JPH0532491B2 - - Google Patents

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JPH0532491B2
JPH0532491B2 JP57084893A JP8489382A JPH0532491B2 JP H0532491 B2 JPH0532491 B2 JP H0532491B2 JP 57084893 A JP57084893 A JP 57084893A JP 8489382 A JP8489382 A JP 8489382A JP H0532491 B2 JPH0532491 B2 JP H0532491B2
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Japan
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yarn
spinning
spinneret
speed
birefringence
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JP57084893A
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JPS58203112A (ja
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Isoo Saito
Kotaro Fujioka
Taichi Torii
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ゴム補強用として用いられる乾熱収
縮率(ΔS)、初期引張抵抗度(Mi)、強度(T/
D)、伸度(E)および複屈折(Δn)が 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するポリエステル繊維、特にポリエチ
レンテレフタレート繊維の製造法に関するもので
あり、かかるポリエステル繊維は接着剤を付与し
て処理コードとなしタイヤ、ベルトなどのゴム補
強用コードとして用いたとき、機械的疲労性に優
れ、耐化学劣化性に優れており、特に苛酷な条件
で使用されるタイヤコード用として好ましいポリ
エステル繊維の製造法に関するものである。 ポリエチレンテレフタレートからタイヤコード
を製造することは周知であるが、近年寸法安定性
及び耐久性のすぐれたポリエチレンテレフタレー
トタイヤコード用繊維(原糸)の製造法として、
特開昭53−58032号公報に記載された方法が知ら
れている。 この方法は、ポリエチレンテレフタレート紡出
糸を高い張力下で引取つて比較的高い複屈折をも
つ未延伸糸を得、次いで延伸・熱処理す方法であ
り、具体的には紡糸口金から紡出された紡出糸を
直ちに急冷し、高い張力下で500〜3000m/分の
速度で引取り、複屈折(Δn)が9.0×10-3〜70×
10-3の未延伸糸を得、低倍率で延伸するものであ
る。 しかしながら、この特開昭53−58032号公報に
記載された方法を用いて、高い固有粘度(IV)
ポリマで、フイラメント数が多く、かつ織度の大
きい紡出糸を得ようとすると、単糸切れが発生し
やすく、また均質な紡出糸を得難いため適用しに
くいという問題があつた。 実際に、直接紡糸延伸法に上記の方法を試みて
みると糸切れの発生が多く、円滑な操業が出きな
いばかりか、得られるポリエステル繊維は均質性
に劣り特にゴム補強用として実用できるものでは
なかつた。 本発明者らは、紡出糸の単糸数を多くし、産業
用繊維として用いられる。例えば、500デニール
以上に繊度を大きくして直接紡糸延伸するに際
し、糸切れの発生が多く、実用に供することがで
きないという問題点を解決したポリエステル繊維
の工業的製法の確立を目的に鋭意検討した結果、
特定な条件を備えた徐冷紡糸法を採用するととも
に1500m/分以上の速度で紡糸し、未延伸糸の複
屈折と密度との特定な関係を満足することによつ
