JPH0532492B2 - - Google Patents

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JPH0532492B2
JPH0532492B2 JP57164044A JP16404482A JPH0532492B2 JP H0532492 B2 JPH0532492 B2 JP H0532492B2 JP 57164044 A JP57164044 A JP 57164044A JP 16404482 A JP16404482 A JP 16404482A JP H0532492 B2 JPH0532492 B2 JP H0532492B2
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JP
Japan
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yarn
roll
stretching
speed
spinning
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JP57164044A
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JPS5953716A (ja
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Isoo Saito
Hajime Arai
Chikara Pponda
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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【発明の詳細な説明】 “本発明はゴム補強用ポリエステル繊維の製造
法に関するものである。 詳しくは、先願である特願昭57−84893号(特
開昭58−203112号公報)の発明をより具体的に行
うための改良発明であり、ゴム補強用として用い
られる乾熱収縮率(ΔS)、初期引張抵抗度
(Mi)、強度(T/D)、伸度(E)および複屈折
(Δn)が 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するゴム補強用ポリエステル繊維、特
にポリエチレンテレフタレート繊維の製造法に関
するものであり、かかるポリエステル繊維は接着
剤を付与して処理コードとなしタイヤ、ベルトな
どのゴム補強用コードとして用いたとき、機械的
疲労性に優れ、耐化学劣化性に優れており、特に
苛酷な条件で使用されるタイヤコード用として好
ましいポリエステル繊維を直接紡糸延伸法で効率
的に製造する際に用いるのゴム補強用ポリエステ
ル繊維の製造法に関するものである。 ポリエチレンテレフタレート繊維からタイヤコ
ードを製造することは周知であるが、近年寸法安
定性及び耐久性の優れたポリエチレンテレフタレ
ートタイヤコード用繊維(原糸)の製造法とし
て、特開昭53−58032号公報に記載された方法が
知られている。 この方法は、ポリエチレンテレフタレート紡出
糸を高い張力下で引取つて比較的高い複屈折をも
つ未延伸糸を得、次いで延伸・熱処理する方法で
あり、具体的には紡糸口金から紡出された紡出糸
を直ちに急冷し、高い張力下で500〜3000m/分
の速度で引取り、複屈折が9.0×10-3〜70×10-3
の未延伸糸を得、低倍率で延伸するものである。 しかしながら、この特開昭53−58032号公報に
記載された方法は、高い固有粘度(IV)ポリマ
でフイラメント数が多く、かつ繊度の大きい紡出
糸を得ようとすると単糸切れが発生しやすく、ま
た均質な紡出糸を得られ難いという問題があつ
た。実際に、製糸性および品質において条件設定
が困難である直接紡糸延伸法に上記の方法を試み
てみると糸切れの発生が著しく円滑な操業が出来
ないばかりか、得られるポリエステル繊維は均質
性に劣り特にゴム補強用として実用できるもので
はなかつた。 本発明者らは、紡出糸の単糸数を多くし、産業
用繊維として用いられる、例えば、500デニール
以上の大きな繊度の繊維を直接紡糸延伸法で製造
するに際し、上記公知の方法を適用しても糸切れ
の発生が少ないポリエステル繊維の工業的製法の
確立を目的に鋭意検討した結果、特定な条件を備
えた徐冷紡糸法を採用するとともに1500m/分以
上で紡糸し、未延伸糸の複屈折と密度との特定な
関係を満足させることによつて糸切れの発生が少
なく、製糸性に優れ、3500m/分以上の高速の直
接紡糸延伸を可能とし、しかも前記特定の物性を
有する未延伸糸を特定な低倍率熱延伸条件を用い
て、これらを組み合わせることによつてゴム補強
用として優れた特性を有するポリエステル繊維の
製造を可能とした。 一方、紡出糸を口金直下で急冷しない、いわゆ
る徐冷紡糸を採用したポリエステル繊維の製造法
として、特公昭53−1367号公報に記載された方法
が知られている。 該特公昭53−1367号公報に記載の方法は、紡糸
口金の直下に加熱筒を設け徐冷紡糸を行うもので
