JPH08262607A - 感光性ハロゲン化銀乳剤組成物及びその製造方法並びに混合パケット写真要素 - Google Patents

感光性ハロゲン化銀乳剤組成物及びその製造方法並びに混合パケット写真要素

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JPH08262607A
JPH08262607A JP8089902A JP8990296A JPH08262607A JP H08262607 A JPH08262607 A JP H08262607A JP 8089902 A JP8089902 A JP 8089902A JP 8990296 A JP8990296 A JP 8990296A JP H08262607 A JPH08262607 A JP H08262607A
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バグチ プラナブ
Tien-Teh Chen
チェン ティエンテ
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ジョセフ ダンハウザー トーマス
John D Lewis
デレク ルイス ジョン
Anthony Whithson Mark
アンソニー ホワイトソン マーク
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パケット乳剤系を改良すること。 【解決手段】 (a)等電点pHがP1 である解こう性
ゼラチンの層状吸着物によって各々取り囲まれているハ
ロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀−ゼラチン粒体と、
(b)グラフト化されたゼラチンの等電点pHが前記P
1 とは異なるP2であるゼラチングラフト化ポリマー粒
体とを水性媒体中に含んで成り、前記解こう性ゼラチン
と前記グラフト化されたゼラチンとの少なくとも一方が
イソ性ゼラチンであり、そして前記ゼラチングラフト化
ポリマー粒体と前記ハロゲン化銀−ゼラチン粒体とがヘ
テロ凝集パケット乳剤クラスターを形成した、感光性ハ
ロゲン化銀乳剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混合パケット型カ
ラー写真要素に用いられる、色素生成性カプラーを含む
感光性パケット、ハロゲン化銀乳剤組成物及び前記組成
物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真乳剤は、水性媒体中に分散されたハ
ロゲン化銀粒子を含むことが典型的である。従来より、
写真ハロゲン化銀乳剤を析出させるための解こう剤とし
て各種ゼラチンが用いられている。これによると、ゼラ
チンが各ハロゲン化銀粒子を取り囲むように吸着した層
が得られる。このゼラチン層の水和厚は10〜60nm
の範囲内をとりうる。各粒子が解こう性ゼラチン層によ
って取り囲まれているハロゲン化銀粒子を含むハロゲン
化銀の粒体を、本明細書では「ハロゲン化銀−ゼラチン
粒体」と称することとする。写真乳剤へは、写真的に有
用な化合物、例えば、フィルター色素、現像抑制剤放出
型カプラー、現像抑制剤隣接基関与放出型カプラー、色
素生成性カプラー、成核剤、紫外線吸収物質、現像促進
剤(当該技術分野では「ブースター」と呼ばれることも
ある)、現像剤、増感色素、等を内蔵させることができ
る。典型的には、このような写真的に有用な化合物は水
中油形分散液の形態で乳剤に添加され、写真的に有用な
化合物を含む分散液滴とハロゲン化銀粒体とを含む写真
用組成物が得られる。
【0003】常用のカラー写真要素は、支持体上に複数
の層が塗布されている。このような写真要素には、赤
色、緑色及び青色の各色に対して少なくとも一つの感色
層が存在する。混合層型カラー写真系が提案されてい
る。混合層型カラー写真系は、分光増感の異なるハロゲ
ン化銀粒子で単一の写真層が構成されている系である。
このような系の製造上の利点は明白である。すなわち、
カラー写真系における層数の削減である。(色又は写真
感度によって異なる)別々に増感された層の数を減少で
きればコスト削減が可能になる。2種類の混合層型カラ
ー写真系がある。別々に増感したハロゲン化銀乳剤粒子
を、それらに対応する画像形成色素成分(当該技術分野
ではカプラーと呼ばれることが多い)を内蔵させること
なく、単一の層内で一緒に混合した系は、一般に混合粒
子コーティングと呼ばれている(米国特許第2,61
8,553号明細書を参照されたい)。
【0004】混合層型系の第二のタイプのものも別々に
増感したハロゲン化銀乳剤粒体を含有するが、加えて、
スペクトルの各領域に増感されたハロゲン化銀と組み合
わされる別個の画像形成色素成分を含有する。混合され
る粒体は、個々のハロゲン化銀粒子であってもなくても
よい。この種のコーティングの多くでは、特定の感度を
示すハロゲン化銀粒子と適当な画像形成性色素又は色素
成分がどちらもコロイド状ベヒクル中に分散された後、
このビヒクルとその内容物は、第一のビヒクルとは相溶
しない第二のコロイド状ビヒクルから成る連続相又は
「マトリックス」の中に小球体として分散される。分光
感度の異なる粒体を含有するこのような分散体を2種以
上含む混合物を、通常、混合パケットコーティングと称
する。しかしながら、画像形成色素又は色素成分を色増
感済ハロゲン化銀粒子自身と、吸着又は複合体形成によ
って、密接に組み合わせ、そしてそれらの粒子を単一の
乳剤ビヒクル中で混合した別の材料がある。このような
材料もまた混合パケット材料であると考えられる。混合
パケット材料の処理は、混合粒子材料の処理よりも通常
は簡単である。これは、スペクトルの各領域に対して増
感されたハロゲン化銀と適切な画像形成性色素又は色素
成分とが組み合わされているためである。それゆえ、そ
れぞれ銀又はハロゲン化銀粒子の適当な組合せの制御下
にある色素像のすべてを形成させるために、単一の化学
工程で十分であることができる。一方、混合粒子型材料
は、被写体に対する最初の露光だけでなく、別々の色の
光に対する2種以上の反転露光も必要であり、その後
は、それぞれ別々に増感された粒子の適切な組合せの制
御下で、可溶性カプラーを含有する別々の発色現像液中
で反転現像して三種の色素成分を一つ一つ導入して三色
画像を形成しなければならない。
【0005】許容できる品質の混合パケット系の潜在的
市場価値のため、従来技術文献、米国特許第2,69
8,796号、同第2,698,797号、同第2,7
63,552号、同第2,965,484号、同第2,
698,794号及び同第4,865,940号明細書
に記載されているように、広範囲にわたる検討が行われ
ている。しかしながら、従来技術の混合パケット系で商
業的成功を収めたものはない。カラー写真の初期では、
写真製品は一度に一層を流延したものであったが、使用
可能なパケット系は商業価値の非常に高いものとして考
えられており、混合パケット系の研究は50年代初頭ま
では活発に行われていた。しかしながら、同時多層塗布
ホッパーの発明(米国特許第2,761,791号)に
よって多層写真パッケージの生産性が高まり、技術的に
非常に困難な混合パケット系の開発に対する商業的動機
が非常に小さくなってしまった。文献を調査すると、1
950年代のほぼ半ば以降、混合パケット系の研究はど
の写真会社でも実質的に減少していることが示される。
しかしながら、今日のコスト競争の厳しい環境において
は、写真製品の画質を犠牲にすることなく写真層を削減
すれば、カラー記録材料の製造コストを実質的に低下さ
せることができると思われる。こうしたコスト削減とい
う動機から、混合パケットカラー写真概念の分野におい
て様々な発明が再び出現しつつある。米国特許第4,8
65,940号明細書を参照されたい。さらに、デジタ
ル式画像形成要素市場の高速画像処理及び環境にやさし
い写真系に対する要求のため、各種の感熱画像転写系が
開発されている。例えば、米国特許第5,270,14
5号明細書に記載されているシステムを参照されたい。
このような画像形成システムでは、常用のハロゲン化銀
−色素像が積層受容体シートへ熱で転写される。このよ
うな常用の画像形成システムは、下部のイメージ層を混
合パケット層にしたならば非常に簡素化されるであろ
う。つまり、常用の積層された多層写真要素ではなく単
層から色素が転写されるからである。
【0006】従って、成功しうる粒状度の低い混合パケ
ット写真システムの製作に適したパケット乳剤系の開発
に対するニーズが高まっている。米国特許第5,44
1,865号明細書に、写真的に有用な化合物を含むゼ
ラチンをグラフト化したポリマー粒体(以下、ゼラチン
グラフト化ポリマー粒体)の存在下でAg−ハロゲン化
物乳剤を析出させる方法が記載されている。上記特許明
細書に記載されている方法によると、Ag−ハロゲン化
物粒子に直接結合されたポリマー粒体が得られる。米国
特許第5,441,865号明細書に説明されているよ
うに、混合パケット写真系の析出をはじめとし、乳剤系
においてハロゲン化銀粒子に結合されたこのようなポリ
マー粒体をもつことには多くの利点がある。しかしなが
ら、この特許明細書に記載されている方法には、既知の
乳剤調製法を変更し、ゼラチングラフト化ポリマー粒体
との使用のためその方法を最適化する必要がある。
【0007】さらに、米国特許第5,399,480号
明細書に、従来法で予め析出させたゼラチン−ハロゲン
化銀乳剤粒子に、写真的に有用な化合物を含むゼラチン
グラフト化ポリマー粒体を同様に結合させる方法が記載
されている。しかしながら、米国特許第5,441,8
65号及び同第5,399,480号明細書に、結合さ
れた色素生成性ゼラチングラフト化カプラー粒体の一層
の単分子層によって各ハロゲン化銀粒子が取り囲まれて
いるパケット乳剤系の形成方法が記載されている。多く
の状況において、特にカプラー粒体がハロゲン化銀粒子
に比べて小さい場合、十分な画像再現にとって完全な色
素濃度スケールを得るのに十分なカプラーが存在できな
いことがある。カップリング基のハロゲン化銀当量に依
存するが、完全な色素濃度スケールを得るためには、カ
ップリング部分の一般に4〜8倍の容積のハロゲン化銀
が必要である。それゆえ、混合パケット乳剤において適
切な演色に適した十分に大きな色素スケールを得るため
には、十分量のカプラー材料をハロゲン化銀粒子と組み
合わせることが必要である。このことは、ゼラチングラ
フト化カプラー粒体が使用するハロゲン化銀粒子の大き
さよりいくらかでも小さい場合に特に当てはまる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】常用のカラー写真系、
混合パケットカラー写真系及び新規なデジタル画像形成
に有用な環境により安全な熱処理色素転写画像形成シス
テムに用いられ、被写体を適切に再現するための全色素
スケールを提供するパケット乳剤系及びその組成物の製
造方法を提供し且つ改良することが必要である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、写真剤を
含有するゼラチングラフト化ポリマー粒体と予め形成、
析出させた常用のハロゲン化銀乳剤とのヘテロ凝集クラ
スターによって、周知の常用の製造技法で調製され及び
/又は特定の写真要素用に最適化されたハロゲン化銀乳
剤を、混合パケット型カラー写真用のパケット乳剤の調
製に使用できることを発見した。本発明の一態様による
と、(a)等電点pHがP1 である解こう性ゼラチンの
層状吸着物によって各々取り囲まれているハロゲン化銀
粒子を含むハロゲン化銀−ゼラチン粒体と、(b)グラ
フト化されたゼラチンの等電点pHがP1 とは異なるP
2 であるゼラチングラフト化ポリマー粒体とを水性媒体
中に含んで成り、前記解こう性ゼラチンとグラフト化ゼ