て糸切れの発生が少なく、製糸性に優れ、直接紡
糸延伸を可能とし、しかも前記未延伸糸を特定な
低倍率熱延伸条件と組み合わせことによつてゴム
補強用として優れた特性を有するポリエステル繊
維の製造を可能とした。 一方、紡出糸を口金直下で急冷しない、いわゆ
る徐冷紡糸を採用したポリエステル繊維の製造法
として、特公昭53−1367号公報に記載された方法
が知られている。 該特公昭53−1367号公報に記載の方法は、紡糸
口金の直下に加熱筒を設け徐冷紡糸を行うもので
あるが記載された実施例によれば、紡糸速度が最
高でも273m/分の低速、延伸は5.7〜10倍の高倍
率延伸で、未延伸糸は0〜0.003の低複屈折で密
度との関係についても全く追及されていなく、い
わゆる低速紡糸高倍率延伸方法であつてゴム補強
用に適した寸法安定性および耐久性に優れたポリ
エステル繊維を得ることができないという問題点
を有する。 また、前記特公昭53−1367号公報はその技術思
想から徐冷紡糸と低速紡糸との組合わせによつて
できるだけ低配向未延伸糸を得て、これを高倍率
延伸するものである。従つて、本願発明の徐冷高
速紡糸によつて高配向未延伸糸を得、低倍率の熱
延伸をして寸法安定性および耐久性の優れたポリ
エステル繊維を得る方法において、前記特公昭53
−1367号公報に記載された徐冷条件を強めた徐冷
紡糸法の部分のみを採用することは非効率的であ
る。 すなわち、必要な未延伸糸配向度を得るために
いたずらに紡糸速度を高くしなければならず、こ
の結果、高速延伸の為単糸切れや毛羽等の発生が
おこり易く、延伸収率が悪くなる。また、実用化
されている高速ローラ、高速巻取機では繊維を安
定に巻取れる速度は6000m/分程度が限度であ
る。 すなわち、本発明法は前記特公昭53−1367号公
報記載の方法と未延伸糸の複屈折及び、引取り速
度に関し明確に相違し、ひいては得られたポリエ
ステル原糸の物性に関しても明確に相違し、本発
明法で得たものの方が著しく寸法安定性及び耐久
性がすぐれている。 本発明の構成は、ゴム補強用として用いられる
乾熱収縮率(ΔS)、初期引張抵抗度(Mi)、強度
(T/D)、伸度(E)および複屈折(Δn)が、 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するポリエステル繊維の製造法におい
て、 (イ) 分子鎖の繰返し構造単位の90モル%以上がエ
チケレンテレフタレート単位であり、紡糸口金
を通る時の固有粘度が0.80〜1.30であるポリマ
を紡糸口金を通して溶融紡出し、紡出糸を得る
こと、 (ロ) 前記紡出直後の紡出糸を前記紡口金の直下に
設けられた長さが5〜25cmの加熱筒を通し、前
記口金下面から少なくとも5cm以上、最大30cm
以下の間前記ポリマの融点〜400℃の温度に加
熱されるとともに上方から下方に向つて徐々に
低い温度になるように加熱された雰囲気中で加
熱すること、 (ハ) 前記雰囲気中を通つた紡出糸に冷風を吹きつ
けて該紡出糸を冷却すること、 (ニ) 冷却された紡出糸を1500m/分以上の表面速
度で回転する引取ロールで引取り、下記(1),(2)
及び(3)式を同時に満足する範囲内の複屈折
(Δn)ならびに密度(ρ)を有する未延伸糸と
なすごとく前記(ロ)の加熱条件および(ハ)
の冷却条件が設定されていること、 1.338<ρ<1.365 (1) 1.005A≧ρ≧0.995A (2) ただし、Aは4.4(Δn)2+0.167(Δn)+1.331で
ある。 25×10-3≦Δn<60×10-3 (3) (ホ) 引取ロールで引取られた前記未延伸糸を一た
ん巻取ることなく引続いて1.5〜3.0倍に熱延伸
した後、3500m/分以上の速度で巻取ること、 を特徴とするポリエステル繊維の製造法にある。 以下具体的に図面を参照しながら本発明法を詳
述する。なお第1図は、本発明法の一実施態様が
適用される工程図であり、第2図は本発明の特定
の雰囲気をつくり出す部分の拡大縦断面図であ
る。 第3図は本発明に係る方法(実施例)および従
来技術に係る方法(比較例)を用いて、紡糸速度