あるが、該実施例によると、紡糸速度が最高でも
273m/分の低速で、延伸は5.7〜10倍の高倍率延
伸がなされ、未延伸糸は0〜0.003の低い複屈折
を有し、該複屈折と密度との関係についても全く
追及されていなく、いわゆる低速紡糸高倍率延伸
方法であつて、ゴム補強用に適した寸法安定性お
よび耐久性に優れたポリエステル繊維を得ること
ができないという問題点を有する。 また、前記特公昭53−1367号公報はその技術思
想から徐冷紡糸と低速紡糸との組合わせによつ
て、できるだけ低配向未延伸糸を得て、これを高
倍率延伸するものである。従つて、本願発明の徐
冷高速紡糸によつて高配向未延伸糸を得、低倍率
の熱延伸をして寸法安定性および耐久性の優れた
ポリエステル繊維を得る方法において、前記特公
昭53−1367号公報に記載された徐冷条件を強めた
紡糸法の部分のみを採用することは極めた非効率
的であり、そのまま採用してもゴム補強用に適し
たポリエステル繊維を製造することは出来ない。 すなわち、必要な未延伸糸配向度を得るために
いたずらに紡糸速度を高くしなければならず、こ
の結果、より高速延伸の余儀なくされ単糸切れや
毛羽等の発生がおこり易く、延伸収率が悪く品
質、品位も劣る。 また、熱延伸を連続すると、最近実用化されて
いる高速ロール、高速巻取機でも対応できないこ
とになる。したがつて安定に高速で巻取る為に速
度は6000m/分程度が限度となる。すなわち、本
発明法は前記特公昭53−1367号公報記載の方法と
未延伸糸の複屈折及び、引取り速度に関し明確に
相違し、ひいては得られたポリエステル繊維の物
性に関しても明確に相違し、本発明法で得たもの
の方が著しく寸法安定性及び耐久性かすぐれてい
る。 ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレー
トを溶融紡出して冷却固化後の紡出糸を多段延伸
する際、延伸中の単糸切れを防ぐために実質的に
延伸が生じる1.0g/d以上の張力下で被延伸糸に
高速流体による交路集束処理を付与しながら延伸
を行なうことは特開昭54−55620号公報に記載さ
れており公知である。 この特開昭54−55620号公報に記載された方法
は従来の直接紡糸延伸における単糸切れ防止のた
めには優れた方法ではあるが、ポリエステルを、
溶融紡出して冷却固化後の紡出糸を1500m/分以
上の引取速度で引取つて得られた複屈折25×10-3
以上、密度1.338以上の特定の未延伸糸の直接紡
糸延伸に、上記の張力を1.0g以上の発現する位置
に交路処理を適用してみても糸切れの防止は必ず
しも十分ではなく、本発明の目的とする高速直接
紡糸延伸法による生産効率向上という目的が阻害
される。 そこで本発明者らは上記特定の方法で得られた
特定の物性を有する未延伸糸を紡糸後直ちに延伸
する直接紡糸延伸本法、特に1500m/分以上の高
速直接紡糸延伸法における糸切れの防止が可能な
延伸法を確立する目的で鋭意検討した結果本発明
に到達したのである。 本発明の目的は、寸法安定性および耐久性に優
れたゴム補強用ポリエステル繊維を効率良く製造
する方法を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、分子鎖の繰返し構
造単位の90モル%以上がエチレンテレフタレート
単位であり、紡糸口金を通る時の固有粘度が0.80
〜1.30であるポリマを紡糸口金を通して溶融紡出
し、紡出糸を得、該紡出糸を1500m/分以上の表
面速度で回転する引取ロールで引取り、複屈折
(Δn)が 25×10-3≦Δn≦60×10-3 密度(ρ)が1.338<ρ<1.365を同時に満足する
未延伸糸を巻取ることなく直接紡糸延伸する際の
ゴム補強用ポリエステル繊維の製造法を提供する
ことにある。 本発明の構成は、乾熱収縮率(ΔS)、初期引張
抵抗度(Mi)、強度(T/D)、伸度(E)およ
び複屈折(Δn)が 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するゴム補強用ポリエステル繊維の製
造法において、 (イ) 分子鎖の繰返し構造単位の90モル%以上がエ
チレンテレフタレート単位であり、紡糸口金を
通る時の固有粘度が0.80〜1.30であるポリマを
口金を通して溶融紡出し、紡出糸を得、 (ロ) 引き続いて該紡出直後の紡出糸を前記紡出口
金の直下に設けられた長さが5〜25cmの加熱筒
を通し、前記口金下面から少なくとも5cm以
上、最大30cm以下の間、前記ポリマの融点〜
400℃の温度に加熱されるとともに上方から下
方に向つて徐々に低い温度になるように加熱さ
れた雰囲気中で加熱し、 (ハ) 該雰囲気中を通つた紡出糸に冷風を吹付け
て、紡出糸を冷却し、 (ニ) 冷却された紡出糸を1500m/分以上の表面速
度で回転する引取ロールで引取り、複屈折
(Δn)が25×10-3≦Δn<60×10-3、密度(ρ)
が1.338<ρ<1.365を同時に満足する未延伸糸
を得、 (ホ) 引き続いて該未延伸糸を巻取ることなく前記
引取ロールから導入された未延伸糸は引続いて
