に、該水溶液は、細孔中に入ってこ
ない。しかし、該水溶液が細孔中に入っただけでは、大
きな支障にはならない。該水溶液が該多孔膜内に入って
くることが支障になる。これを防止する為にはΔpを(
−2σW /r)>Δp以上の負圧にしなければよい。 ここでσW は細孔中に吸い込まれる水溶液表面の表面
張力である。これは該多孔膜が親水性であっても疎水性
であっても同じである。従って添加停止中は、Δpを(
−2σW /r)<Δp<2σo /r、の条件にして
おけば、油溶液が流出することも、該水溶液が該添加系
内に入ってくることもない。
【0032】該多孔膜材が親水性で、油溶液との接触角
θ>90°の場合は、〔{細孔が油溶液をはじこうとす
る力(−2πrσo cos θ)}<{Δpにより、
該油溶液を細孔内に入れようとする力(Δp・πr2 
)}〕の時、即ち、−2σo cos θ<Δp・r、
のΔpを印加しないと、該油溶液は細孔内に入ってゆか
ない。本発明の該油滴分散法はモデル的には次の3つに
分類することができる。 1)孔径が一定の多孔膜の孔から、油溶液を連続的に押
し出す方法、この場合の油滴形成過程は、毛細管を用い
て、水中へ気泡を押し出す過程と同様である。微細孔よ
り油を押しだした場合、(水溶液/油溶液)の新しい界
面が形成される。微細孔より油溶液を押し出す為には、
〔微細孔から油溶液が押し出される時になされる定圧膨
張の仕事(Δp・dV)>表面張力に抗して新しい表面
が作られる為の仕事(σow・dA)〕の条件で押し出
せばよい。押し出された油は表面張力の為、通常は球状
となる。即ち、表面積/体積の最も小さい形態をとる。
【0033】球近似の場合、上式はΔp・4πR2 ・
dR>σow〔4π(R+dR)2 −4πR2 〕従
ってΔp>2σow/Rの時に、油溶液は気泡と同様に
、油滴となって水溶液中に次々と押し出されてゆく、こ
こでΔp=該多孔膜内外の圧力差、σow=該水溶液と
該油溶液間の界面張力、R=微細孔より押し出されつつ
ある油球の半径である。この臨界のΔp値を乳化時のb
ubble point圧と呼ぶことができる。油を細
孔から押し出す時は、該σowが大きい方が、油滴がよ
り球状化する。該σowが小さくなる程、ソーメン状に
なる。それは表面エネルギーをできるだけ小さくしよう
とする力が働らかなくなる為である。一方、油滴化した
後はσowが小さい方が該油滴は安定で合一化しがたい
【0034】従って、油を細孔から油滴として押しだす
時はσowが大きくて、油滴化した後はσowが小さく
なることが好ましい。該条件は油を押し出す時の押し出
し速度や、界面活性剤の配向速度を選ぶことにより得る
ことができる。通常、該油滴が孔から押し出される時は
σowが10dyne/cm以上が好ましく、20〜7
0dyne/cmがより好ましく、30〜70dyne
/cmが更に好ましい。油滴化された後、30秒以内に
σowは、30dyne/cm以下、好ましくは20d
yne/cm以下、より好ましくは15dyne/cm
以下になることが好ましい。
【0035】通常、油側および/もしくは水溶液側に溶
解している界面活性剤が新しく形成された該油滴界面に
配向吸着する前は、該σowは大きい。一方、該配向吸
着が進行すると、該σowは小さくなる。従って、今、
1つの油滴について説明すると、該界面活性剤が、新し
く形成された界面にあまり吸着していない間に、油滴と
して押し出せばよい。そして、押し出された後には、速
やかに該界面活性剤が該新界面に吸着するように条件を
選べばよい。一方、油溶液の押し出し速度を速くしすぎ
ると、該σowによる球状化がなされる前に押し出され
ることになり、やはりソーメン状に押し出されることに
なる。通常、配向速度の異なる界面活性剤(例えば分子
鎖の長さを変化させた界面活性剤)と、油溶液の押し出
し速度とσowの大きさを実験計画法的に変化させ、そ
の最適条件を選ぶことが好ましい。
【0036】該油滴化した後のσowを小さく選ぶこと
がより好ましいが、σowを小さくする方法としては■
該油相の有機溶媒を選択することにより調節する。σo
wは該油溶液と該水溶液それぞれの均一液界面における
界面張力の算術平均ではなく、油分子と水分子との相互
作用の程度に大きく依存する。通常〔無極性油(例えば
n−オクタン)/水〕の表面張力>〔極性油(例えばn
−オクチルアルコール)/水〕の表面張力である。しか
し、該有機溶媒が、該写真的に有効な疎水性化合物を溶
解するものであることは必須条件である。■界面活性剤
を加える。界面活性剤が該界面に選択的に配向吸着し、
界面の表面張力を著しく低下させる、が有効である。従
って■、■の有効な組み合わせを選ぶことが好ましい。 該有機溶媒、界面活性剤については後記記載を参考にす
ることができる。
【0037】また、(該水溶液の比重>該油溶液の比重
)の場合は該油滴押し出しは、多孔膜の孔を該水溶液表
面側に向け、油滴を該表面側に向けて押し出すことがよ
り好ましい。該油滴が多孔膜表面からより離れていきや
すい為である。また、該多孔膜表面は親水性であること
がより好ましい。油滴が多孔膜表面にくっつき、該表面
で油滴が合一化することを防止できる。また、押し出さ
れた油滴が多孔膜表面から、より迅速に離れていくこと
を促進する。上記の方法の他、孔より押し出された油溶
液を攪拌流によるずり力により微滴化する方法もあげる
ことができる。攪拌液としては乱流よりも層流の方が該
油滴サイズをより揃えることができる為により好ましい
。例えば中空管中を分散媒水溶液を流した場合、管壁表
