JPH04228607A - 溶融紡糸可能な有機合成ポリマーの紡糸方法 - Google Patents

溶融紡糸可能な有機合成ポリマーの紡糸方法

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JPH04228607A
JPH04228607A JP3107511A JP10751191A JPH04228607A JP H04228607 A JPH04228607 A JP H04228607A JP 3107511 A JP3107511 A JP 3107511A JP 10751191 A JP10751191 A JP 10751191A JP H04228607 A JPH04228607 A JP H04228607A
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temperature
filament
spinneret
spinning
filaments
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JP3107511A
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F Holmes Simons
エフ・ホルムズ・シモンズ
Ronald L Griffith
ロナルド・エル・グリフィス
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Hoechst Celanese Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は,高強度・高モジュラス・低収縮
の合成ヤーンを製造するための紡糸方法に関する。
【0002】繊維形成性で溶融紡糸可能な合成ポリマー
が開発されて以来,繊維メーカーは,これらのポリマー
から製造される繊維の強度と安定性を増大させる方法を
確立すべく多くの研究を重ねてきた。これらの物品に対
して織物用以外の用途が開けるには,繊維のさらなる強
度アップと安定性アップが必要とされる。このような非
織物用途(“産業向け用途”としても知られている)と
しては,タイヤコード;縫糸;帆布;路床構造物等に使
用される布,ウェブ,又はマット;産業用ベルト;複合
材料;建築材料用布帛;ホース用補強材;布帛積層体;
及びロープ;等がある。
【0003】最初は,これら産業向け用途のいくつかに
対してはレーヨンが使用されていた。その後,ナイロン
がレーヨンに取って代わった。1970年代においては
,ナイロンと競合するものとして,ポリエチレンテレフ
タレートのようなポリエステルが導入されるようになっ
た。そして1985年頃,より高性能(すなわち,より
高い強度と安定性)を有するポリエステルが開発された
【0004】いくつかの特許による先行技術を大まかに
見直すと,後述の如く,合成繊維の強度と安定性を高め
る可能な方法として3つの一般的なエリアが検討されて
いることがわかる。これらの一般的エリアは,延伸に関
するプロセス;ポリマーに関するプロセス;及び紡糸に
関するプロセス;である。以後“延伸”とは,紡糸した
ままのヤーンに対して施される加熱と伸張を表わすもの
とする。“ポリマーに対する処理”とは,紡糸工程の前
にポリマーに施される処理を表わすものとする。“紡糸
”とは,ポリマーからフィラメントを形成するためのプ
ロセスを表わすものとする(但し延伸は除く)。
【0005】延伸に関するプロセスは以下の通りである
【0006】米国特許第3,090,997号において
は,タイヤコードとして使用するための,ポリアミドの
多段階延伸が開示されている。従来法に従って繊維(ナ
イロン)が溶融紡糸される。次いで,紡糸した繊維を三
段階プロセス(延伸し,次いで加熱し,次いで再び延伸
する)にて延伸すると,10.4〜11.1g/デニー
ル(gram  per  denier;gpd)の
テナシティ,12.9〜17.1%の伸び,及び48〜
71gpd/100%の初期モジュラスを有する延伸ナ
イロンが得られる。
【0007】米国特許第3,303,169号において
は,高モジュラス・高テナシティ・低収縮のポリアミド
ヤーンを得るための,ポリアミドに対する一段延伸プロ
セスが開示されている。紡糸したポリアミドを延伸し,
そして少なくとも115℃に加熱すると,5〜8.7g
pdのテナシティ,16.2〜30.3%の伸び,28
〜59gpd/100%の初期モジュラス,及び3.5
〜15%の収縮率を有するヤーンが得られる。
【0008】米国特許第3,966,867号において
は,1.5〜1.7の相対粘度を有するポリエチレンテ
レフタレートを得るための二段延伸プロセスが開示され
ている。第一段階では,70〜100℃の温度と3.8
〜4.2の延伸比で繊維を処理する。第二段階では,2
10〜250℃の温度及び第1の延伸比と第2の延伸比
を合わせて5.6〜6.1の延伸比で繊維を処理する。 こうして得られる延伸ヤーンは,7.5〜9.5gpd
のテナシティ,5gpdの負荷にて約2〜5%の伸び,
9〜15%の破断点伸び,及び1〜4%の収縮率を有す
る。
【0009】米国特許第4,003,974号において
は,ポリエチレンテレフタレートを紡糸して得たヤーン
(24〜28のHRVを有する)を延伸しながら75〜
250℃に加熱し,加熱された引取ロール上に通し,そ
して最後に応力緩和する。この延伸ヤーンは,7.5〜
9gpdのテナシティ,約4%の収縮率,12〜20%