供給ロールと第1延伸ロールに巻回し、該供給
ロールと第1延伸ロール間で前記未延伸糸に
0.2乃至1.0g/d未満の延伸張力を作用させて
1段目の延伸を施しながら高速流体による交絡
集束処理を施し、連続して3500m/分以上の延
伸速度で2段目以降の延伸を行なう。 ことを特徴とするゴム補強用ポリエステル繊維
の製造法にある。 以下具体的に図面を参照しながら本発明法を詳
述する。第1図は本発明法の一実施例態様が適用
される工程図であり、第2図は交路集束処理装置
の正面図である。 本発明の高速直接紡糸延伸糸に供する複屈折
(Δn)が25×10-3以上〜60×10-3未満、密度
(ρ)が1.338より大きく1.365よりも小さいポリ
エステル未延伸糸は次の方法によつて得られる。 本発明に係るポリエステル繊維は、分子鎖の繰
返し構造単位の90モル%以上、好ましくは95モル
%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリ
エステルから得られる。 かかるポリエステルとしてはテレフタル酸及び
エチレングリコール、エチレンオキサイド成分の
他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフエニルジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸、プロピレングリコール、ブチレング
リコール等のジオール成分が共重合された共重合
ポリマや、後者の成分、または前者の成分と後者
の成分から得られたポリマをポリエチレンテレフ
タレートに溶融混合した混合ポリマ等がある。 前記分子鎖の繰返構造単位が90モル%未満の場
合は融点の低下及び結晶化度が大巾に低下するた
め、繊維となした際に該繊維の耐熱性及び寸法安
定性が劣りゴム補強用として好ましくない。 上記ポリマが紡糸塔10で溶融されて紡糸口金
11を通して押出され、即ち溶融紡糸され紡出糸
(Y)となる。 本発明においては紡糸口金11を通る時のポリ
マの固有粘度、実質的に紡出し冷却されて得られ
た未延伸糸の固有粘度が0.80〜1.30となるようポ
リマを選択し、溶融条件を選定する。 固有粘度が0.80より低いと本発明の意図する
7.5g/d以上の高強度及び耐久性特に機械的疲労
性が改善された原糸が得られない。逆に1.30より
大きいと本発明の高速で直接紡糸延伸に於て糸切
れが頻発するため安定した製糸が困難である。 固有粘度を上記の範囲に設定するには、溶融す
るポリマの固有粘度を前記紡出時の固有粘度より
若干高めの0.85〜1.35のものを選ぶ。 なお本発明における固有粘度は次の方法により
測定演算されたものである。 オストワルド粘度計を用いてオルソクロロフエ
ノール25mlに対し、資料2gを溶解した溶液の相
対粘度(ηr)を25℃で測定し、次の近似式により
固有粘度(IV)を演算した。 IV=0.0242ηr+0.2634 ただし、 ηr;(t/to)×(ρ/ρo) t;溶液の落下時間(秒) to;オルソクロロフエノールの落下時間(秒) ρ;溶液の密度(g/c.c.) ρo;オルソクロロフエノールの密度(g/
c.c.) 次に本発明においては前記ポリマのカルボキシ
ル末端基は25eq/106g、好ましくは15eq/106
以下である。そのためには、溶融紡糸しようとす
るポリマをそれ以前の工程、即ちポリエステル生
成工程である重合工程でカルボキシル末端基が少
ないポリマを得るか、溶融紡糸工程でポリマの再
溶融時にポリマが反応してカルボキシル末端基が
少なくなるような末端封鎖剤を溶融紡糸工程で添
加する。 本発明におけるこれら二つの方法は、周知の方
法に準ずる。 紡糸口金11はその中心(c)より一定の半径
(好ましくは口金外径の1/2以上)をもつ周知上に
口金孔11Aが穿れている。 紡糸口金11の直下には5〜25cmの長さの加熱
筒12が取りつけられており、その内部の雰囲気
13は、ポリマの融点、通常は260℃から400℃、
好ましくは280〜360℃の温度範囲内で加熱され、
しかも下方に向う程低い温度に加熱されている。
もつとも、このような温度勾配は、積極的に付与
されるだけではなく、加熱筒12に内蔵せしめた
加熱源、例えばヒータに同一の温度を示すように
通電し、以下に述べる冷却筒内の冷風の存在によ
り、下方が低温になるようにしてもよい。 すなわち、紡糸口金11の直下に5〜25cmの加
熱筒12を設け、紡出直後の紡出糸をポリマーの
融点〜400℃の範囲内で加熱し、しかも口金下面
5cm以上最大30cm以下の間の雰囲気13内に於
て、上方から下方に向うにつれ途中に最高の温度
を示す領域が存在しないようにする。 加熱筒12の内部の雰囲気13の温度がポリマ
の融点より低いと十分な徐冷が達せられないため
糸条を形成する単糸を均質にすることが困難とな
つて安定した状態で糸条を高速紡糸することが困
難となる。 一方、加熱筒12の内部の雰囲気13の温度が
400℃より高い紡糸パツク中の紡糸される前のポ
リマに影響して、該ポリマの温度が高くなり過
ぎ、紡糸時のポリマ温度の制御が困難となる。
又、口金11の下面に予め塗布したシリコーンか