面から中心部に向けて流速の速度勾配が生じる。該管壁
表面の流速はほぼ0である。その速度勾配の大きさは、
該水溶液流の流速によって調節できる。従って、油溶液
を中空管の外から該中空管中に押し出した場合、該油溶
液がひきちぎられるサイズを限定することができる。速
度勾配が大きくなればなる程、押しだした油の長さが短
かい寸法で切断されることになる。
【0038】該孔径、該流速、油の押し出し速度、σo
wの大きさを実験計画法的に変化させ、最適条件を選ぶ
ことにより、微滴でサイズ分布の揃った本発明の乳化分
散物を得ることができる。この場合の装置の態様例を図
7に示した。N2 ガス圧により分散媒水溶液70を、
中空管75中を通し、切りかえコック63側へ流す。こ
の時、油溶液70が、該多孔膜の孔を通して、該水溶液
中に乳化分散される。乳化分散された溶液は、出口78
を通って次の工程に送られるか、または、一時貯蔵タン
ク79に貯蔵される。該79の溶液は70へ送液され、
更に該乳化をくり返すこともできる。該手法は次の2)
、3)の方法に対してより好ましく併用して用いること
もできる。この場合の中空管多孔膜を針で形成する場合
は、図3の態様とは逆に、外部より針をさし込む態様が
好ましい。また、同軸の2重管において、内管中に油溶
液を入れ、外管中を分散媒水溶液を流す方法も好ましく
用いることができる。
【0039】2)孔径が一定の孔から油溶液をパルス的
に押し出す方法。油溶液を例えばパルスモーター駆動の
プランジャーポンプ(図5の(a)参照)で押しだした
場合、油溶液が孔から一定量だけ押し出された状態で止
まる。この状態で押しだされた油溶液は球状化し、多孔
膜表面から離れてゆく。この場合1)の方法に比べて押
し出すスピードを自由に選べるという利点を有する。ス
ピードが速ければ速い程、新しく形成された表面の表面
張力は大きくなり、次の球状化過程がより迅速に進行す
る。また、油滴の体積はプランジャーポンプが下降した
体積で規定される為に、該油滴サイズもより正確に制御
される。多孔膜の孔径が揃っていると、各孔より均等に
油溶液が押し出される為である。この場合の該パルス間
隔は、孔より押しだされた油溶液が球状化するに要する
時間の20%以上にすることが好ましく、50〜100
0%にすることがより好ましい。該球状化に要する時間
は、球状化時のσowの大きさ、孔径、温度等に依存す
る為、それに応じて、該パルス間隔を決めることが好ま
しい。
【0040】3)弾性体多孔膜を用い、油溶液をパルス
的に押し出す方法。例えば中空管型弾性体多孔膜を用い
、油溶液をパルスモーター駆動のプランジャーポンプで
押し出す場合、まず、該中空管の外径が大きくなり、孔
径サイズが大きくなり、油溶液が孔より押し出される。 すると、該中空管内の圧が低下し、該中空管外径は元の
サイズに戻り、孔径サイズも小さくなる。この孔径が小
さくなる時に、押し出した油溶液をくびれさせる態様と
なり、該油溶液の球状化を促進する。前述の如く、Δp
≒0kg/cm2 の時に孔径≒0μmφの弾性体多孔
膜を用いた場合は、パルスモーターをon、off す
る毎に、該孔が開、閉となり、該球状化がより促進され
る。孔径サイズ分布が揃い、各孔より均一に油溶液が押
し出されれば、確実に該油滴サイズが制御される。この
場合の該パルス間隔は、孔径の開閉時間の30%以上が
好ましく、50〜500%がより好ましい。
【0041】本発明においては、従来通り分散媒水溶液
中へ油滴分散した後、AgX乳剤と混合してAgX乳剤
乳化物を調製することができるが、その他、直接にAg
X乳剤溶液中へ油滴分散することができる。従来法では
ずり力による油溶液のせん断で乳化する為に、AgX粒
子も損傷を受ける為にできなかったが、本発明法では激
しい攪拌を必要としない為に、可能である。この方法は
次の利点を有する。 1)予め調製した乳化物の保存工程やその再溶解工程を
省くことができる。 2)写真感光材料では鮮鋭度向上の為に塗布層の薄層化
が求められている。従って分散媒含率が必要以上に増え
ることは好ましくない。AgX乳剤溶液中へ直接に油滴
分散すると、乳化用分散媒は不要となり、より好ましい
【0042】乳化時の該水溶液の温度としては35〜7
0℃が好ましく、35〜55℃がより好ましい。一般に
乳化物の温度を高くすると、油滴の合一が促進される。 従って乳化物の温度はできるだけ低くすることが好まし
い。しかし、温度を下げすぎると、該分散媒水溶液がゲ
ル化し、乳化分散できなくなる。従って、乳化に支障の
ない範囲内で温度を低くすることが好ましい。また、乳
化後に保存する場合は、通常温度を好ましくは40℃以
下、より好ましくは35〜0℃に下げ、該乳化物をゲル
化させて保存する。通常は、乳化後、すぐに塗布するこ
とが最も好ましい。
【0043】一方、該油溶液温度は好ましくは40〜8
0℃、より好ましくは50〜80℃に保たれる。それは
通常、油量をできるだけ少なくする為に温度を上げる為
である。温度を下げると、カプラー等が結晶析出するこ
とが多い。油滴化した後に温度が下がって、油滴内でカ
プラー等が析出しても、それは粗大結晶化しない為、製
品不良とはならない。本発明の方法の特徴は、該水溶液
温度と該油溶液温度をそれぞれ独立に選択できることで
ある。従って、乳化中も該乳化物をより低温化できる為
、油滴の合一が防止され、より微細でサイズ分布の揃っ
た油滴からなる乳化物を調製できる。従来法のように該
水溶液と該油溶液を混合した後、攪拌羽根等で激しくか
きまぜて乳化する場合には、両者の温度を独立に選ぶこ