ラチンの少なくとも一方がイソ性(isoing)ゼラチンであ
り、そしてゼラチングラフト化ポリマー粒体とハロゲン
化銀ゼラチン粒体とがヘテロ凝集したパケット乳剤組成
物を形成した、感光性ハロゲン化銀パケット乳剤組成物
が提供される。
【0010】本発明の別の態様によると、(1)(a)
等電点pHがP1 である解こう性ゼラチンの層状吸着物
によって各々取り囲まれているハロゲン化銀粒子を含む
ハロゲン化銀−ゼラチン粒体と、(b)グラフト化され
たゼラチンの等電点pHがP1 とは異なるP2 であるゼ
ラチングラフト化ポリマー粒体とを水性媒体中で混合す
る際に、前記解こう性ゼラチンとグラフト化ゼラチンの
少なくとも一方がイソ性ゼラチンである工程と、(2)
攪拌下、前記水性媒体のpHを、P1 とP2 の間にあっ
て且つイソ性ゼラチンの等電点pHから0.5pH単位
以内にある値に調整し、よってゼラチングラフト化ポリ
マー粒体とハロゲン化銀−ゼラチン粒体とをヘテロ凝集
させてクラスター化したヘテロ凝集パケット乳剤組成物
を形成させる工程を含む、上記の感光性ハロゲン化銀乳
剤組成物を調製する方法が提供される。この方法は、ゼ
ラチン硬膜剤を使用して、ハロゲン化銀粒子を取り囲ん
でいるゼラチンへゼラチングラフト化ポリマー粒体を化
学架橋させる工程をさらに含むこともできる。
【0011】本発明のさらに別の態様によると、下記パ
ケット乳剤クラスターの少なくとも二種を含有する層を
担持する支持体を含む混合パケット感光性写真要素が提
供される: (a)等電点pHがP1aである解こう性ゼラチンの層に
よって各々取り囲まれたハロゲン化銀粒子であって、グ
ラフト化されたゼラチンの等電点pHがP1aとは異なる
2aであるシアン色素生成性カプラーを含有するゼラチ
ングラフト化ポリマー粒体と共にヘテロ凝集しているハ
ロゲン化銀粒子を含み赤光に感光する、赤色パケットク
ラスターを形成するハロゲン化銀粒体、(b)等電点p
HがP1bである解こう性ゼラチンの層によって各々取り
囲まれたハロゲン化銀粒子であって、グラフト化された
ゼラチンの等電点pHがP1bとは異なるP2bであるマゼ
ンタ色素生成性カプラーを含有するゼラチングラフト化
ポリマー粒体と共にヘテロ凝集しているハロゲン化銀粒
子を含み緑光に感光する、緑色パケットクラスターを形
成するハロゲン化銀粒体、(c)等電点pHがP1cであ
る解こう性ゼラチンの層によって各々取り囲まれたハロ
ゲン化銀粒子であって、グラフト化されたゼラチンの等
電点pHがP1cとは異なるP2cであるイエロー色素生成
性カプラーを含有するゼラチングラフト化ポリマー粒体
と共にヘテロ凝集しているハロゲン化銀粒子を含み青光
に感光する、青色パケットクラスターを形成するハロゲ
ン化銀粒体、但し、各パケット乳剤(a)、(b)及び
(c)において、解こう性ゼラチン又はグラフト化ゼラ
チンの少なくとも一方はイソ性(iosable) である。
【0012】各パケット要素において、二種の粒体のゼ
ラチンをゼラチン架橋剤で化学結合させてもよい。本発
明の好ましい実施態様では、ガラス転移温度が室温より
も低い(すなわち、約25℃よりも低い)ポリマーを含
むゼラチングラフト化軟質ポリマー粒体を使用する。こ
の軟質ポリマー粒体を含む組成物は、常用のハロゲン化
銀乳剤組成物よりも感圧性が低くなる傾向がある。
【0013】本発明は、従来の写真製品及びその製造方
法に対していくつかの利点を有する。本発明は、写真的
に有用な化合物が配合されているゼラチングラフト化ポ
リマー粒体又は写真的に有用なゼラチングラフト化高分
子化合物と予め析出させた常用のハロゲン化銀粒子との
ヘテロ凝集クラスターを提供する。これらの写真的に有
用な化合物はハロゲン化銀粒子と密接に組み合わされて
いるので、写真処理の際には容易に反応することができ
る。ハロゲン化銀粒体の分光増感に対して補色となる色
素生成性カプラー粒体によって取り囲まれている異なる
分光増感ハロゲン化銀粒子含有パケットクラスターを混
合できるため、写真要素の一層のハロゲン化銀層におい
て、マゼンタ、シアン及びイエローの色素生成性カプラ
ーのパケットクラスターを混合しても、特定の増感ハロ
ゲン化銀粒子を取り囲むゼラチン層に結合されているカ
プラーのみを現像することができる。
【0014】ヘテロ凝集によるクラスターパケットの形
成方法には以下の利点がある。 ・粒体の約半数がその表面に反対の極性の電荷を有する
限り、クラスター形成法を利用して所望の値のハロゲン
化銀対カプラー比を得ることができる。低ハロゲン化銀
クラスターでは、高分子カプラーの半分を等電点pHが
2 のゼラチンでグラフト化し、その他方半分を等電点
pHがP1 のゼラチンでグラフト化し、次いでP1 又は
2 いずれかの等電点pHを有するゼラチンと共に予備
析出しておいたハロゲン化銀粒子と一緒にヘテロ凝集さ
せることができる。 ・クラスターパケット及びそれらの濃縮物の単離につい
ては、米国特許第2,614,929号明細書に記載さ
れている等洗浄(isowashing)法によって容易に達成する
ことができる。 ・クラスター形成時のクラスター粒径及び粒径分布は、
組織用ホモジナイザーなどの適当な均質化装置を使用す
ることによって容易に制御することができる。 ・必要であれば、常用のゼラチン硬膜剤を利用すること
により、クラスターパケットをさらに安定化させること
ができる。 ・クラスター形成工程のプロセスは、製造可能な大容量
製品を生産するのに必要な簡素さを有する。
【0015】発明の詳細な説明 混合パケットカラー写真システムを構築するためのパケ
ット乳剤系を製造するコアセルベーション法及び複合コ
アセルベーション法が従来において採用されており、ま
た最近では米国特許第4,865,940号明細書に開
示されている。本発明では、パケット乳剤の調製は、反
対の極性に帯電したゼラチン析出ハロゲン化銀乳剤粒体
(図1)とゼラチングラフト化高分子カプラー(又はカ
プラー含有ポリマー粒体)(図2)との間の、例えばH
oggらのTrans.Farad.Soc.62,1
938(1966)に記載されているような制御された
ヘテロ凝集法によって行われる。米国特許第4,85
5,219号、同第5,066,572号及び同第5,
053,379号明細書に、ゼラチンをポリマー粒体の
表面にグラフトすると、ゼラチンのアミン基が消費さ
れ、ゼラチンの等電点pH(IEP)が低下することが
示されている。表1に、石灰処理骨(LPO)ゼラチン
(A)やフタル化ゼラチンのような各種ゼラチンのIE
P値を示す。
【0016】
【表1】
【0017】*フタル化ゼラチン(B)は、J.I.C
ohenらのAdv.Chem.Ser.45,198
(1973)の記載に従い、無水フタル酸5.0gでゼ
ラチン(A)100gをフタル化することによって得
た。このようなヘテロ凝集パケット乳剤を形成するため
の条件は、ハロゲン化銀粒子を解こうするゼラチン又は
高分子ラテックスカプラー粒体表面にグラフトされるゼ
ラチンの一方が「イソ性(isoing)ゼラチン」でなければ
ならないことである。イソ性ゼラチンとは、その水溶液
の等電点pHに近づけると塊状のヘテロ凝集が起こるよ
うに十分に誘導体化されてイオン性基が除去されている
ゼラチンを意味する。パケット乳剤クラスターは、帯電
極性が反対であるハロゲン化銀粒体と写真剤を含むゼラ
チングラフト化ラテックスポリマー粒体との間で、pH
を、イソ性ゼラチンの等電点pHから0.5pH単位以
内であって且つ用いた二種のゼラチンの二つの等電点p
H値の中間にある値にシフトさせると起こるヘテロ凝集
によって形成される。一般に、イソ性ゼラチンは非イソ
性ゼラチンよりも低い等電点pHを示す。
【0018】本発明による方法においてイソ性ゼラチン
として特に有用であることがわかっているゼラチン誘導
体は、芳香族スルホニル塩化物、カルボン酸塩化物、カ
ルボン酸無水物(特にジカルボン酸系)、アリールイソ
シアネート及び1,4−ジケトンによるものである。本
発明用に適したイソ性ゼラチン誘導体を調製するのに有
用であることがわかっている化合物を以下に列挙する。スルホニル塩化物 :ベンゼンスルホニルクロリド、p−
メトキシベンゼンスルホニルクロリド、p−フェノキシ
ベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスル
ホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、m
−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、m−スルホベン
ゾイルジクロリド、ナフタレン−β−スルホニルクロリ
ド、p−クロロベンゼンスルホニルクロリド、m−カル
ボキシ−4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、1−
クロロスルホニル−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸キ
ノリン−8−スルホニルクロリド、m−カルボキシベン
ゼンスルホニルクロリド、2−アミノ−5−メチルベン
ゼンスルホニルクロリド;カルボン酸塩化物 :フタリルクロリド、p−ニトロベン
ゾイルクロリド、ベンゾイルクロリド、エチルクロロカ
ーボネート、フロイルクロリド;酸無水物 :無水フタル酸、無水安息香酸、無水コハク
酸、無水マレイン酸、無水イサト酸;イソシアネート :フェニルイソシアネート、p−ブロモ
フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシア
ネート、p−トリルイソシアネート、p−ニトロフェニ
ルイソシアネート、α−ナフチルイソシアネート、β−
ナフチルイソシアネート;1,4−ジケトン :アセトニルアセトン、ジメチルアセ
トニルアセトン
【0019】本発明の好ましい実施態様では、ハロゲン
化銀乳剤粒体用の解こう性ゼラチンとしてLPOゼラチ
ンを使用し、またポリマー粒体表面にグラフトされるゼ
ラチンとしてフタル化ゼラチンを使用する。LPOゼラ
チンで被覆されたハロゲン化銀乳剤粒体の水溶液とフタ
ル化ゼラチンをグラフト化したポリマー粒体の水溶液と
を混合し、そのpHを4.8〜3.3の中間に低下させ
ると、LPOゼラチンで被覆されたハロゲン化銀乳剤粒
体は正電荷を獲得し、またフタル化ゼラチンをグラフト
化したポリマー粒体は負電荷を獲得する(図3)。イソ
性フタル化ゼラチンの等電点pH付近(例、0.5pH
単位以内)にpHを調整すると、混合組成物全体が凝析
(coagulation) を起こす。このpH調整によって電荷引
力が発生する(図4)。攪拌によるフタル化ゼラチンの
「イソ性」凝析効果の制御によって、図5に模式的に示
したヘテロ凝集パケット乳剤クラスターが生じる。
【0020】図6は、個別にヘテロ凝集させたクラスタ
ーを複数種含めることにより形成される混合パケット系
の概念を示すものである。このようなヘテロ凝集乳剤パ
ケットクラスターの平均径は1μm〜100μm、好適
には1μm〜50μmの寸法範囲をとることができる。
図1にハロゲン化銀−ゼラチン粒体10を示す。図1
中、ハロゲン化銀粒子11はゼラチン12の層によって
取り囲まれている。ハロゲン化銀−ゼラチン粒体はいず
れの方法でも調製することができる。写真用ハロゲン化
銀乳剤の調製に用いられる各種の方法が、T.H.Ja
mes,”TheTheory of the Pho
tographic Process”,第4版、Ne
w York(1977)、米国特許第4,334,0
12号及び同第4,879,208号明細書のような従
来技術文献に詳細に記載されている。この乳剤はAgC
l、AgBr、AgI、AgCl(Br)、AgCl
(I)、AgClBr(I)又はAgBr(I)乳剤で
あることができる。好適なものは、塩化銀、ヨウ臭化銀
及び/又は塩臭化銀を含むハロゲン化銀粒子である。ハ
ロゲン化銀粒子は約10nm〜約10,000nmの単
