JP2003172982A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JP2003172982A
JP2003172982A JP2002251397A JP2002251397A JP2003172982A JP 2003172982 A JP2003172982 A JP 2003172982A JP 2002251397 A JP2002251397 A JP 2002251397A JP 2002251397 A JP2002251397 A JP 2002251397A JP 2003172982 A JP2003172982 A JP 2003172982A
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Kazuyoshi Takahashi
和敬 高橋
Mitsuo Saito
光雄 斉藤
Katsuhisa Ozeki
勝久 大関
Haruyasu Nakatsugawa
晴康 中津川
Shinji Igari
伸治 猪狩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度でかつ被りの低いハロゲン化銀写真感光
材料に用いるハロゲン化乳剤の製造方法を提供する。 【解決手段】臭化銀含有率が70モル%以上のハロゲン
化銀乳剤粒子であって、乳剤中に含まれる全ハロゲン化
銀粒子の投影面積の50%以上が(111)面からなる
2つの平行な主平面を有する平板状粒子であり、該平板
状粒子の平均厚みが0.06μm未満、平均円相当径が
0.6μm以上であり、かつ、製造工程に以下の(a)、
(b)、(c)の3工程全てを含むことを特徴とするハロゲ
ン化乳剤の製造方法。 (a) 核形成工程において、反応容器内温度6℃以下と
する工程、(b) 核形成終了時において、反応容器以内
の全ハロゲン化銀濃度を0.004M以下とする工程、
(c) 熟成工程において、反応容器内の全ハロゲン化銀
濃度を0.01M以下とする工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】平板状ハロゲン化銀粒子(以下「平板状
粒子」という)は、その写真特性として 1)体積に対する表面積の比率(以下比表面積という)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させることがで
きる為、固有感度に対して、色増感感度が相対的に高
い。 2)平板状粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、そ
の粒子が支持体表面に平行に配列する為塗布層の厚さを
薄くでき、その写真感光材料のシャープネスが良い。 3)レントゲン写真システムでは、平板状粒子に増感色
素を加えると、ハロゲン化銀クロスオーバー光を顕著に
減少させることができ、画質の劣化を防止できる。 4)光散乱が少なく、解像力の高い画像が得られる。 5)ブルー光に対する感度が低い為、緑感光層または、
赤感光層に用いた場合に乳剤中からイエローフィルター
を除去できる。 この様に多くの利点を有する為、従来から高感度の市販
感光材料に用いられてきている。特許文献1、特許文献
2には、アスペクト比8以上の平板状粒子乳剤が開示さ
れている。ここでいうアスペクト比とは、平板粒子の厚
さにたいする直径の比率で示される。さらに粒子の直径
とは、乳剤を顕微鏡または電子顕微鏡で観察した時、粒
子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すもの
とする。また厚みは平板状ハロゲン化銀を構成する二つ
の平行な主表面の距離で示される。また、特許文献3に
は、緑感乳剤層、赤感乳剤層の少なくとも一層に、厚さ
0.3μ未満、直径0.6μ以上である平板状粒子用い
ることにより、鮮鋭度と感度及び粒状性を向上させたカ
ラー写真感光材料が記載されている。
【0002】しかるに近年、ハロゲン化銀感光材料の高
感度化及び小フォーマット化が進み、より高感度で画質
の改良されたカラー感光材料が強く望まれている。その
為、より高感度で、より粒状性の優れたハロゲン化銀粒
子乳剤が要求されており、従来の平板状ハロゲン化銀乳
剤では、これらの要求に応えるには、不十分であり、よ
り一層の性能向上がのぞまれていた。
【0003】
【特許文献1】特公平6−44132号公報
【0004】
【特許文献2】特公平5−16015号公報
【0005】
【特許文献3】特公平4−36374号公報
【0006】また、アスペクト比の大きい平板粒子ほど
比表面積が大きくなるので上記の平板粒子の利点を大き
く活用する事ができる。即ちより大きい表面積により多
くの増感色素を吸着させる事により、1粒子当たりの光
の吸収量を多くする事により高感度を得る事を可能にす
る。その為これまでより薄い平板粒子を調製する方法が
幾多研究されてきた。しかし、平板厚みはまだ不十分で
あり、また厚みを薄くすると粒子サイズ分布が多分散に
なることが問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高感度でかつ
被りの低いハロゲン化銀写真感光材料に用いるハロゲン
化銀乳剤の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、下記手
段によって達成することが出来た。 (1) 臭化銀含有率が70モル%以上のハロゲン化銀
乳剤粒子であって、乳剤中に含まれる全ハロゲン化銀粒
子の投影面積の50%以上が(111)面からなる2つ
の平行な主平面を有する平板状粒子であり、該平板状粒
子の平均厚みが0.06μm未満(好ましくは0.01
以上)、平均円相当径が0.6μm以上(好ましくは2
0μm以下)であり、かつ、製造工程に以下の(a)、
(b)、(c)の3工程全てを含むことを特徴とするハロゲ
ン化乳剤の製造方法。 (a) 核形成工程において、反応容器内温度6℃以下
(好ましくは0℃以上)とする工程、(b) 核形成終了
時において、反応容器以内の全ハロゲン化銀濃度を0.
004M以下(好ましくは0.0001M以上)とする工
程、(c) 熟成工程において、反応容器内の全ハロゲン
化銀濃度を0.01M以下(好ましくは0.0001M以
上0.006M以下)とする工程。 (2) 該ハロゲン化銀粒子の成長工程の少なくとも一
部おいてハロゲン化銀微粒子を供給して平板状粒子を成
長させることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀
写真感光材料。 (3) 該平板状粒子の平均円相当径が3.0μm以上
(好ましくは20μm以下)であることを特徴とする
(1)もしくは(2)に記載のハロゲン化銀写真感光材
料。 (4) 該平板状粒子の平均(平板粒子)厚みが0.0
5μm未満(好ましくは0.01以上)であることを特
徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化
銀乳剤の製造方法。 (5) 該平板状粒子の円相当径の変動係数が30%以
下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに
記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (6) 該平板状粒子の製造工程で限外濾過を使用する
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における平板状ハロゲン化
銀粒子(以下、「平板粒子」という)とは、2つの対向
する平行な主表面を有し該主表面の円相当直径(該主表
面と同じ投影面積を有する円の直径)が主表面の距離
(即ち粒子の厚み)より8倍以上大きな粒子をいう。本
発明における平板粒子の厚みの変動係数は30%未満で
あることが好ましく、15%未満であることがより好ま
しく、10%未満であることが特に好ましい。ただし、
変動係数とは、平板厚みの標準偏差を平均平板厚みで割
って、100をかけた値である。
【0011】本発明の平板粒子を有する乳剤の平均粒子
直径/粒子厚み比は30〜500が好ましく、50〜5
00である事がさらに好ましい。ここに、平均粒子直径
/粒子厚みとは、全平板粒子の粒子直径/厚み比を平均
することにより得られるが簡便な方法としては、全平板
粒子の平均直径と、全平板粒子の平均厚みとの比として
求める事も出来る。
【0012】本発明の平板粒子の平均直径(平均円相当
径)は0.6μm以上であり、好ましくは0. 8〜20
μmである。粒子の平均厚みは0.06μm未満であ
り、好ましくは0.05μm未満、さらに好ましくは0.
01〜0.045μmである。本発明の平板粒子の円相
当径の変動係数は30%以下、さらに20%以下、特に
15%以下であることが好ましい。本発明に於ける粒子
直径、粒子厚みの測定は米国特許第4434226号に
記載の方法に如く粒子の電子顕微鏡写真より求める事が
できる。即ち粒子の厚みの測定は、参照用のラテックス
とともに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャド
ウの長さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスのシ
ャドウの長さを参照にして計算する事により容易に知る
事ができる。
【0013】平板粒子は、その主表面が(111)と
(100)の二つに大別されるが、本発明の平板粒子
は、(111)面である双晶面を少なくとも1枚含み、
双晶面と平行な(111)面を主表面とする平板粒子で
ある。双晶面とは(111)面の両側ですべての格子点
のイオンが鏡像関係にある場合に、この(111)面の
事をいう。本発明における平板粒子は三角形平板粒子で
も六角形平板粒子でもよい。ただし、三角形平板粒子と
は、完全な三角形と、六角形であるが、六角形の場合は
その隣接する長辺と短辺の比が5:1以上である平板粒
子である。六角形において、3回回転対称が成立してい
ない場合は、3組の長辺の平均値と、3組の短辺の平均
値の比が5:1以上の平板粒子である。六角形平板粒子
とは、六角形の隣接する長辺と短辺の比が5:1以下で
ある平板粒子であり、3回回転対称が成立していない場
合は、3組の長辺の平均値と、3組の短辺の平均値の比
が5:1以下の平板粒子である。
【0014】平板粒子のハロゲン組成としては、臭化銀
含有率が70モル%以上のヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀、
ヨウ臭塩化銀、塩臭化銀である。本発明の平板粒子のハ
ロゲン組成に関する構造については、X線回折、EPM
A(XMAという名称もある)法(電子線でハロゲン化
銀粒子を走査して、ハロゲン化銀組成を検出する方
法)、ESCA(X線を照射して粒子表面から出てくる
光電子を分光する方法)などを組み合わせる事により確
認する事ができる。
【0015】また、本発明に関するハロゲン化銀乳剤に
おいては、ハロゲン化銀粒子間の沃化銀含有率がより均
一であることが好ましい。即ち、該ハロゲン化銀乳剤に
おけるヨウ化銀含有率の変動係数が30%以下であるこ
とが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
【0016】本発明の平板粒子の双晶面間隔は米国特許
第5,219,720号に記載のように0.012μm
以下にしたり、特開平5−249585号に記載のよう
に(111)主平面間距離/双晶面間隔を15以上にし
てもよく、目的に応じて選んでよい。
【0017】次に、本発明に関する平板粒子の調製方法
について説明する。平板粒子は必要に応じてコアシェル
構造を取っても良い。この際、平板粒子のコア部は平板
部の全銀量に対して50%以上70%以下であることが
好ましく、コア部の平均ヨード組成は0モル%以上30
モル%が好ましく、0モル%以上15モル%以下が更に
好ましい。シェル部のヨード組成は0モル%以上3モル
%以下が好ましい。
【0018】ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、ハ
ロゲン化銀核を形成した後、更にハロゲン化銀粒子を成
長させて所望のサイズの粒子を得る方法が一般的であ
り、本発明も同様であることに変わりはない。また、平
板粒子の形成に関しては、少なくとも核形成、熟成、成
長の工程が含まれる。この工程は、米国特許第4,94
5,037号に詳細に記載されている。
【0019】1.核形成 平板粒子の核形成は、一般にはゼラチンの水溶液を保持
する反応容器に、銀塩水溶液とハロゲン化アルカリ水溶