とができず、カプラー等の析出故障も存在した。即ち、
該水溶液を低温にすると、両者を混合した時に該油溶液
が冷却され、カプラー等の析出を起こす為である。
【0044】該分散媒水溶液のpHとしては、通常、4
〜7.5領域を選んで用いることができる。その他、油
滴の合一防止に関してはDLVO理論(これに関しては
後述の乳化分散関係の文献の記載を参考にすることがで
きる)、特開昭63−296035の記載を参考にする
ことができる。本発明において色像形成剤はAgX1モ
ル当り10−3〜102 モルの領域で目的に応じて乳
化分散することができるが、通常は10−2〜1モルの
領域が用いられる。
【0045】攪拌混合 該水溶液側は次の目的の為に攪拌羽根により攪拌混合さ
れる。1)多孔膜表面からの油滴の除去。無攪拌である
と、多孔膜表面に油滴が密集し、合一を起こす確率が増
える。この密集化を防止する為に攪拌羽根により攪拌す
る。2)油滴の水溶液中における存在密度の均一化。該
攪拌は、油滴の合一を起こさない範囲で従来技術により
行なう。プレフィルター添加する該添加溶液中にダスト
が混入していると、該ダストが該多孔膜に目づまりを生
じさせるので、プレフィルターを通すなどして該添加溶
液からダストを除去しておくことが好ましい。孔径は〔
(プレフィルター孔径)<(該多孔膜孔径)〕が好まし
い。
【0046】有機溶媒 該油溶液の有機溶媒としては高沸点有機溶媒(通常、沸
点約175℃以上の有機溶媒を指す)の単独、もしくは
必要に応じて低沸点有機溶媒(通常、沸点が約30〜1
50℃の有機溶媒を指す)を併用して用いることができ
る。該高沸点有機溶媒、低沸点有機溶媒に関しては下記
の記載を参考にすることができる。該低沸点有機溶媒は
乳化分散後、通常は、脱気法や、限外濾過法、水洗法、
自然乾燥法により除去される。高沸点有機溶媒としては
、例えばフタール酸アルキルエステル(ジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート等)、リン酸エステル(ジ
フェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート
、トリクレジルフォスフェート、ジオクチルブチルフォ
スフェート)、クエン酸エステル(例えば、アセチルク
エン酸トリブチル)、安息香酸エステル(例えば、安息
香酸オクチル)、アルキルアミド(例えば、ジエチルラ
ウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えば、ジブトキ
シエチルサクシネート、ジオクチルアセテート)等を挙
げることができる。低沸点有機溶媒としては、例えば低
級アルキルアセテート(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、プロピオン酸エチル、二級ブチルアルコール、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサン、メチルエチル
ケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセルソ
ルブアセテート等が挙げられる。
【0047】 界面活性剤としては非イオン性界面活性剤(例えばサポ
ニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(
例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレング
リコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコール
アルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコール
エステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステ
ル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたは
アミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(たとえばアルケニルコハク
酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド
)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキル
エステル類、J,Am.Oil.Chem.Soc.5
4  110(1977)に記載されているような化合
物(1−1〜1−4)、
【0048】
【化1】
【0049】アニオン性界面活性剤〔例えばアルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩
、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類
、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク
酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
リン酸エステル類などのように、カルボキシ基、スルホ
基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸
性基を有する化合物〕、両性界面活性剤〔例えばアミノ
酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫
酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミン
オキシド類など〕、カチオン界面活性剤(例えばアルキ
ルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウ
ム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第
4級アンモニウム塩類、および脂肪族または複素環を含
むホスホニウムまたはスルホニウム塩類など〕を挙げる
ことができる。
【0050】通常、分散媒水溶液中にアニオン界面活性
剤を添加して用いることが多い。その他、界面活性重合
体を挙げることができる。例えばポリマーの例としては
、特開昭55−113,031号に記載されているもの
であり、それは、下記のような繰返し単位を有するもの
である。一般式〔I〕 −(A)−x −(B)−y  式中、Aはスルホン酸基含有エチレン性不飽和モノマー
、Bは共重合可能なエチレン性不飽和モノマー、xは1
0〜100モル%、yは0〜90モル%を表わす。この
界面活性重合体は単独重合体でも共重合体でもよく、共
重合体である場合、一般式〔I〕で表わされる繰返し単
位を有するモノマーは二種以上であってもよいし、又こ
のモノマーと共重合しうるモノマー成分は一種でも或い
は二種以上であってもよい。
【0051】本発明に用いうる界面活性重合体の分子量
は特に限定されないが、約250以上、好ましくは約5
00〜約10,000であり、特に好ましくは900〜
5,000である。この界面活性剤についての詳しい事
は米国特許4,198,478号に記載されている。分
散媒としてはAgX乳剤に通常用いられるものを用いる
ことができ、ゼラチンをはじめ、種々の親水性コロイド
を用いることができる。通常はゼラチンが好ましく、ゼ
ラチンとしてはアルカリ処理ゼラチンの他、酸処理ゼラ
チン、フタル化ゼラチンの如き誘導体ゼラチン、低分子
量ゼラチン(分子量2000〜10万、酵素分解ゼラチ
ン、酸・アルカリによる加水分解ゼラチン)を用いるこ
とができるし、それらの2種以上の混合物を用いること
もできる。誘導体ゼラチンとしてはゼラチンと酸ハライ
ド、酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカ
ンサルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミ
ド化合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合
物類等の種々の化合物を反応させて得られるものが用い
られる。
【0052】その他、ゼラチンと防腐剤(フェノール、
フェノール誘導体等)を2価の連結基で結合させたもの
(これに関しては特願平1−144724の記載を参考
にすることができる)、ゼラチンと他の高分子とのグラ
フトポリマー、チオエーテルポリマー、アルブミン、カ
ゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類の
如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、でん粉誘導
体などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニル
アルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ル等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高
分子物質を単独もしくは混合系で用いることができる。
【0053】これらの詳細に関しては後述の文献の記載
を参考にすることができる。該防腐剤に関しては日本防
菌防黴学会編、防菌防黴ハンドブック、第3章、技報堂
(1986)、堀口博著、防菌防黴剤の化学、三共出版
(1986)の記載を参考にすることができる。分散媒
水溶液の濃度としては好ましくは3〜15重量%が用い
られる。上記でいう写真的に有効な疎水性化合物とは、
色像形成剤、紫外線吸収剤、混色防止剤(色かぶり防止
剤)、増白剤、酸化防止剤(退色防止剤、色像安定剤)
を指す。
【0054】色像形成剤はハロゲン化銀カラー写真感光
材料で用いられる色像形成剤を指し、油溶性カプラー〔
シアンカプラー、マゼンタカプラー、イエローカプラー
、カラードカプラー、発色現像時に現像抑制剤や現像増
幅剤等の写真的に有用なフラグメントを放出するカプラ
ー(例えばDIRカプラー、スーパーDIRカプラー、
DARカプラー、DTR化合物)、無呈色DIRカプラ
ー、更に酸化的に割裂するDIR化合物、タイミングD
IRカプラー、弱拡散性色素生成カプラー、競争カプラ
ー、ポリマーカプラー(カプラーが二量体以上に重合し
たポリマーカプラー、有機高分子鎖に1分子以上のカプ
ラーが有機化学的にペンダント状に結合したポリマーカ
プラー)、カラー拡散転写材料における油溶性色素供与
体(例えば色素現像薬、拡散性色素放出カプラー、拡散
性色素放出レドックス化合物など)、銀色素漂白法用色
素を指す。
【0055】この拡散性色素放出型色材としては、拡散
性色素を放出するカプラーやレドックス化合物等があり
、これらはカラー拡散転写法(ウェット方式)用のみな
らず、熱現像型感材用(ドライ方式)色材としても有用
である。拡散性色素放出レドックス化合物(以下「DD
R化合物」という)は下記の一般式で表わす事ができる