とポリエステル未延伸糸との関係を示したグラフ
である。 第4図は本発明に係る方法(実施例)および従
来技術に係る方法(比較例)を用いて得られたポ
リエステル未延伸糸の複屈折と密度の値をプロツ
トしたグラフである。 本発明のポリエステル繊維は、分子鎖の繰返し
構造単位の90モル%以上、好ましくは95モル%以
上がエチレンテレフタレート単位であるポリエス
テルから得られる。かかるポリエステルとしては
テレフタル酸及びエチレングリコール、エチレン
オキサイド成分の他に、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール等のジオール成分が
共重合された共重合ポリマや、後者の成分、また
は前者の成分と後者の成分から得られたポリマを
ポリエチレンテレフタレートに溶融混合した混合
ポリマ等がある。 前記分子鎖の繰返構造単位が90モル%未満の場
合は融点の低下及び結晶化度が大巾に低下するた
め、繊維となした際に該繊維の耐熱性及び寸法安
定性が劣りゴム補強用として好ましくない。 上記ポリマが紡糸塔10で溶融されて紡糸口金
11を通して押出され、即ち溶融紡糸され紡出糸
Yとなる。 本発明においては紡糸口金11を通るときのポ
リマの固有粘度、実質的に紡出し冷却されて得ら
れた未延伸糸の固有粘度が0.80〜1.30となるよう
ポリマを選択し、溶融条件を選定する。 固有粘度が0.80より低いと本発明の意図する
7.5g/d以上の高強度及び耐久性特に機械的疲労
性が改善された原糸を得ることができない。逆に
1.30より大きいと本発明の高速で直接紡糸延伸に
おいて糸切れが頻発するため安定した製糸が困難
である。 固有粘度を上記の範囲に設定するには、溶融す
るポリマの固有粘度を前記の固有粘度0.8〜1.30
よりも若干高めの0.85〜1.35のものを選ぶ。 前記本発明における固有粘度は次の方法により
測定演算されたものである。 オストワルド粘度計を用いてオルソクロロフエ
ノール25mlに対し、資料2gを溶解した溶液の相
対粘度(ηr)を25℃で測定し、次の近似式により
固有粘度(IV)を演算する。 IV=0.0242ηr+0.2634 ただし、 ηr;(t/to)×(ρ/ρo) t;溶液の落下時間(秒) to;オルソクロロフエノールの落下時間(秒) ρ;溶液の密度(g/c.c.) ρo;オルソクロロフエノールの密度(g/c.c.) 次に本発明においては前記ポリマのカルボキシ
ル末端基は25eq/106g、好ましくは15eq/106
以下である。そのためには、溶融紡糸しようとす
るポリマをそれ以前の工程、即ちポリエステル生
成工程である重合工程でカルボキシル末端基が少
ないポリマを得るか、溶融紡糸工程でポリマの再
溶融時にポリマが反応してカルボキシル末端基が
少なくなるような末端封鎖剤を溶融紡糸工程で添
加する。 本発明におけるこれら二つの方法は、周知の方
法に準ずる。 紡糸口金11はその中心cより一定の半径(好
ましくは口金外径の1/2以上)をもつ円周上に口
金孔11Aが穿れ、更にその外側に同様の口金孔
11Bが1〜4列配列されている構造をしてお
り、第2図では外側に1列の口金孔が配列してい
るものが描かれている。 紡糸口金11の直下には5〜25cmの長さの加熱
筒12が取りつけられており、その内部の雰囲気
13は、ポリマの融点、通常は260℃から400℃、
好ましくは280〜360℃の温度範囲内で加熱され、
しかも下方に向う程低い温度に加熱されている。 加熱雰囲気の長さLは口金下面11-を起点と
して5cm以上で且つ30cm以下、好ましくは5cm〜
25cmの範囲内で、加熱筒12下方のポリマの融点
以上に保持されている位置までの長さである。 加熱筒12の内部の雰囲気13の温度がポリマ
の融点より低いと十分な徐冷が達せられないため
糸条を形成する単糸を均質にすることが困難とな
つて安定した状態で糸条を高速紡糸することが困
難となる。 また、加熱筒12によつて加熱される温度がポ
リマの融点(260℃)よりも低く240℃の場合であ