液を添加して行われるダブルジェット法、あるいはハロ
ゲン化アルカリを含むゼラチン溶液に銀塩水溶液を添加
するシングルジェット法が用いられる。また、必要に応
じて銀塩を含むゼラチン溶液にハロゲン化アルカリ水溶
液を添加する方法も用いることができる。さらに、必要
に応じて特開平2−44335号に開示されている混合
器にゼラチン溶液と銀塩溶液とハロゲン化アルカリ水溶
液を添加し、ただちにそれを反応容器に移すことによっ
て平板粒子の核形成を行うこともできる。また、米国特
許第5,104,786号に開示されているように、ハ
ロゲン化アルカリと保護コロイド溶液を含む水溶液をパ
イプに通しそこに銀塩水溶液を添加することにより核形
成を行うこともできる。また、米国第6,022,68
1号記載の塩素含有量が核形成に使用した銀量に対して
10モル%以上であるような核形成を用いても良い。
【0020】核形成は、ゼラチンを分散媒とし、pBr
が1〜4の条件で分散媒形成することが好ましい。ゼラ
チンの種類としては、アルカリ処理ゼラチン、低分子量
ゼラチン(分子量:3000〜4万)、米国特許第4,
713,320号および同第4,942,120号に記
載の酸化処理ゼラチンを用いても良い。分散媒の濃度
は、10質量%以下が好ましく、さらに1質量%以下が
より好ましい。
【0021】本発明における核形成時の温度は0〜5℃
であるが、0〜3℃が好ましく、0〜2℃がより好まし
い。核形成終了時(核形成直後)の乳剤のハロゲン化銀
濃度は0.004M以下であるが、0.002M以下が好
ましく、0.0001〜0.001Mがより好ましい。
【0022】分散媒のpHは、1以上10以下が好まし
いが、1.5以上9以下がさらに好ましい。また、米国
特許第5,147,771号、同第5,147,772
号、同第5,147,773号、同第5,171,65
9号、同第5,210,013号、同第5,252,4
53号、及び特許第3,089,578号に記載のポリ
アルキレンオキサイド化合物を核形成工程、もしくは後
の熟成工程、および成長工程で添加することが可能であ
る。
【0023】2.熟成 1.における核形成では、平板粒子以外の微粒子(特
に、八面体および一重双晶粒子)が形成される。次に述
べる成長過程に入る前に平板粒子以外の粒子を消滅せし
め、平板粒子となるべき形状でかつ単分散性の良い核を
得る必要がある。これを可能とするために、核形成に引
き続いてオストワルド熟成を行うことがよく知られてい
る。
【0024】核形成後直ちにpBrを調節した後、温度
を上昇させ平板粒子比率が最高となるまで熟成を行う。
この時に、ゼラチン溶液を追添加しても良い。その際の
分散媒溶液に対するゼラチンの濃度は、10質量%以下
であることが好ましい。このとき使用する追添加ゼラチ
ンは、アルカリ処理ゼラチン、アミノ基が95%以上修
飾されたコハク化ゼラチンやトリメリット化ゼラチンの
ような特開平11−143003号記載のイミダゾール
基修飾ゼラチン、および酸化処理ゼラチンを用いる。特
に、コハク化ゼラチンやトリメリット化ゼラチンを用い
ることが好ましい。
【0025】熟成の温度は、20〜80℃、好ましくは
50〜80℃であり、pBrは1.2〜3.0である。
また、pHは1.5以上9以下が好ましい。本発明にお
ける熟成時の乳剤のハロゲン化銀濃度は0.01M以下
(好ましくは0.0001以上)であるが、0.004
M以下が好ましく、0.002M以下がより好ましい。ま
た、熟成中に限外濾過を用いて乳剤を濃縮してもよい。
また、この時平板粒子以外の粒子を速やかに消失せしめ
るために、ハロゲン化銀溶剤を添加しても良い。この場
合のハロゲン化銀溶剤の濃度としては、0.3mol/リ
ットル(以下、リットルを「L」とも表記する。)以下
が好ましく、0.2mol/L以下がより好ましい。直接反
転用乳剤として用いる場合は、ハロゲン化銀溶剤とし
て、アルカリ性側で用いられるNH3より、中性、酸性側
で用いられるチオエーテル化合物等のハロゲン化銀溶剤
の方が好ましい。
【0026】このように熟成して、ほぼ〜100%平板
状粒子のみとすることが好ましい。
【0027】熟成が終わった後、次の成長過程でハロゲ
ン化銀溶剤が不要の場合は次のようにしてハロゲン化銀
溶剤を除去する。
【0028】(1) NH3 のようなアルカリ性ハロゲン化
銀溶剤の場合は、HNO3のようなAg+との溶解度積の大き
な酸を加えて無効化する。 (2) チオエーテル系ハロゲン化銀溶剤の場合は、特開
平60−136736号に記載のごとくH2O2などの酸化
剤を添加して無効化する。
【0029】3.成長 熟成過程に続く結晶成長期のpBrは1.4〜3.5に
保つことが好ましい。成長過程に入る前の分散媒溶液中
のゼラチン濃度が低い場合(1質量%以下)に、ゼラチ
ンを追添加する場合がある。その際、分散媒溶液中のゼ
ラチン濃度は、1〜10質量%にすることが好ましい。
この時使用するゼラチンは、アルカリ処理ゼラチン、ア
ミノ基が95%以上修飾されたコハク化ゼラチンやトリ
メリット化ゼラチン、および酸化処理ゼラチンを用い
る。特に、コハク化ゼラチンやトリメリット化ゼラチン
を用いることが好ましい。
【0030】成長中のpHは、2以上10以下、好まし
くは4以上8以下である。ただし、コハク化ゼラチンお
よびトリメリット化ゼラチン存在時には5以上8以下が
好ましい。結晶成長期におけるAg+、およびハロゲン
イオンの添加速度は、結晶臨界成長速度の20〜100
%、好ましくは30〜100%の結晶成長速度になるよ
うにする事が好ましい。この場合、結晶成長とともに銀
イオンおよびハロゲンイオンの添加速度を増加させてい
くが、その場合、特公昭48−36890号、同52−
16364号記載のように、銀塩およびハロゲン塩水溶
液の添加速度を上昇させても良く、水溶液の濃度を増加
させても良い。銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液を同時に
添加するダブルジェット法で行ってもよいが、米国特許
第4,672,027号および同4,693,964号
に記載の硝酸銀水溶液と臭化物を含むハロゲン水溶液と
沃化銀微粒子乳剤を同時に添加することが好ましい。こ
の際、成長の温度は、50℃以上90℃以下が好まし
く、60℃以上85℃以下が更に好ましい。また、添加
するAgI微粒子乳剤は、あらかじめ調液したものでも
よく、連続的に調液しながら添加しても良い。この際の
調製方法は特開平10−43570号を参考にできる。
【0031】本発明の限外濾過による脱水および脱塩技
術は、リサーチ・ディスクロージャー、102巻、10
298項および同131巻、13122項に記載されて
いる。また米国特許4,334,012号、同5,16
4,092号、同5,242,597号、欧州特許79
5455号、同843206号、特開平8−27858
0号、特開平11−231449号等に開示されてい
る。
【0032】本発明の限外濾過膜に用いられる膜を容器
に組み込んだ膜モジュールには、管状モジュール、中空
糸モジュール、プリーツモジュール、スパイラルモジュ
ール、平膜モジュール、プレート&フレームモジュール
が用いることができる。この中で、中空糸モジュールお
よび平膜モジュールが好ましく用いられる。
【0033】本発明の限外濾過膜は、種々の素材のもの
を用いることができる。有用な限外濾過膜の主要な素材
は、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリスルフォン、
ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、酢酸セルロー
ス、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、酸化アルミニウム等のセラミック等が好ましく
用いられる。
【0034】本発明の限外濾過膜の性能を示すものとし
て、分画分子量がある。分画分子量は阻止率(供給液の
濃度から透過液の濃度の差を供給液の濃度で割った百分
率)90%以上になる分子量であり、ハロゲン化銀粒子
は透過せず、必要としない塩や分散物は透過する分画分
子量が好ましい。また、分画分子量を小さくすると、限
外濾過膜を透過する液の流量は減少するので、最適な分
画分子量を選ぶ必要がある。有用な分画分子量は100
0〜1000000であり、好ましくは3000〜10
0000である。
【0035】本発明の限外濾過を用いて行なうハロゲン
化銀乳剤の脱水脱塩の一例を示す概念図を図1に示す。
図1において、反応容器1の中のハロゲン化銀粒子を含
む反応溶液は攪拌機2で攪拌され、液供給配管9、ポン
プ10および供給バルブ12をとおり限外濾過膜12に
送り込まれる。ハロゲン化銀粒子を含む反応溶液は限外
濾過膜を通して、水や塩等の一部が液透過配管18、透
過バルブ20および透過流量計21を通って排出され
る。このとき逆止弁27は閉鎖されている。残りのハロ
ゲン化銀粒子を含む反応溶液は液還流配管14、還流バ
ルブ16および還流流量計17をとおり、元の反応容器
1に戻る。反応液が限外濾過膜を通過する前後には圧力
計12、15および19を備える。また、限外濾過膜に
残ったハロゲン化銀粒子を反応容器に戻すために、上記
限外濾過を終了した後に透過液の一部を逆洗浄配管24
から逆洗浄用ポンプ25、逆洗浄バルブ26、逆止弁2
7、透過バルブ20および液透過配管18を通って限外
濾過モジュールを通り、限外濾過膜に吸着したハロゲン
化銀粒子を液還流配管14、還流バルブ16および還流
流量計17を通してもとの反応容器に戻すことができ
る。また、逆洗浄用の水溶液は、透過液の代わりに水、
透過液を水で希釈した水溶液またはpBrを調整した水溶
液で代用することもできる。
【0036】本発明の限外濾過による透過液は、還流バ
ルブおよび透過バルブを調整することにより還流および
透過流量を制御することができる。透過流量を増やすた
めには、ポンプの流量を上げること、および還流バルブ
を絞って還流流量を上げ、供給圧力を上げることで調整
することができる。また、透過量を増加させる方法とし
て、限外濾過モジュール2個以上を並列または直列につ
なぐことで膜面積を増やす方法が好ましい。
【0037】本発明の限外濾過を用いるときには、反応
容器に添加される分散媒にはゼラチンを好ましく用いる
ことができる。反応容器に直接添加するゼラチンの分子
量は制限が無いが、ゼラチン濃度を高くするほど粘度が
増し限外濾過の透過流量は減少するので、ゼラチン濃度
を制御する必要がある。
【0038】混合器に使用するゼラチンに限外濾過膜を
透過する低分子量ゼラチンを用いると、限外濾過膜を透
過させることができ、反応容器内のゼラチン濃度を上げ
ないことができる。混合器に使用するゼラチンは、酵素
分解などの手法で低分子量化させ、粘度を低下させるこ
とができる。平均分子量は5000以上3万以下である
ことが好ましい。また、平板粒子の厚さへの影響はゼラ
チンの化学修飾によって様々に変化させることができ
る。薄い平板状ハロゲン化銀粒子を得るために、酸化処
理、コハク化処理、トリメリット化処理を好ましく用い
ることができる。
【0039】本発明の限外濾過を微粒子による成長前の
段階で行なうことも好ましく行なわれる。平板粒子形成
には核となる粒子を調製した後反応容器の温度を上げて
熟成する工程があり、この工程を行なうことで、微粒子
成長を行なう平板粒子を形成することができる。この熟
成工程中の限外濾過を行なって脱水および脱塩すること
がスケールアップに好ましい。核を形成するときの水溶
性銀溶液とハロゲン化物水溶液の濃度を単に上げると、
生成した核の凝集が起こるため、粒子のサイズ分布を悪
化させる。最適な水溶性銀溶液とハロゲン化物水溶液の
濃度で生成させた後、限外濾過により脱水および脱塩す
る方が粒子サイズ分布を悪化させずに多量の核を形成す
ることができる。
【0040】本発明において、限外濾過は上記工程を含
むあらゆる工程で使用することができるが、好ましいの
はハロゲン化銀微粒子の添加中に限外濾過を行なうこと
である。ハロゲン化銀微粒子の添加中に限外濾過を行な
うとは、添加と平行して限外濾過を行なうことを意味す
る。このとき、ハロゲン化銀微粒子の添加中全時間域に
行なってもいいし、部分的に行なっても良い。あるい
は、中断して数回にわけて行なっても良い。
【0041】本発明のハロゲン化銀微粒子を調製する方
法の一つである混合器について以下に述べる。該混合器
の混合槽における水溶性銀溶液、ハロゲン化物水溶液お
よび分散媒水溶液の滞留時間は、安定状態でハロゲン化
微粒子を調製している条件下において該微粒子を供給す
る速度(1秒あたりの容量)で混合器の液量を割った値
を意味する。本発明の混合器における滞留時間は、0.