らなる離型剤の酸化劣化が著しくなるなどの障害
が生じ紡糸性が低下する。 加熱雰囲気13の長さは口金下面を起点として
5cm乃至30cmの範囲、好ましくは5cm乃至25cmの
範囲であり、25cmよりも短いときは加熱筒12の
長さと同じになる場合もある。 前記の加熱雰囲気13の長さを5cmよりも短く
した場合徐冷したことの効果が不十分であり高速
紡糸延伸を安定して行うことが出来ない。 また、前記の加熱雰囲気13の長さを30cmより
も長くした場合は、必要以上の徐冷を行つたこと
によつて高配向の未延伸糸を安定して得難くな
り、冷却条件とも関連して生産条件の設定が困難
であり、生産効率も悪くなる 前記加熱筒12の長さは5cm乃至25cmの範囲内
であり、5cmよりも短いと加熱雰囲気13の長さ
(L)が5cmよりも短くなることがあり、一定の
温度に制御するためには少なくとも5cmを必要と
する。 一方、加熱筒12の長さが25cmを越えると、加
熱筒12の内部の空気のみならず下方までも影響
をうけ設定する加熱雰囲気13の長さを一定にす
る事が困難となるのみでなく本発明の目的とする
特性を有するポリエステル繊維が得られなくな
る。 例えば50cmの加熱筒12を用い、引取速度を
1500m/分以上とするなどの他の条件を本発明の
各条件内としても、本発明の方法で得ようとする
高配向度の未延伸糸、すなわち、複屈折(Δn)、
密度(ρ)の範囲およびこれらの関係が、 1.338<ρ<1.368 (1) 1.005A≧ρ≧0.995A (2) A;4.4(Δn)2+0.168(Δn)+1.331 25×10-3≦Δn<60×10-3 (3) の範囲内とすることができない。 前記の50cmの加熱筒12を用いて得られた未延
伸糸を延伸して高配向の延伸糸を得ようとすると
極めて高倍率の延伸を施す必要が生じ巻取速度も
6000m以上の高速となり実質的に直接紡糸延伸は
困難であり、前記のように巻取速度を6000m以上
とした場合には、ローラおよび巻取装置の回転体
が金属音を発し作業環境が悪くなるのみでなくロ
ーラ軸の破損等の危険性が増大し、巻取られた糸
条の巻姿の品位も低下する。 従つて、加熱雰囲気13の温度をポリマの融点
〜400℃で長さを5cm〜30cmに制御するとともに
加熱筒12の長さを5cm〜25cmとする必要があ
る。 上記のように紡出直後の紡出糸が、特定の条件
を備えた雰囲気中を通ることによつてたとえフイ
ラメント数が多く、 繊度の大きい紡出糸、例えば、糸条の繊度が
1000デニール288フイラメントであつても、後述
する冷却筒を通つた紡出糸(Y)の糸切れは減少
する。その理由は紡出口金11に到達したポリエ
チレンテレフタレート溶融体は厳密には若干の熱
履歴上の相違があるが、前記雰囲気13を通つた
紡出糸(Y)はそこで単糸間のバラツキを生じる
ことなく均一な配向がなされる。そのため引取速
度を1500m/分以上の高速としても糸切れの発生
が減少するのである。 次に雰囲気13を通過した紡出糸(Y)は、冷
却筒14に吹きこまれた冷風15により冷却され
冷却筒14は、好ましくは、その内周壁17に透
孔18が穿れた構造をしており、多重の円形に並
んだ紡出糸(Y)の外周から冷風15が吹きつけ
られる。そして紡出糸(Y)と接触した冷風は中
心(C)に集まり、冷却筒14の下方に連通して
いるチムニダクト16内を降下してゆく。 冷却された紡出糸(Y)はチムニーダクト16
を通つて更に冷却され、給油ロール17に接触し
油剤が付与される。油剤付与された紡出糸(Y)
はガイド(図示なし)で集束された後、表面速度
が1500〜3000m/分、好ましくは1750〜2500m/
分で回転する引取ロール(1FR)18で引取られ
る。 引取速度が1500m/分未満では、前記本発明法
で規定する紡出後の加熱、冷却ゾーンを通過させ
ても、延伸工程を経て得られた繊維は本発明で目
的とするハイモジユラス、低収縮、耐久性を満足
しない。 引取速度が1500m/分でも紡糸口金直下で糸条
を直ちに急冷する条件を採用する場合、例えば紡
糸口金直下の加熱雰囲気長さを5cm未満とし、且
つ糸条の単糸繊度を細く、例えば延伸後の単糸繊
度を2デニール以下の衣料用繊維しに適した繊度
とすれば、満足する伸度および複屈折および密度
を有する未延伸糸が得られる場合もあるが、この
未延伸糸を熱延伸してゴム補強用繊維として用い
ても、強度、伸度、乾熱収縮率および初期引張抵
抗度において満足する特性が得られないばかり
か、製糸性が悪く紡糸および延伸時に糸切れが多
発し工業的に採用しにくい。 一方引取速度が3000m/分を越えると紡出直後
の紡出糸が安定した状態で走行できなくなり、直
接紡糸延伸後の繊維は強度が低くなり、例えば
7.5g/d以上が得にくいこと及び延伸時の糸切れ
が多発し、安定な製糸が困難であるため好ましく
ない。 したがつて、単に高速で引取る紡糸方法を用い
ることなく1500〜3000m/分の範囲内の速度とす
るのが好ましい。 以上述べた条件でポリエチレンテレフタレート
未延伸糸を後述する条件で直接紡糸延伸をすれば
本発明の意図している原糸が得られるのである