寸法を有することが好ましい。本発明用のハロゲン化銀
−ゼラチン粒体の析出に用いられるゼラチンの重量は、
調製されるハロゲン化銀粒子の結晶形態又は形状及びそ
の大きさに依存する。この重量は、調製されるハロゲン
化銀乳剤1モル当たりゼラチン約2グラム〜約200グ
ラムの範囲をとりうる。以下、さらに詳しく説明する
が、その量は、乳剤形成後に実質的にすべてのゼラチン
がハロゲン化銀粒子表面に結合されるよう、乳剤粒子の
大きさによって決められる。乳剤粒体は立方体、八面
体、丸み付き八面体、多形、平板状又は薄い平板状の乳
剤粒子であることができる。好ましいものは、立方体、
八面体又は平板状の結晶構造を有するハロゲン化銀粒子
である。このようなハロゲン化銀粒子は規則的非双晶、
規則的双晶又は立方体面もしくは八面体面で双晶化され
た不規則双晶であることができる。さらに、ハロゲン化
銀粒子は混合ハロゲン化物で構成されていてもよい。
【0021】ゼラチンの出発材料は、上記したように用
いるゼラチンの一種がイソ性ゼラチンである限り、レギ
ュラー石灰処理もしくは酸処理骨(LPO)ゼラチンA
又は各種誘導体化ゼラチンであることができる。これに
ついては、関連技術のT.H.James,”The
Theory of the Photographi
c Process”,第4版、New York(1
977)、米国特許第5,026,632号明細書に記
載されている。本発明の実施態様の一部では、フタル
化、アセチル化又はアルキル化ゼラチン、例えばコハク
化ゼラチン、のようなゼラチンが特に有用である。ゼラ
チンの種類を変えると、形成される粒体の等電点pHが
変化する。以下、さらに詳細に説明するように、この等
電点pHの変動がヘテロ凝集パケット乳剤系の形成の基
本となる。ハロゲン化銀粒子の表面に吸着されるゼラチ
ンの等電点pHをP1 とする。一般に、各粒子を取り囲
むゼラチンの量は、乳剤粒子表面1m2 当たり約10m
gとなる。以下、さらに詳しく説明するが、このことは
ゼラチングラフト化ポリマー粒体にも当てはまる。
【0022】図2は、ポリマーコア17と包囲している
ゼラチン層18とを含むゼラチングラフト化ポリマー粒
体16を示すものである。ゼラチングラフト化ポリマー
粒体の調製については、従前より、例えば米国特許第
4,920,004号、同第4,855,219号、同
第5,066,572号、同第5,055,379号及
び同第5,026,632号明細書に記載されている。
ゼラチングラフト化ポリマー粒体の調製に有用なポリマ
ーは、直接に又はグラフト化剤の助けを借りて、ゼラチ
ンと共有結合することができるいずれかのポリマーであ
る。ゼラチンと直接共有結合する好適なポリマーは、活
性ハロゲン原子を含むモノマー、イソシアネート、エポ
キシド、アルデヒド基を含むモノマー及びクロロエチル
スルホン基又はビニルスルホン基を含むモノマーから成
るホモポリマー及びコポリマーである。架橋剤を使用す
ることによりゼラチンと結合することができる好適なポ
リマーには、カルボン酸、アミノ含有モノマー、及び活
性メチレン基含有モノマーが含まれる。
【0023】一般に、上記ポリマー粒体は、ラテックス
を形成するための乳化重合法、懸濁重合法又は限定凝集
法によって形成される。ラテックス中のポリマー粒体の
直径は一般に約10〜約106 nmである。次いで、上
記のように、このラテックスのポリマー粒体の表面に
は、直接化学反応によるか又は化学的グラフト化剤の使
用により、ゼラチンを単分子的に結合させる。ゼラチン
グラフト化剤は、このポリマー粒体の表面の化学部位と
ゼラチンとの間で結合を形成させる化合物である。本発
明に適したこのような化学的グラフト化剤の典型例とし
て、カルバモイロニウム化合物、ジカチオンエーテル化
合物及びカルボジイミド化合物、例えば、上記米国特許
第5,066,572号明細書に記載されている化合
物、が挙げられる。
【0024】本発明にとって特に重要なことは、ゼラチ
ングラフト化ポリマーラテックス系の溶液中に過剰量の
ゼラチンが実質的に残存しないようにゼラチングラフト
化ポリマー粒体を調製することである。換言すれば、本
発明に有用なゼラチングラフト化ポリマー試料は、その
ポリマー粒体表面に実質的にすべてのゼラチン分子が結
合されているということである。それゆえ、ゼラチン使
用量はラテックス粒体の比表面積(S)によって変わ
る。ポリマー粒体の比表面積は粒体の平均粒径(D)に
よって変わる。Sは下式で得られる。 S=6r/D (1) 上式中、rはポリマー粒体の密度である。ゼラチンの飽
和吸着量は溶液のpH及びイオン強度によって変わる。
しかしながら、一般則として、表面積1平方メートル当
たり約10mgの飽和吸着量が合理的な推定値である。
CurmeらのJ.Phys.Chem.63,300
9(1964)及び米国特許第5,091,296号明
細書を参照されたい。本発明において有用なゼラチング
ラフト化ポリマー粒体は、ポリマー粒体表面1m2 当た
りゼラチン約10mg未満、好ましくは約8mg未満の
ゼラチン被覆量で調製されたものである。
【0025】上記ゼラチングラフト化ポリマー粒体を調
製するために用いられるゼラチンの出発材料は、レギュ
ラー石灰処理もしくは酸処理骨ゼラチン又は各種誘導体
化ゼラチンであることができる。これについては、関連
技術のT.H.James,”The Theory
of the Photographic Proce
ss”,第4版、New York(1977)、米国
特許第5,026,632号明細書に記載されている。
本発明の実施態様の一部では、フタル化、アセチル化又
はコハク化ゼラチンのようなゼラチンが特に有用であ
る。ゼラチンの種類を変えると、形成される粒体の等電
点pHが変化する。着目すべき点は、以下に説明するよ
うに、ゼラチングラフト化ポリマー粒体の等電点pH
(P2 )は出発ゼラチン材料の等電点pHとは一般に異
なる点である。図3に示したように、ゼラチングラフト
化ポリマー粒体に含まれるゼラチンの等電点pH
(P2 )は、予め析出させたハロゲン化銀粒子の表面に
吸着したゼラチンの等電点pH(P1)とは異なる。図
3において、線Pは基準の石灰処理骨(LPO)ゼラチ
ン−Aの電荷のpH依存性を、また線Qはフタル化石灰
処理骨ゼラチン−B−グラフト化ポリマー粒体のそれを
示している。P1 とP2 の差は、pH値の約1単位以
上、好ましくは約1.5単位以上、より好ましくは約
2.0単位以上でなければならない。
【0026】一般に、ゼラチングラフト化ポリマー粒体
を調製するのに用いられる出発ゼラチン材料はハロゲン
化銀−ゼラチン粒体を調製するのに用いられる出発ゼラ
チン材料と同じものであってもよいし、種類の異なるゼ
ラチンであってもよいが、ハロゲン化銀粒子に結合した
ときのゼラチンは、ポリマー粒体表面にグラフト化され
た場合とは異なる等電点pHを示すことが必要である。
これは、グラフト化反応の際にゼラチン分子中のアミン
基の一部が反応するためである。本発明の好ましい実施
態様では、フタル化ゼラチンをグラフト化したポリマー
粒体とLPOゼラチンで予備析出させたハロゲン化銀粒
子とをヘテロ凝集させてパケット乳剤クラスターを形成
させる。このヘテロ凝集の初期段階を図2に示す。図4
では、ハロゲン化銀−ゼラチン粒体(10)とゼラチン
グラフト化ポリマー粒体(16)とが結合して一緒にな
る。各種粒体をいくつか含有する複合クラスターを図5
に示す。
【0027】フタル化ゼラチングラフト化ポリマー粒体
とハロゲン化銀−ゼラチン粒体とのヘテロ凝集は、これ
ら二種の粒体を水性媒体中で混合し、そしてその媒体の
pHを、適宜塩基又は酸を添加することにより、これら
二種の粒体を取り囲んでいるゼラチン層の等電点pH値
(すなわち、P1 及びP2 )の中間にあって且つイソ性
ゼラチンの等電点pH付近にあるpH値に調整すること
によって行われる。このpH調整にはいずれの塩基又は
酸でも使用可能である。好適な酸及び塩基として、硫
酸、硝酸、水酸化ナトリウム、等が挙げられる。通常、
ヘテロ凝集の形成プロセスには、凝析を制御するための
組織用ホモジナイザーのような適当な装置による激しい
攪拌が伴う。
【0028】ゼラチングラフト化ポリマー粒体の物理的
ヘテロ凝集プロセスには、図3に示したように、ゼラチ
ングラフト化ポリマー粒体の表面に結合しているゼラチ
ンとハロゲン化銀粒子の表面に吸着しているゼラチンと
の間の特定のpHにおける正味の電荷の違いが関与す
る。媒体のpHがP1 とP2 の間にある場合、これら二
種の粒体の外部ゼラチン層の表面電荷の極性が反対とな
り、ゼラチングラフト化ポリマー粒体がゼラチン被覆ハ
ロゲン化銀粒子に引きつけられる。この電荷極性の違い
による相互作用が、イソ性ゼラチンによる凝析と組み合
わされて、ゼラチングラフト化ポリマー粒体とハロゲン
化銀−ゼラチン粒体との(化学結合前の)物理的クラス
ターの形成の基本となる。ゼラチングラフト化ポリマー
粒体は、個々のハロゲン化銀−ゼラチン粒体の表面を実
質的に取り囲むのに十分な量で使用することが好まし
い。
【0029】上記のプロセスによって、ゼラチンで予め
析出させたハロゲン化銀粒体とゼラチングラフト化ポリ
マー粒体とが埋め込まれている複合粒体が得られる。こ
の複合粒体は、さらにゼラチン架橋剤を使用することに
よって化学架橋させて安定性を高めることができる。溶
液中には未結合ゼラチンはあったとしてもほとんどない
ので、この方法により、個々の粒体を包囲しているゼラ
チンが架橋されて化学結合したパケット乳剤クラスター
が形成される。使用する架橋剤は、ビスビニルスルホニ
ルメタンエーテル、ビスビニルスルホニルメタン、カル
バモイロニウム化合物、ジカチオンエーテル化合物、カ
ルボジイミド化合物といったゼラチン硬膜剤であること
が好ましい。好ましい架橋剤については上記米国特許第
5,026,632号明細書に記載されている。本発明
の好ましい実施態様では、フタル化ゼラチングラフト化
ポリマー粒体に、カプラーのような写真的に有用な化合
物を配合又は埋封することが好ましい。この写真的に有
用な化合物は、写真的に有用な高分子化合物を高分子コ
ア粒体として使用することにより、フタル化ゼラチング
ラフト化ポリマー粒体のコアポリマー中に内蔵させるこ
ともできる。
【0030】高分子コア粒体の化学組成については米国
特許第4,920,004号、同第4,885,219
号、同第5,066,572号、同第5,055,37
9号及び同第5,026,632号明細書に詳しく記載
されている。本発明において用いられるゼラチングラフ
ト化ポリマー粒体の高分子コア粒体には(例えば、米国
特許第4,199,363号又は同第5,091,29
6号明細書に記載されている方法によって)下記写真
剤:フィルター色素、現像抑制剤放出型カプラー、現像
抑制剤隣接基関与放出型カプラー、色素生成性カプラ
ー、成核剤、現像促進剤、紫外線吸収物質、増感色素、
現像抑制剤、カブリ防止剤、漂白促進剤、等の一種又は
組合せを配合することができる。
【0031】本発明に有用な、高分子コア写真剤粒体の
化学組成については、関連技術の米国特許第4,85
5,219号、同第5,066,572号、同第5,0
55,379号、同第4,877,720号、同第4,
464,462号及び同第4,080,211号明細書
に詳しく記載されている。本発明に適した典型的な高分
子コア写真剤粒体として、高分子フィルター色素粒体、
高分子現像抑制剤放出型カプラー粒体、高分子現像抑制
剤隣接基関与放出型カプラー粒体、高分子色素生成性カ
プラー粒体、高分子紫外線吸収化合物粒体、高分子現像
促進剤粒体、高分子現像剤粒体、高分子現像剤漂白可能
増感色素粒体、高分子現像抑制剤、高分子カブリ防止
剤、高分子漂白促進剤、等が挙げられる。
【0032】ハロゲン化銀乳剤を含む写真層にゼラチン
グラフト化軟質ポリマー粒子を内蔵させると、写真フィ
ルムの現像性を損なうことなく、写真フィルム製品の感