0001〜10秒以下、好ましくは0.001〜3秒以
下、さらに好ましくは0.001〜0.5秒以下であ
る。
【0042】該混合器には、水溶性銀溶液、ハロゲン化
物水溶液および分散媒溶液を添加してハロゲン化銀微粒
子を調製することができる。このとき、上記3溶液を別
々に添加してもいいし、分散媒溶液をハロゲン化物水溶
液と混合して添加してもよい。
【0043】該混合器に添加する水溶性銀溶液およびハ
ロゲン化物水溶液の濃度は核となる粒子に用いる場合は
4mol/リットル以下が好ましく、1mol/リットル以下が
さらに好ましく、0.2mol/リットル以下が最も好まし
い。成長に用いる場合には、生産性の観点から高濃度の
水溶液を用いることが好ましく、0.5mol/リットル以
上4mol/リットル以下が好ましく、1.0mol/リットル
以上がさらに好ましい。水溶液の温度は5℃以上75℃
以下が好ましい。本発明の方法で得られるハロゲン化銀
粒子を核として用いる場合、水溶液の濃度は4mol/リッ
トル以下が好ましく、1mol/リットル以下がさらに好ま
しく、0.2mol/リットル以下が最も好ましい。成長に
用いる場合は、生産性の観点から高濃度の水溶液を用い
ることが好ましく、その濃度は0.5mol/リットル以上
4mol/リットル以下が好ましく、1.0mol/リットル以
上がさらに好ましい。添加する水溶性銀溶液、ハロゲン
化物水溶液および分散媒水溶液の温度は5℃以上75℃
以下が好ましい。
【0044】本発明の混合器に使用される分散媒には、
平均分子量5000以上3万以下のゼラチンが好まし
い。このときゼラチンは生成するハロゲン化銀粒子中の
双晶発生確率に大きな影響を与えるため、好ましいゼラ
チン水溶液濃度は、生成する微粒子ハロゲン化銀粒子の
使用目的によって異なる。平板状ハロゲン化銀粒子調製
を行う際の核としてハロゲン化銀微粒子を利用する場
合、平行二重双晶核が必要なため、所望の双晶発生確率
が達成されるようにゼラチン水溶液濃度を調節すること
が必要である。銀塩水溶液とハロゲン化物塩水溶液が混
合されたときに銀1gあたりのゼラチン量が0.03g
以上0.4g以下となるようにゼラチン濃度を選ぶこと
が好ましく、0.3g以下にすることがさらに好まし
い。また、成長に利用する場合には、添加したハロゲン
化銀粒子が速やかに溶解することが好ましい。そのた
め、双晶核が少ない方が好ましく、ゼラチン水溶液濃度
は高い方が好ましい。ゼラチン水溶液濃度は添加される
硝酸銀1gに対して0.2g以上、1g以下、ゼラチン
が添加される濃度にすることが好ましく、0.3g以上
にすることがさらに好ましく、0.4g以上にすること
が最も好ましい。
【0045】好ましい混合器は以下の3種類であり、以
下にそれぞれ説明する。 (1)密閉型攪拌槽に2本以上の回転軸を用いて攪拌す
る混合器 図2に示したように、反応容器の外に設置された混合器
10に水溶性銀溶液、ハロゲン化物水溶液及び必要に応
じて分散媒水溶液を各々添加系(供給口)11,12及
び13に導入する。(この際、必要に応じて分散媒水溶
液は、水溶性銀溶液および/またはハロゲン化物水溶液
に混合して添加しても良い)混合器内でこれらの溶液を
急速且つ強力に混合して、ただちに系(排出口)16に
よって反応容器に導入し、反応容器中でハロゲン化銀微
粒子を形成する。この際、混合器から排出された乳剤を
一且別の容器にためて、その後反応容器に添加すること
もできる。反応容器で微粒子形成を終えた後、さらに混
合器10に、水溶性銀溶液、ハロゲン化物水溶液及び必
要に応じて分散媒水溶液を各々添加系、11,12及び
13に導入する。(この際、必要に応じて分散媒水溶液
は、水溶性銀溶液および/またはハロゲン化物水溶液に
混合して添加しても良い)混合器内でこれらの溶液を急
速且つ強力に混合して、ただちに系16によって連続的
に反応容器1に導入し、反応容器中で均一化させる。
【0046】この型の混合器の一実施形態を示す。従来
のように攪拌羽根に駆動軸をとりつけ、混合器の外の駆
動機によって攪拌羽根をこの様な高速で回転すると、そ
の混合槽と駆動軸のシールが大変困難になってきた。本
発明においては、下記に示す様に、磁気カップリングで
連結される攪拌羽根と外部磁石による磁気誘導による回
転によって、駆動軸を用いないことによりこの問題が解
決された。図2において、混合器35は、上下方向に中
心軸を向けた攪拌槽本体36と、該攪拌槽本体36の上
下の開口端を塞ぐ槽壁となるシールプレート37とで構
成されている。攪拌槽本体36及びシールプレート37
は、透磁性に優れた非磁性材料で形成されている。攪拌
羽根38、39は、攪拌槽35内の相対向する上下端に
離間して配置されて、互いに逆向きに回転駆動される。
各攪拌羽根38、39は、それぞれの攪拌羽根38、3
9が近接する槽壁(シールプレート37)の外側に配置
された外部磁石40、41と磁気カップリングCを構成
している。即ち、各攪拌羽根38、39は、磁力でそれ
ぞれの外部磁石40、41に連結されており、各外部磁
石40、41を独立したモータ42、43で回転駆動す
ることで、互いに逆向きに回転操作される。
【0047】さらに、図2において該混合器は、攪拌さ
れる水溶性銀溶液、ハロゲン化物水溶液、必要に応じて
分散媒水溶液を流入させる3つの液供給口31、32お
よび33と攪拌処理を終えたハロゲン化銀微粒子乳剤を
排出する排出口34とを備えた攪拌槽35と、該攪拌槽
35内で回転駆動されることで該攪拌槽35内の液体の
攪拌状態を制御する攪拌手段である一対の攪拌羽根3
8、39とを備えてなる。該混合器18は円筒状のもの
が良く用いられるが、直方体、六角型、その他の種々の
形体が用いられる。さらに該一対の攪拌羽根は攪拌槽3
5内の相対向する上下端に離間して配置されて、互いに
逆向きに回転駆動される。この一対の攪拌羽根は図2で
は相対する上下方向に配置したが、相対する横方向でも
よく、また斜め方向でもよい。図2では、相対する位置
に一対の二つの攪拌羽根を用いたが、二つ以上の対をな
した、互いに逆向き回転する4個以上の偶数個の攪拌羽
根を用いてもよいし、対をなさない奇数個(1個を含
む)の攪拌羽根を用いることもできる。また対をなした
互いに逆向き回転する偶数個の攪拌羽根と、奇数個(1
個を含む)の攪拌羽根を併用することによって、さらに
効率の良い攪拌を実施できる。
【0048】混合器においては、該混合器内で相対向す
る攪拌羽根を駆動する際、より高い混合効率を実現する
には、その攪拌羽根を高速で回転する必要がある。その
回転数は1000rpm以上、好ましくは3000rpm以
上、より好ましくは5000rpm以上である。
【0049】図3に、攪拌槽35の下端部に磁気カップ
リングCの構成を示す。この一実施形態の磁気カップリ
ングCは、この磁気カップリングCを構成している各攪
拌羽根38、39に、図示の様に、N極面とS極面とが
回転中心軸線44に対して平行でかつ該回転中心軸線4
4を挟んで重なる如く配置された両面2極型磁石45を
使用している。外部磁石41は、N極面とS極面とが回
転中心軸線44に直交する平面上で回転中心軸線44に
対して対称位置に並ぶ左右2極型磁石(U字型磁石)4
6を使用している。この磁気カップリングCにおいて、
上記とは逆に、外部磁石41に両面2極型磁石45を使
用して、攪拌羽根38、39には左右2極型磁石46を
使用しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0050】上記の磁気カップリングCでは、外部磁石
41と攪拌羽根38、39との間を結ぶ磁力線Lは、図
4(a)の様になり、例えば左右2極型磁石同志で磁気
カップリングを構成した場合に形成される磁束と比較し
て、磁石相互間を結ぶ磁束の径を倍増できると同時に、
外部磁石41が回転操作された場合に、図4(b)に示
す様に磁束が撓んで磁束の切断を防止する磁束粘性を持
たせる事ができ、カップリングとしての結合強度が大幅
に向上して、モータ42、43に高回転型のモータを使
用することで、攪拌羽根38、39の高速回転を可能に
することができる。
【0051】混合器の攪拌は、一対の攪拌羽根を同一回
転しても逆向きに回転してもよいが、逆向きに回転する
ことが好ましい。また、回転数は、同じ回転数で駆動さ
せてもよいし、異なった回転数で駆動させてもよい。
【0052】混合器には、滞留時間を減少させる目的で
混合器内の容積を下げるために、上記混合器の攪拌槽を
貫通する回転軸をもち、この回転軸周りをシールした混
合器を用いることも好ましい。この場合も、一対の攪拌
羽根を同一回転しても逆向きに回転してもよいが、逆向
きに回転することが好ましい。また、回転数は、同じ回
転数で駆動させてもよいし、異なった回転数で駆動させ
てもよい。
【0053】混合器に保護コロイド水溶液を添加する
が、下記のような添加法が用いられる。 a 分散媒水溶液を単独で混合器に注入する。分散媒水
溶液の濃度は0.5%以上、好ましくは1%以上がよ
く、20%以下である。流量については、水溶性銀溶液
とハロゲン化物水溶液の流量の和の少なくとも20%以
上300%以下で、好ましくは50%以上200%以下
である。 b ハロゲン化物水溶液に分散媒水溶液を含有せしめ
る。分散媒の濃度は0.4%以上、好ましくは1%以上
であり、20%以下である。 c 水溶性銀溶液に分散媒を含有せしめる。分散媒の濃
度は0.4%以上、好ましくは1%以上で、20%以下
である。分散媒にゼラチンを用いる場合、銀イオンとゼ
ラチンでゼラチン銀をつくり、光分解及び熱分解して銀
コロイドを生成するため、水溶性銀溶液とゼラチン溶液
は使用直前に添加する方がよい。上記a〜cの方法は、
各々単独で用いてもよいし、それぞれ組合せてもよく、
また、三つの方法同時に用いてもよい。
【0054】(2)直線状噴流にして攪拌する混合器 この型の混合器では、水溶性銀溶液、ハロゲン化物水溶
液、分散媒水溶液を直線状噴流として添加して混合し、
ハロゲン化銀微粒子を調製することができる。分散物水
溶液は、水溶性銀溶液またはハロゲン化物水溶液のいず
れか片方に添加してもよいし、3種を別々に混合しても
よい。
【0055】混合器の噴流として添加される水溶液の流
速は、100m/sec以上であることが好ましく、2
50m/sec以上であることがさらに好ましく、50
0m/sec以上であることが最も好ましい。
【0056】混合器において、溶液を混合する細管の直
径は、直線状噴流添加口の直径の20倍以下であること
が好ましく、10倍以下であることがさらに好ましく、
7倍以下であることが最も好ましい。溶液を混合する細
管の長さは、その直径の10倍以上であることが好まし
く、50倍以上であることがさらに好ましく、100倍
以上であることが最も好ましい。細管は内部に窪みを有
することができる。添加された溶液が細管内を流れる際
にこの窪みによって流れはより細かな乱流となり、混合
をより均一化する。高い流速を持つ噴流による混合を行
う場合、混合液の温度が上昇するため、該装置には冷却
器を付属することが好ましい。
【0057】混合器において、水溶性銀溶液とハロゲン
化物水溶液の混合は機械的攪拌を伴わないことが好まし
い。機械的攪拌を伴うと、循環が起こらない混合が困難
である。また、滞留時間が0.1秒以下のような短い混
合時間の場合、機械的攪拌では十分な混合を行うことが
困難である。
【0058】混合器において、水溶性銀溶液、ハロゲン
化物水溶液の両方をそれぞれ直線状噴流にして混合して
もよいし、片方を直線状噴流としてもう片方をその噴流
の負圧を利用して混合してもよい。
【0059】この要件を満たす混合方法として、BEE
INTERNATIONAL社製の高圧ホモジェナイザ
ー(DeBEE2000)を応用して用いることができ
る。該装置のデュアルフィード法を用いて、水溶性銀溶
液またはハロゲン化物水溶液の一方を高速噴流とし、も
う一方の液と混合することができる。噴流とする水溶液
に高圧をかけることで高い運動エネルギーを持たせ、二
つの液を極めて短時間に混合することが可能である。ま
た、この方法では添加された液が再び添加口近傍に戻る
ような循環が発生せず、さらに、添加液が十分な運動エ
ネルギーを持つために機械的攪拌も不要である。
【0060】(3)層流を利用した混合器 この型の混合器は、層流(laminar flow)を利用した混
合法である。水溶性銀溶液とハロゲン化物水溶液を薄い
層(lamella)に細分化させ、お互いを広い面積で接触
させる事によって、均一に短時間のうちにイオンの拡散
をおこさせることにより、より速く且つより均一な混合
を実現するものである。拡散によるイオンの移動は濃度
の時間的変化で関係づけられるFickの法則に従い、拡散
係数と濃度勾配の積として次式で与えられる。 t 〜 dl2/D ここで、Dは拡散定数、dlは薄層の厚さ、tは混合時間を
表わす。上記式から、混合時間tは薄層の厚さdlの二乗
に比例する為、この層を薄くする事によって非常に効果
的に混合時間を短くする事ができる。
【0061】この型では、IMM(Institute fur Mikrote
chnik Mianz)製のマイクロリアクター(Microreacto
r)を用いる事により、期待される効果を実現する事が
できる。マイクロリアクターの詳細については、“Micr
oreactor”(W.Ehrfeld、V.Hessel、H.Loewe、 1Ed. (2
000) WILEY-VCH)の第3章にその詳細が記載されてい
る。即ち流体の多層薄膜化(multilamination)とそれ
に続く拡散混合にその原理をもつ。
【0062】水溶性銀溶液およびハロゲン化物水溶液の
流体は、厚みが数十ミクロンオーダーの互いに入り込ん
だスリットを通過することによって、多数の薄膜流体に
分けられ、スリットの出口でそれらはその進行方向の法
線方向で広い面積で接触し、ただちに銀イオン及びハロ
ゲン化物イオンの拡散がはじまり、短時間のうちに拡散
による混合が終了し、同時に起こったイオン反応によっ
てハロゲン化銀微粒子が形成される。
【0063】混合器における薄層の厚さは、その進行方
向の法線方向で1μm以上500μm以下であり、好ま
しくは1μm以上、100μm以下であり、より好まし
くは1μm以上50μm以下である。層流を利用した本
発明における混合時間は、0.5秒未満であり、好ましく
は100ミリ秒未満であり、より好ましくは50ミリ秒
未満である。
【0064】混合器であるマイクロミキサーは、等価直
径1mm以下の流路(チャンネル)を有する装置であ
る。本発明でいう等価直径(equivalent diameter)
は、相当(直) 径とも呼ばれ、 機械工学の分野で用いら
れる用語である。 任意断面形状の配管(本発明では流
路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の
直径を等価直径といい、 A:配管の断面積、 p:配管のぬれ
ぶち長さ( 周長) を用いて、d eq=4A/pと定義され
る。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一
致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管
の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現
象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径
は、一辺aの正四角形管ではdeq=4a2 /4a=a、
一辺aの正三角形管ではdeq=a/31/2 、路高さhの
平行平板間の流れではdeq=2hとなる(参照:(社)
日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善
(株))。
【0065】混合器の流路は、固体基板上に微細加工技
術により作成される。使用される材料の例をあげれば金
属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス、セラミ
ックスまたはプラスチックなどである。耐熱、耐圧およ
び耐溶剤性が必要な場合、好ましい材料は金属、シリコ
ン、テフロン、ガラスまたはセラミックスであるが、特
に好ましくは金属である。金属の例を挙げれば、ニッケ
ル、アルミ、銀、金、白金、タンタル、ステンレス、ハ
ステロイ(Ni−Fe系合金)またはチタンであるが、
好ましくは耐腐食性の高いステンレス、ハステロイもし
くはチタンである。従来のバッチ式反応装置では酸性物
質などを扱う時に金属(ステンレス等)表面にガラスラ
イニングした装置が用いられるが、マイクロリアクター