が、工業的に上記原糸を確実に得るには、上記条
件を有機的に結合する必要がある。特に、加熱筒
内の雰囲気の長さ、温度、冷却筒の長さ、冷風速
度、ポリマの粘度、紡糸温度、紡糸口金からの吐
出量引取速度等の条件を関係づけて結合す必要が
ある。しかし実際の操業においてこれらの条件は
複雑で、それらの関係を把握することは相当困難
である。 本発明においては、一つの条件を変更させても
なおかつ最終的に得られる原糸の物性を目的とす
る値にするには、引取ロール通過後の未延伸の複
屈折(Δn)に合わせて未延伸糸の密度(ρ)が
一定の範囲になるようにすれば前記種々の条件を
変更でき、この点に一特徴を有する。 すなわち、引取ロールに引取られた未延伸糸の
複屈折(Δn)を、25×10-3〜60×10-3好ましく
は30×10-3〜50×10-3、及び密度(ρ)を、
1.338〜1.365好ましくは1.340〜1.355の範囲内に
おいて、しかも1.005A≧ρ≧0.995Aの範囲にな
るようにする。 前記Aは4.4(Δn)2+0.167(Δn)+1.331に該当す
る。 前記のように未延伸糸の特性を把握し、その結
果に基いて本発明の構成要件である紡出ポリマの
固有粘度、紡出糸の加熱条件、引取速度の範囲内
で詳細条件を設定組み合わせることによつて、複
雑な紡出条件の管理がしやすくなり、以降の工程
で引続いて直接紡糸延伸しても、安定的に糸切れ
の少ない、目的とする物性を有する原糸を得るこ
とが可能である。 未延伸糸の複屈折(Δn)が25×10-3未満に場
合は、乾熱収縮率が8%以下の寸法安定性に優れ
たポリエステル繊維が得られず、未延伸糸の複屈
折(Δn)が60×10-3を越えた場合は、安定した
状態で高速紡糸延伸を行うことが困難となり、
7.5g/d以上の高強力のポリエステル繊維を得る
ことが困難となる。 また、前記のように複屈折(Δn)が25×10-3
乃至60×10-3の範囲の未延伸糸は配向結晶化が進
んでいることを示しており、その結晶化の程度
は、密度(ρ)として1.338〜1.365g/cm-3であ
る。密度(ρ)が1.338g/cm-3未満では配向結晶
化が十分進んでいないため、このような未延伸糸
を延伸しても乾熱収縮率が8%以下の寸法安定性
に優れたポリエステル繊維が得られず、密度
(ρ)が1.365g/cm-3を越えた未延伸糸は延伸を
施す前に配向結晶化が進み過ぎているために延伸
時に毛羽の発生、糸切れが発生しやすく安定した
状態での高速紡糸延伸が困難となり、7.5g/d以
上の高強力ポリエステル繊維を得難い。 前記複屈折(Δn)及び密度は次の方法で測定
して得た値である。 複屈折(Δn)はニコン(株)製XTP−型偏光
顕微鏡を用い、ナトリウムランプD線を光源と
し、通常のペレツクコンペンセータ法によつて測
定した。 密度は四塩化炭素を重液、n−ヘプタンを軽液と
して作製した密度勾配管を用い、25℃で測定し
た。次に引取ロール(1FR)18で引取られた複
屈折(Δn)が25×10-3〜60×10-3、密度(ρ)
が1.338〜1.365であつて、1.005A≧ρ≧0.995A、
A=4.4(Δn)2+0.167(Δn)+1.331の特性を有する
未延伸糸は一担巻取ることなく連続して延伸され
る。 前記未延伸糸は引取ロール(1FR)18と供給
ロール(2FR)19との間で1.10倍未満、好まし
くは1.005〜1.05倍の延伸比で供給ロール(2FR)
19に供給され、次いで第1延伸ロール(1FR)
20、第2延伸ロール(2DR),21及び張力調
整ロール(RR)22に導かれて総合延伸倍率1.5
〜3.0倍に延伸される。 延伸倍率が1.5倍未満では、本発明で得ようと
する特性を有するポリエステル繊維を安定した状
態で直接紡糸延伸することができなく、7.5g/d
以上の高強力のポリエステル繊維は得られない。 また、延伸倍率が3.0倍を越えた場合、本発明
で得ようとする特性を有するポリエステル繊維を
安定した状態で直接紡糸延伸することができな
く、特に8.0%よりも低い乾熱収縮率を有する寸
法安定性に優れた高強力のポリエステル繊維は得
られない。 延伸倍率を1.5倍未満に設定しようとすると、
未延伸糸の結晶配向化すなわち複屈折(Δn)お
よび密度(ρ)が本発明で得ようとするポリエス
テル繊維の特性の範囲を越えて高すぎる場合に相
当し、延伸倍率が3.0倍を越えて設定しようとす
ると、未延伸糸の結晶配向化すなわち複屈折
(Δn)および密度(ρ)が本発明で得ようとする
ポリエステル繊維の特性の範囲に達しない場合に
相当する。 延伸は次の延伸倍率でなさるのが望ましく、第
1段延伸倍率を1.3〜1.9倍、好ましくは1.3〜1.7
倍であり、この時供給ロール(2FR)19と第1
延伸ロール(1DR)20との間に作用する延伸
張力は0.2ないし1.0g/d未満、好ましくは0.3〜
0.6g/dであり、該張力が作用している供給ロー
ル(2FR)19と第1延伸ロール(1DR)20と
の間の任意の位置に流体交絡処理装置24をとり
つけ、延伸中の繊維に高速流体を吹きつけ交絡集
束処理を行なう。 第1段目の延伸を施された繊維は第1延伸ロー