の破断点伸び,及び7%伸びにて3〜5gpdの耐力を
有する。
【0010】ポリマーに対する処理によるヤーンの特性
向上に関するプロセスは以下の通りである。
【0011】米国特許第4,690,866号と第4,
867,963号によれば,ポリエチレンテレフタレー
トの固有粘度(I.V.)は0.90より大きい。米国
特許第4,690,868号によれば,紡糸したままの
(未延伸)繊維の特性は次の通りである:破断点伸び,
52〜193%;複屈折,0.0626〜0.136;
結晶化度,19.3〜36.8%。延伸した繊維の特性
は次の通りである:テナシティ,5.9〜8.3gpd
;伸び,10.1〜24.4%;乾燥収縮率(210℃
),0.5〜10.3%。米国特許第4,867,93
6号によれば,延伸した繊維の特性は次の通りである:
テナシティ,約8.5gpd;破断点伸び,約9.9%
;収縮率(177℃),約5.7%。
【0012】紡糸に関するプロセスは以下の通りである
【0013】米国特許第3,053,611号によれば
,紡糸口金を離れた後のポリエチレンテレフタレートが
,長さ2mの紡糸シャフト中で220℃に加熱される。 次いで,もう一つのシャフト中で繊維に冷水を噴霧する
。1分当たり1,600m(mpm)の速度で繊維を巻
き取り,引き続き延伸を行って3.5gpdのテナシテ
ィを得る。
【0014】米国特許第3,291,880号によれば
,ポリアミドが紡糸口金から紡糸され,次いで約15℃
に冷却され,次いで繊維に生蒸気が噴霧される。紡糸し
たままの繊維は,配向性が低く,また複屈折の値も小さ
い。
【0015】米国特許第3,361,859号において
は,有機合成ポリマーを紡糸して繊維としている。繊維
が紡糸口金を出ると,繊維が“制御された遅延化冷却”
に付される。この冷却は,紡糸口金からの最初の7イン
チに対して行われる。頂部(すなわち,紡糸口金の隣接
部)の温度は300℃であり,底部(すなわち,紡糸口
金から約7インチの距離の部分)の温度は132℃であ
る。紡糸したままのヤーンの複屈折値は小さく(11〜
35×10−3),延伸したヤーンの特性は次の通りで
ある:テナシティ,6.9〜9.4gpd;初期モジュ
ラス,107〜140gpd/100%;破断点伸び,
7.7〜9.9%。
【0016】米国特許第3,936,253号及び第3
,969,462号においては,約115〜460℃の
温度で加熱したシュラウド(長さ0.5〜2フィート)
の使用について開示している。前者の特許の場合,シュ
ラウドの頂部の温度が底部の温度より高い。前者の特許
における延伸ヤーンの特性は次の通りである:テナシテ
ィ,9.25gpd;伸び,約13.5%;収縮率,約
9.5%。後者の特許の場合,シュラウド内の温度は一
定であり,延伸ヤーンの特性は次の通りである:テナシ
ティ,8〜11gpd;破断点伸び,12.5〜13.
2%。
【0017】米国特許第3,946,100号によれば
,繊維が紡糸口金から紡糸され,80℃未満の温度で固
化される。次いで固化した繊維が,ポリマーのガラス転
移温度(Tg )とポリマーの融点との間の温度に再加
熱される。この加熱された繊維が,1分当たり1,00
0〜6,000メートルの割合で加熱ゾーンから取り出
される。紡糸したヤーンの特性は次の通りである:テナ
シティ,3.7〜4.0gpd;初期モジュラス,70
〜76gpd/100%;複屈折,0.1188〜0.
1240。
【0018】米国特許第4,491,657号によれば
,ポリエステルのマルチフィラメントヤーンが高速で溶
融紡糸され,そして固化される。固化は,加熱ゾーンと
冷却ゾーンを連続した形で含んだゾーンにて行われる。 加熱ゾーンは,バレル形状のヒーター(温度はポリマー
の融点から400℃まで変わる)であり,その長さは0
.2〜1.0メートルである。冷却ゾーンでは,空気に
より10〜40℃に冷却される。該プロセスによって作
製された延伸ヤーンは次のような特性を有する:初期モ
ジュラス,90〜130gpd;収縮率(150℃にて
),8.7%未満。
【0019】米国特許第4,702,871号によれば
,減圧状態のチャンバー中に繊維が紡糸される。紡糸し
たヤーンの特性は次の通りである:強度,3.7〜4.
4gpd;複屈折,104.4〜125.8(×10−
3);乾燥熱収縮,160℃で15分にて4.2〜5.
9%。
【0020】米国特許第4,869,958号によれば
,熱をかけずに繊維が紡糸され,そして巻き取られる。 この時点において,繊維の結晶化度は低いが,高度に配
向している。次いで,繊維が熱処理される。延伸した繊
維の特性は次の通りである:テナシティ,4.9〜5.
2gpd;初期モジュラス,92.5〜96.6gpd
/100%;伸び,28.5〜32.5%。
【0021】上記の特許を考察すればわかるように,こ
れら種々のプロセスにより得られる繊維のいくつかは高
強度と低収縮率を有するけれども,上記特許のいずれも
,高いテナシティ,高い初期モジュラス,及び低い収縮
率を併せもった延伸ヤーンを製造するプロセスについて
は開示していない。
【0022】このような延伸ヤーンの開示に最も近い特
許は米国特許第4,101,525号と第4,195,
052号であり,これらの特許は本発明の譲受人に譲渡
されている関連特許である。これらの特許においては,
ポリエステルフィラメント(0.5〜2.0dl/gの
固有粘度を有するポリマー)が紡糸口金から溶融紡糸さ
れる。溶融フィラメントが固化ゾーンに通され,そこで
均一に冷却され,そして固体繊維となる。この固体繊維