でも金属表面にガラスコーティングしてもよい。ガラス
に限らず目的に応じて、金属の上に別の金属もしくは他
の材料をコーティングしても良いし、金属以外の材料
(例えばセラミック)に金属もしくはガラスなどをコー
ティングしても良い。
【0066】混合器の流路を作成するための微細加工技
術として代表的なものを挙げれば、X線リソグラフィを
用いるLIGA技術、EPON SU-8を用いた高アスペクト
比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−E
DM)、Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工
法、Hot Emboss加工法、光造形法、レーザー加工法、イ
オンビーム加工法、およびダイアモンドのような硬い材
料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削
加工法などがある。これらの技術を単独で用いても良い
し、組み合わせて用いても良い。好ましい微細加工技術
は、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU-
8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイ
クロ放電加工法(μ−EDM)、および機械的マイクロ
切削加工法である。
【0067】混合器であるマイクロミキサーを組み立て
る際、よく接合技術が用いられる。通常の接合技術は大
きく固相接合と液相接合に分けられ、一般的に用いられ
ている接合方法は、固相接合として圧接や拡散接合、液
相接合として溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等が代
表的な接合方法である。更に、組立に際しては高温加熱
による材料の変質や大変形による流路等の微小構造体の
破壊を伴わない寸法精度を保った高度に精密な接合方法
が望ましいが、その技術としてはシリコン直接接合、陽
極接合、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、
HF水溶液を用いた接合、Au−Si共晶接合、ボイド
フリー接着などがある。
【0068】混合器に用いられる流路の等価直径は1m
m以下であるが、好ましくは10〜500μmであり、
特に好ましくは20〜300μmである。また流路の長
さには特に制限はないが、好ましくは1mm〜1000
mmであり、特に好ましくは10mm〜500mmであ
る。
【0069】用いられる流路は一本のみである必要はな
く、必要に応じて流路を何本も並列化し(Numbering-u
p)、その処理用を増大させることができる。本発明に
おいて反応は、流路の中を流れながら、すなわちフロー
で行われる。
【0070】混合器であるマイクロミキサーの流路は目
的に応じて表面処理しても良い。特に水溶液を操作する
場合、ガラスやシリコンへの試料の吸着が問題になるこ
とがあるので表面処理は重要である。マイクロサイズの
流路内における流体制御では、複雑な製作プロセスを要
する可動部品を組み込むことなくこれを実現することが
望ましい。例えば、流路内に表面処理により親水性と疎
水性の領域を作成し、その境界に働く表面張力差を利用
して流体を操作することが可能になる。
【0071】混合器であるマイクロミキサーのマイクロ
サイズの流路中へ試薬やサンプルなどを導入して混合す
るために、流体制御機能が必要である。特に、微小領域
における流体の挙動は、マクロスケールとは異なる性質
を持つため、マイクロスケールに適した制御方式を考え
なければならない。流体制御方式は形態分類すると連続
流動方式と液滴(液体プラグ)方式があり、駆動力分類
すると電気的駆動方式と圧力駆動方式がある。これらの
方式を以下に詳しく説明する。流体を扱う形態として、
最も広く用いられるのが連続流動方式である。連続流動
式の流体制御では、マイクロリアクターの流路内は全て
流体で満たされ、外部に用意したシリンジポンプなどの
圧力源によって、流体全体を駆動するのが一般的であ
る。この場合、比較的簡単なセットアップで制御システ
ムを実現できることが一つの利点であるが、複数ステッ
プの反応やサンプルの交換を伴うような操作は困難で、
システム構成の自由度が小さいこと、また駆動媒体が溶
液そのものであるため、デッドボリュームが大きいこと
などが難点である。連続流動方式とは異なる方式とし
て、液滴(液体プラグ)方式がある。この方式では、リ
アクター内部やリアクターに至る流路内で、空気で仕切
られた液滴を動かすものであり、個々の液滴は空気圧に
よって駆動される。その際、液滴と流路壁あるいは液滴
同士の間の空気を必要に応じて外部に逃がすようなベン
ト構造、及び分岐した流路内の圧力を他の部分と独立に
保つためのバルブ構造などを、リアクターシステム内部
に用意する必要がある。また、圧力差を制御して液滴の
操作を行うために、外部に圧力源や切り替えバルブから
なる圧力制御システムを構築する必要がある。このよう
に液滴方式では、装置構成やリアクターの構造がやや複
雑になるが、複数の液滴を個別に操作して、いくつかの
反応を順次行うなどの多段階の操作が可能で、システム
構成の自由度は大きくなる。
【0072】流体制御を行うための駆動方式として、流
路(チャンネル)両端に高電圧をかけて電気浸透流を発
生させ、これによって流体移動させる電気的駆動方法
と、外部に圧力源を用意して流体に圧力をかけて移動さ
せる圧力駆動方法が一般に広く用いられている。両者の
違いは、たとえば流体の挙動として、流路断面内で流速
プロファイルが電気的駆動方式の場合にはフラットな分
布となるのに対して、圧力駆動方式では双曲線状に、流
路中心部が速くて、壁面部が遅い分布となることが知ら
れており、サンプルプラグなどの形状を保ったまま移動
させるといった目的には、電気的駆動方式の方が適して
いる。電気的駆動方式行う場合には、流路内が流体で満
たされている必要があるため、連続流動方式の形態をと
らざるを得ないが、電気的な制御によって流体の操作を
行うことができるため、例えば連続的に2種類の溶液の
混合比率を変化させることによって、時間的な濃度勾配
をつくるといった比較的複雑な処理も実現されている。
圧力駆動方式の場合には、流体の電気的な性質にかかわ
らず制御可能であること、発熱や電気分解などの副次的
な効果を考慮しなくてよいことなどから、基質に対する
影響がほとんどなく、その適用範囲は広い。その反面、
外部に圧力源を用意しなければならないこと、圧力系の
デッドボリュームの大小に応じて、操作の応答特性が変
化することなど、複雑な処理を自動化する必要がある。
【0073】流体制御方法として用いられる方法はその
目的によって適宜選ばれるが、好ましくは連続流動方式
の圧力駆動方式である。
【0074】混合器であるマイクロミキサーの温度制御
は、装置全体を温度制御された容器中に入れることによ
り制御しても良いし、金属抵抗線や、ポリシリコンなど
のヒーター構造を装置内に作り込み、加熱についてはこ
れを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイク
ルを行ってもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線で
はヒーターと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、そ
の抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、ポリシリコ
ンについては熱電対を用いて検出を行う。また、ペルチ
ェ素子をリアクターに接触させることによって外部から
加熱、冷却を行っても良い。どの方法を用いるかは用途
やリアクター本体の材料などに合わせて選択される。
【0075】上記3種の混合器の中で、(1) 密閉型攪
拌槽に2本以上の回転軸を用いて攪拌する混合器と
(2)直線状噴流にして攪拌する混合器が好ましい。
【0076】添加する沃化銀微粒子乳剤の平均粒子サイ
ズは0.005μm以上0.1μm以下、好ましくは
0.007μm以上0.08μm以下である。平板粒子
のヨード組成は、添加するAgI乳剤の量により変化さ
せることが出来る。
【0077】さらに、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液の
添加の変わりに、沃臭化銀微粒子を添加することは好ま
しい。この際、微粒子のヨード量を所望する平板粒子の
ヨード量と等しくすることで、所望のヨード組成の基盤
粒子が得られる。沃臭化銀微粒子はあらかじめ調製した
ものでもよいが、連続的に調製しながら添加するほうが
好ましい。添加する沃臭化銀粒子サイズは、0.005
μm以上0.1μm以下、好ましくは0.01μm以上
0.08μm以下である。成長時の温度は50℃以上9
0℃以下、好ましくは60℃以上85℃以下である。
【0078】本発明では晶相制御剤をどの工程で用いて
もよい。ピリジニウム塩晶相制御剤は特開平10−10
4769に開示されており、トリアミノピリミジン晶相
制御剤は特開平7−230133に、トリヨードフェノ
ール晶相制御剤は特開平8−87088に開示されてい
る。
【0079】本発明で平板粒子乳剤の保護コロイドとし
て使用するゼラチンとしては、アルカリ処理でも酸処理
でも良いが、通常アルカリ処理ゼラチンが良く用いられ
る。特に不純物イオンや不純物を除去した脱イオン処理
や限外ろ過処理を施したアルカリ処理ゼラチンを用いる
事が好ましい。アルカリ処理ゼラチンの他、酸処理ゼラ
チン、ゼラチンのアミノ基を置換したフタル化ゼラチ
ン、琥珀化ゼラチン、トリメリットゼラチン、フェニル
カルバミルゼラチン、炭素数が4〜16の脂肪族炭化水
素やゼラチンのカルボキシル基を置換したエステル化ゼ
ラチンの様な誘導体ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子
量1000〜8万で具体例として、酵素で分解したゼラ
チン、酸及び/またはアルカリで加水分解したゼラチ
ン、熱で分解したゼラチン、超音波で分解したゼラチン
を挙げる事ができる)、高分子量ゼラチン(分子量11
万〜30万)メチオニン含量が50μモル/g以下のゼ
ラチン、チロシン含量が30μモル/g以下のゼラチ
ン、酸化処理ゼラチン、メチオニンがアルキル化によっ
て不活性化したゼラチンを用いる事ができるし、それら
の二種類以上の混合物をもちいる事もできる。高分子量
ゼラチンに関しては特開平11−237704号、特願
2000−48166号、特願2000−95146号
に開示されている。本発明において粒子形成行程で用い
られるゼラチンの量は、1〜60g/銀モル、好ましく
は3〜40gである。本発明の化学増感行程におけるゼ
ラチンの濃度は1〜100g/銀モルが好ましく、1〜
70g/銀モルがより好ましい。
【0080】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タキシャル部のみにドープする方法も選べる。より好ま
しくは、平板状ホスト粒子のシェル部の表面近傍とエピ
タキシャル部との両方にドーパントを導入する。例え
ば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、La、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、R
u、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、C
d、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biを用いること
ができる。これらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝
酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4
配位錯塩など粒子形成時に溶解させることができる塩の
形であれば添加できる。例えば、CdBr2、CdC
2、Cd(NO32、Pb(NO32、Pb(CH3
OO)2、K4[Fe(CN)6]、(NH44[Fe
(CN)6]、K2IrCl6、K2[IrCl5(H
2O)]、K2[IrCl4(H2O)2]、(NH43RhC
6、K4Ru(CN)6があげられる。配位化合物のリ
ガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシ
アネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カル
ボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合
物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を
組み合せて用いてよい。
【0081】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ま
しい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液
(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカ
リ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を
添加する方法を用いることができる。また必要に応じ酸
・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成
前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えること
もできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO3)ある
いはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、K
Br、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して
添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化
アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時
期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を
組み合せるのも好ましい。
【0082】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲン化合物を乳剤調製中に添加す
る方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外にもシ
アン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン
酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0083】ハロゲン化銀粒子は、転位線を粒子内に有
してもよい。ハロゲン化銀粒子中に転位をコントロール
して導入する技術に関しては、特開昭63−22023
8号に記載がある。この公報によれば、平均粒子径/粒
子厚み比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子内部に特定
の高ヨード相を設け、その外側を該高ヨード相よりもヨ
ード含有率が低い相で覆うことによって転位を導入する
ことができる。この転位の導入により、感度の上昇、保
存性の改善、潜像安定性の向上、圧力カブリの減少等の
効果が得られる。この公報記載の発明によれば、転位は
主に平板粒子のエッジ部分に導入される。また、中心部
に転位が導入された平板粒子については、米国特許5,
238,796号明細書に記載がある。さらに、特開平
4−348337号には、内部に転位を有する正常晶粒
子が開示されている同公報には正常晶粒子に塩化銀また
は塩臭化銀のエピタキシーを生成し、そのエピタキシー
を物理熟成及び/またはハロゲンによるコンバージョン
によって転位を導入できることが開示されている。この
ような転位の導入によって、感度の上昇および圧力カブ
リの減少という効果が得られた。ハロゲン化銀粒子中の
転位線は、例えば、J. F. Hamilton, Photo. Sci. Eng.
1967, 11, 57や、T. Shinozawa, J. Soc. Photo Sci.