圧性を大幅に改良できることが知られている。例えば、
米国特許第4,855,219号、同第5,066,5
72号、同第5,055,379号及び同第5,02
6,632号明細書を参照されたい。これらの特許明細
書に記載されているように、ゼラチングラフト化軟質ポ
リマー粒体の高分子コア部は、軟質且つ変形可能な、好
ましくはガラス転移温度が25℃未満であって、しかも
直接又は架橋剤の助けを借りてゼラチンに共有結合され
ることができるポリマーである。好適な材料は、上記特
許明細書に記載されているようなラテックスポリマー粒
体である。ゼラチングラフト化軟質ポリマー粒体を含有
するクラスター化したパケットハロゲン化銀乳剤では、
写真要素、特に感圧性の高い薄い平板状粒子乳剤から調
製された要素の感圧性が改良されると考えられる。
【0033】別の実施態様では、図6に絵画的に示した
ように、本発明は混合パケットカラー写真コーティング
を提供する。図6では、支持体20の表面に、複合パケ
ット粒体22a、22b及び22cを含む層21が存在
する。これら複合パケットの各々は、シアン色素生成性
カプラー、マゼンタ色素生成性カプラー及びイエロー色
素生成性カプラーをそれぞれ含有するゼラチングラフト
化ポリマー粒体16a、16b及び16cと、赤光、緑
光及び青光に対してそれぞれ増感されているハロゲン化
銀−ゼラチン粒体10a、10b及び10cとを含む。
このように、この混合パケット写真要素は単一層内で混
合された赤、青及び緑増感ハロゲン化銀乳剤から成り、
その赤感性乳剤はシアン色素生成性カプラーと組み合わ
され、その緑感性乳剤はマゼンタ色素生成性カプラーと
組み合わされ、そしてその青感性乳剤はイエロー色素生
成性カプラーと組み合わされている。現像剤酸化体掃去
剤の分散体30をパケット乳剤間に散在させて、成分粒
体間の色汚染を防止することができる。混合パケット系
ではクロストークから保護すべき表面積が多層フィルム
の場合よりもはるかに大きいので、巨大分子の掃去剤が
非常に有用である。これは、このような高分子掃去剤は
パケット内部に侵入することなく作用できるからであ
り、もしこれが低分子量可溶性種である場合には侵入す
るであろう。
【0034】この複合粒体は、上記のように、(a)等
電点pHがP1aであるゼラチンが表面に吸着している赤
感性ハロゲン化銀粒子及びゼラチンの等電点pHがP1a
とは異なるP2aであるシアン色素生成性カプラーを含む
ゼラチングラフト化ポリマー粒体、(b)等電点pHが
1bであるゼラチンが表面に吸着している緑感性ハロゲ
ン化銀粒子及びゼラチンの等電点pHがP1bとは異なる
2bであるマゼンタ色素生成性カプラーを含むゼラチン
グラフト化ポリマー粒体、並びに(c)等電点pHがP
1cであるゼラチンが表面に吸着している青感性ハロゲン
化銀粒子及びゼラチンの等電点pHがP1cとは異なるP
2cであるイエロー色素生成性カプラーを含むゼラチング
ラフト化ポリマー粒体を使用し、各色について別々に調
製される。増感色素及びカプラーは、当該技術分野では
周知である。使用可能な増感色素及びカプラーについて
は、Research Disclosure 308
119(1989年12月)のセクションIV及びVI
Iにそれぞれ記載されている。
【0035】本発明の方法によって調製されるハロゲン
化銀パケット乳剤によると、ゼラチングラフト化高分子
色素生成性カプラー粒体又はゼラチングラフト化色素生
成性カプラー配合ポリマー粒体をハロゲン化銀−ゼラチ
ン粒体に接近させることができる。それゆえ、本発明の
方法によると、色素生成性カプラーはハロゲン化銀粒体
と密接に組み合わされる。ゼラチングラフト化シアンカ
プラー粒体を用いて赤増感ハロゲン化銀パケット乳剤
を、ゼラチングラフト化マゼンタカプラー粒体を用いて
緑増感ハロゲン化銀パケット乳剤を、そしてゼラチング
ラフト化イエローカプラー粒体を用いて青増感ハロゲン
化銀パケット乳剤を調製し、それらを図6に示したよう
に単一層として塗布すると、混合パケットカラー写真系
を得ることができる。
【0036】これら予備形成されたゼラチングラフト化
ポリマーが付着しているハロゲン化銀−ゼラチン乳剤粒
体は、混合パケット写真要素と同様に常用の写真材料に
も利用することができる。本発明の別の実施態様では、
ハロゲン化銀粒子を赤外光又は紫外光に対して増感させ
てもよい。支持体は、写真要素に用いられる適当ないず
れの支持体であってもよい。典型的な支持体として、高
分子フィルム、紙(ポリマー被覆紙を含む)、ガラス、
等が挙げられる。本発明の写真要素の支持体及びその他
の層に関する詳細については、先に引用したResea
rch Disclosure(1978年12月、第
17643項)に記載されている。この支持体には、R
esearch Disclosure(1992年1
1月、34390)に記載されているように、磁気記録
層を塗布することができる。
【0037】既に説明したように、本発明は、フィルタ
ー色素、現像抑制剤放出型カプラー、現像抑制剤隣接基
関与放出型カプラー、色素生成性カプラー、成核剤、紫
外線吸収物質、現像促進剤、現像剤、増感色素及び各種
写真剤のような写真剤を、これらの剤をポリマー粒体中
に内蔵又は配合してからその粒体にゼラチンをグラフト
化させ、それをハロゲン化銀−ゼラチン予備析出粒体と
共にヘテロ凝集させることによって、ハロゲン化銀粒子
表面の近くに提供するものである。このため、これらの
写真剤はハロゲン化銀粒子表面に近接して存在すること
になる。
【0038】本発明の混合パケットカラー写真系を感熱
拡散転写方式(例えば、米国特許第5,270,145
号明細書を参照されたい)に適用した場合、生成した色
素を受容シートへ転写しなければならない。この場合の
好ましい実施態様では、色素生成性カプラー粒体を、現
像後の色素が受容シートへ自由に拡散するように変性す
る必要がある。このような可能性のある変型としては、
(1)パケット乳剤のラテックス粒体に含まれるモノマ
ー性カプラーをそのカップリング離脱基でバラスト化す
ること、(2)パケット乳剤のゼラチングラフト化高分
子カプラー粒体の化学構造を、色素生成性カプラーがポ
リマーの骨格にカップリング離脱基を介して結合される
ようにすること、が含まれる。
【0039】
【実施例】以下の実施例は本発明を例示するためのもの
であって、これを限定するものではない。塗布量の単位
は「mg/ft2 」とする。これらの数値に10.7を
乗じると「mg/m2 」に変換される。場合によって、
「mg/m2 」による数値も丸括弧「()」内に記載す
る。実施例1 :重量比(33/38/24)のポリ(スチレ
ン−コ−ブチルアクリレート−コ−メタクリル酸)ラテ
ックスの調製 このラテックスは、以下のように、標準的な乳化重合法
〔P.Bagchiら、「Preparation o
f Model Polyvinyltoluene
Latexes and Characterizat
ion ofTheir Surface Charg
e by Titration and Electr
ophoresis」、J.Colloid and
Interface Science 69,502,
(1979)〕によって調製した。凝縮器と、空気スタ
ーラーと、低いガスシール圧力下の窒素供給口とを取り
付けた容積5リットルの三つ口丸底フラスコに、4リッ
トルの窒素パージ済蒸留水を装填した。そのフラスコを
60℃の一定温度浴(CTB)に配置した。温度平衡
後、その反応フラスコに0.4gのドデシル硫酸ナトリ
ウム界面活性剤と、スチレン(152g)、ブチルアク
リレート(152g)及びメタクリル酸(96g)の混
合物(全部で400g)を加えた。
【0040】形成された乳剤に、2gのK2 2 8
1gのNa2 2 5 を加えた。重合反応を60℃で1
7時間行った。ラテックスの固形分含有量は9.3%で
あった。ラテックスの粒径は光子相関分光分析法で測定
して95nmであった。ラテックスの表面積計算値は6
3m2 /gであった。実施例2 :実施例1のラテックスのフタル化ゼラチンB
によるグラフト化(35%フタル化ゼラチンB) 以前に使用したゼラチングラフト化ポリマー粒体(米国
特許第4,920,004号明細書)は、粒体表面を飽
和させるに必要な量よりも大過剰量のゼラチンを用いて
調製されたものである。しかしながら、ゼラチングラフ
ト化ポリマー粒体を使用してヘテロ凝集パケット乳剤ク
ラスターを調製するためには、過剰量のゼラチンがAg
X粒子表面上のゼラチンに付着することなく、且つゲル
被覆AgX粒子の表面に付着する唯一の単位がゲルグラ
フト化ラテックス粒体となるように、溶液中に過剰量の
ゼラチンが残存しないゲルグラフト化ラテックス粒体を
調製する必要がある。従って、この研究におけるすべて
のゼラチングラフト化手順は、表面を完全に被覆するの
に必要な量よりも少ない量のゼラチンを使用して実施し
た。
【0041】ゼラチンのAgハロゲン化物表面への吸着
に関しては、H.G.Curmeら、J.Phys.C
hem.63,3009(1964)に詳しく記載され
ている。−COOH基やNH2 基を含有するイオン化性
ポリペプチドについて予想されるように、その吸着プロ
セスはpH及びイオン強度に強く依存する。この研究
(H.G.Curmeら、J.Phys.Chem.6
3,3009(1964))に基づく合成用の推定値に
よると、表面積1平方メートル当たりのゼラチン飽和吸
着量は約10mgである。実施例1のラテックスに表1
に記載したフタル化ゼラチンBをグラフト化した。付着
していない余分なゼラチンが溶液中に残らないように、
フタル化ゼラチンによって表面の68%を被覆した。材
料の使用量は以下の通りとした。 ・実施例1のラテックス(固形分9.3%)=3720
g。従って、乾燥ポリマー=3720×0.093=3
46g。 ・使用したグラフト化剤I(米国特許第4,920,0
04号、同第4,855,219号、同第5,066,
572号、同第5,055,379号、同第5,02
6,632号、同第5,248,558号、同第4,9
73,547号及び同第4,942,120号で使用し
たもの)を、前記表面メタクリル酸(5%と仮定)1モ
ル当たり0.2モルとした。換言すると、化合物I〔カ
ルバモイルスルホエチルピリジニウム内部塩〕の使用量
=(346×0.05×0.2×300)/86=12
gである。ここで、メタクリル酸の10%水溶液(分子
量)は86、化合物Iは300である。 ・表面積被覆率68%の乾燥フタル化ゼラチンBの重量
=148g。ゼラチンは上記と同様に約10%の水溶液
として使用した(米国特許第4,855,219号、同
第5,066,572号、同第5,055,379号、
同第5,026,632号、同第5,248,558
号、同第4,973,547号及び同第4,942,1
20号)。
【0042】上記ラテックス分散液を凝縮器を取り付け
た三つ口丸底フラスコに入れ、一定温度浴で60℃に加
熱した。20%NaOH溶液を使用してpHを8.0に
調整した。そのラテックスに化合物Iの10%溶液を加
え、反応を60℃で15分間継続した。ゼラチン溶液を
60℃に加熱してpHを8.0に調整した後、15分反
応後の化合物Iを含有するラテックスへ添加した。この
ゼラチン添加後、グラフト化反応を60℃で15分間行
った。その後得られたゲル−g(グラフト化)−ラテッ
クスを、蒸留水に対して45℃で17時間連続して透析
した。このゲル−g−ラテックスを微細なナイロン(商
標)製フィルタークロスで濾過した。透析後の最終的固
形分含有量は5.9%であった。従って、乾燥ゲル−g
−ラテックスのフタル化ゼラチンB含有量は(148×
100)/(148+346)=30%であった。ゼラ
チングラフト化ポリマー粒子の調製に関する最も詳しい
説明は、米国特許第4,855,219号、同第5,0
66,572号、同第5,055,379号、同第5,