が,実質的な応力下にて(0.015〜0.15gpd
)固化ゾーンから延伸される。これらの紡糸したままの
固体繊維は比較的高い複屈折(約9〜70×10−3)
を示す。次いで紡糸したままの繊維を延伸し,引き続き
熱処理に付す。延伸フィラメントの特性は次の通りであ
る:テナシティ,7.5〜10gpd;初期モジュラス
,110〜150gpd/100%;収縮率,空気中1
75℃にて8.5%未満。
【0023】本明細書では,溶融紡糸可能な有機合成ポ
リマーを紡糸する方法について開示する。本発明の紡糸
方法は,(a)溶融紡糸可能な有機合成ポリマーを紡糸
口金を通して押し出す工程;(b)紡糸口金から得られ
るフィラメントを細長い区画に通す工程;(c)前記区
画内の約3メートル以上の距離にわたって,前記フィラ
メントを前記ポリマーのガラス転移温度より高い温度に
保持する工程;及び(d)前記フィラメントを収束する
工程;の各工程を含む。
【0024】これとは別に,本発明の紡糸方法は,(a
)溶融紡糸可能な有機合成ポリマーを紡糸口金を通して
押し出す工程;(b)少なくとも5メートルの長さを有
する細長い区画,又は細長い区画内の温度を所定の最高
温度から所定の最低温度まで調節するための手段を供給
する工程;(c)フィラメントを前記細長い区画に通す
工程;及び(d)前記フィラメントを収束する工程;の
各工程を含む。
【0025】高いテナシティ,高い初期モジュラス,及
び低い収縮率を有する延伸ヤーン,並びにこのような延
伸ヤーンを紡糸する方法について以下に開示する。“ヤ
ーン”,“フィラメント”,又は“繊維”とは,溶融紡
糸可能な有機合成ポリマーから作製されるいかなる繊維
をも意味するものとする。このようなポリマーとしては
ポリステルやポリアミド等があるが,これらに限定され
るわけではない。しかしながら,本発明は,例えば,ポ
リエチレンテレフタレート(PET),PETとポリブ
チレンテレフタレート(PBT)とのブレンド物,及び
多官能モノマー(例えばペンタエリスリトール)で架橋
したPETなどのポリエステルに特に関係している。上
記ポリマーのいずれも,従来の添加剤を含んでもよい。 ヤーンの固有粘度(PETベースのポリマーに関して)
は0.60〜0.87である。しかしながら,本発明は
,ポリマーの固有粘度(I.V.)には関係がない。
【0026】図1を参照すると,紡糸装置10が示され
ている。ポリマーチップを溶融するための従来の押出機
12が,従来の紡糸ビーム14と流体で連通している。 紡糸ビーム14内には従来の紡糸パック(spinni
ng  pack)16がある。パック16は環状設計
物でよく,当業界に公知の方法に従って,ポリマーを微
細粒子の層に通すことによりポリマーを濾過する。パッ
ク16の一部として,従来の紡糸口金(図示せず)が組
み込まれている。パックを通過するポリマーの流量は,
約10〜55ポンド/時の範囲で変わる。55ポンドと
いう上限は,パック16の物理的寸法のみによって規定
されるものであり,より大きなパックを使用すれば,よ
り多くの流量が得られる。単位フィラメント当たりのス
パンデニール(dpf)は3〜20の範囲であり,ヤー
ンに対する最適の機械的特性は5〜13dpfの間で現
れるようである。
【0027】繊維が紡糸口金を離れたときに,必要に応
じて繊維を高温不活性ガス(例えば空気)で冷却しても
よい。米国特許第4,378,325号を参照のこと。 通常,ガスの温度は約230℃であり,約6標準ft3
 /分(scfm)の割合で供給される。空気の温度が
高すぎる場合(すなわち260℃以上),紡糸ヤーンの
特性は大幅に低下する。
【0028】細長いカラム18が紡糸ビーム14のすぐ
下に気密状態にて据え付けられている。このカラムは,
長さ約5メートル以上の断熱チューブを含んでいる。カ
ラムの長さについては,より詳細に後述する。チューブ
の内径は,紡糸口金からの全てのフィラメントが滞りな
くチューブの長さを通過できる程度に充分に大きい(例
えば12インチ)。チューブ内の温度がその長さに沿っ
て調節できるように,カラムには複数の従来型バンドヒ
ーターが取りつけられている。カラムの温度については
,詳細に後述する。より良い温度調節を可能にするため
に,カラムはいくつかの個別の温度ゾーンに分割される
のが好ましい。併せて4〜7つのゾーンが使用されてい
る。カラム18は,必要に応じて,カラム内の温度を調
節するのに使用されるエア・スパージャー(air  
sparger)17を含んでもよい。スパージャー1
7は,不活性ガスをカラムの周囲に均一に配分するよう
設計されている。
【0029】カラム18の最下端部内には,有孔円錐台
19(すなわち,空気の乱流を少なくするための手段)
が取りつけられている。有孔円錐台19(長さ3フィー
トで,その最上端部においてチューブの直径と同一の直
径を有し,そして最下端部においてチューブ直径の約1
/2の直径を有するのが好ましい)は,空気の乱流によ
るスレッドライン(thread  line)内の動
きが実質的に少なくなるか又は完全に無くなるよう,チ
ューブの最下端部から弁付き排気口21を介して空気を
排気するのに使用される。
【0030】カラム最下端部の下にて,スレッドライン
が収束される。この収束は,仕上剤アプリケーター(f
inish  applicator)20によって行
うことができる。アプリケーター20は,ヤーンが紡糸
口金を離れた後に出会う最初の接触部である。
【0031】カラムの長さ,個々のフィラメントが収束