ル(1DR)20と第2延伸ロール(2DR)21
との間で第1段目の延伸を施されるがこれらのロ
ール間で1.2〜1.6倍、好ましくは1.3〜1.5倍延伸
される。この時第1延伸ロール(1DR)20と
第2延伸ロール(2DR)21との間に作用する
延伸張力は1.0〜4.0g/dである。又前記供給ロ
ール(2FR)19と第1延伸ロール(1DR)20
との間と同様に第1延伸ロール(1DR)20と
第2延伸ロール(2DR)21との間に流体交絡
処理装置24-をとりつけ、高速流体を噴きけ、
交絡集束処理を行なう場合もある。総合延伸比
[1FR(18)/2DR(21)]は1.7〜3.0倍であり、
第2延伸ロール(2DR)21の速度は3500m/分
以上、通常は4000m/分以上の高速度である。 前記第2延伸ロール(2DR)21を経た繊維
は次いで第2延伸ロール(2DR)21と張力調
整ロール(RR)22との間で10%未満の弛緩又
は5%以下の緊張を与えてから巻取機23で巻取
る。 延伸された延伸糸が巻取機23で350〜
6000m/分の速度、好ましくは4000〜5500m/分
の速度で巻取られ原糸となる。 巻取速度が3500m/分未満では、本発明で得よ
うとする特性を有するポリエステル繊維を安定し
た状態で直接紡糸延伸することができなく、巻取
速度が3500m/分未満を採用して本発明で得よう
とする特性を有するポリエステル繊維を製造する
時は、例えば複屈折(Δn)が60×10-3を越えた
高配向の未延伸糸を得て、該未延伸糸を1.4倍未
満の低倍率で延伸することになるが、この場合ポ
リエステル繊維を安定した状態で直接紡糸延伸す
ることができなく、特に7.5g/d以上の高強力の
ポリエステル繊維は得られない。 また、巻取速度が6000m/分を越えると、本発
明で得ようとする特性を有するポリエステル繊維
を安定した状態で直接紡糸延伸することが容易で
はない。 巻取速度が6000m/分を越える高速として本発
明で得ようとする特性を有するポリエステル繊維
を製造する時は、例えば未延伸糸の複屈折(Δn)
を20×10-3未満の低配向となし該未延伸糸を3.0
倍以上の高倍率で延伸することになるが、この場
合、巻取速度を6000m/分以上の高速とすること
になり設備上の問題を有するのみでなく、実質的
にポリエステル繊維を安定した状態で直接紡糸延
伸するこができなく、特に8.0%よりも低い乾熱
収縮率を有する寸法安定性に優れた高強力のポリ
エステル繊維は得られない。 本発明のポリエステル繊維を安定に製造する為
に重要なことは供給ロール(2FR)19と第1延
伸ロール(1DR)20との間における高速流体
による交絡集束処理の適用である。供給ロール
(2FR)19と第1延伸ロール(1DR)20との
間における高速流体による交絡集束処理をした場
合の効果は顕著であるが、更に第1延伸ロール
(1DR)20と第2延伸ロール(2DR)21との
間でも併用処理した場合、その効果は一層大きく
なる。 交絡集束処理に用いる流体交絡処理装置は通常
の繊維相互をインターレースさせるもの、例えば
特公昭36−12230号や特公昭49−41131号公報で開
示されている種々の噴射装置を使用できるが糸通
しか容易な後者が好ましい。第2図は流体交絡処
理装置24の正面図である。 流体交絡処理装置に供給する高速流体は圧空又
は高温の加熱流体例えば過熱蒸気を用いることも
できる。 本発明の方法に係る延伸と同時に交絡集束処理
を施すことの特徴は、第1に前記処理の適用によ
つて単糸切れが著しく減少する点に於て公知の方
法と著しく異なる。本発明の高速直接紡糸延伸に
於て前記交絡集束処理を適用した場合の上記効果
は延伸ロール上での糸ゆれが殆んどなくなること
と対応している。又わずかに発生するかも知れな
い切断単糸は集束したフイラメント束として挙動
する為、ロール上への巻付きもなく全糸切断はほ
とんど生じない。 第2に単糸切れが発生する以前に前記交絡集束
処理を行なうことを特徴とする。即ち、交絡集束
処理は延伸張力が0.2ないし1.0g/d未満となる
1段目の延伸、即ち供給ロール(2FR)〜第1延
伸ロール(1DR)間で行なうのが最も効果的で
ある。また1段目の延伸時の交絡集束処理に加
え、2段目の延伸、即ち第1延伸ロール(1DR)
〜第2延伸ロール(2DR)間でも交絡集束処理
を行なう場合は、最も苛酷な延伸が行なわれる位
置、即ち延伸完了点が第2延伸ロール(2DR)
上になるような延伸条件下に於て効果がある。上
記効果を大きくする為、延伸ロールの温度は第1
延伸ロール(1DR)を比較的低めにし、第2延
伸ロール(2DR)を高温に設定することが好ま
しい。 第3に前記延伸と同時に交絡集束処理を施した
場合、延伸時に切断した単糸を糸条束に混入させ
るものではなく、集束および糸道の安定化を目的
としたものであつて、その交絡の程度は延伸後の
繊維で例えばCF値が1.05〜3.0、好ましくは1.1〜
2.5の比較的緩い交絡集束処理が好ましい。交絡
度を高くすると返つて延伸性が低下し、強伸度特
性が低下するという品質面の障害を生じることが