。 Y−D 式中、Yは現像の結果として拡散性の色素を放出する機
能をもつレドックスセンターを表わし、このYには通常
、化合物を不動化するためのバラスト基が結合している
。また、Dは色素(又はその前駆体)部分を表わす。 そしてこの色素部分は連結基によりレドックスセンター
に結合していてもよい。色素部分は予め金属錯体化され
ていてもよいし、又後に錯体化されうるものでもよい。 これらの具体的化合物例については後述の文献の記載を
参考にすることができる。カプラー等は感光材料に求め
られる特性を満足させる為に2種類以上を同時に乳化分
散することができる。次に若干の具体例を挙げる。
【0056】シアンカプラーとして2−1〜2−5を、
マゼンタカプラーとして3−1〜3−4を、イエローカ
プラーとして4−1〜4−3を、カラードカプラーとし
て5−1〜5−2を色素放出型レドックス化合物として
6−1〜6−2をあげることができる。
【0057】
【化2】
【0058】
【化3】
【0059】
【化4】
【0060】
【化5】
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】紫外線吸収剤としてアリール基で置換され
たベンゾトリアゾール化合物、4−チアゾリドン化合物
、ベンゾフェノン化合物、ケイヒ酸エステル化合物、ブ
タジエン化合物、ベンゾオキシゾール化合物等を挙げる
ことができる。また、紫外線吸収性のカプラー(例えば
α−ナフトール系のシアン色素形成カプラー)や紫外線
吸収性のポリマーを挙げることができる。通常、UV吸
収層に入れられる。増白剤としてスチルベン系、トリア
ジン系、オキサゾール系、クマリン系化合物を挙げるこ
とができる。色カブリ防止剤もしくは混色防止剤として
ハイドロキノン誘導体(耐拡散性アルキルハイドロキノ
ン類等)、アミノフェノール誘導体、アミン類、カテコ
ール誘導体、無呈色カプラー、スルホンアミドフェノー
ル誘導体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体を挙
げることができる。
【0065】色かぶり防止剤と混色防止剤はどちらも現
像酸化体(キノンジイミン等)と反応し、これを不活性
化する作用を有し、同じ作用物質である。従って用いら
れる化合物は共通している。用いられる場所は通常、色
かぶり防止剤は乳剤中に用いられ、混色防止剤は中間層
に用いられる。酸化防止剤が退色防止の為に入れられる
時は、それは退色防止剤とよばれる。退色防止剤は色像
安定剤の一種である。有機退色防止剤としてはハイドロ
キノン類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシ
クロマン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノ
ール類、ビスフェノール類を中心としたヒンダートフェ
ノール類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン
類、アミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこ
れら各化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキ
ル化したエーテルもしくはエステル誘導体が代表例とし
て挙げられる。また、金属錯体退色防止剤としては、(
ビスサリチルアルドキシマイト)ニッケル錯体および(
ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマイト)ニッケ
ル錯体などが挙げられる。
【0066】イエロー色素像の熱、温度および光による
劣化防止に、米国特許第4,268,593号に記載さ
れたような、ヒンダードアミンとヒンダードフェノール
の両部分構造を同一分子中に有する化合物は良い結果を
与える。またマゼンタ色素像の劣化、特に光による劣化
を防止するためには、特開昭56−159644号に記
載のスピロインダン類、および特開昭55−89835
号に記載のハイドロキノンジエーテルもしくはモノエー
テルの置換したクロマン類が好ましい結果を与える。シ
アン画像の保存性、特に耐光堅牢性を改良するために、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を併用することが好
ましい。この紫外線吸収剤はシアンカプラーと共乳化し
てもよい。若干の具体例を次に示す。紫外線吸収剤とし
て7−1〜7−2を、油溶性酸化防止剤として8−1〜
8−2をあげることができる。
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】なお、本発明の乳化分散装置は、写真的に
有効な疎水性化合物の油溶液を分散媒水溶液中に油滴分
散する場合以外に、酸残基を有するカプラーのアルカリ
水溶液分散法、ラテックス分散法、水溶性ポリマーカプ
ラー、油溶性ポリマーカプラーの分散法にも好ましく用
いることができる。それは、分散媒水溶液に添加された
時点で非常に小さい液滴であり、激しい攪拌をすること
なく、より迅速に均一分散できる為である。本発明の乳
化物は該油滴のサイズが小さく、かつ、サイズ分布が狭
いことを特徴とするが、該平均サイズとしては0.3μ
mφ以下が好ましく、0.2μmφ以下が好ましく、0
.12〜0.04μmφがより好ましい。また、サイズ
分布は該変動係数(標準偏差/該平均サイズを%で表わ
した値)で26%以下、好ましくは15%以下、より好