しないこと,及びカラム内の空気の温度分布が,本発明
にとっては特に重要なポイントである。温度分布は,カ
ラムのかなりの長さ(例えば少なくとも3メートル)に
わたって繊維がそのTg より高い温度に保持されるよ
う選定される。この温度は,カラムの全長にわたって保
持することができるが,この場合,巻き取られるフィラ
メントが不安定となる。従って,実際的な理由から,カ
ラム内の温度はTg未満の温度に下げられ,これにより
,フィラメントは,巻き取られる前にさらなる結晶構造
の変化を受けない。温度分布は,外部からの熱が加えら
れない場合にチューブ内にて得られるであろう温度分布
を示すよう選定されるのが好ましい。しかしながら,“
外部からの熱が加えられない”という状況は,カラム温
度に影響を及ぼす変数が数多くあることから非実際的で
ある。従って,温度分布は,直線的な仕方で調節して,
プロセスにおける変数としての温度を取り除くのが好ま
しい。
【0032】カラム内の空気温度は,バンドヒーターを
使用することによって調節される。カラムを複数のセク
ションに分け,各セクションの空気温度を所定の値に制
御するのが好ましい。このように,カラムの長さにわた
ってカラム内の温度を変えることができる。カラム内の
温度は,ポリマーの紡糸温度という高い温度から,ポリ
マーのガラス転移温度(Tg )以下の温度(ポリエス
テルに対するTg は約80℃である)まで変わりうる
。ポリマーの紡糸温度は,紡糸口金付近,すなわち溶融
ポリマーが紡糸口金を去るときに観察される。しかしな
がら,カラム内の空気温度は約155℃から約50℃ま
で制御できるのが好ましい。14,000フィート/分
以下の巻き取り速度の場合,紡糸口金に隣接した第1の
セクションは約155℃の温度に調節し,そして紡糸口
金から最も離れたセクションは約50℃の温度に調節す
るのが好ましい。
【0033】しかしながら,直線的な温度分布が,本明
細書の開示する有益な結果を与える唯一の温度パターン
ではない。14,000fpm(4,300mpm)を
越える巻き取り速度においては,温度プロフィール(カ
ラムが4つの個別ゾーンに分かれている場合)は次の通
りである:(紡糸口金から下方に向かって)第1ゾーン
──約105〜110℃;第2ゾーン──約110〜1
15℃;第3ゾーン──約125〜130℃;及び第4
ゾーン──約115〜120℃。
【0034】カラムの長さに関して,少なくとも5mの
カラム長さ(少なくとも3mに対しては,カラム温度は
ポリマーのTg より高い)が本発明には必要と思われ
る。本発明に対しては5〜9mのカラム長さが適切であ
る。9mの長さが実際的な上限であるが,室内の広さに
余裕があればさらに増大することもできる。テナシティ
特性を最適にするためには,約7mのカラム長さが好ま
しい。
【0035】カラム18を出た後に繊維を収束させる。 この収束は,仕上剤アプリケーターを使用することによ
って行うことができる。
【0036】仕上剤の第1の塗布(すなわち仕上剤アプ
リケーター20にて)を行った後,一対のゴデットロー
ル22にヤーンを巻き取る。次いで,仕上剤の第2の塗
布(すなわち仕上剤アプリケーター23にて)が行われ
る。第1の仕上剤塗布は,繊維に蓄積される静電気を少
なくするために行われる。しかしながら,この仕上剤は
,繊維がゴデットロールを通過する際に剥がれ落ちるこ
とがしばしばある。従って,ゴデットロールを通過した
後に仕上剤が再塗布される。
【0037】次いで,繊維が従来の張力制御ワインダー
24に通される。巻き取り速度は通常3,000mpm
(9,800fpm)以上であり,最大速度は5,80
0mpm(19,000fpm)である。適切な範囲は
,約10,500〜13,500fpm(約3,200
〜4,100mpm)である。最も好ましい範囲は,約
3200〜3800mpm(10,500〜12,50
0fpm)である。巻き取り速度が9,800fpm(
3,000mpm)未満の場合,ヤーンの均一性が低下
する。
【0038】上記のプロセスによって得られる紡糸した
ままのポリエステルヤーンは,一般には,比較的小さな
結晶を有し且つ比較的高い配向性を有することを特徴と
している。紡糸したままのヤーンのこうした特性が,後
述するユニークな延伸ヤーン特性の達成を可能にするも
のと考えられる。
【0039】紡糸したままのポリエステルヤーンの一般
的な特性を定量化するために,小さな結晶をその結晶サ
イズ(Åにて測定)に関して規定し,また配向について
は,光学的複屈折;非晶質複屈折;又は結晶複屈折;の
うちの1つに基づいて規定する。さらに,結晶サイズと
ロング・ピリオド・スペーシング(long  per
iod  spacing)(結晶間の距離)に関して
紡糸ポリエステルヤーンの特徴付けを行う。広い意味に
おいては,紡糸したままのポリエステルヤーンは,55
Å未満の結晶サイズを有するものとして;及び0.09
0より大きい光学的複屈折,又は0.060より大きい
非晶質複屈折,又は300Å未満のロング・ピリオド・
スペーシングを有するものとして;特徴付けることがで
きる。さらに好ましくは,紡糸したままのポリエステル
ヤーンは,約20〜55Åの結晶サイズを有するものと
して;及び約0.090〜0.140の光学的複屈折,
又は約0.060〜0.100の非晶質複屈折,又は約
100〜250Åのロング・ピリオド・スペーシングを
有するものとして;特徴付けることができる。最も好ま
しくは,紡糸したままのポリエステルヤーンは,約43
〜54Åの結晶サイズを有するものとして;及び約0.