026,632号、同第5,248,558号、同第
4,973,547号及び同第4,942,120号明
細書に記載されている。カルボキシル化ラテックスにゼ
ラチンがグラフト化する化学的機構は、一般に以下の経
路に従うと考えられている。
【0043】
【化1】
【0044】
【化2】
【0045】実施例3:LPOゼラチンA中での立方体
AgCl乳剤の調製 反応容器内:Rousselot LPO脱イオン化ゼラチン 200g Nalco 消泡剤 0.5mL 脱イオン水 3692g 温度 55℃ 制御設定値 pAg=7.20 銀溶液: AgNO3 4.5M HgCl2 0.071mg/Agモル HNO3 0.024M 塩溶液: NaCl 4.5M
【0046】AgCl乳剤のダブルジェット沈殿法
(T.H.James,「The Theory of
the Photographic Proces
s」、第4版、New York(1977))を、p
Agと温度を所定の設定値に制御しながら銀溶液と塩溶
液を反応容器へ39.9分間添加することによって実施
した。初期Ag流速22mL/分を115mL/分まで
上昇させた。乳剤を43.3℃に冷却して限外濾過し、
pAgを6.51とした。3.4gの4−クロロ−3,
5−キシレノールを添加した。電解粒子分析法(EG
A)による立方体結晶の数平均縁長の最終値は337n
mであった。実施例4及び実施例5 :平板状粒子AgBrI(3%
I)乳剤の調製 実施例4及び実施例5の乳剤は、ヘテロ凝集クラスター
化乳剤パケットの調製に用いた二種の平板状粒子AgB
rI(3%I)乳剤である。これら二種の乳剤は以下の
ように同じ方法で調製した。 反応容器内:酸化LPO脱イオン化ゼラチンA 10.5g Nalco 消泡剤 0.7mL 脱イオン水 3961g pH調整 1.85 初期温度 35℃ 成長温度 60℃ 初期設定値 pAg=9.63 制御設定値 pAg=8.94 銀溶液: AgNO3 1.0M 塩溶液: NaBr 1.0M 補助塩溶液:KI 0.03M (Agとタンデム)
【0047】調製は、補助塩溶液KIを含むトリプルジ
ェット法とし、その流速は銀流速とタンデムになるよう
に維持した。Ag溶液と塩溶液をそれぞれ53及び56
mL/分の速度でpAgを制御せずに反応容器に注加
し、双晶化環境下で核を形成させた。30秒間の核生成
工程に続き、ポンプを停止し、温度を3分間で60℃に
上昇させた後、133.4gの酸化ゼラチンと5.49
gのNaBrを含有する溶液1リットルをその反応容器
に投入した。投入後のpAgは8.94であった。その
pHを6.00に調整した後、温度とpAgを設定値に
制御しながらAgNO3 溶液と塩溶液を反応容器に6
3.5分間注加した。初期流速は10mL/分であり、
これを117mL/分まで上昇させた。調製後、温度を
40℃まで低下させ、そして米国特許第2,614,9
29号明細書の実施例3に記載されているように洗浄し
た。最終的なゼラチン濃度はハロゲン化銀1モル当たり
最大40gとなった。保恒剤として1.0gの4−クロ
ロ−3,5−キシレノールを添加した。これらの乳剤系
の等価円直径を画像分析法で測定し、また平均厚を塗布
反射法で測定した(表2)。これらの乳剤は、表2に示
した粒径特性からは互いに実質的に同等であるように見
える。
【0048】
【表2】
【0049】実施例4の乳剤の電子顕微鏡写真を図7に
示す。実施例6 :実施例2のフタル化ゲル−g−ラテックスと
実施例3の立方体AgCl粒子を使用したヘテロ凝集パ
ケット乳剤クラスターの調製 実施例3の乳剤50g(0.106モル)を40℃で溶
融させた。次いで、0.152ミリモルの緑増感色素I
Iを添加し、温度を12分間で60℃に上昇させ、15
分間保持し、その後40℃に冷却した。実施例2のゲル
−g−ラテックス60gを加え、攪拌しながら4.0M
HNO3 でpHを3.80に調整し、ヘテロ凝集を起
こさせた。凝集したクラスター化パケットを沈降させ
た。その上清液をデカントし、等量の脱イオン水で置換
した。そのpHを2.5M NaOHで6.00に調整
し戻した。次いで、そのパケットクラスターを硬膜剤ビ
ス(ビニルスルホニルメタン)(BVSM)の添加によ
って安定化させた。着目すべき点は、実施例3の乳剤は
はるかに少量のLPOゼラチンAによって調製されてお
り、またゲル−g−ラテックスは表面被覆率で75%程
度までグラフト化されていることである。従って、ヘテ
ロ凝集パケット系における溶液中には遊離のゲルがほと
んど又はまったく存在しなくなる条件が創出されてい
る。硬膜剤の添加によるパケットの硬化安定化は、溶液
中には遊離のゼラチンが存在しないので、パケット内部
で起こる。これは、周知の硬化法と同様である(米国特
許第5,026,632号、同第5,248,558
号、同第4,973,547号、同第4,942,12
0号明細書)。この硬化は、このパケット分散液へ、
3.3mLの1.8%BVSM溶液を、攪拌下、滴下す
ることによって行った。攪拌混合物を40℃で6時間保
持した。走査型電子顕微鏡(SEM)検査用の試料を調
製した。パケット乳剤の代表的な電子顕微鏡写真を図8
に示す。このようなパケット乳剤の調製方法によると、
米国特許第5,441,865号及び同第5,399,
480号明細書に記載されている単なる単層被覆物より
も乳剤結晶に対するゲル−g−ポリマー粒体の比率を高
くできることがわかる。図8の写真は、平均的大きさ
(直径4μm程度)のパケットであると思われるものを
示している。この実施例は、立方体乳剤粒子を使用した
パケット形成を例示するものである。
【0050】
【化3】
【0051】実施例7:実施例1のフタル化ゲル−g−
ラテックスと実施例4の平板状AgBrI(3%I)粒
子乳剤を使用したヘテロ凝集パケット乳剤クラスターの
調製 実施例4の乳剤50g(0.05モル)を40℃で溶融
させた。次いで、0.152ミリモルの緑増感色素II
を添加し、温度を12分間で60℃に上昇させ、15分
間保持し、その後40℃に冷却した。実施例2のゲル−
g−ラテックス60gを加え、攪拌しながら4.0M
HNO3 でpHを3.80に調整し、ヘテロ凝集により
クラスターを形成させた。次いで、クラスター化パケッ
トを沈降させた。その上清液をデカントし、等量の脱イ
オン水で置換した。そのpHを2.5M NaOHで
6.00に調整した。次いで、硬化法(米国特許第5,
026,632号、同第5,248,558号、同第
4,973,547号、同第4,942,120号明細
書)と同様な機構によってそのパケットを安定化させる
ため、3.3mlのゼラチン硬膜剤ビス(ビニルスルホ
ニルメタン)(BVSM)を十分に攪拌しながら混合物
に滴下し、そして攪拌しながら40℃で6時間保持し
た。上記と同様にSEM検査用の試料を調製した。形成
したクラスター化パケット乳剤の代表的な電子顕微鏡写
真を図9に示す。このような平板状粒子乳剤クラスター
は、実施例6の立方体AgCl乳剤粒子で調製されたパ
ケットよりも多少大きめになった。このクラスターの直
径は約10nmであるように見えた。
【0052】実施例8及び実施例9:実施例2のPA−
7フタル化ゼラチン−g−ラテックスと実施例3の立方
体AgCl乳剤を使用して形成した硬化済及び未硬化パ
ケット乳剤の調製及び白黒写真評価 安定化用の硬膜剤を含む場合と含まない場合とで実施例
3の立方体AgCl乳剤を使用してクラスター化パケッ
ト乳剤を調製し、そしてこれら二種のパケットの写真特
性を比較した。これらのパケットの調製法とその評価法
は以下の通りである。
【0053】硬膜剤による安定化を施さないパケット
(実施例8) 実施例3の乳剤(0.1モル)を40℃で溶融させた。
AgCl1モル当たり500mgの緑増感色素IIIを
添加し、60℃に加熱した。AgCl1モル当たり50
gの実施例2のゲル−g−ラテックスを加え、激しく攪
拌しながら4.0M HNO3 でpHを3.80に調整
した。形成したパケットを沈降させた。その上清液をデ
カント廃棄し、等量の脱イオン水で置換した。そのpH
を2.5M NaOHで6.00に調整してから塗布を
行った。 硬膜剤による安定化を施したパケット(実施例9) このパケット乳剤は、実施例8の未硬化パケット乳剤と
まったく同じ方法で調製したが、但し、パケットを単離
した後、安定化するために3.3mLの1.8%BVS
M溶液を、攪拌下のパケット乳剤に、40℃で2時間滴
下してから塗布を行った。
【0054】
【化4】
【0055】写真評価 実施例8及び実施例9のパケット溶融物を下記のような
白黒フォーマットで塗布した。 オーバーコート: ゼラチン220mg/ft2 (2,354mg/m2 ) パケット乳剤層: 全ハロゲン化銀量200mg/ft2 (2,140mg
/m2 ) 全ゼラチン量220mg/ft2 (2,354mg/m
2 ) 下塗層: ゼラチン454mg/ft2 (4,858mg/m2 ) 三酢酸セルロースベース レムジェット: カーボン+ポリマー
【0056】各層には、展開剤として、溶融物の0.0
51重量%の界面活性剤Triton(商標)TX−2
00Eと溶融物の0.025重量%の界面活性剤Oli
n10G(商標)とを塗布した。使用した硬膜剤は、全
ゲル量の1.55%のBVSMとし、オーバーコート層
に導入した。塗布後のストリップをMacbethセン
シトメーターにおいて色温度が2850°Kでバランス
されている光源に中性濃度ステップウェッジを介して
0.02秒間露出した。露光後のストリップをCl-
性エロン(商標)アスコルビン酸(著者不明、「Pho
tographic Silver Halide E
mulsions,Preparations,Add
enda,Processing,and Syste
ms」Research Disclosure 30
8、第993頁、1989年12月)プロセスを用いて
20℃(68°F)で処理した。このストリップの各ス
テップにおける濃度を、視覚濃度応答及びX線蛍光法に
よる銀被覆量について測定した。被覆力は、視覚濃度測
定値を当該濃度を生ぜしめた単位面積当たりの銀量で割
り算することで算出した。
【0057】実施例8のコーティングの被覆力は1ft
2 当たり6.3Dmax /mgであり、また実施例9のコ
ーティングの被覆力は1ft2 当たり7.1Dmax /m
gであった。これら二種のパケット乳剤は、硬化処理の
有無とは関係なく、ほぼ同等の被覆力を示していること
がわかる。このことは、パケットの硬化剤による安定化
によって、このようなヘテロ凝集パケット乳剤系のAg
画像化特性が影響を受けることはないことを示してい
る。 実施例10及び実施例11:シアン及びマゼンタの高分
子カプラーラテックスの調製 これらの高分子カプラー粒体は、以下に記載したように
半連続式乳剤重合技法によって調製した。マゼンタ高分
子カプラー(実施例10)ラテックス粒体(M)。この
ポリマーの組成を構造式IVで示す。
【0058】
【化5】
【0059】〔数字は重量比を示す。〕マゼンタ高分子
カプラー系の成分を表3に示す。重合反応は、空気駆動
式スターラー、凝縮器及びガスシール用窒素導入口を具
備した容積12Lの三つ口フラスコ内で行った。このフ
ラスコを一定温度浴に沈め、その温度をスチームで制御
した。表3の成分Aをフラスコに加え、浴の温度を85
℃に調整した。温度が平衡化した後、表3のグループB
の成分をフラスコに加えて1分間攪拌し、次いで表3の
成分Cを添加して重合を開始させた。重合を1時間継続
させた。形成した種ラテックスを、より多量の疎水性カ
プラーモノマーを用いてさらに成長させるために「現場
で」使用した。次いで、その種ポリマーに、グループD
の開始剤をさらに添加した。次いで、グループE(モノ
マー)及びグループF(開始剤及び界面活性剤)の成分
を8時間かけて同時に添加した。メタノールの大部分を
アスピレーターで除去した。ラテックスを濾過し、蒸留