JAPAN, 1972, 35, 213によって記載の低温での透過型電
子顕微鏡を用いた直接法により観察することができる。
すなわち、乳剤から転位が発生するほどの圧力をかけな
いように注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕
微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリ
ントアウト)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法
により観察を行う。この時、粒子の厚みが厚いほど電子
線が透過しにくくなるので、高圧型(0.25μmの厚
さに対し200keV以上)の電子顕微鏡を用いた方が
より鮮明に観察することができる。この様な方法により
得られた粒子の写真により、主平面に対し垂直な面から
見た場合の各粒子についての転位線の位置および数を求
めることができる。本発明は、ハロゲン化銀粒子のう
ち、50%以上の個数の粒子が一粒子当たり1本以上の
転位線を含む場合に効果がある。
【0084】本発明で調製されたハロゲン化銀粒子をホ
スト粒子とし、エピタキシャル粒子を形成してもよい。
これについては、例えば、J. E. Masksky, J. Imag. Sc
i.,32, 166 (1988)、特開昭64−26837号、同6
4−26838号、同64−26840号、特開平1−
179140号、米国特許4865962号、同496
8595号、特開平8−171162号、特開2000
−2959号、米国特許5604086号の記載を参考
にすることができる。また、該ハロゲン化銀粒子をコア
とし、内潜型粒子を形成してもよく、あるいは、該粒子
とはハロゲン組成の異なるハロゲン化銀層を積層させ、
いわゆるコア/シェル型粒子を形成してもよい。これら
については特開昭59−133542号、同63−15
1618号、米国特許3206313号、同33173
22号、同3367778号、同3761276号、同
4269927号等の記載を参考にすることができる。
【0085】ハロゲン化銀粒子乳剤は次なる工程で、A
+塩およびX-塩の添加で生じた余分の塩を取り除く工
程が行われる。この際、水洗の前に粒子の沈降を促進す
るためにゼラチンを添加してもよい。水洗方法としては
従来から知られている方法、即ち(1)ヌーデル水洗法、
(2)沈降剤を加えて乳剤を沈降させ水洗する方法、(3)フ
タル化ゼラチンのような変性ゼラチンを用いる方法、
(4)限外濾過法、等(詳細は、G.F.Duffin, “Photograp
hic Emulsion Chemistry”, Focal Press. London, 196
6年、参照)を用いることができる。
【0086】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感およ
びセレン増感のようなカルコゲン増感、金増感およびパ
ラジウム増感のような貴金属増感、並びに還元増感の少
なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工
程で施こすことができる。2種以上の増感法を組み合せ
ることは好ましい。
【0087】どの工程で化学増感するかによって種々の
タイプの乳剤を調製することができる。粒子の内部に化
学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位置にう
め込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作るタイプ
がある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核の場所
を選ぶことができるが、一般に好ましいのは表面近傍に
少なくとも一種の化学増感核を作った場合である。
【0088】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであ
り、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォト
グラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1
977年、(T.H.James、The Theor
y of the Photographic Pro
cess,4th ed,Macmillan,197
7)67〜76頁に記載されるように活性ゼラチンを用
いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロー
ジャー、120巻、1974年4月、12008;リサ
ーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、
13452、米国特許第2,642,361号、同第
3,297,446号、同第3,772,031号、同
第3,857,711、同第3,901,714号、同
第4,266,018号、および同第3,904,41
5号、並びに英国特許第1,315,755号に記載さ
れるようにpAg 5〜10、pH5〜8および温度30〜8
0℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジ
ウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せと
することができる。貴金属増感においては、金、白金、
パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることがで
き、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併
用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウム
クロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫
化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いること
ができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または
4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R
2PdX6またはR2PdX4で表わされる。ここでRは水
素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わ
す。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原
子を表わす。
【0089】具体的には、K2PdCl4、(NH42
dCl6、Na2PdCl4、(NH42PdCl4、Li
2PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4が好ま
しい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸
塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好まし
い。
【0090】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同第4,266,018号および同第4,0
54,457号に記載されている硫黄含有化合物を用い
ることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学
増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザ
インデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、
化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大する
ものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤
改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第
3,411,914号、同第3,554,757号、特
開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真
乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。
【0091】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ま
しいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1
×10-3から5×10-7モルである。チオシアン化合物
あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲は5×10
-2から1×10-6である。
【0092】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1
×10-5〜5×10-7モルである。
【0093】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケ
トン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。
【0094】本発明のハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、
粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、ある
いは化学増感後に還元増感することは好ましい。ここ
で、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添
加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg 1〜7の低pAg の雰
囲気で成長あるいは熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれ
るpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あるいは熟成させる
方法のいずれを選ぶこともできる。また2つ以上の方法
を併用することもできる。
【0095】還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。還元
増感剤としては、例えば、第一錫塩、アスコルビン酸お
よびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物、ボラン化合物が公知である。本発明の還元増感には
これら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、ま
た2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感
剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミ
ンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい
化合物である。還元増感剤の添加量は、乳剤製造条件に
依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀
1モル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0096】還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコ
ール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド
類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加される。
あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子成長の
適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶性銀塩
あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあらかじめ
還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用いてハ
ロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に
伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連
続して長時間添加するのも好ましい方法である。
【0097】ハロゲン化銀乳剤は通常、分光増感され
る。分光増感色素としては、通常メチン色素が用いられ
る。メチン色素には、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
およびヘミオキソノール色素が含有される。これらの色
素類には、塩基性ヘテロ環として、シアニン色素類に通
常利用される環のいずれも適用できる。塩基性ヘテロ環
の例としては、ピロリン環、オキサゾール環、チアゾリ
ン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、セ
レナゾール環、イミダゾール環、テトラゾール環および
ピリジン環を挙げることができる。また、ヘテロ環に脂
環式炭化水素環や芳香族炭化水素環が結合した環も利用
できる。縮合環の例としては、インドレニン環、ベンズ
インドレニン環、インドール環、ベンズオキサゾール
環、ナフトオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベ
ンゾゼレナゾール環およびキノリン環を挙げることがで
きる。これらの環の炭素原子に、置換基が結合していて
もよい。メロシアニン色素または複合メロシアニン色素
には、ケトメチレン構造を有する5員または6員のヘテ
ロ環を適用することができる。そのようなヘテロ環の例
としては、ピラゾリン−5−オン環、チオヒダントイン
環、2−チオオキサゾリジン−2、4−ジオン環、チア
ゾリジン−2,4−ジオン環、ローダニン環およびチオ
バルビツール酸環を挙げることができる。
【0098】増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1モル
当たり0.001〜100ミリモルであることが望まし
く、0.01〜10ミリモルであることが更に好まし
い。増感色素は、好ましくは、化学増感中または化学増
感前(例えば、粒子形成時や物理熟成時)に添加され
る。増感色素とともに、それ自身分光増感作用を示さな
い色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であ
るって強色増感を示す物質を、ハロゲン化銀乳剤に添加
してもよい。このような色素または物質の例には、含窒
素複素環基で置換されたアミノスチル化合物(米国特許
2933390号および同3635721号各明細書に
記載)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(米国特
許3743510号明細書に記載)、カドミウム塩およ
びアザインデン化合物が含まれる。増感色素と上記色素
または物質との組み合わせについては、米国特許361
5613号、同3615641号、同3617295号
および同3635721号各明細書に記載がある。
【0099】ハロゲン化銀乳剤は、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含
有させることができる。このような化合物の例には、ア
ゾール類(例、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾ
ール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベン
ゾイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換
体);ヘテロ環メルカプト化合物類(例、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン
類);カルボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有
する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオケト化合
物(例、オキサゾリンチオン);アザインデン類(例、
テトラアザインデン類(特に、4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a、7)テトラアザインデン類));ベン
ゼンチオスルホン酸類およびベンゼンスルフィン酸が含
まれる。一般にこれらの化合物は、カブリ防止剤または
安定剤として知られる。カブリ防止剤または安定剤の添
加時期は、通常、化学増感を施した後に行なわれる。し
かし、化学増感の途中または化学増感の開始以前の時期
の中から選ぶこともできる。すなわち、ハロゲン化銀乳
剤粒子形成過程において、銀塩溶液の添加中でも、添加
後から化学増感開始までの間でも、化学増感の途中(化
学増感時間中、好ましくは開始から50%までの時間内
に、より好ましくは20%までの時間内)でもよい。
【0100】ハロゲン化銀写真材料の層構成について特
に制限はない。ただし、カラー写真材料の場合は、青
色、緑色および赤色光を別々に記録するために多層構造
を有する。各ハロゲン化銀乳剤層は、高感度層と低感度
層の二層からなっていてもよい。実用的な層構成の例を
下記(1)〜(6)に挙げる。 (1)BH/BL/GH/GL/RH/RL/S (2)BH/BM/BL/GH/GM/GL/RH/R
M/RL/S (3)BH/BL/GH/RH/GL/RL/S (4)BH/GH/RH/BL/GL/RL/S (5)BH/BL/CL/GH/GL/RH/RL/S (6)BH/BL/GH/GL/CL/RH/RL/S Bは青色感性層、Gは緑色感性層、Rは赤色感性層、H
は最高感度層、Mは中間感度層、Lは低感度層、Sは支
持体、CLは重層効果付与層である。保護層、フィルタ
ー層、中間層、ハレーション層、中間層、ハレーション
防止層や下引層のような非感光性層は省略してある。同
一感色性の高感度層と低感度層を逆転して配置してもよ
い。(3)については、米国特許4184876号明細
書に記載がある。(4)については、RD−22534、
特開昭59−177551号および同59−17755
2号各公報に記載がある。また、(5)と(6)につい
ては、特開昭61−34541号公報に記載がある。好
ましい層構成は(1)、(2)および(4)である。
【0101】本発明のハロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲ
ン化銀写真感光材料(例えば、Xレイ感光材料、リス型
感光材料、黒白撮影用ネガフィルムなど)やカラー写真
感光材料(例えば、カラーネガフィルム、カラー反転フ
ィルム、カラーペーパー等)に用いることができる。さ
らに、拡散転写用感光材料(例えば、カラー拡散転写要
素、銀塩拡散転写要素)、熱現像感光材料(黒白、カラ
ー)等にも用いることができる。
【0102】本発明の乳剤は、多層からなるカラー感光
材料において用いることにより、その写真性能をより発
揮することができるので好ましい。本発明の乳剤は、い
ずれもの感光性層において用いることができるが、特に
赤感光性層または緑感光性層で用いることが好ましく、
赤感光性層で用いることがさらに好ましい。
【0103】ハロゲン化銀乳剤の種々の添加剤(例、バ
インダー、化学増感剤、分光増感剤、安定剤、ゼラチン
硬化剤、界面活性剤、帯電防止剤、ポリマーラテック
ス、マット剤、カラーカプラー、紫外線吸収剤、退色防
止剤、染料)、写真材料の支持体および写真材料の処理
方法(例、塗布方法、露光方法、現像処理方法)につい
ては、リサーチディスクロージャー176巻、アイテム
17643(RD−17643)、同187巻、アイテム
18716(RD−18716)および同225巻、アイ
テム22534(RD−22534)の記載を参考にする
ことができる。
【0104】これらリサーチ・ディスクロージャーの記
載を、以下の一覧表に示す。 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD22534 1 化学増感剤 23項 648項右欄 24項 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤 23〜24項 648項右欄〜 24〜28項 強色増感剤 649項右欄 4 増白剤 24項 5 カブリ防止剤 24〜25項 649項右欄〜 24項、31項 および安定剤 6 光吸収剤、フ 25〜26項 649項右欄〜 ィルター染料 650項左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25項右欄 650項左〜右欄 8 色素画像安定剤 25項 32項 9 硬膜剤 26項 651項左欄 28項 10バインダー 26項 同上 11可塑剤、潤滑剤 27項 650項右欄 12塗布助剤、表面 26〜27項 同上 活性剤 13スタチック防止剤 27項 同上 14カラーカプラー 25項 649項 31項
【0105】ゼラチン硬化剤としては、例えば、活性ハ
ロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒトロキシ−
1,3,5−トリアジンおよびそのナトリウム塩など)
および活性ビニル化合物(1,3−ビスビニルスルホニ
ル−2−プロパノール、1,2−ビス(ビニルスルホニ
ルアセトアミド)エタンあるいはビニルスルホニル基を
側鎖に有するビニル形ポリマーなど)は、ゼラチンなど
親水性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を与える
ので好ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩類(1
−モルホリノカルボニル−3−ピリジニオ)メタンスル
ホネナートなど)やハロアミジニウム塩類(1−(1−
クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−
ナフタレンスルホナートなど)も硬化速度が早く優れて
いる。カラー写真材料は、RD. No.17643の28
〜29項、および同No.18716の651左欄〜右欄
に記載された通常の方法によって現像処理することがで
きる。カラー写真感光材料は、現像、漂白定着もしくは
定着処理の後に、通常、水洗処理または安定化処理を施
す。水洗工程は二槽以上の槽を向流水洗にし、節水する
のが一般的である。安定化処理としては水洗工程のかわ
りに特開昭57−8543号公報記載のような多段向流
安定化処理が代表例として挙げられる。
【0106】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。但
し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0107】(実施例1) (乳剤aの調製)臭化カリウム0.064g、平均分子
量20000の低分子量酸化処理ゼラチン1.19gを
含む水溶液845mlを35℃に保ち攪拌した。硝酸銀
(0.089g)水溶液28.7mlと臭化カリウム
(0.207g)と平均分子量20000の低分子量酸
化処理ゼラチン(0.034g)を含む水溶液37.7
mlを52秒間にわたり添加してハロゲン化銀粒子の核
形成を行なった。核形成時のハロゲン化銀濃度は、0.
00058Mであった。その後、75℃に昇温して熟成
した。このときのハロゲン化銀濃度は、核形成時と同じ
0.00058Mであった。臭化カリウム0.92gを
含む水溶液9mlを添加した後、平均分子量10000
0の琥珀化ゼラチン8gを含む水溶液65mlを添加し
た後、カテコールジスルホン酸ナトリウム塩を6g含む
水溶液100mlを添加した。その後、第1成長として
硝酸銀(12.1g)水溶液427mlと等モル濃度の
臭化カリウム水溶液(沃化物3モル%、平均分子量20
000の低分子量酸化処理ゼラチン7.6gを含む)を
図2に示した密閉型攪拌槽の槽壁を貫通する回転軸をも
たず、磁気カップリングで連結される攪拌羽根を逆向き
に回転する混合器に添加して調製したハロゲン化銀微粒
子を連続的に反応容器に添加した。銀電位は臭化カリウ
ム水溶液を別途添加して、飽和カロメル電極に対して0
mVに保った。添加した微粒子の数平均円相当径は0.