100〜0.130の光学的複屈折,又は0.060〜
0.085の非晶質複屈折,又は約140〜200Åの
ロング・ピリオド・スペーシングを有するものとして;
特徴付けることができる。
【0040】当技術者には容易にわかることであるが,
紡糸ヤーンの結晶サイズは,最適の巻き取り速度範囲に
おいては従来のヤーンの約1/3である。結晶サイズは
巻き取り速度の増大と共に大きくはなるが,それでもま
だ小さいレベルのままである。紡糸したポリエステルヤ
ーンの非晶質配向はかなり高く約2倍である。この紡糸
ヤーンは極めて高度の配向と低い収縮率を有するので,
延伸を施さなくても使用することができるであろう。
【0041】さらに,紡糸ポリエステルヤーンは次のよ
うな特性を有する:10〜43%の結晶含量(すなわち
,密度の測定により得られる結晶化度);約1.7〜5
.0gpdのスパンテナシティ;10〜140gpd/
100%の範囲のスパンモジュラス;約5〜45%の高
温空気収縮率;50〜160%の伸び。
【0042】さて次に,紡糸ヤーンに延伸を施す(図2
を参照)。一段延伸又は二段延伸のどちらの操作も使用
することができる。しかしながら,二段延伸操作は,殆
ど又は全く利点を提供しないことが判明している。紡糸
操作を延伸操作に直接連結することが可能である(すな
わち,紡糸/延伸プロセス)。
【0043】紡糸したままのヤーンがクリール30から
供給ロール34に送られる。供給ロール34は,周囲温
度から約150℃まで加熱することができる。次いで,
繊維が,周囲温度から約255℃まで加熱することので
きる引取ロール38に送られる。加熱ロールが利用でき
ない場合は,ホットプレート36(180℃から245
℃まで加熱できる)を使用することができる。ホットプ
レート36(6インチのカーブした接触表面を有する)
が延伸ゾーン(すなわち,供給ロール34と引取ロール
38との間)に配置される。引取速度は75〜300m
/分の範囲である。典型的な延伸比は約1.65(約3
,800m/分にて造られた紡糸ヤーンに対して)であ
る。最適供給ロール温度(最も高い引張強さが得られる
)は約90℃であることが見出された。引取ロールの最
適温度は約245℃である。ホットプレートが使用され
る場合,最適温度は約240〜245℃である。引取ロ
ールの温度により,高温空気による収縮がある程度抑え
られる。一般には,収縮は少ないのが望ましい。なぜな
ら,処理されたコードに対して最良の安定性等級が得ら
れるからである。しかしながら,少なくとも1つの最終
用途(例えば帆布)では,延伸ヤーンのより高い収縮率
が必要とされ,これらはより低い引取ロール温度を使用
することにより制御することができる。
【0044】上記の説明に基づいて,延伸繊維の特性を
以下のように調節することができる:テナシティ,4.
0〜10.8gpd;伸び,7〜80%;初期割線モジ
ュラス,60〜170gpd/100%;高温空気収縮
率(177℃にて),6〜15%;5束のデニール,1
25〜1100(後者の数値はトウを一緒に撚り合わせ
ることによって得られる);単位フィラメント当たりの
デニール,1.5〜6dpf。このようなヤーンは,ゴ
ムタイヤの繊維強化材として使用することができる。
【0045】上記のプロセスに従って作製したポリエス
テル(すなわちPET)延伸ヤーンは,150gpd/
100%より大きい初期割線モジュラスを得ることがで
きる。さらに,これらのヤーンは8%未満の収縮率を有
するか,あるいは7.5gpdより大きいテナシティを
有する。
【0046】延伸ポリエステルヤーンの他の好ましい実
施態様は次のように特徴付けられる;テナシティ,少な
くとも8.5gpd;初期モジュラス,少なくとも15
0gpd/100%;及び収縮率,6%未満。延伸ポリ
エステルヤーンのさらに他の好ましい実施態様は次のよ
うに特徴付けられる:テナシティ,少なくとも10gp
d;初期モジュラス,少なくとも120gpd/100
%;及び収縮率,6%未満。延伸ポリエステルヤーンの
さらに他の好ましい実施態様は次のように特徴付けられ
る:テナシティ,約9〜9.5gpd;初期モジュラス
,約150〜158gpd/100%;及び収縮率,7
.5%未満。
【0047】上記のプロセスに従って作製したいかなる
延伸ヤーンも,以下のような最終用途に使用することが
できる。すなわち,タイヤコード;縫糸;帆布;路床構
造物等に使用される布,ウェブ,又はマット;産業用ベ
ルト;複合材料;建築材料用布帛;ホース用補強材;布
帛積層体;及びロープ;等がある。
【0048】本発明と実施例における説明に使用される
試験を以下のように行った。
【0049】テナシティは,ASTM  D−2256
−80に規定されているような“破断テナシティ”を表
わす。
【0050】初期モジュラス(又は“初期割線モジュラ
ス”)は,ASTM  D−2256−80,セクショ
ン10.3により規定される。但し,応力−歪曲線の初
期直線部分を示すラインは,応力−歪曲線上の0.5%
伸び箇所と1.0%伸び箇所を通過する割線であるとす
る。
【0051】他の全ての引張特性はASTM  D−2
256−80により規定される。
【0052】収縮率(HAS)は,ASTM  D−8
85−85に従って177±1℃に保持された高温空気
環境における線収縮と定義される。
【0053】密度,結晶サイズ,ロング・ピリオド・ス