水に対して3日間以上連続して透析し、その後ダイアフ
ィルトレーションで濃縮した。このマゼンタ高分子カプ
ラーラテックスの最終的な固形分含有量は14.1%で
あった。PCS(光子相関分光分析法)で測定したラテ
ックスの直径は176nmであった。
【0060】
【表3】
【0061】マゼンタカプラーモノマー:
【0062】
【化6】
【0063】シアン高分子カプラー(実施例11)ラテ
ックス粒子(C)。このポリマーの組成を構造式Vによ
って示す。
【0064】
【化7】
【0065】下記のような半連続法によってシアン高分
子カプラー粒体を調製した。シアン高分子カプラー粒体
を調製するための成分を表4に示す。85℃の浴中に設
置した同様な容積12Lのフラスコの中にグループAの
成分を装填した。次いで、成分Bを添加し2分間攪拌
し、重合を開始させた。その後、240mLの成分Cを
添加し2分間攪拌し、重合を開始させた。次いで、24
0mLの成分Cを1.5時間かけてフラスコへ添加し
た。成分C及び成分Dの残部を16時間かけて同時にポ
ンプ注入した。モノマーの供給が終了した後、ラテック
スを85℃で6時間以上攪拌した。その後、マゼンタ高
分子カプラー系の場合と同様に、ラテックスを精製して
単離した。ダイアフィルトレーション濃縮後のラテック
ス分散液の固形分含有量は10.4%であり、またPC
Sによるラテックスの粒径は81nmであった。
【0066】
【表4】
【0067】
【化8】
【0068】実施例12及び実施例13:PA−7ゲル
−g−高分子カプラー 以下のように、前記と同様にゼラチングラフト化反応を
実施した。 ゲル−g−ラテックスm〔23%フタル化ゼラチンB〕
(実施例12):表面を飽和させるに必要な量よりも少
ない量のゼラチンを使用してゼラチングラフト化反応を
実施した。凝縮器とスターラーを具備したフラスコに、
実施例10の固形分含有量14.1%のマゼンタ高分子
カプラーラテックスM1773gを装填した。そのフラ
スコを一定温度浴中に配置し、攪拌しながら60℃に加
熱し、そして20NaOH溶液を使用してpHを8.0
に調整した。ラテックス中のポリマーの重量は1773
×0.14=248gであった。使用した化合物Iの量
は、表面メタクリル酸(全重量の5%と仮定)1モル当
たり0.2モルとした。それゆえ、化合物Iの重量は
(248×0.05×0.2×300)/86=8.6
gとなる。化合物Iを86gの水に溶解し、そしてマゼ
ンタラテックスMに添加し、攪拌しながら60℃で15
分間反応させた。60℃の745gの蒸留水中で74.
5gの乾燥フタル化ゼラチンBを溶解させた。このグラ
フト化反応で、ラテックス1g当たり74.5/248
=0.3gのゼラチンを使用した。このラテックスの直
径は176nmであり、その表面積は34m2 /gであ
る。従って、ラテックスのゼラチンによる表面被覆率は
(30×100/34)=88%となる。ゲル−g−ラ
テックス試料を蒸留水に対して45℃で17時間連続し
て透析した。このゲル−g−ラテックス試料の固形分含
有率は11.3%であった。透析後のゲル−g−ラテッ
クスの凍結乾燥試料における塩素の測定から当量146
7が得られ、乾燥ゲル−g−ラテックス1467g当た
り1モルのカプラーモノマーが存在していることを意味
した。この乾燥ゲル−g−ラテックスにおけるゼラチン
%は74.5/(74.5+248)=23%であっ
た。
【0069】ゲル−g−ラテックスC〔33%フタル化
ゼラチンB〕(実施例13) シアンゲル−g−高分子カプラーを上記と同様にして調
製した。各種材料の使用量は以下の通り。 固形分10.4%のラテックスC:60℃、pH=8.
0において2kg ポリマーの全固形分量:2000×0.104=208
g 表面メタクリル酸:208×0.05=10.4g 化合物I:10%水溶液中(10.4×0.2×30
0)/86=7.26g フタル化ゼラチンB:60℃、pH=8.0において9
00gの蒸留水に104g溶解 ラテックスの表面積:74m2 /g 飽和ゲル重量:74×0.01×208=154 表面被覆率:74×100/154=48% ゲル−g−ラテックスCの固形分含有量:透析後、最高
5.5% ゲル−g−ラテックスCの当量:塩素分析より945g 乾燥ゲル−g−ラテックスC中のゲル%:104/(1
04+208)=33%
【0070】ゲル−g−ラテックス試料をさらなる使用
のために4℃で保存した。実施例14及び実施例15 :実施例5の平板状粒子Ag
BrI(3%I)乳剤の化学増感及び分光増感 実施例5の乳剤を使用してパケット乳剤を調製する前
に、これを化学増感並びに赤光及び緑光に対して分光増
感した。 赤増感(実施例14):実施例5の乳剤0.5モルを4
0℃で溶融させた。ハロゲン化銀1モル当たり112.
5mgのチオシアン酸ナトリウムを添加し、5分間保持
した。ハロゲン化銀1モル当たり9mgのチオ硫酸ナト
リウムを添加し、3分間保持した。銀1モル当たり4.
5mgのテトラクロロ金酸カリウムを添加した。温度を
15分で40℃から60℃へ上昇させた。ハロゲン化銀
1モル当たり1200mgの赤増感色素(VI)を添加
し、25分間保持した。ハロゲン化銀1モル当たり1.
75gのテトラアザインデン(TAI)を添加し、5分
間保持した。その乳剤を5℃で冷却固化して保持した。
この乳剤は銀1モル当たり1.034kgであった。
【0071】
【化9】
【0072】緑増感(実施例15):実施例5の乳剤
0.5モルを40℃で溶融させた。銀1モル当たり11
2.5mgのチオシアン酸ナトリウムを添加し、5分間
保持した。銀1モル当たり9mgのチオ硫酸ナトリウム
を添加し、3分間保持した。銀1モル当たり4.5mg
のテトラクロロ金酸カリウムを添加した。温度を15分
で40℃から60℃へ上昇させた。銀1モル当たり14
00mgの緑増感色素(VII)を添加し、25分間保
持した。ハロゲン化銀1モル当たり1.75gのTAI
を添加し、5分間保持した。その乳剤を5℃で冷却固化
して保持した。このパケット乳剤は銀1モル当たり0.
957kgであった。
【0073】
【化10】
【0074】実施例16及び実施例17:ゲル−g−高
分子カプラーラテックス粒体によるパケット乳剤の調製 以下の手順によって、赤色及び緑色の各パケット乳剤に
ついて2組ずつ調製した。 シアンパケット(PAK−C)(実施例16):これは
実施例14の赤乳剤とフタル化ゲル−g−ラテックスC
を用いて調製した。 1.実施例14の赤増感乳剤70gと実施例13のゲル
−g−ラテックスC550gとをCTB中のバーシェー
カー内に入れ、攪拌しながら40℃で溶融させた。同様
にして第二のバーシェーカーをセットアップした。 2.攪拌しながらpHを3.80に調整してヘテロ凝集
パケットクラスターを形成させた。 3.パケットを沈降させ、その上清液をデカント廃棄
し、そして第二のバーシェーカーの内容物を第一のもの
へ入れた。 4.脱イオン水を加えることによってバーシェーカーの
重量を500gに戻すように調整した後、45℃で機械
攪拌しながら再分散させた。 5.pHを5.40に戻すように調整し、攪拌しながら
30分間保持した。 6.その後、パケットを47μmメッシュを介して濾過
し、冷却固化し、そして4℃で冷蔵した。
【0075】マゼンタパケット(PAK−M)(実施例
17):これは下記工程において実施例15の緑乳剤と
実施例12のフタル化ゲル−g−ラテックスMを用いて
調製した。 1.実施例15の緑増感乳剤75gと、実施例12のゲ
ル−g−ラテックスM215gと、脱イオン水75gと
をCTB中の二つのバーシェーカー内に入れ、攪拌しな
がら40℃で溶融させた。同様にして第二のバーシェー
カーをセットアップした。 2〜6.シアンパケットの場合と同様である。
【0076】実施例18及び実施例19:パケット乳剤
PAK−C(実施例16)及びPAKM(実施例17)
の硬化 バーシェーカーの中に250gのパケット乳剤を入れて
40℃で溶融させた。これらのパケットを、組織用ホモ
ジナイザー(Cole Parmer)の中サイズチッ
プにより泡がほとんど又はまったく発生しない最高速度
で十分に分散させた。化合物Iの10%溶液300mL
を調製し、攪拌下のパケット系に10mL/分の速度で
ゆっくりとポンプで送り込んだ。その混合物を40℃で
1時間攪拌した。この時間で硬化が完了したものと認め
られた。この乳剤を3.80のpHでイソ洗浄(米国特
許第2,614,929号明細書)して濃縮した。その
上清液をデカント廃棄し、そしてゼラチン溶液と水を加
えることにより重量を500gに戻し、最終ゼラチン濃
度を2%とした。その溶融物をより高い均質化速度で3
0分間攪拌してパケットを再分散させた。次いで、パケ
ットを17μmメッシュを介して45℃で濾過した。そ
の後、溶融物を攪拌しながら冷却固化した。
【0077】硬化後のマゼンタパケットをHPAK−M
(実施例18)と、また硬化後のシアンパケットをHP
AK−C(実施例19)と称した。硬化後のパケット乳
剤の団結性を、希釈分散液を孔径1.2μmで濾過する
ことにより測定した。Gelman Acrodisc
(商標)フィルターに続き、RA−4プロセス(著者不
明、「Photographic Silver Ha
lide Emulsions,Preparatio
ns,Addenda,Processing,and
Systems」Research Disclos
ure 308、第993頁、1989年12月)用の
発色現像剤の液滴を約5mLの濾液に添加した後、10
%K2 2 8 溶液の液滴を添加した。硬化したパケッ
ト乳剤の場合には着色色素はまったく生成しなかった
が、ゲル−g−ラテックス分散体を対照として使用した
場合には、高強度の色素発色が起こった。このことは、
分散パケット乳剤系では、連続相中に、クラスター化し
ていないゲル−g−高分子カプラー粒体がほとんど又は
まったく残っていなかったことを示唆している。
【0078】実施例20及び実施例21:硬化シアン
(実施例19)及び硬化マゼンタ(実施例18)の写真
評価 パケット乳剤の活性を測定するため、以下の種類のコー
ティングを調製した。 マゼンタパケットコーティング(実施例20) 実施例18の硬化マゼンタパケット乳剤を、感光層が1
ft2 当たり90μ当量(1m2 当たり963M当量)
の色素生成性カップリング基と30mg/ft2 (32
1mg/m2 )の元のAgBrI(3%I)乳剤とを含
有するようにモノクロフォーマットで塗布した。コーテ
ィングフォーマットは以下の通り。
【0079】オーバーコート: ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) BVSM1.55%(全ゲル量に対して) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.025%
(全溶融物に対して) 乳剤層: 銀30mg/ft2 (321mg/m2 ) ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.25%
(全溶融物に対して) カップリング部分90μ当量/ft2 (963μ当量/
2 ) 下塗層: ゼラチン454mg/ft2 (4,858mg/m2 ) 三酢酸セルロースベース レムジェット: カーボン+ポリマー
【0080】このコーティングに、Macbeth露光
装置において色温度が5500°Kでバランスされてい
る光源で中性ステップウェッジ及びWratten 9
9(緑)フィルターを介して1/50秒間露光した(E
astman Kodak刊行物、「Kodak Fi
lters For Scientific andT
echnical Uses」、第3版、Eastma
n Kodak社、Rochester,New Yo
rk,1981)。次いで、そのコーティングを周知の
RA−4処理(A.Hollandら、J.Appl.