015μm、円相当径の変動係数は28%であった。途
中で六塩化イリジウム酸カリウム(0.1mg)を含む
水溶液5mlを添加した。硝酸銀水溶液の添加終了時に
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム(1mg)を含む水
溶液5mlを添加した。その後、第2成長として硝酸銀
(49.0g)水溶液408mlと等モル濃度の臭化カ
リウム水溶液(沃化物3モル%、平均分子量20000
の低分子量酸化処理ゼラチン30.7gを含む)を第1
成長と同様の混合器を用いて調製し、反応容器に添加し
た。銀電位は臭化カリウム水溶液を別途添加して、飽和
カロメル電極に対して0mVに保った。添加した微粒子
の数平均円相当径は0.017μm、円相当径の変動係
数は36%であった。さらに第3成長を第2成長とまっ
たく同様な条件で添加した。この後、ゼラチン7gを含
む水溶液50mlを添加した。このゼラチンは牛骨を原
料とするアルカリ処理オセイン1番抽出ゼラチン(PA
GI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が
2.5%、低分子量成分が60.0%)を架橋したゼラ
チンである。PAGI法により測定された分子量分布
は、高分子量成分が12.4%、低分子量成分が48.
3%である。温度を40℃に降温した後、フェノキシエ
タノール3.88mlを添加し、さらに沃化カリウム
(0.11g)水溶液10mlを添加した。増感色素
I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被服量の
70%の比率で添加した。但し、増感色素は特開平11
−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物と
して使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部お
よび硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質
量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の
条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分
間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。
ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウム(1.3m
g)を含む水溶液7.5mlを添加した後、硝酸銀
(5.1g)水溶液50mlと臭化カリウム(1.9
g)と沃化カリウム(0.35g)と塩化ナトリウム
(1.53g)を含む水溶液を50ml2分間にわたっ
てダブルジェット法で添加した。
【0108】次いで、エピタキシャル部形態安定化剤I
(40mg)6mlを添加した。その後、通常の水洗を
行なった。この時、35℃に保った。前述のゼラチン3
7.5gを添加した後、40℃でpHを6.5に、銀電
位を塩化ナトリウム水溶液を用いて飽和カロメル電極に
対して80mVに調整した。エピタキシャル部形態安定
化剤II(3mg)を添加した後、68℃に昇温し、ハロ
ゲン化銀1モルに対して、チオシアン酸カリウム(0.
7×10-4モル)、塩化金酸(1.4×10-6モル)、
チオ硫酸ナトリウム(0.5×10-5モル)およびN,
N‘−ジメチルセレノ尿素(1.2×10-6モル)を添
加し最適に化学増感を施した。被り防止剤I(8.3×
10-4モル)を添加して化学増感を終了した。
【0109】
【化1】
【0110】(乳剤bの調製)臭化カリウム0.128
g、平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン
2.38gを含む水溶液1691mlを35℃に保ち攪
拌した。硝酸銀(0.178g)水溶液47.4mlと
臭化カリウム(0.414g)と平均分子量20000
の低分子量酸化処理ゼラチン(0.068g)を含む水
溶液75.3mlを52秒間にわたり添加してハロゲン
化銀粒子の核形成を行なった。核形成時のハロゲン化銀
濃度は、0.00058Mであった。その後、75℃に
昇温して熟成した。このときのハロゲン化銀濃度は、核
形成時と同じ0.00058Mであった。臭化カリウム
1.83gを含む水溶液18mlを添加した後、平均分
子量100000の琥珀化ゼラチン16gを含む水溶液
130mlを添加した後、カテコールジスルホン酸ナト
リウム塩を12g含む水溶液200mlを添加した。こ
の昇温中に限外濾過を行なった。限外濾過装置の限外濾
過モジュールは、旭化成製中空糸膜SLP−1053
(分画分子量:10000)を用いた。このときの還流
流量は、5l/minであり、供給圧力は0.03MP
a、還流圧力は0.01MPaおよび透過圧力は0MP
aであり、透過流量は40〜60cc/minで行なった。その
後、第1成長として硝酸銀(24.2g)水溶液854
mlと等モル濃度の臭化カリウム水溶液(沃化物3モル
%、平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン
15.1gを含む)を図2に示した密閉型攪拌槽の槽壁
を貫通する回転軸をもたず、磁気カップリングで連結さ
れる攪拌羽根を逆向きに回転する混合器に添加して調製
したハロゲン化銀微粒子を連続的に反応容器に添加し
た。銀電位は臭化カリウム水溶液を別途添加して、飽和
カロメル電極に対して0mVに保った。添加した微粒子
の数平均円相当径は0.015μm、円相当径の変動係
数は28%であった。この第1成長と並行して上記と同
様な条件で限外濾過を行なった。途中で六塩化イリジウ
ム酸カリウム(0.2mg)を含む水溶液10mlを添
加した。硝酸銀水溶液の添加終了時にベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム(2mg)を含む水溶液10mlを添
加した。その後、第2成長として硝酸銀(98.0g)
水溶液816mlと等モル濃度の臭化カリウム水溶液
(沃化物3モル%、平均分子量20000の低分子量酸
化処理ゼラチン61.3gを含む)を第1成長と同様の
混合器を用いて調製し、反応容器に添加した。銀電位は
臭化カリウム水溶液を別途添加して、飽和カロメル電極
に対して0mVに保った。添加した微粒子の数平均円相
当径は0.017μm、円相当径の変動係数は36%で
あった。この第2成長と並行して限外濾過を行なった。
限外濾過の条件は第1成長と同様に行なった。さらに第
3成長を第2成長とまったく同様な条件で添加し、並行
して上記と同様な条件で限外濾過を行なった。この時点
で液量は3500mLであった。この後、ゼラチン14
gを含む水溶液100mlを添加した。このゼラチンは
牛骨を原料とするアルカリ処理オセイン1番抽出ゼラチ
ン(PAGI法により測定された分子量分布は、高分子
量成分が2.5%、低分子量成分が60.0%)を架橋
したゼラチンである。PAGI法により測定された分子
量分布は、高分子量成分が12.4%、低分子量成分が
48.3%である。温度を40℃に降温した後、フェノ
キシエタノール7.76mlを添加し、さらに沃化カリ
ウム(0.21g)水溶液20mlを添加した。増感色
素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被服量
の70%の比率で添加した。但し、増感色素は特開平1
1−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物
として使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部
および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43
質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃
の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20
分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得
た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウム(2.6
mg)を含む水溶液15mlを添加した後、硝酸銀(1
0.1g)水溶液100mlと臭化カリウム(3.7
g)と沃化カリウム(0.7g)と塩化ナトリウム
(3.06g)を含む水溶液を100ml2分間にわた
ってダブルジェット法で添加した。
【0111】次いで、エピタキシャル部形態安定化剤I
(80mg)12mlを添加した。この時点での液容量
は4180mlである。その後、通常の水洗を行なっ
た。この時、35℃に保った。前述のゼラチン77gを
添加した後、40℃でpHを6.5に、銀電位を塩化ナ
トリウム水溶液を用いて飽和カロメル電極に対して80
mVに調整した。エピタキシャル部形態安定化剤II(6
mg)を添加した後、68℃に昇温し、ハロゲン化銀1
モルに対して、チオシアン酸カリウム(0.7×10-4
モル)、塩化金酸(1.4×10-6モル)、チオ硫酸ナ
トリウム(0.5×10-5モル)およびN,N‘−ジメ
チルセレノ尿素(1.2×10-6モル)を添加し最適に
化学増感を施した。被り防止剤I(8.3×10-4
ル)を添加して化学増感を終了した。
【0112】(乳剤c〜lの調製)下表1のように、核
形成温度、核形成の硝酸銀、臭化カリウムおよび低分子
量酸化処理ゼラチン量を変化させ、乳剤c、e、g、
i、kは乳剤aと、乳剤d、f、h、j、lは乳剤bと
同様にして、乳剤c〜lを調製した。
【0113】
【表1】
【0114】表1の結果から明らかなように、核形成温
度を下げると平均平板厚みが減少するとともに、円相当
径の変動係数も減少する。さらに、核形成工程および熟
成工程におけるハロゲン化銀濃度を下げることでさら
に、平均平板厚みが減少するとともに、円相当径の変動
係数も減少したハロゲン化銀粒子が得られている。
【0115】乳剤a〜lは、全投影面積の90%以上が
最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有す
る辺の長さの比が1.5以下である六角形平板粒子であ
り、6つの頂点部全てにエピタキシャル接合を有してい
た。低温での透過電子顕微鏡の観察の結果、全投影面積
の90%以上の粒子がエピタキシャル部以外の主平面部
には転位線を持たず、かつエピタキシャル部の網目状の
転位線を有していた。本粒子は12モル%の沃化銀を含
有する最外層が銀換算で12%の粒子である。エピタキ
シャル部は銀換算で4.5%であり組成はAgBr(5
2)Cl(40)I(8)である。また投影面積の90
%以上が平均塩化銀含有率および平均沃化銀含有率に対
して30%以内の範囲に入っていた。
【0116】下塗り層を設けてある三酢酸セルロースフ
ィルム支持体に下記表2に示す塗布条件で上記化学増感
を施した乳剤に保護層を設けて塗布し、試料No.80
1〜812を作成した。 表2 乳剤塗布条件
【0117】
【表2】
【0118】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下に14時間放置した。その後、富士フィルム
(株)製ゼラチンフィルターSC−50と連続ウェッジ
を通して1/100秒間露光した。富士写真フィルム
(株)製ネガプロセサーFP−350を用い、以下に記
載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3
倍になるまで)処理した。
【0119】 (処理方法) 工 程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38℃ 45mL 漂 白 1分00秒 38℃ 20mL 漂白液オーバーフローは漂白定着 タンクに全量流入 漂白定着 3分15秒 38℃ 30mL 水洗(1) 40秒 35℃ (2) から(1) への向流配管方式 水洗(2) 1分00秒 35℃ 30mL 安 定 40秒 38℃ 20mL 乾 燥 1分15秒 55℃ *補充量は35mm幅1.1m長さ当たり(24Ex.1本相当)。
【0120】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 ヨウ化カリウム 1.5mg − ヒドロキシアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−[N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ] −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.10。
【0121】 (漂白液) タンク液、補充液共通(単位 g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 100.0 硝酸アンモニウム 10.0 漂白促進剤 0.005モル (CH32N-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-N(CH32 ・2HCl アンモニア水(27%) 15.0mL 水を加えて 1.0L pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.3。
【0122】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 50.0 − エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/L) 240.0 mL 400.0 mL アンモニア水(27%) 6.0 mL − 水を加えて 1.0 L 1.0 L pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.2 7.3。
【0123】(水洗液) タンク液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型ア
ニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充
填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシ
ウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩
化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナト
リウム0.15g/Lを添加した。この液のpHは6.
5〜7.5の範囲にあった。
【0124】 (安定液) タンク液、補充液共通(単位 g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。 処理済みの試料を緑色フィルタ−で濃度測定した。また
露光前に50℃、相対湿度60%の条件に14日保存し
た試料についても同様の評価を行い保存性について評価
した。以上により得られた、かぶりプラス0.2の濃度
での感度値、かぶり値を表−3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】感度は、被りプラス濃度2.0ときの感度
を示し、No.801の感度を100とした相対値とし
て示した。
【0127】表3の結果から明らかなように、核形成温
度を下げると感度/被り比が向上する。さらに、核形成
工程および熟成工程におけるハロゲン化銀濃度を下げる
ことでさらに、効果が得られている。
【0128】(実施例2)多層カラ−写真感光材料にお
いて、本発明の製造方法で製造されたハロゲン化銀乳剤
の効果を示す。以下の製法によりハロゲン化銀乳剤Em
−AからEm−Mを調製した。 (Em−Aの製法)フタル化率97%のフタル化した分
子量15000の低分子量ゼラチン31.7g、KBr
31.7gを含む水溶液42.2Lを35℃に保ち激し
く攪拌した。AgNO3316.7gを含む水溶液15
83mLとKBr221.5g、分子量15000の低
分子量ゼラチン52.7gを含む水溶液1583mLを
ダブルジェット法で1分間に渡り添加した。添加終了
後、直ちにKBr52.8gを加えて、AgNO339
8.2gを含む水溶液2485mLとKBr291.1
gを含む水溶液2581mLをダブルジェット法で2分
間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr44.8
gを添加した。その後、40℃に昇温し、熟成した。熟
成終了後、フタル化率97%のフタル化した分子量10
0000のゼラチン923gとKBr79.2gを添加
し、AgNO35103gを含む水溶液15947mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流
量の1.4倍になるように流量加速して10分間に渡り
添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して
−60mVに保った。水洗した後、ゼラチンを加えpH
5.7、pAg8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の質
量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整し、種
乳剤とした。
【0129】フタル化率97%のフタル化ゼラチン46
g、KBr1.7gを含む水溶液1211mLを75℃
に保ち激しく攪拌した。前述した種乳剤を9.9g加え
た後、変成シリコンオイル(日本ユニカ−株式会社製
品、L7602)を0.3g添加した。H2SO4を添加
してpHを5.5に調整した後、AgNO37.0gを
含む水溶液67.6mLとKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量
加速して6分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和
カロメル電極に対して−20mVに保った。ベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mg
を添加した後、AgNO3105.6gを含む水溶液3
28mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量
が初期流量の3.7倍になるように流量加速して56分
間に渡り添加した。この時、0.037μmの粒子サイ
ズのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が27mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を
飽和カロメル電極に対して−50mVに保った。AgN
345.6gを含む水溶液121.3mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で22分間に渡り添加した。こ
の時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+20mVに
保った。
【0130】82℃に昇温し、KBrを添加して銀電位
を−80mVに調整した後、前述したAgI微粒子乳剤
をKI質量換算で6.33g添加した。添加終了後、直
ちに、AgNO366.4gを含む水溶液206.2m
Lを16分間に渡り添加した。添加初期の5分間はKB
r水溶液で銀電位を−80mVに保った。水洗した後、
ゼラチンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.7に
調整した。化合物11および12を添加した後、60℃
に昇温した。増感色素11および12を添加した後に、
チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウ
ム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学
増感した。化学増感終了時に化合物13および化合物1
4を添加した。ここで、最適に化学増感するとは、増感
色素ならびに各化合物をハロゲン化銀1molあたり1
-1から10-8molの添加量範囲から選択したことを
意味する。
【0131】
【化2】
【0132】
【化3】
【0133】
【化4】
【0134】
【化5】
【0135】
【化6】
【0136】
【化7】
【0137】(Em−Bの製法)低分子量ゼラチン0.