ペーシング,複屈折,及び非晶質複屈折は,米国特許第
4,134,882号に説明されているものと同じであ
る。具体的には,米国特許第4,134,882号にお
いて,密度−第8欄60行;結晶サイズ−第9欄6行;
ロング・ピリオド・スペーシング−第7欄62行;結晶
複屈折−第11欄12行;及び非晶質複屈折−第11欄
27行;等である。
【0054】複屈折(光学的複屈折又はΔn)は,米国
特許第4,101,525号の第5欄4〜46行に記載
されている通りである。“BiCV”は,10個のフィ
ラメントに対する実測値から算出されるフィラメント間
の光学的複屈折の変動係数である。
【0055】本明細書に記載の他の試験は,従来法にし
たがって行われる。
【0056】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0057】実施例1 以下の一連の実験においては,従来のポリエステルポリ
マー(PET,IV−0.63)を紡糸した。紡糸速度
を,12,500fpmから19,000fpmまで増
大させた。カラムの長さは6.4mであり,4つの温度
制御ゾーンに分けた。各ゾーンの中心部にて壁体に近い
空気の温度を測定することによって温度を制御した。温
度285℃にて,そして40個の孔を有する紡糸口金(
孔サイズは0.009インチ×0.013インチ)を使
用して,ポリマーを紡糸ビームから22.9ポンド/時
の割合で押し出した。繊維の冷却は行わなかった。紡糸
した繊維は延伸せずにヒートセットを施した。得られた
結果を表1に示す。
【0058】表1
【0059】
【0060】
【0061】実施例2 以下の一連の実験においては,従来のポリエステル(P
ET,IV−0.63)を紡糸した。表2に示す如くカ
ラムの温度を変化させた(空気温度,ゾーンの中心)。 カラムの長さは6.4mである。72個の孔を有する紡
糸口金を使用し(孔サイズは0.009インチ×0.0
12インチ),300℃にて紡糸ビームから23.1ポ
ンド/時の割合でポリマーを押し出した。繊維は冷却し
なかった。紡糸した繊維を表2に明記したように引き続
き延伸した。得られた結果を表2に示す。
【0062】表2
【0063】
【0064】
【0065】上記の一連の実験(すなわち,表2に記載
の実験)においては,No.4,5,6,及び7は本発
明を表わしている。
【0066】実施例3 以下の一連の実験においては,従来のポリエステル(P
ET,IV−0.63)を紡糸した。繊維を10,50
0fpmの割合で巻き取った。72個の孔を有する紡糸
口金を使用し(孔サイズは0.009インチ×0.01
2インチ),300℃にて紡糸ビームから19.5ポン
ド/時の割合でポリマーを押し出した。6.5scfm
の空気で232℃にて繊維を冷却した。カラムの長さは
6.4mで4つのセクションに分けられており,下方に
向かう順序にて以下のような空気温度分布を有する:す
なわち,各ゾーンの中心部にて135℃;111℃;9
2℃;及び83℃;である。紡糸したヤーンは次のよう
な特性を有する:デニール−334;テナシティ−4.
09gpd;伸び−71.7%;初期モジュラス−55
.0gpd/100%;高温空気による収縮率−350
°Fにて11.8%;Uster−1.10;I.V.
−0.647;FOY−0.35%;複屈折−110×
10−3;及び結晶化度−21.6%。
【0067】表3Aには,延伸ヤーンの特性に及ぼす延
伸比の影響が示してある。
【0068】表3A
【0069】
【0070】表3Bには,延伸時における加熱方法の影
響が示してある(延伸比は1.65であり,ヤーンは応
力緩和しなかった)。
【0071】表3B
【0072】
【0073】表3Cには,より高い延伸温度と延伸比の
影響が示してある(供給ロールの温度は周囲温度であり
,引取ロールの温度は240℃である)。
【0074】表3C
【0075】
【0076】実施例4 以下の一連の実験においては,従来のポリエステル(P
ET,IV−0.92)を紡糸した。実験No.1〜5
では,米国特許第4,101,525号と第4,195
,052号に記載の方法に従って繊維を紡糸・延伸した
。実験No.6〜9は以下のように実施した。
【0077】I.V.が0.92であることを特徴とす
る分子量をもったPETを0.001%以下の水分レベ
ルまで乾燥した。本ポリマーを押出機中で295℃に加
熱溶融し,引き続き計量ポンプによって紡糸パックに送
り込んだ。この紡糸パックは環状構造の設計物であり,
微細金属粒子の層にポリマーを通すことによってポリマ
ーの濾過を行う。濾過を行った後,80個の孔を有する
紡糸口金を介してポリマーを押し出した。紡糸口金の各
孔は円形の断面を有しており,その直径は0.457m
m,キャピラリーの長さは0.610mmである。
【0078】断熱処理された長さ9mの加熱チューブが
紡糸パックの下に適切に据え付けられており,マルチフ
ィラメントの紡糸スレッドラインがこのチューブの全長
に通された後に,収束されるか又はガイド表面と接触す
るようになる。温度制御のため,チューブをその長さ方
向に関して7つのゾーンに分けた。個別の制御器を使用
して,空気の温度を各ゾーンの中心部に設定した。プロ
セス上の熱とチューブの周りの外部ヒーターとの組み合
わせを使用し,チューブの下方垂直距離に対して均一な