Photographic Eng.8,165(19
82))により90秒の現像時間で処理した。処理後の
ストリップを白色反射性樹脂被覆紙基材の上に積層し、
各ストリップ上の緑反射濃度を写真デンシトメーターを
用いて読み取った。得られたセンシトメトリー曲線を図
10に示す。露光量を関数とした良好なマゼンタ色スケ
ールが得られたことが認められる。これは、本発明の方
法及び材料によって調製されたカラーパケット乳剤系
(この場合にはマゼンタ)の有用性及び官能効能を立証
するものである。
【0081】シアンパケットコーティング(実施例2
1) 実施例19の硬化シアンパケット乳剤を、感光層が1f
2 当たり79μ当量(1m2 当たり845M当量)の
色素生成性カップリング基と30mg/ft2(321
mg/m2 )の元のAgBrI(3%I)乳剤とを含有
するようにモノクロフォーマットで塗布した。コーティ
ングフォーマットは以下の通り。
【0082】オーバーコート: ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) BVSM1.55%(全ゲル量に対して) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.025%
(全溶融物に対して) 乳剤層: 銀30mg/ft2 (321mg/m2 ) ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.25%
(全溶融物に対して) カップリング部分79μ当量/ft2 (845μ当量/
2 ) 下塗層: ゼラチン454mg/ft2 (4,858mg/m2 ) 三酢酸セルロースベース レムジェット: カーボン+ポリマー
【0083】このコーティングに、マゼンタパケットの
場合と同じように、但し、カラーフィルターにはWra
tten 29を使用して露光した(Eastman
Kodak刊行物、「Kodak Filters F
or Scientificand Technica
l Uses」、第3版、Eastman Kodak
社、Rochester,New York,198
1)。次いで、そのフィルムストリップをRA−4処理
(A.Hollandら、J.Appl.Photog
raphic Eng.8,165(1982))によ
り90秒の現像時間で処理した。処理後のストリップを
白色反射性樹脂被覆紙基材の上に積層し、各ストリップ
上の赤反射濃度を写真デンシトメーターを用いて読み取
った。得られたセンシトメトリー曲線を図11に示す。
露光量を関数とした良好なシアン色スケールが得られた
ことが認められる。これは、本発明の方法及び材料によ
って調製されたシアンカラーパケット乳剤系の有用性及
び官能効能を立証するものである。
【0084】実施例22、23及び24:パケット境界
を越えた現像剤酸化体(Dox)の移動 混合パケット系における重要な問題の一つに、二つのカ
ラーパケット間のクロストークがある。このようなクロ
ストークを防止するため、本発明者らは、常用の現像剤
酸化体掃去剤分散体又は好ましくは高分子掃去剤を使用
することを提案している。パケット系においてこのよう
なDoxの移動がどの程度起こるかを測定するため、以下
のフォーマットに従い三種類のコーティングを一組調製
した。
【0085】オーバーコート: ゼラチン200mg/ft2 (2,140mg/m2 ) BVSM1.55%(全ゲル量に対して) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.025%
(全溶融物に対して) 乳剤層: 銀30mg/ft2 (321mg/m2 ) ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.25%
(全溶融物に対して) シアンカプラー(VIII)90μ当量/ft2 (96
3μ当量/m2 ) マゼンタカプラー(IV)90μ当量/ft2 (963
μ当量/m2 ) Dox掃去剤(IX)0、30及び90μ当量/ft
2 (0、321及び963μ当量/m2 ) 下塗層: ゼラチン454mg/ft2 (4,858mg/m2 ) 三酢酸セルロースベース レムジェット: カーボン+ポリマー
【0086】実施例18のマゼンタパケット乳剤HPA
K−Cを、0、30及び90μ当量/ft2 (0、32
1及び963μ当量/m2 )のDox掃去剤(IX)の常
用の分散体と一緒にカプラーVIII及びマゼンタ高分
子カプラー(IV)(2当量カプラー部分)の両カプラ
ーと同じ層に90μ当量/ft2 のシアンカプラーVI
II(4当量)カプラーの常用の分散体と一緒に塗布し
た。
【0087】
【化11】
【0088】この層のパケット乳剤中には、常用のシア
ンカプラー分散体及びパケット内のマゼンタカプラーの
すべてにより色素を生成させるのに必要なすべてのDox
を生成させるのに十分量のAg+ を含めた。掃去剤(I
X)は、その活性の高いものを選んだ。これらのコーテ
ィングに、上記のマゼンタパケットの場合と同様に露光
を施し、そして前記RA−4現像液(著者不明、「Ph
otographicSilver Halide E
mulsions,Preparations,Add
enda,Processing,and Syste
ms」、Research Disclosure 3
08、第993頁、1989年12月)において90秒
間の処理を施した。得られた画像と共に、0、30及び
90m当量(各々0、21及び62mg/ft2 )のD
ox掃去剤(IX)を含むコーティングについて顕微鏡の
上面図及び断面図を評価した。メートル単位による塗布
量は、それぞれ0、321及び963当量/m2 又は
0、225及び663mg/m2 である。
【0089】Dox掃去剤を含有しないコーティングの画
像は青色(シアン+マゼンタ)になったが、30μ当量
/ft2 のDox掃去剤を含むコーティングの画像は若干
のシアン汚染を含むマゼンタ色に、90μ当量/ft2
のDox掃去剤を含むコーティングの画像は完全なマゼン
タ色になった。Dox掃去剤を含まないコーティングの顕
微鏡断面図は、三つのパックのマゼンタ色素がマゼンタ
クラスターのように見え、そして細かく分散された常用
のシアン色素がパケット間で散在していることを示して
いた。この画像の全体的な外観は青色である。これは、
oxがパケットの外部に移動して、パケット間の常用の
分散体からシアン色素が形成したためである。30μ当
量/ft2 のDox掃去剤を含むコーティングでは、横断
面において散在しているシアン色素はほとんどないこと
が認められ、その画像はシアン味がかったマゼンタ色で
あった。掃去剤の濃度が最も高い場合には、画像は完全
にマゼンタ色であることが認められた。それゆえ、この
濃度では、Doxはパケット乳剤の外部へはまったく移動
しなかった。このことは、混合パケットカラー写真系を
構築する際にこのようなパケット乳剤を使用する効能を
示すと共に、本発明の概念の実施化を例示するものであ
る。
【0090】これら三種のコーティングから得られた画
像の赤と緑のDmax 値を、コーティングに含まれる掃去
剤(mg/ft2 )の関数として図12に示した。カプ
ラーのモル当量レベルに等価な掃去剤レベルにおいて完
全な色純度が得られることがわかる。また、コーティン
グ中の掃去剤レベルを増加させると、赤濃度を低下させ
るだけではなく、緑濃度も低下させることもわかる。し
かしながら、図12では、シアンカプラーがコーティン
グの連続相中に存在していることから予想されるよう
に、赤色Dmax は緑色Dmax よりもはるかに急激に低下
することがわかる。従って、結論的に、掃去剤(IX)
は、高分子掃去剤ではないが、パケット内に侵入して緑
色パケットの色素形成量を減少させる。これはあまり望
ましいことではない。それゆえ、パケット内に侵入でき
ない高分子掃去剤の方が好ましい。この試験はDox移動
性について非常に厳しい試験である。実際の混合パケッ
ト系では、別々に着色されるパケットを一緒に混合した
被覆力の高い常用の分散体は存在しない。それゆえ、安
定なパケットが形成された場合、掃去剤が存在しない
と、各パケットは十分なパケット濃度を示すが、連続相
中では被覆力の高い非パケット色素は形成されない。こ
のことは一般に、粒体間Dox掃去剤の必要性があったと
してもほんのわずかであるパケットを常用の分散体を存
在させずに製造できることを示唆している。このこと
は、この実験のコーティングにおけるパケット間の平均
距離はパケットと常用の分散体粒子との間の距離よりも
はるかに大きいため特に当てはまる。
【0091】実施例25〜実施例28:ヘテロ凝集乳剤
パケットクラスターを使用したシアン及びマゼンタ混合
パケット系 ここでは、先に調製した硬化済シアンパケットHPAK
−C(実施例19)及び硬化済マゼンタパケットHPA
K−M(実施例18)から調製された真正な混合パケッ
トコーティングにおける色分離についてのコーティング
及び写真評価を説明するものである。 混合パケットコーティング(実施例25) シアン及びマゼンタ混合パケットコーティングのフォー
マットは以下の通り。
【0092】オーバーコート: ゼラチン300mg/ft2 (3,210mg/m2 ) BVSM1.55%(全ゲル量に対して) Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.025%
(全溶融物に対して)混合パケット乳剤層: Triton TX−200E(商標)(塗布助剤)
0.051%(全溶融物に対して) Olin 10−G(商標)(塗布助剤)0.025%
(全溶融物に対して) マゼンタパケット 銀40mg/ft2 (428mg/m2 ) マゼンタカプラー(IV)133mg/ft2 (1,4
23mg/m2 ) ゼラチン600mg/ft2 (6,420mg/m2 ) シアンパケット 銀40mg/ft2 (428mg/m2 ) シアンカプラー(V)180mg/ft2 (1,926
mg/m2 ) ESTAR(商標)ポリエステルベース
【0093】着目すべき点は、混合パケット層中のゲル
量を実施例22〜24のモノクロフォーマットの場合よ
りもさらに増加させ、モノクロコーティングに比べてパ
ケット間分離を増大させると共に、コーティング内に形
成されるパケットによる表面起伏を低減させたことであ
る。この混合コーティングには掃去剤をまったく塗布し
なかったことにも着目すべきである。
【0094】混合パケット露光条件(実施例26) 先に示したものと同じ露光装置を用いて上記混合パケッ
トコーティングを露光した。赤露光にはWratten
29(Eastman Kodak刊行物、「Kod
ak Filters For Scientific
and Technical Uses」、第3版、
Eastman Kodak社、Rochester,
New York,1981)を使用し、また緑露光に
はWratten 99(Eastman Kodak
刊行物、「Kodak Filters For Sc
ientific and Technical Us
es」、第3版、Eastman Kodak社、Ro
chester,NewYork,1981)を使用し
た。赤+緑露光には、Wratten 99で1回とW
ratten 29で1回の露光をストリップに施し
た。混合パケットストリップを赤光(Wratten
29)のみに露光すると、シアンパケットが露光され
る。しかしながら、シアンパケット乳剤は緑吸収を実質
的に示すため、パケットコーティングを緑光(Wrat
ten 99)に露光すると、マゼンタパケットのみな
らずシアンパケットもまた露光される。これは、増感色
素対の感受性が原因である。所望であれば、よりきれい
な露光のために、赤増感をより長波長側に移動させて赤
感度と緑感度の重なりを最小限に抑えることができる。
増感特性に基づくと、赤露光ストリップにおいてのみ最
良の色分離が認められることが予想される。緑露光スト
リップは、混合パケットコーティングにおいて多少の色
汚染を示すはずである。従って、上記混合パケットコー
ティングの混合パケット色分離に関する結論は、赤露光
ストリップのみから出されなければならない。
【0095】RA4現像による混合パケットコーティン
グの評価(実施例27) 最初に、混合パケットコーティングを赤+緑光で露光
し、そしてRA4現像法(著者不明、「Photogr
aphic Silver Halide Emuls
ions,Preparations,Addend