96g、KBr0.9gを含む水溶液1192mLを4
0℃に保ち、激しく攪拌した。AgNO31.49gを
含む水溶液37.5mLとKBrを1.05g含む水溶
液37.5mLをダブルジェット法で30秒間に渡り添
加した。KBrを1.2g添加した後、75℃に昇温し
熟成した。熟成終了後、アミノ基をトリメリット酸で化
学修飾した分子量100000のトリメリット化ゼラチ
ン、35gを添加し、pHを7に調整した。二酸化チオ
尿素6mgを添加した。AgNO329gを含む水溶液
116mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流
量が初期流量の3倍になるように流量加速して添加し
た。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20
mVに保った。AgNO3110.2gを含む水溶液4
40.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終
流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して3
0分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用
したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が15.8mo
l%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電
位を飽和カロメル電極に対して0mVに保った。AgN
324.1gを含む水溶液96.5mLとKBr水溶
液をダブルジェット法で3分間に渡り添加した。この
時、銀電位を0mVに保った。エチルチオスルホン酸ナ
トリウム26mgを添加した後、55℃に降温し、KB
r水溶液を添加し銀電位を−90mVに調整した。前述
したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で8.5g添加し
た。添加終了後、直ちにAgNO357gを含む水溶液
228mLを5分間に渡り添加した。この時、添加終了
時の電位が+20mVになるようにKBr水溶液で調整
した。Em−Aとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0138】(Em−Cの製法)1g当たり35μmo
lのメチオニンを含有する分子量100000のフタル
化率97%のフタル化ゼラチン1.02g、KBr
0.9gを含む水溶液1192mLを35℃に保ち、激
しく攪拌した。AgNO34.47gを含む水溶液、4
2mLとKBr3.16g含む水溶液、42mLをダブ
ルジェット法で9秒間に渡り添加した。KBrを2.6
g添加した後、63℃に昇温し、熟成した。熟成終了
後、Em−Bの調製で使用した分子量100000のト
リメリット化ゼラチン41.2gとNaCl 18.5
gを添加した。pHを7.2に調整した後、ジメチルア
ミンボラン8mgを添加した。AgNO326gを含む
水溶液203mLとKBr水溶液をダブルジェット法で
最終流量が初期流量の3.8倍になるように添加した。
この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−30mV
に保った。
【0139】AgNO3110.2gを含む水溶液44
0.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流
量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して24
分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用し
たAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が2.3mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を
飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。1Nの
チオシアン酸カリウム水溶液10.7mLを添加した
後、AgNO324.1gを含む水溶液153.5mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で2分30秒間に渡
り添加した。この時、銀電位を10mVに保った。KB
r水溶液を添加して銀電位を−70mVに調整した。前
述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.4g添加
した。添加終了後、直ちにAgNO357gを含む水溶
液404mLを45分間に渡り添加した。この時、添加
終了時の電位が−30mVになるようにKBr水溶液で
調整した。Em−Aとほぼ同様に水洗し、化学増感し
た。 (Em−Dの製法)Em−Cの調製において核形成時の
AgNO3添加量を2.3倍に変更した。そして、最終
のAgNO357gを含む水溶液404mLの添加終了
時の電位が+90mVになるようにKBr水溶液で調整
するように変更した。それ以外はEm−Cとほぼ同様に
して調製した。
【0140】(Em−Eの製法)分子量15000の低
分子量ゼラチン0.75g、KBr 0.9g、Em−
Aの調製で使用した変成シリコンオイル0.2gを含む
水溶液1200mLを39℃に保ち、pHを1.8に調
整し激しく攪拌した。AgNO30.45gを含む水溶
液と1.5mol%のKIを含むKBr水溶液をダブル
ジェット法で16秒間に渡り添加した。この時、KBr
の過剰濃度を一定に保った。54℃に昇温し熟成した。
熟成終了後、1g当たり35μmolのメチオニンを含
有する分子量100000のフタル化率97%のフタル
化ゼラチン20gを添加した。pHを5.9に調整した
後、KBr2.9gを添加した。AgNO328.8g
を含む水溶液288mLとKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で53分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調
製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.
1mol%になるように同時に添加し、かつ銀電位を飽
和カロメル電極に対して−60mVに保った。KBr
2.5gを添加した後、AgNO387.7gを含む水
溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初
期流量の1.2倍になるように流量加速して63分間に
渡り添加した。この時、上述のAgI微粒子乳剤をヨウ
化銀含有率が10.5mol%になるように同時に流量
加速して添加し、かつ銀電位を−70mVに保った。
【0141】二酸化チオ尿素1mgを添加した後、Ag
NO341.8gを含む水溶液132mLとKBr水溶
液をダブルジェット法で25分間に渡り添加した。添加
終了時の電位を+20mVになるようにKBr水溶液の
添加を調整した。ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2
mgを添加した後、pHを7.3に調整した。KBrを
添加して銀電位を−70mVに調整した後、上述のAg
I微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加した。添
加終了後、直ちにAgNO366.4gを含む水溶液6
09mLを10分間に渡り添加した。添加初期の6分間
はKBr水溶液で銀電位を−70mVに保った。水洗し
た後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg
8.2に調整した。化合物11および12を添加した
後、56℃に昇温した。上述したAgI微粒子乳剤を銀
1molに対して0.0004mol添加した後、増感
色素13および14を添加した。チオシアン酸カリウ
ム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチル
セレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終
了時に化合物13および14を添加した。
【0142】
【化8】
【0143】
【化9】
【0144】(Em−Fの製法)Em−Eの調製におい
て核形成時のAgNO3添加量を4.12倍に変更した
以外はEm−Eとほぼ同様にして調製した。但しEm−
Eの増感色素を増感色素12、15、16および17に
変更した。
【0145】
【化10】
【0146】
【化11】
【0147】
【化12】
【0148】(Em−Gの製法)分子量15000の低
分子量ゼラチン0.70g、KBr 0.9g、KI
0.175g、Em−Aの調製で使用した変成シリコン
オイル0.2gを含む水溶液1200mLを33℃に保
ち、pHを1.8に調製し激しく攪拌した。AgNO3
1.8gを含む水溶液と3.2mol%のKIを含むK
Br水溶液をダブルジェット法で9秒間に渡り添加し
た。この時、KBrの過剰濃度を一定に保った。62℃
に昇温し熟成した。熟成終了後、1g当たり35μmo
lのメチオニンを含有する分子量100000のアミノ
基をトリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼラ
チン27.8gを添加した。pHを6.3に調製した
後、KBr2.9gを添加した。AgNO327.58
gを含む水溶液270mLとKBr水溶液をダブルジェ
ット法で37分間に渡り添加した。この時、分子量15
000の低分子量ゼラチン水溶液とAgNO3水溶液と
KI水溶液を特開平10−43570号に記載の磁気カ
ップリング誘導型攪拌機を有する別のチャンバ−内で添
加前直前混合して調製した粒子サイズ0.008μmの
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.1mol%に
なるように同時に添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電
極に対して−60mVに保った。
【0149】KBr2.6gを添加した後、AgNO3
87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェッ
ト法で最終流量が初期流量の3.1倍になるように流量
加速して49分間に渡り添加した。この時、上述の添加
前直前混合して調製したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含
有率が7.9mol%になるように同時に流量加速し、
かつ銀電位を−70mVに保った。二酸化チオ尿素、1
mgを添加した後、AgNO341.8gを含む水溶液
132mLとKBr水溶液をダブルジェット法で20分
間に渡り添加した。添加終了時の電位を+20mVにな
るようにKBr水溶液の添加を調整した。78℃に昇温
し、pHを9.1に調整した後、KBrを添加して電位
を−60mVにした。Em−Aの調製で使用したAgI
微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加した。添加
終了後、直ちにAgNO366.4gを含む水溶液32
1mLを4分間に渡り添加した。添加初期の2分間はK
Br水溶液で銀電位を−60mVに保った。Em−Fと
ほぼ同様に水洗し、化学増感した。 (Em−Hの製法)イオン交換した分子量100000
のゼラチン17.8g、KBr6.2g、KI 0.4
6gを含む水溶液を45℃に保ち激しく攪拌した。Ag
NO311.85gを含む水溶液とKBrを3.8g含
む水溶液をダブルジェット法で45秒間に渡り添加し
た。63℃に昇温後、イオン交換した分子量10000
0のゼラチン24.1gを添加し、熟成した。熟成終了
後、AgNO3133.4gを含む水溶液とKBr水溶
液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の2.6倍
になるように20分間に渡って添加した。この時、銀電
位を飽和カロメル電極に対して+40mVに保った。
【0150】また添加開始10分後にK2IrCl6
0.1mg添加した。NaClを7g添加した後、Ag
NO3を45.6g含む水溶液とKBr水溶液をダブル
ジェット法で12分間に渡って添加した。この時、銀電
位を+90mVに保った。また添加開始から6分間に渡
って黄血塩を29mg含む水溶液100mLを添加し
た。KBrを14.4g添加した後、Em−Aの調製で
使用したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.3g添
加した。添加終了後、直ちにAgNO342.7gを含
む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で11分間
に渡り添加した。この時、銀電位を+90mVに保っ
た。Em−Fとほぼ同様に水洗し、化学増感した。 (Em−Iの製法)Em−Hの調製において核形成時の
温度を35℃に変更した以外はほぼ同様にして調製し
た。
【0151】(Em−Jの製法)フタル化率97%の分
子量100000のフタル化ゼラチン0.38g、KB
r 0.9gを含む水溶液1200mLを60℃に保
ち、pHを2に調整し激しく攪拌した。AgNO31.
96gを含む水溶液とKBr 1.67g、KI 0.