空気温度分布が得られるよう,個々の制御器の設定値を
選択した。典型的な状況では,空気の温度はチューブの
頂部ゾーンにおいて155℃であり,ほぼ均一な勾配で
温度が低下して底部ゾーンにおいて50℃となる。
【0079】チューブの約10cm下方において,スレ
ッドラインが仕上剤アプリケーターと接触する。仕上剤
アプリケーターは,収束ガイドとして,且つヤーンが出
会う最初の接触部として作用する。チューブの出口にお
いては,未収束ヤーンの断面は,仕上ガイド(fini
sh  guide)に近接していることからかなり小
さい。これによって極めて小さな開口を使用することが
可能となり,従って,チューブから失われる高温空気の
量を最小限に抑えることができた。
【0080】紡糸仕上剤を塗布した後に,ヤーンを一対
のゴデットロールに巻き取り,次いで張力制御ワインダ
ーに巻き取った。巻き取り速度は,通常3200〜41
00mpmであった。
【0081】このヤーンの延伸を別の工程において行い
,このとき紡糸したままのヤーンを一組の予備張力ロー
ルを通し,そして80〜150℃の温度に保持された加
熱供給ロールに送った。次いでヤーンを,これらのロー
ルと180〜255℃の範囲の設定温度に保持された一
組の引取ロールとの間で延伸した。3800mpmで作
製した紡糸ヤーンに対する典型的な延伸比は1.65で
あり,サンプルをそれぞれ,より低い延伸比を必要とす
るより高速,及びより高い延伸比を必要とするより低速
で紡糸した。
【0082】得られた結果を表4に示す。
【0083】表4
【0084】
【0085】実施例5 I.V.が0.92であることを特徴とする分子量をも
ったポリエステルを0.001%以下の水分レベルまで
乾燥した。本ポリマーを押出機中で295℃に加熱溶融
し,引き続き計量ポンプによって紡糸パックに送り込ん
だ。微細金属粒子の層にてポリマーを濾過した後,80
個の孔を有する紡糸口金を介してポリマーを押し出した
。紡糸口金の各孔の直径は0.457mm,キャピラリ
ーの長さは0.610mmである。押出の際,本ポリマ
ーの実測I.V.は0.84であった。
【0086】押し出したポリマーを,長さ9mの加熱円
筒状キャビティ中に紡糸した。本チューブの長さ全体に
わたってほぼ直線的な温度分布(勾配)を保持した。頂
部ゾーンの中心部における空気の温度は155℃であり
,底部ゾーンの中心部における空気の温度は50℃であ
った。加熱チューブ出口のすぐ下の仕上ガイドと接触す
るようになるまで,マルチフィメントヤーンの束を収束
させなかった。この時点から,ヤーンは一対のゴデット
ロールによって張力制御ワインダーに送られた。このよ
うな条件下にて,異なった紡糸(巻き取り)速度で一連
の4種の紡糸ヤーンを作製した。これらのヤーンは,表
5Aにおける例A〜Dに示したものである。
【0087】他の一連の実験においては,取り外し可能
なセクションのいくつかを除くことによって加熱チュー
ブを短くした。表5Aにおける例EとFは,7mのカラ
ムと5mのカラムを使用して紡糸した。異なった分子量
(異なったI.V.)を有する他のポリマーについても
本システムに従って紡糸して,例GとHを得た。表5A
の例Iは,低いカラム温度を使用した場合を示している
。この場合,カラムの下方に向かって125℃から50
℃までの直線的な温度勾配をなしている。
【0088】周囲温度の供給ロールと245℃の引取ロ
ールを使用して,例A〜Iの紡糸ヤーンをすべて,一段
プロセスにより延伸した。
【0089】さらに他の一連の試験においては,異なっ
た供給ロール温度を使用して,例Aに記載したのと同じ
紡糸ヤーンを延伸した。これらのヤーンを試験して得ら
れた結果を表5Bの例A,J,及びKに示す。
【0090】表5A
【0091】
【0092】表5B
【0093】
【0094】実施例6 以下の実験においては,従来のポリマー(ナイロン)を
本発明のプロセスに従って紡糸し,従来のプロセスによ
って作製したものと比較した。
【0095】本発明のプロセスにより作製したナイロン
を,次のような条件下にて紡糸した:押出量−37ポン
ド/時;紡糸速度−2,362fpm;デニール−35
00;フィラメント数−68;紡糸液の相対粘度−3.
21(H2SO4 )又は68.4(HCOOH当量)
;冷却空気−72scfm;巻き取り張力−80g;カ
ラム長さ−24フィート;頂部カラム温度−240℃;
底部カラム温度−48℃。このヤーンの紡糸したままの
特性は次の通りである:テナシティ−0.95gpd;
伸び−235%;TE1/2 −14.6。次いで,ヤ
ーンを次のような条件下で延伸した:延伸比−3.03
;延伸温度−90℃。延伸したヤーンの特性は次の通り
である:テナシティ−6.2gpd;伸び−70%;T
E1/2 −52;10%モジュラス−0.87gpd
;400°Fの高温空気による収縮(HAS)−1.4
%。
【0096】ある1種の比較用ナイロンを次のような従
来条件にて紡糸した:押出量−23.4ポンド/時;紡
糸速度−843fpm;デニール−5556;フィラメ
ント数−180;紡糸液の相対粘度−3.3(H2 S
O4 )又は72.1(HCOOH当量);冷却空気−
150scfm。次いで,このヤーンを以下のような条
件下で延伸した:延伸比−2.01;延伸温度90℃。 延伸ヤーンの特性は次の通りである:テナシティ−3.