a,Processing,and System
s」、Research Disclosure30
8、第993頁、1989年12月)で処理した。処理
済ストリップの画像と共に、高濃度及び低濃度ステップ
両方の典型的な場の光学顕微鏡写真による横断面図を得
た。予想されたように、処理済コーティングの横断面
は、シアンパケットとマゼンタパケットの両方の現像を
示し、そしてその画像は青色(シアン+マゼンタ)に見
えた。高濃度領域では、低濃度領域よりもパケットの現
像はより完全となり、パケットはより大きな色素斑点と
して見えた。横断面図から、パケットの粒径分布は広
く、直径が10μm程度の大きさのパケットは少数であ
るように見えた。また、これらの大きなパケットは、ゲ
ル塗布量が高いにもかかわらず、表面の起伏の原因にな
っていることも認められた。高露光領域及び低露光領域
におけるコーティング表面の顕微鏡観察より、高濃度領
域では、重畳露光したパケットは青色に見え、個々のカ
ラーパケットを見分けることはほとんどできない。しか
しながら、低濃度領域の観察では、予想されたように、
現像されたシアンパケット及びマゼンタパケット両方の
混合が高い色素濃度で明白に示された。
【0096】赤色と緑色の分離露光で処理した混合パケ
ットコーティングの画像と高濃度及び低濃度ステップに
おけるコーティングの光学顕微鏡による横断面は、緑露
光によりマゼンタ像が生じ、赤露光によりシアン像が生
じることを示した。このことは、コーティング中の粒子
間にDox掃去剤がまったく存在しない場合でも、合理的
な程度の色分離が達成されたことを示唆している。色分
離の試験は、先に発見した分光増感の重なりのため、赤
露光フィルムに対して本当に適切である。赤露光画像の
横断面は、高露光領域及び低露光領域のいずれにおいて
も、主にシアンパケットを示し、マゼンタの量はわずか
である。この観察結果は、本発明の混合パケット層にお
いて、Dox掃去剤をまったく内蔵させない場合でも、色
分離が本当に実現されたことを明白に示している。実施
例27の赤分離露光の高露光及び低露光領域の表面顕微
鏡写真は、シアンパケットのみの現像を示し、上記結論
と矛盾しない。
【0097】低露光量では、混合パケットコーティング
の緑分離露光により、シアンパケットの緑感光性とは無
関係に、マゼンタ像が得られた。RA4処理後の緑分離
露光の断面は、予想した通りシアンパケットとマゼンタ
パケットの両方の現像を示したが、その濃度は、実際に
現像されたシアンパケットの数ではないかもしれない
が、赤露光の場合よりも少ないように見えた。一方で、
現像されたマゼンタパケットは相当数存在し、そして低
露光量では、これらはシアンよりも有意に多くなった。
このように、フィルムはマゼンタ色に見えた。緑色のみ
で露光した画像の顕微鏡上面図は、同じ結論を支持し
た。従って、上記の観測から、記載の方法でパケットを
配合し且つ適切な増感色素の組合せを選択することによ
って、本発明の混合パケットコーティングにおいて色分
離を獲得することが本当に実現可能であると結論付けら
れる。
【0098】E6現像による混合パケットコーティング
の評価(実施例28) 上記の混合パケットコーティングをE6プロセス(著者
不明、「Photographic Silver H
alide Emulsions,Preparati
ons,Addenda,Processing,an
d Systems」、Research Discl
osure 308、第993頁、1989年12月)
でも4分間現像した。赤及び緑の色分離露光による処理
済コーティングの画像と共に該コーティングの高濃度及
び低濃度ステップにおける光学顕微鏡断面図を得た。同
様に、コーティングの高濃度領域及び低濃度領域におけ
る表面顕微鏡写真を得た。着目すべき点は、リバーサル
E6処理では、残留銀が現像されるため、赤露光ではマ
ゼンタ色素が、また緑露光ではシアン色素が生じること
である。赤乳剤の緑感光性に関する先の説明によると、
赤露光ストリップにおいて最良の色分離が観測されるは
ずである。
【0099】先に記載したように赤及び緑の色分離露光
を施した。シアン色素とマゼンタ色素の両方が形成され
ているはずの(反転)Dmax 領域の断面は、予想通り、
シアンパケットとマゼンタパケットの両方が現像されて
いることが示された。赤露光ストリップの低濃度領域は
マゼンタパケットのみを示した。このことはまた、本発
明の混合パケットコーティングにおいて良好な色分離が
得られたことの明らかな証拠である。シアンパケット乳
剤の緑感度のため、緑露光ストリップにおいて良好な色
分離が得られることは予想されなかった。にもかかわら
ず、緑露光ストリップの低濃度領域の断面は主にシアン
パケットを示した。このような緑露光フィルムにおいて
優れた色分離が認められたことは意外であった。この顕
微鏡写真による上面図も上記の結論と矛盾しないもので
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】水性石灰処理済骨ゼラチン中で析出させたハロ
ゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀−ゼラチン粒体の模式
図である。
【図2】フタル化ゼラチングラフト化ポリマー粒体の模
式図である。
【図3】標準的石灰処理済骨ゼラチンとフタル化ゼラチ
ングラフト化ポリマー粒体の電荷のpH依存性を説明す
るグラフである。
【図4】ヘテロ凝集の初期段階を説明する模式図であ
る。
【図5】ヘテロ凝集によって形成されたパケット乳剤ク
ラスターの模式図である。
【図6】ヘテロ凝集パケット乳剤クラスターを使用した
混合パケット層の概念を説明する模式図である。
【図7】実施例4の平板状AgBrI(3%I)乳剤の
粒子構造を示す図面に代わる走査型光学顕微鏡写真であ
る。
【図8】実施例6の硬膜剤で安定化させたヘテロ凝集パ
ケット乳剤クラスターの粒子構造を示す図面に代わる走
査型電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例7の硬膜剤で安定化させたヘテロ凝集パ
ケット乳剤クラスターの粒子構造を示す図面に代わる走
査型電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例20の硬化済マゼンタパケットコーテ
ィングの写真センシトメトリー挙動を示すグラフであ
る。
【図11】実施例21の硬化済シアンパケットコーティ
ングの写真センシトメトリー挙動を示すグラフである。
【図12】実施例22〜24の画像の透過Dmax 値をコ
ーティング中の掃去剤濃度に対してプロットしたグラフ
である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c…ハロゲン化銀−ゼラチ
ン粒体 11…ハロゲン化銀 12,18…ゼラチン層 16,16a,16b,16c…ゼラチングラフト化ポ
リマー粒体 17…ポリマーコア 20…支持体 21…層 22a,22b,22c…パケット粒体 30…現像剤酸化体掃去剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス ジョセフ ダンハウザー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,ロカスト ストリート 16 (72)発明者 ジョン デレク ルイス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ミル クリーク ラン 1310 (72)発明者 マーク アンソニー ホワイトソン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ハイタワー ウェイ 674

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)等電点pHがP1 である解こう性
    ゼラチンの層状吸着物によって各々取り囲まれているハ
    ロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀−ゼラチン粒体と、
    (b)グラフト化されたゼラチンの等電点pHが前記P
    1 とは異なるP2 であるゼラチングラフト化ポリマー粒
    体とを水性媒体中に含んで成り、 前記解こう性ゼラチンと前記グラフト化されたゼラチン
    との少なくとも一方がイソ性ゼラチンであり、そして前
    記ゼラチングラフト化ポリマー粒体と前記ハロゲン化銀
    −ゼラチン粒体とがヘテロ凝集パケット乳剤クラスター
    を形成した、感光性ハロゲン化銀乳剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゼラチングラフト化ポリマー粒体
    が、フィルター色素、現像抑制剤放出型カプラー、現像
    抑制剤隣接基関与放出型カプラー、色素生成性カプラ
    ー、成核剤、写真現像促進剤、紫外線吸収化合物、増感
    色素、現像抑制剤、カブリ防止剤及び漂白促進剤から成
    る群の少なくとも一種から選ばれた写真剤を含む、請求
    項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (1)(a)等電点pHがP1 である解
    こう性ゼラチンの層状吸着物によって各々取り囲まれて
    いるハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀−ゼラチン粒
    体と、(b)グラフト化されたゼラチンの等電点pHが
    前記P1 とは異なるP2 であるゼラチングラフト化ポリ
    マー粒体とを水性媒体中で混合する際に、前記解こう性
    ゼラチンと前記グラフト化されたゼラチンの少なくとも
    一方がイソ性ゼラチンである工程と、 (2)攪拌下、前記水性媒体のpHを、前記P1 と前記
    2 の間にあって且つ前記イソ性ゼラチンの等電点pH
    から0.5pH単位以内にある値に調整し、よって前記
    ゼラチングラフト化ポリマー粒体と前記ハロゲン化銀−
    ゼラチン粒体とをヘテロ凝集させてヘテロ凝集パケット
    乳剤クラスターを形成させる工程とを含む、請求項1又
    は2に記載の感光性ハロゲン化銀乳剤組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 下記パケット乳剤クラスター(a)〜
    (c): (a)等電点pHがP1aである解こう性ゼラチンの層に
    よって各々取り囲まれたハロゲン化銀粒子であって、グ
    ラフト化されたゼラチンの等電点pHが前記P1aとは異
    なるP2aであるシアン色素生成性カプラーを含有するゼ
    ラチングラフト化ポリマー粒体と共にヘテロ凝集してい
    るハロゲン化銀粒子を含み赤光に感光する、赤色パケッ
    トクラスターを形成するハロゲン化銀粒体、 (b)等電点pHがP1bである解こう性ゼラチンの層に
    よって各々取り囲まれたハロゲン化銀粒子であって、グ
    ラフト化されたゼラチンの等電点pHが前記P1bとは異
    なるP2bであるマゼンタ色素生成性カプラーを含有する
    ゼラチングラフト化ポリマー粒体と共にヘテロ凝集して
    いるハロゲン化銀粒子を含み緑光に感光する、緑色パケ
    ットクラスターを形成するハロゲン化銀粒体、並びに (c)等電点pHがP1cである解こう性ゼラチンの層に
    よって各々取り囲まれたハロゲン化銀粒子であって、グ
    ラフト化されたゼラチンの等電点pHが前記P1cとは異
    なるP2cであるイエロー色素生成性カプラーを含有する
    ゼラチングラフト化ポリマー粒体と共にヘテロ凝集して
    いるハロゲン化銀粒子を含み青光に感光する、青色パケ
    ットクラスターを形成するハロゲン化銀粒体、のうち少
    なくとも二種を含有する層を担持する支持体を含んで成
    り、各パケット乳剤(a)、(b)及び(c)におい
    て、解こう性ゼラチン又はグラフト化ゼラチンの少なく
    とも一方がイソ性である、混合パケット感光性写真要
    素。
JP8089902A 1995-03-21 1996-03-21 感光性ハロゲン化銀乳剤組成物及びその製造方法並びに混合パケット写真要素 Pending JPH08262607A (ja)

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