172gを含む水溶液をダブルジェット法で30秒間に
渡り添加した。熟成終了後、1g当たり35μmolの
メチオニンを含有する分子量100000のアミノ基を
トリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼラチン
12.8gを添加した。pHを5.9に調整した後、K
Br2.99g、NaCl 6.2gを添加した。Ag
NO327.3gを含む水溶液60.7mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で31分間に渡り添加した。こ
の時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに
保った。AgNO365.6gを含む水溶液とKBr水
溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の2.1
倍になるように流量加速して37分間に渡り添加した。
この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤を
ヨウ化銀含有量が6.5mol%になるように同時に流
量加速して添加し、かつ銀電位を−50mVに保った。
【0152】二酸化チオ尿素1.5mgを添加した後、
AgNO341.8gを含む水溶液132mLとKBr
水溶液をダブルジェット法で13分間に渡り添加した。
添加終了時の銀電位を+40mVになるようにKBr水
溶液の添加を調整した。ベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム2mgを添加した後、KBrを添加して銀電位を−
100mVに調整した。上述のAgI微粒子乳剤をKI
質量換算で6.2g添加した。添加終了後、直ちにAg
NO388.5gを含む水溶液300mLを8分間に渡
り添加した。添加終了時の電位が+60mVになるよう
にKBr水溶液の添加で調整した。水洗した後、ゼラチ
ンを添加し40℃でpH6.5、pAg8.2に調整し
た。化合物11および12を添加した後、61℃に昇温
した。増感色素18、19、20および21を添加した
後、K2IrCl6、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、
チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを
添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物1
3および14を添加した。
【0153】
【化13】
【0154】
【化14】
【0155】
【化15】
【0156】
【化16】
【0157】(Em−Kの製法)分子量15000の低
分子量ゼラチン4.9g、KBr5.3gを含む水溶液
1200mLを60℃に保ち激しく攪拌した。AgNO
38.75gを含む水溶液27mLとKBr6.45g
を含む水溶液36mLを1分間に渡りダブルジェット法
で添加した。75℃に昇温した後、AgNO36.9g
を含む水溶液21mLを2分間に渡り添加した。NH4
NO326g、1N、NaOH56mLを順次、添加し
た後、熟成した。熟成終了後pHを4.8に調製した。
AgNO3141gを含む水溶液438mLとKBrを
102.6g含む水溶液458mLをダブルジェット法
で最終流量が初期流量の4倍になるように添加した。5
5℃に降温した後、AgNO37.1gを含む水溶液2
40mLとKIを6.46g含む水溶液をダブルジェッ
ト法で5分間に渡り添加した。KBrを7.1g添加し
た後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム4mgとK2
IrCl60.05mg添加した。AgNO357.2g
を含む水溶液177mLとKBr40.2gを含む水溶
液223mLを8分間に渡ってダブルジェット法で添加
した。Em−Jとほぼ同様に水洗し、化学増感した。 (Em−Lの製法)Em−Kの調製において核形成時の
温度を40℃に変更した以外は、ほぼ同様にして調製し
た。 (Em−Mの製法)Em−Jとほぼ同様にして調製し
た。但し化学増感はEm−Fとほぼ同様の方法で行っ
た。Em−AからEm−Mのハロゲン化銀乳剤の特性値
を表−4にまとめて示した。 表−4
【0158】
【表4】
【0159】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。
【0160】ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリ
マー100質量部と紫外線吸収剤としてTinuvin
P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社
製)2質量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T
型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行
い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに
250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN(ポ
リエチレンナフタレート)フィルムを得た。なおこのP
ENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロ
ー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載のI
−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−2
7、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cm
のステンレス巻き芯に巻き付けて、110℃、48時間
の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0161】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2、ソウジウムα−スルホジ−2−
エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチ
ル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g
/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH
20.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン
重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10c
c/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面
側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾー
ンのローラーや搬送装置はすべて115℃となってい
る)。
【0162】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。 3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチ
ン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2
HCO)2 CH20.02g/m2、ポリ(重合度10)
オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/
2及びレゾルシンと塗布した。
【0163】3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15質量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu
/g、Fe2+/Fe3+=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2質量%で処理されている)0.06
g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄
の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、
硬化剤としてC22C(CH2 OCONH−C63(C
3)NCO)30.3g/m2を、溶媒としてアセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを用いてバ
ーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録層を得
た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−ポ
リ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリ
メトキシシラン(15質量%)で処理被覆された研磨剤
の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ10mg/m
2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施し
た(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDBの色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽
和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3×
104A/m、角形比は65%であった。
【0164】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C613CH
(OH)C1020COOC4081(化合物a,6mg/
2)/C50101O(CH2CH2O)16H(化合物b,
9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物
は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/
1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチ
ルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、ア
セトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから
添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と
研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で被覆され
た酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15mg/m
2となるように添加した。乾燥は115℃、6分行った
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステ
ンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静
摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面
と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であっ
た。
【0165】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガ感光材料である試料9
01を作成した。 (感光層の組成)各層に使用する素材の主なものは下記
のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている)各成分に対応
する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロ
ゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。
【0166】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.155 0.07μmの表面かぶらせAgBrI(2) 銀 0.01 ゼラチン 0.87 ExC−1 0.002 ExC−3 0.002 Cpd−2 0.001 HBS−1 0.004 HBS−2 0.002。 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.066 ゼラチン 0.407 ExM−1 0.050 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.074 固体分散染料 ExF−2 0.015 固体分散染料 ExF−3 0.020。
【0167】 第3層(中間層) 0.07μmのAgBrI(2) 0.020 ExC−2 0.022 ポリエチルアクリレートラテックス 0.085 ゼラチン 0.294。 第4層(低感度赤感乳剤層) 実施例1の乳剤a 銀 0.323 ExC−1 0.109 ExC−3 0.044 ExC−4 0.072 ExC−5 0.011 ExC−6 0.003 Cpd−2 0.025 Cpd−4 0.025 HBS−1 0.17 ゼラチン 0.80。
【0168】 第5層(中感度赤感乳剤層) Em−K 銀 0.21 Em−L 銀 0.62 ExC−1 0.14 ExC−2 0.026 ExC−3 0.020 ExC−4 0.12 ExC−5 0.016 ExC−6 0.007 Cpd−2 0.036 Cpd−4 0.028 HBS−1 0.16 ゼラチン 1.18。 第6層(高感度赤感乳剤層) Em−J 銀 1.47 ExC−1 0.18 ExC−3 0.07 ExC−6 0.029 ExC−7 0.010 ExY−5 0.008 Cpd−2 0.046 Cpd−4 0.077 HBS−1 0.25 HBS−2 0.12 ゼラチン 2.12。
【0169】 第7層(中間層) Cpd−1 0.089 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.83 ゼラチン 0.84。 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) Em−E 銀 0.560 Cpd−4 0.030 ExM−2 0.096 ExM−3 0.028 ExY−1 0.031 ExG−1 0.006 HBS−1 0.085 HBS−3 0.003 ゼラチン 0.58。
【0170】 第9層(低感度緑感乳剤層) Em−G 銀 0.39 Em−H 銀 0.28 Em−I 銀 0.35 ExM−2 0.36 ExM−3 0.045 ExG−1 0.005 HBS−1 0.28 HBS−3 0.01 HBS−4 0.27 ゼラチン 1.39。 第10層(中感度緑感乳剤層) Em−F 銀 0.20 Em−G 銀 0.25 ExC−6 0.009 ExM−2 0.031 ExM−3 0.029 ExY−1 0.006 ExM−4 0.028 ExG−1 0.005 HBS−1 0.064 HBS−3 2.1×10-3 ゼラチン 0.44。
【0171】 第11層(高感度緑感乳剤層) Em−M 銀 0.99 ExC−6 0.004 ExM−1 0.016 ExM−3 0.036 ExM−4 0.020 ExM−5 0.004 ExY−5 0.003 ExM−2 0.013 ExG−1 0.005 Cpd−4 0.007 HBS−1 0.18 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 1.11。 第12層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.047 Cpd−1 0.16 油溶性染料ExF−5 0.010 固体分散染料ExF−6 0.010 HBS−1 0.082 ゼラチン 1.057。
【0172】 第13層(低感度青感乳剤層) Em−B 銀 0.18 Em−C 銀 0.20 Em−D 銀 0.07 ExC−1 0.041 ExC−8 0.012 ExY−1 0.035 ExY−2 0.71 ExY−3 0.10 ExY−4 0.005 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.24 ゼラチン 1.41。 第14層(高感度青感乳剤層) Em−A 銀 0.75 ExC−1 0.013 ExY−2 0.31 ExY−3 0.05 ExY−6 0.062 Cpd−2 0.075 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.91。
【0173】 第15層(第1保護層) 0.07μmのAgBrI(2) 銀 0.30 UV−1 0.21 UV−2 0.13 UV−3 0.20 UV−4 0.025 F−18 0.009 F−19 0.005 F−20 0.005 HBS−1 0.12 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 2.3。 第16層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.75。
【0174】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−5、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ルテニウム塩、ロジウム
塩が含有されている。また、第8層の塗布液にハロゲン
化銀1モル当たり8.5×10-3グラム、第11層に
7.9×10-3グラムのカルシウムを硝酸カルシウム水
溶液で添加し、試料を作製した。第4層の実施例1で調
製した乳剤aを乳剤b〜lに変更することにより試料9
02から912を作成した。
【0175】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−3を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7mL及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエ
トキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5
%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレン
エーテル(重合度10)0.5gとを700mLのポッ
トミルに入れ、染料ExF−3を5.0gと酸化ジルコ
ニウムビーズ(直径1mm)500mLを添加して内容
物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型
振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、
12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過
して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の
平均粒径は0.24μmであった。同様にして、ExF
−4の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.
45μmであった。ExF−2は欧州特許出願公開(E
P)第549,489A号明細書の実施例1に記載の微
小析出(Microprecipitation)分散
方法により分散した。平均粒径は0.06μmであっ
た。
【0176】ExF−6の固体分散物を以下の方法で分
散した。水を18%含むExF−6のウェットケーキ2
800gに4000gの水及びW−2の3%溶液を37
6g加えて攪拌し、ExF−6の濃度32%のスラリー
とした。次にアイメックス(株)製ウルトラビスコミル
(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニアビー
ズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約10
m/sec、吐出量0.5L/minで8時間粉砕し
た。平均粒径は0.52μmであった。上記各層の形成
に用いた化合物は、以下に示すとおりである。
【0177】
【化17】
【0178】
【化18】
【0179】
【化19】
【0180】
【化20】
【0181】
【化21】
【0182】
【化22】
【0183】
【化23】
【0184】
【化24】
【0185】
【化25】
【0186】
【化26】
【0187】
【化27】
【0188】
【化28】
【0189】
【化29】
【0190】
【化30】
【0191】
【化31】
【0192】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下で14時間硬膜処理を施した。その後、富士フイ
ルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カットオ
フ波長が390nmである長波長光透過フィルター)と
連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は富士
写真フイルム社製自動現像機FP−360Bを用いて以
下により行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴
へ流さず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行っ
た。このFP−360Bは発明協会公開技法94−49
92号に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0193】処理工程及び処理液組成を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8 ℃ 20 mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0 ℃ 5 mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0 ℃ − 5L 定着 (2) 50秒 38.0 ℃ 8 mL 5L 水 洗 30秒 38.0 ℃ 17 mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ − 3L 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 15 mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24Ex.1本相当)。 安定液及び定着液は(2)から(1)への向流方式であ
り、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導
入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液
の定着工程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への
持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞ
れ2.5mL、2.0mL、2.0mLであった。ま
た、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この
時間は前工程の処理時間に包含される。上記処理機の開
口面積は発色現像液で100cm2、漂白液で120c
2、その他の処理液は約100cm2であった。
【0194】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。
【0195】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。
【0196】 (定着(1)タンク液) 上記漂白タンク液と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液 (pH6.8)。 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720 mL (750g/L) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45。 (水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーライトIR−120B)
と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカ
ルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下
に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム2
0mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/Lを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0197】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。 結果を表5に示す。
【0198】
【表5】
【0199】感度は、被りプラス濃度2.0ときの感度
を示し、No.901の感度を100とした相対値とし
て示した。
【0200】表5の結果から明らかなように、本発明の
製造方法で製造されたハロゲン化銀乳剤を用いることに
より、被りが低く、高感度である感材を得ることができ
ることがわかる。
【0201】
【発明の効果】本発明の製造方法により、粒子厚みが薄
く、単分散であり、高感で被りが低い平板状ハロゲン化
銀写真乳剤が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である装置の概略構成を示す
図である。
【図2】本発明の実施形態である混合器の製造工程を示
す概略断面図である。
【図3】本発明の実施形態である混合器の撹拌装置に使
用される磁気カップリングの概略構成を示す斜視図であ
る。
【図4】図3に示した磁気カップリングの作用を示す斜
視図である。
【0202】
【符号の説明】 1 反応容器 2 攪拌羽根 3 分散媒 4 銀添加配管 5 ハライド添加配管 6 添加薬品配管 7 反応液抜き取り配管 8 反応液抜き取りバルブ 9 液供給配管 10 ポンプ 11 供給バルブ 12 供給圧力計 13 限外濾過膜モジュール 14 液還流配管 15 還流圧力計 16 還流バルブ 17 還流流量計 18 液透過配管 19 透過圧力計 20 透過バルブ 21 透過流量計 22 透過液収納容器 23 透過液 24 逆洗浄配管 25 逆洗浄用ポンプ 26 逆洗浄バルブ 27 逆止弁 28 混合器 30 撹拌装置 31、32、33 液供給口 34 液排出口 35 撹拌槽 36 槽本体 37 シールプレート 38、39 撹拌羽根 40、41 外部磁石 42、43 モーター 44 回転中心軸線 45 両面2極型磁石 46 左右2極型磁石 L 磁力線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/035 G03C 1/035 L (72)発明者 大関 勝久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 中津川 晴康 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 猪狩 伸治 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 BA01 BA02 BA03 BA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭化銀含有率が70モル%以上のハロゲン
    化銀乳剤粒子であって、乳剤中に含まれる全ハロゲン化
    銀粒子の投影面積の50%以上が(111)面からなる
    2つの平行な主平面を有する平板状粒子であり、該平板
    状粒子の平均厚みが0.06μm未満、平均円相当径が
    0.6μm以上であり、かつ、製造工程に以下の(a)、
    (b)、(c)の3工程全てを含むことを特徴とするハロゲ
    ン化乳剤の製造方法。 (a) 核形成工程において、反応容器内温度6℃以下と
    する工程、 (b) 核形成終了時において、反応容器以内の全ハロゲ
    ン化銀濃度を0.004M以下とする工程、 (c) 熟成工程において、反応容器内の全ハロゲン化銀
    濃度を0.01M以下とする工程。
  2. 【請求項2】該ハロゲン化銀粒子の成長工程の少なくと
    も一部においてハロゲン化銀微粒子を供給して平板状粒
    子を成長させることを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 【請求項3】該平板状粒子の平均円相当径が3.0μm
    以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    ハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】該平板状粒子の平均平板粒子厚みが0.0
    5μm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  5. 【請求項5】該平板状粒子の円相当径の変動係数が30
    %以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  6. 【請求項6】該平板状粒子の製造工程が限外濾過を使用
    する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
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