8gpd;伸び−89%;TE1/2 −33;10%
モジュラス−0.55gpd。
【0097】さらに別の比較用ヤーンを次のような従来
条件にて紡糸した:押出量−57.5ポンド/時;紡糸
速度−1048fpm;デニール−12400;フィラ
メント数−240;紡糸液の相対粘度−42(HCOO
H当量);冷却空気−150scfm。次いで,このヤ
ーンを以下のような条件下で延伸した:延伸比−3.6
0;延伸温度110℃。延伸ヤーンの特性は次の通りで
ある:テナシティ−3.6gpd;伸び−70%;TE
1/2 −30.1;10%モジュラス−0.8gpd
;HAS(400°F)−2.0%。
【0098】実施例7 以下の実験においては,低いI.V.(例えば0.63
)と高いI.V.(例えば0.92)を有する従来のポ
リエステル(すなわちPET)紡糸ヤーンを,米国特許
第4,134,882号に記載の紡糸ヤーンと比較した
。例1〜8は低I.V.ポリエステル(PET)であり
,実施例1に記載の方法で作製したものである。例9〜
11は高I.V.ポリエステル(PET)であり,実施
例5に記載の方法で作製したものである。例12〜17
は,米国特許第4,134,882号の例1,5,12
,17,36,及び20に相当する。
【0099】各例について,紡糸速度(fpm),密度
(gms/cc),結晶サイズ(Å,010),ロング
・ピリオド・スペーシング(LPS),複屈折,結晶複
屈折,及び非晶質複屈折が示してある。得られた結果を
表7に示す。
【0100】表7
【0101】
【0102】本発明の好ましい実施態様について詳細に
説明してきたが,当技術者にとっては,本発明の精神と
範囲を逸脱することなく種々の変形が可能であることは
言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡糸プロセスを示した概略立面図であ
る。
【図2】本発明の延伸プロセスを示した概略立面図であ
る。
【符号の説明】
12  押出機 14  紡糸ビーム 16  紡糸パック 17  エア・スパージャー 18  細長いカラム 19  有孔円錐台 20,23  仕上剤アプリケーター 21  弁付き排気口 22  ゴデットロール 24  張力制御ワインダー

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (a)  溶融紡糸可能な有機合成ポ
    リマーを紡糸口金を通して押し出す工程; (b)  紡糸口金から得られるフィラメントを細長い
    区画に通す工程; (c)  前記区画内の約3メートル以上の距離にわた
    って,前記フィラメントを前記ポリマーのガラス転移温
    度より高い温度に保持する工程;及び (d)  前記フィラメントを収束する工程;の各工程
    を含む,溶融紡糸可能な有機合成ポリマーの紡糸方法。
  2. 【請求項2】  収束後に前記フィラメントを巻き取る
    工程をさらに含む,請求項1記載の紡糸方法。
  3. 【請求項3】  紡糸口金から得られる前記フィラメン
    トが単位フィラメント当たり3〜20のスパンデニール
    を有するよう前記フィラメントを紡糸する工程をさらに
    含む,請求項1記載の紡糸方法。
  4. 【請求項4】  前記フィラメントが紡糸口金を離れた
    ときに前記フィラメントを高温ガスで冷却する工程をさ
    らに含む,請求項1記載の紡糸方法。
  5. 【請求項5】  260℃以下の温度を有する高温ガス
    で前記フィラメントを冷却する工程をさらに含む,請求
    項4記載の紡糸方法。
  6. 【請求項6】  230℃の温度を有する高温ガスで前
    記フィラメントを冷却する工程をさらに含む,請求項5
    記載の紡糸方法。
  7. 【請求項7】  紡糸口金から得られる前記フィラメン
    トを少なくとも約5メートルの長さを有する細長い区画
    に通す工程をさらに含み,このとき前記区画内の温度が
    ,前記区画の長さ全体にわたって,最高温度であるポリ
    マーの紡糸温度から最低温度である周囲温度まで調節さ
    れる,請求項1記載の紡糸方法。
  8. 【請求項8】  紡糸口金から得られる前記フィラメン
    トを細長い区画に通す工程をさらに含み,このとき前記
    区画内の温度が,紡糸口金近位の約155℃から紡糸口
    金遠位の約50℃まで調節される,請求項7記載の紡糸
    方法。
  9. 【請求項9】  紡糸口金から得られる前記フィラメン
    トを細長い区画に通す工程をさらに含み,このとき前記
    区画内の温度が,紡糸口金近位の約155℃から紡糸口
    金遠位の約50℃まで調節され,前記近位箇所と遠位箇
    所との間の温度がほぼ直線的に低下している,請求項8
    記載の紡糸方法。
  10. 【請求項10】  紡糸口金から得られる前記フィラメ
    ントを約5〜9メートルの範囲の長さを有する細長い区
    画に通す工程をさらに含む,請求項1記載の紡糸方法。
  11. 【請求項11】  1分当たり少なくとも5,000フ
    ィートの割合で前記フィラメントを巻き取る工程をさら
    に含む,請求項2記載の紡糸方法。
  12. 【請求項12】  1分当たり約5000〜19000
    フィートの割合で前記フィラメントを巻き取る工程をさ
    らに含む,請求項2記載の紡糸方法。
  13. 【請求項13】  1分当たり約10,500〜13,
    500フィートの割合で前記フィラメントを巻き取る工
    程をさらに含む,請求項2記載の紡糸方法。
  14. 【請求項14】  紡糸口金から得られる前記フィラメ
    ントを4つの部分に分けられた前記細長い区画に通した
    後に,前記フィラメントを1分当たり14,000フィ
    ート以上の割合で巻き取る工程をさらに含み,このとき
    紡糸口金に隣接した第1の部分の温度が約105〜11
    0℃の範囲の温度であり;前記第1の部分に隣接した第
    2の部分の温度が約110〜115℃の範囲の温度であ
    り;前記第2の部分に隣接した第3の部分の温度が約1
    25〜130℃の範囲の温度であり;そして前記第3の
    部分に隣接した第4の部分の温度が約115〜120℃
    の範囲の温度である,請求項2記載の紡糸方法。
  15. 【請求項15】  (a)  溶融紡糸可能な有機合成
    ポリマーをフィラメント形成手段を通して押し出す工程
    ;(b)  少なくとも5メートルの長さを有する細長
    い区画を供給し,前記フィラメント形成手段から得られ
    る前記フィラメントを前記細長い区画に通す工程;及び
    (c)  前記フィラメントを収束する工程;の各工程
    を含む,溶融紡糸可能な有機合成ポリマーの紡糸方法。
  16. 【請求項16】  (a)  溶融紡糸可能な有機合成
    ポリマーをフィラメント形成手段を通して押し出す工程
    ;(b)  細長い区画内の温度を所定の最高温度から
    所定の最低温度まで調節するための手段を有する細長い
    区画を供給し,前記フィラメント形成手段から得られる
    前記フィラメントを前記細長い区画に通す工程;及び(
    c)  前記フィラメントを収束する工程;の各工程を
    含む,溶融紡糸可能な有機合成ポリマーの紡糸方法。
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