ある。 前記のCF値は糸条のフイラメント間に単糸デ
ニール値相当の荷重(1000デニール、196フイラ
メントの場合の単糸デニールは5.2デニールなの
で5.2g)をとりつけたフツクをさし込んで落下さ
せた時の落下長(cm)の逆数を100倍した値であ
り、測定は100回繰り返し、上下20%づつを省き、
残り60%を平均して求めた値である。 前記のように本発明に係る方法による効果は次
に示す通りである。ポリエステル繊維を高速直接
紡糸延伸方法における延伸時に延伸と同時に交絡
集束処理を採用することによつて高速直接紡糸延
伸時に著しく発生する単糸切れやそれによつて誘
発される全糸切断が極端に減少する。その結果ポ
リエステル繊維、特に多糸条太デニール糸を工業
的に製造する際に、製糸収率の向上と高品質糸が
達成される。 前記のように特定の紡糸条件で、紡出および冷
却され高速で引取られた特定の特性を有する未延
伸糸を、一旦巻取ることなく直接紡糸延伸法で低
倍率延伸が施されると共に延伸と同時に高速流体
による交絡集束処理を施すことによつて、ゴム補
強用として優れた特性を有するポリエステル繊維
を製造工程でのトラブルもなく安定して得ること
ができる。 本発明の方法によつて得られたポリエステル繊
維(原糸)は次の特徴を有する。 (a) 乾熱収縮率 8≧ΔS≧2% (b) 初期引張抵抗度 130≧Mi≧90g/d (c) 強度 10.0≧T/D≧7.5g/d (d) 伸度 15.0≧E≧9.0% (e) 複屈折 190×10-3≧Δn≧160×10-3 本発明の方法で得られた上記の特性を有するポ
リエステル繊維は、公知の方法により、例えば撚
係数2100〜2500で2本合撚糸し、接着剤を付与し
たのち240〜250℃、ネツトストレツチー2.0〜5.0
%で熱処理して処理コードをなした時、下記の(f)
〜(i)に示す特性を有している。 (f) 強度 6.8≧T/D≧5.5 (g) 中間伸度 7.0≧ME≧3.0 ただし、中間伸度(ME)は (4.5×D×n)/(1000×2)Kg荷重時の伸度
である。Dは原糸繊度、nは撚糸コード合糸本数
である。例えば、1000D,2本合撚糸したコード
の中間伸度は4.5Kg時の伸度である。 (h) 乾熱収縮率 5.0≧ΔS2 (i) 中間伸度+乾熱収縮率 9%≧ME+ΔS2≧7% 前記の(f)〜(i)の各特性から明らかなことは本発
明に係る方法によつて得られたポリエステル繊維
からなるゴム補強用コードは、従来の処理コード
に比べ、「中間伸度+乾収」値が著しく低い。 このことはモジユラスの高い、すなわち、中間
伸度の低いゴム補強コードとなした場合であつて
も乾熱収縮率が従来の処理コードよりも低い値を
有するということを意味する。 前記の本発明に係る方法を用いて得られたポリ
エステル繊維を撚糸および接着剤処理を施した処
理コードを用いて補強されたタイヤは走行耐久性
にもすぐれている。モデル的にはグツドイヤーマ
ロリーチユーブ(GY)疲労試験及びグツドリツ
チデイスク疲労試験によつて非常に優れた機械的
疲労性を有すること、及びゴム中に処理コードを
埋め込んで、高温で処理した後の強力保持率によ
つて示される耐化学劣化性に優れている。 本発明繊維はタイヤコードとして用いた時、寸
法安定性及び耐久性のすぐれた特徴を活かし特に
ラジアルタイヤに適用した時有用な性能を発揮す
る。 一方モジユラスを比較的低く設計して、耐疲労
性のすぐれた特徴を活かし、バイアスタイヤに用
いても良い性能が得られる。 又、タイヤコードのみならず、寸法安定性、耐
久性、特に屈曲疲労性、耐熱性が要求される用
途、例えばV−ベルト、搬送用ベルト等のゴム補
強用繊維としても有用される。 以下、実施例によつて本発明を詳述する。 実施例1〜8、比較例1〜4 分子鎖の繰返構造単位の100モルがエチレンテ
レフタレート単位、紡糸口金を通る時の固有粘度
(IV)が1.26カルボキシル末端基濃度17.5eq/106
g、ポリマの融点が260℃からなるポリエチレン
テレフタレートのチツプをエクストルーダ型紡糸
機を用いて溶融紡糸した。 紡糸温度298℃、紡糸口金11の孔径0.6mmφ、
孔数192ホール、吐出量585g/分である。前記紡
糸口金の直下には、該口金を支持するスピンブロ
ツクによる5cmの加熱された領域があり、該加熱
領域の直下に長さ7cm、直径22cmの加熱筒12を
設け加熱領域(L)を12cmとした。前記加熱筒の
直下には長さ1cm、内径20cmのドーナツ型の断熱
材を介して長さ30cm、内径22cmの環状冷却装置
(環状チムニ)を設けた。 前記加熱筒は長さ方向の中央部である3.5cmの
位置が300℃になるように加熱をコントロールし、
前記口金の下面から10cm離れた位置も300℃を保
持するように設定した。 また、前記口金の下面から10cm離れた位置から
下方に向かつて雰囲気温度を順次降下させ、前記
加熱領域を出る位置における雰囲気温度がポリマ
の融点と同じ260℃になるように設定した。 前記環状型冷却装置に用いる風は25℃に調整
し、風速は45m/分とした。 前記の紡糸口金から紡出した紡出糸は口金直下