ましくは10%以下である。従来法では30%以上であ
る。
【0070】該乳化分散法は、特に上記写真用に有効で
あるが、それ以外に、一般的に水中への油滴分散物を作
る場合や油中に水滴を分散させる場合にも用いることが
できる。また分野としては化粧品分野、食料品分野、高
分子化学工業分野(乳化重合等)等にも応用して用いる
ことができる。これらの疎水性化合物や界面活性剤、高
沸点有機溶媒、低沸点有機溶媒の詳細に関しては、下記
文献の記載を参考にすることができる。また、本発明の
写真用乳化物の製造装置を用いて乳化する場合、また、
本発明のAgX乳剤乳化物を有する写真感光材料の製造
において、既知のあらゆる技術や化合物との組み合わせ
を用いることができる。これに関しては下記の文献の記
載を参考にすることができる。
【0071】リサーチディスクロージャー(Resea
rch Disclosure)、176巻(アイテム
17643)(12月、1978年)、同184巻(ア
イテム18431)(8月、1979年)、同216巻
(アイテム21728、5月、1982年)、同307
巻(アイテム307105、11月、1989年)、イ
ー・ジェー・ビル著(E.J.Birr) 、写真用ハ
ロゲン化銀乳剤の安定化(Stabilization
 of Photographic Silver H
alide Emulsions)、フォーカル  プ
レス(Focal Press)、ロンドン(1974
年)、ジェームス編(T.H.James)、写真過程
の理論(The TheoryofPhotograp
hic Process)、第4版、マクミラン(Ma
cmillan)、ニューヨーク(1977年)、グラ
フキデ著(P.Glafkides)、写真の化学と物
理(Chimie et Physique Phot
ographiques) 、第5版、エディション 
 ダリジン  ヌヴェル(Edition de l’
Usine Nouvelle 、パリ、第3部(19
87年)、同第2版、ポウルモンテル  パリ(195
7年)、ゼリクマンら(V.L.Zelikman e
t al.)、写真乳剤の調製と塗布(Making 
and Coating Photographic 
Emulsion)、Focal Press (19
64年)、ホリスター(K.R.Hollister)
ジャーナル  オブ  イメージングサイエンス(Jo
urnal of Imaging Science)
、31巻、p.148〜156(1987年)、マスカ
スキー(J.E.Maskasky)、同30巻、p.
247〜254(1986年)。同32巻、160〜1
77(1988)、
【0072】フリーザーら編、ハロゲン化銀写真過程の
基礎(Die Grundlagen Der Pho
tographischen Prozesse Mi
t Silverhalogeniden) 、アカデ
ミッシェ  フェルラークゲゼルシャフト(Akade
mische Verlaggesellschaft
) 、フランクフルト(1968年)。日化協月報19
84年、12月号、p.18〜27、日本写真学会誌、
49巻、7(1986年)、同52巻、144〜166
(1989年)、特開昭58−113926〜1139
28、同59−90841、同58−111936、同
62−99751、同60−143331、同60−1
43332、同61−14630、同62−6251、
同63−220238、同63−151618、同63
−281149、同59−133542、同59−45
438、同62−269958、同63−305343
、同59−142539、同62−253159、特願
昭62−54640、同62−263319、同62−
219173、同61−109773,特開平1−13
1541、同2−838、同2−34、同2−1460
33、同2−28638、同1−297649、同1−
183417号、同2−127635、U.S.4,6
36,461、同4,707,436、同3,761,
276、同4,269,927
【0073】特に上記の乳化分散に関しては次の文献の
記載を参考にすることができる。P.Becher編、
Encyclopedia of Emulsion 
Technology,1〜3巻、Marcel De
kker,Inc.New York(1988)、特
開昭62−194252、同60−158437、同5
5−129136、同63−296035、同60−2
4547、同63−231449、特開平1−1987
42、吉田時行ら編、新版界面活性剤ハンドブック、工
学図書(1987)、特願平1−76678号、同1−
258862号、同1−144724号、本出願人が平
成2年11月28日で出願した特許願(J)の発明の名
称「溶液の均一混合装置」の明細書。小石、釣谷著、「
分散技術入門」日刊工業新聞社(1977年)、日本化
学会編、「新実験化学講座1、基本操作II」第5・5
節、丸善(1975年)、刈米、小石、日高著、「乳化
分散技術応用ハンドブック」(株)サイエンスフォラム
(1987年)。
【0074】本発明の装置で製造したハロゲン化銀乳剤
は、黒白ハロゲン化銀写真感光材料〔例えば、Xレイ感
材、印刷用感材、印画紙、ネガフィルム、マイクロフィ
ルム、直接ポジ感材、超微粒子乾板感材(LSIフォト
マスク用、シャドー用、液晶用マスク用)〕カラー写真
感光材料(例えばネガフィルム、印画紙、反転フィルム
、直接ポジカラー感材、銀色素漂白法写真など)に用い
ることができる。更に拡散転写用感光材料(例えば、カ
ラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現像感光材
料(黒白、カラー)、高密度digital 記録感材
、ホログラフィー用感材などにも用いることができる。
【0075】本発明の装置で製造した乳剤は特開昭62
−269958号の実施例1、同63−305343号
、同63−151618号の実施例13、14、同60
−95533、同59−142539、同62−253
159、特開平1−131541号の実施例9、特開昭
62−266538号、同63−220238号、特願
昭62−208241号、62−263319号、の実
施例の構成乳剤として好ましく用いることができる。
【0076】
【本発明の効果】写真的に有効な疎水性添加剤を含む油
溶液を微細でサイズ分布の揃った油滴としてAgX乳剤
中に乳化分散できる為、光散乱性の少ない感光材料を調
製でき、鮮鋭度に優れた感光材料を与える。色像形成反
応速度がはやく、色素有効濃度が高く、高画質のカラー
像が得られる。また、使用色材量を減少させ、より薄層
化が可能となる。
【0077】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 図6の乳化容器にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム2gを含むゼラチン水溶液(ゼラチン10重量%)2
000ml(45℃、pH6.0)を入れた。一方、添
加系に色像形成剤油溶液(ジブチルフタレート110m
l、酢酸エチル222ml、カプラー(9−1)を22
2g含む)を加温溶解し、55℃に保った。
【0078】
【化11】
【0079】平均孔径0.10μm、変動係数9%のポ
リカーボネートnucleopore fiter(疎
水性タイプ、支持層は0.3mmφ孔径のステンレスメ
ッシュで、該ステンレスが分散媒水溶液側に位置する)
からなる多孔膜添加系69を該AgX乳剤中に入れ添加
系に図5の(a)のパルスモーター駆動のプランジャー
ポンプを用いた。まずガス抜きコック65より系内の空
気を排除し、コック65を閉じた。AgX乳剤を攪拌し
ながら次にパルスモーターを駆動させ該69より該油溶
液を押し出した。全油溶液の90%を押し出した所で停
止し送液バルブ3を開にし、次の工程に移液した。得ら
れた乳化物の油滴サイズを透過型電子顕微鏡を用いて凍
結直接観察法で観察した所、次の結果を得た。   平均油滴直径                 
                         
  0.12μmφ  油滴サイズ分布の変動係数  
                         
             13%従来のホモジナイザ
ー(マントンガウリン社製)を用いた乳化分散加法を用
いると、平均粒径0.25μm、粒子サイズ分布30%
であった。本発明の装置を用いた場合、該液滴がより微
粒子となり、サイズ分布も狭くなることを示している。 該乳化物を40℃で24時間放置後、該乳化物を採取し
、該油滴サイズを同じ手法で観察した所、平均サイズ、
サイズ分布ともに変化が見られなかった。従って、微細
でサイズ分布の揃った安定性のよい乳化物が得られたこ
とを示している。
【0080】実施例2 実施例1で得た本発明の乳化物1000gと青感性塩臭
化銀乳剤3000g(Br含率80モル%、1.24モ
ルの銀量を含む、円相当投影粒径0.8μmφ)を混合
し、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−s−トリアジ
ンナトリウム塩の2重量%水溶液300ml、およびサ
ポニン5重量%水溶液120mlを加え、トリアセテー
トセルロースフィルム上に銀量が1g/m2となるよう
に塗布した。その上に乾燥膜厚1μmのゼラチン保護層
を塗布して試料Aとした。実施例1で得た、従来のホモ
ジナイザー(マントンガウリン社製)を用いる以外は同
じにして調製し乳化物を用い、同様に塗布した試料をB
とした。試料A、Bにセンシトメトリー用階段状露光を
与えた後、下記現像処理を施した。 発色現像液組成は下記の通りとした。
【0081】   ベンジルアルコール              
                         
       15ml  ジエチレングリコール  
                         
                   8ml  現
像主薬     4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β
−(メタン      スルホンアミド)エチルアニリ
ンサルフェート                  
  5g  亜硫酸ナトリウム           
                         
              2g  ヒドロキシルア
ミン硫酸塩                    
                      3g 
 炭酸カリウム                  
                         
         30g  水を加えて      
                         
                         
1l  pH(調節)               
                         