に設けられた加熱筒を通して徐冷し、次いで環状
型冷却装置で急冷した後、引続き給油ロールで油
剤を付与した後、ガイドで集束し、表面速度
2250m/分で回転する非加熱のネルソンロールか
らなる第1フイールドロール(1FR)で引取り未
延伸糸を得た。 第1図に於て80℃に加熱した引取ロール
(1FR)18で引取つた未延伸糸の複屈折は38.3
×10-3、密度は.1.350であつた。引取ロール
(1FR)18で引取られた引取糸は連続して90℃
の供給ロール(2FR)19との間で3%のストレ
ツチをかけ、次いで100℃の第1延伸ロール
(1DR)20との間で1.60倍の延伸比で1段目の
延伸を行なつたのち、引続いて第1延伸ロール
(1DR)20と250℃の第2延伸ロール(2DR)
21との間で1.44で2段目の延伸をした。総合延
伸比は2.30倍、第2延伸ロール(2DR)21の速
度は5175m/分、延伸後は第2延伸ロール
(2DR)と非加熱の張力調整ロール(RR)22
との間で2%のリラツクスを与えたのち、捲取機
23で巻取つた。供給ロール(2FR)19と第1
延伸ロール(1DR)20との間および第1延伸
ロール(1DR)20と250℃の第2延伸ロール
(2DR)21との間の延伸張力はそれぞれ0.5g/
d及び3.0g/dであつたが、それらロール間に第
2図に示す如き交絡集束処理装置24,24を設
置し処理した。処理装置は第2図に示したものを
用い、その寸法は内径b=10mmφ、吐出孔径=c
=1.2mmφ、流体供給管通路内径d=5mmφであ
る。該処理装置に導入する圧空圧力を種々変えて
交絡集束処理をし、延伸性及び糸質に及ぼす効果
を調べ表に示した結果を得た。 延伸性は糸切れ回数及び張力調整ロール
(RR)上での単糸切れ回数を検知して評価した。
延伸張力が0.5g/dかかつている供給ロール
(2FR)19と第1延伸ロール(1DR)20との
間で交絡集束処理を施した効果が大きく、延伸張
力が3.0g/dかかつている第1延伸ロール
(1DR)20と第2延伸ロール(2DR)21との
間で交絡処理を施した効果は小さかつた。また供
給ロール(2FR)19と第1延伸ロール(1DR)
20との間に加え、第1延伸ロール(1DR)2
0と第2延伸ロール(2DR)21との間でも同
時に交絡処理した時は一層効果的であつた。延伸
性のよい時は糸質も良好であつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の工程図を示す。第2図は交絡
集束処理装置の正面図を示す。 Y……糸条、10……紡糸塔、11……口金、
12……加熱筒、13……加熱筒内雰囲気、14
……冷却筒、15……冷風、19……チムニーダ
クト、17……オイリングロール、18……引取
ロール(1FR)、19……供給ロール(2FR)、2
0……第1延伸ロール(1DR)、21……第2延
伸ロール(2DR)、22……張力調整ロール
(RR)、23……捲取機、24,24-……交絡
集束処理装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 乾熱収縮率(ΔS)、初期引張抵抗度(Mi)、
    強度(T/D)、伸度(E)および複屈折(Δn)
    が 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するゴム補強用ポリエステル繊維の製
    造法において、 (イ) 分子鎖の繰返し構造単位の90モル%以上がエ
    チケレンテレフタレート単位であり、紡糸口金
    を通る時の固有粘度が0.80〜1.30であるポリマ
    を口金を通して溶融紡出し、紡出糸を得、 (ロ) 引き続いて該紡出直後の紡出糸を前記紡出口
    金の直下に設けられた長さが5〜25cmの加熱筒
    を通し、前記口金下面から少なくとも5cm以
    上、最大30cm以下の間、前記ポリマの融点〜
    400℃の温度に加熱されるとともに上方から下
    方に向つて徐々に低い温度になるように加熱さ
    れた雰囲気中で加熱し、 (ハ) 該雰囲気中を通つた紡出糸に冷風を吹付け
    て、紡出糸を冷却し、 (ニ) 冷却された紡出糸を1500m/分以上の表面速
    度で回転する引取ロールで引取り、複屈折
    (Δn)が25×10-3≦Δn<60×10-3、密度(ρ)
    が1.338<ρ<1.365を同時に満足する未延伸糸
    を得、 (ホ) 引き続いて該未延伸糸を巻取ることなく前記
    引取ロールから導出された未延伸糸は引続いて
    供給ロールと第1延伸ロールに巻回し、該供給
    ロールと第1延伸ロール間で前記未延伸糸に
    0.2乃至1.0g/d未満の延伸張力を作用させて
    1段目の延伸を施しながら高速流体による交絡
    集束処理を施し、連続して3500m/分以上の延
    伸速度で2段目以降の延伸を行なうことを特徴
    とするゴム補強用ポリエステル繊維の製造法。
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