            10.2漂白定着液組成は下
記の通り。   エチレンジアミン−4−酢酸−2−ナトリウム塩 
                     2g  
エチレンジアミン−4−酢酸−2−第2鉄塩     
                   40g  亜
硫酸ナトリウム                  
                         
       5g  チオ硫酸ナトリウム     
                         
                70g  水を加え
て                        
                         
       1l  pH6.8に調節 このようにして得られた各試料のシアン透過濃度を測定
し最大濃度Dmaxを求めた結果、表1の通りであった
【0082】
【表1】
【0083】本発明のカラー感光材料は発色現像反応が
速く、かつ、高色素濃度を与えることが確認された。実
施例3 多孔膜として、中空管壁フッ素ゴムを用い、図3の方法
で該ゴム管に図1の(c)型の孔を、自動制御工作装置
を用いて開けた。孔の中心間距離は1mmの等間隔で、
Δp≒0kg/cm2 時の出口孔径≒0μmの孔を約
104 個開けた。Δp=1.3kg/cm2 の時に
平均孔径0.13μm、変動係数7%であった。該多孔
膜を用いる以外は実施例1と同じ態様で乳化を行なった
。得られた乳化物の油滴サイズを透過型電子顕微鏡を用
いて凍結直接観察法で観察した所、次の結果を得た。 平均油滴直径                   
 0.15μmφ油滴サイズ分布の変動係数     
         9%
【図面の簡単な説明】
【図1】  断面図。多孔膜の膜厚方向の孔形状を示す
。 (a)は円筒型孔を、(b)は台錐型孔を、(c)は円
錐型孔を表わす。
【図2】  断面図。非対称膜の孔形状例を示す。(a
)は(円筒型孔粗孔膜+円筒型孔微孔膜)を、(b)は
(円筒型孔粗孔膜+台錐型孔微孔膜)例を表わす。
【図3】  断面図。中空管に中空管内より針で孔を開
ける態様例を示す。(a)は1針例を、(b)は多針例
を表わす。
【図4】  断面図。(a)は中空管にフォトマスクを
通して光照射する代表例を示す。(b)は、中空管壁に
フォトマスク(代表例としてクロムマスク)と光散乱体
を通して光照射する代表例を示す。
【図5】  断面図。(a)は油溶液を押し出す為のパ
ルスモーター駆動のプランジャーポンプを、(b)は該
ダイヤフラム型ポンプを表わす。
【図6】  断面図。ガス抜きlineを有する多孔膜
乳化装置例を示す。
【図7】  上面図。中空管中を流れる分散媒水溶液の
層流中に該管壁孔を通して油溶液を微滴状添加する態様
例を示す。
【符号の説明】
図1の1は円筒孔、2は台錐孔、3は円錐孔を示す。 図2の1は円筒孔、2は台錐孔、4は粗孔膜、5は微孔
膜を示す。 図3の31は中空管壁、32は針を示す。 図4の31は中空管壁、41は光、42はフォトマスク
、43は光吸収体、44は光吸収台、46はガラス板、
48は光散乱層を示す。 図5の51はパルスモーター、52はネジ付きシャフト
、53はプランジャー、54はシールドパッキング、5
5はシリンダー、56は恒温用ヒーター、57は油溶液
吸入コック、58は油溶液出口コック、59は空気抜き
用コック、60はゴム弾性体ダイヤフラム、61はガイ
ドを示す。 図6の62は送液バルブ、63は切りかえコック、64
はガス抜きコック、65はガスの出口、66はN2 ボ
ンベ、67はガス圧調節器、68油溶液タンク、69は
中空管型多孔膜、70は分散媒水溶液、71は攪拌羽根
、72は反応容器を示す。 図7の74は開閉コック、75は中空管型多孔膜、76
は油溶液、78は出口、79は一時貯蔵タンクを示す。 63、66、67、70は図6と同じ意味を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  容器中の分散媒を含む水溶液中に少な
    くとも写真的に有効な疎水性添加剤を含む溶液を油滴状
    で添加し、乳化物を製造する装置において、該添加溶液
    を該水溶液中に存在する平均孔径0.3μmφ以下の多
    孔膜を通して直接に液中に添加することを特徴とする写
    真用乳化物の製造装置。
  2. 【請求項2】  該多孔膜の孔径サイズ分布が変動係数
    で30%以下であることを特徴とする請求項1記載の写
    真用乳化物の製造装置。
  3. 【請求項3】  該多孔膜が弾性体多孔膜であることを
    特徴とする請求項1、2記載の写真用乳化物の製造装置
  4. 【請求項4】  該添加がパルス状に添加されることを
    特徴とする請求項1〜3記載の写真用乳化物の製造装置
  5. 【請求項5】  該分散媒を含む水溶液がハロゲン化銀
    粒子を含むハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする請
    求項1記載の写真用乳化物の製造装置。
  6. 【請求項6】  ハロゲン化銀乳剤中に少なくとも写真
    的に有効な疎水性添加物を含む溶液を油滴状に含むハロ
    ゲン化銀乳剤乳化物において、該油滴の平均サイズが0
    .3μmφ以下でかつ、サイズ分布が変動係数26%以
    下であることを特徴とするハロゲン化銀乳剤乳化物。
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