つても得られる糸条の強度が低くなり、ゴム補強
用コードの強度も低く、GY疲労性が劣る。 一方、加熱筒12の内部の雰囲気13の温度が
400℃より高い紡糸バツク中の紡糸される前のポ
リマに影響して、該ポリマの温度が高くなり過
ぎ、紡糸時のポリマ温度の制御が困難となる。
又、口金11の下面に予め塗布したシリコーンか
らなる離型剤の酸化劣化が著しくなるなどの障害
が生じ紡糸性が低下する。 加熱雰囲気13の長さLは口金下面11-を起
点として5cm乃至30cmの範囲、好ましくは5cm乃
至25cmの範囲であり、25cmよりも短いときは加熱
筒12の長さと同じになる場合もある。 前記の加熱雰囲気13の長さLを5cmよりも短
くした場合徐冷したことの効果が不十分であり高
速紡糸延伸を安定して行うことが出来ない。 また、前記の加熱雰囲気13の長さLを30cmよ
りも長くした場合は、必要以上の徐冷を行つたこ
とによつて配向度が下がり、高配向の未延伸糸を
安定して得難くなる。 前記加熱筒12の長さは5cm乃至25cmの範囲内
であり、5cmよりも短いと加熱雰囲気13の長さ
Lが5cmよりも短くなることがあり、一定の温度
に制御するためには少なくとも5cmを必要とす
る。 一方、加熱筒12の長さが25cmを越えると、加
熱筒12の内部の空気のみならず下方までも影響
をうけ設定する空気のみならず下方までも影響を
うけ設定する加熱雰囲気13の長さLを一定にす
る事が困難となるのみでなく、本願発明の目的と
する特性を有するポリエステル繊維が得られなく
なる。 例えば50cmの加熱筒12を用い、引取速度を
1500m/分以上とするなど他の条件を本発明の各
条件内としても、本発明の方法で得ようとする高
配向度の未延伸糸、すなわち、複屈折(Δn)、密
度(ρ)の範囲およびこれらの関係が、 1.338<ρ<1.368 (1) 1.005A≧ρ≧0.995A (2) A;4.4(Δn)2+0.168(Δn)+1.331 25×10-3≦Δn<60×10-3 (3) の範囲内とすることができない。 前記の50cmの加熱筒12を用いて得られた未延
伸糸を延伸して高配向の延伸糸を得ようとすると
極めて高倍率の延伸を施す必要が生じ、巻取速度
も6000m以上の高速となり実質的に直接紡糸延伸
は困難であり、前記のように巻取速度を6000m以
上とした場合には、ローラおよび巻取装置の回転
体が金属音を発し作業環境が悪くなるのみでなく
ローラ軸の破損等の危険性が増大し、巻取られた
糸条の巻姿の品位も低下する。 従つて、加熱雰囲気13の温度をポリマの融点
〜400℃で長さを5cm〜30cmに制御するとともに
加熱筒12の長さを5cm〜25cmとする必要があ
る。 前記のように加熱筒12で加熱された雰囲気1
3の温度勾配は、積極的に付与されるだけでな
く、加熱筒12に内蔵せしめた加熱源、例えばヒ
ータ14に同一の温度を示すように通電し、以下
に述べる冷却筒内の冷風の存在により、下方が低
温になるようにしてもよい。 すなわち、紡糸口金11の直下に5〜25cmの加
熱筒12を設け、紡出直後の紡出糸をポリマーの
融点〜400℃の範囲内で加熱し、しかも口金下面
5cm以上最大30cm以下の間の雰囲気13内に於
て、上方から下方に向うにつれ途中に最高の温度
を示す領域が存在しないようにする。 また前記の雰囲気13は一定範囲内温度で、該
温度を維持する長さを一定範囲内としうる前記二
つの条件を同時に満たすだけではなく、加熱しす
ぎて未延伸糸の複屈折が(Δn)25×10-3≦Δn<
60×10-3の範囲に外れるようにしてはいけない。 加熱の程度、特に各位置の温度の高さと加熱雰
囲気の長さは複屈折(Δn)と密度(ρ)との関
係を考慮し一定の範囲に設定する。 上記のように紡出直後の紡出糸は、特定の条件
を備えた雰囲気中を通ることによつてたとえフイ
ラメント数が多く、繊度の大きい紡出糸、例え
ば、糸条の繊度が1000デニール288フイラメント
であつても、後述する冷却筒を通つた紡出糸Yの
糸切れは減少する。その理由は紡出口金11に到
達したポリエチレンテレフタレート溶融体は厳密
には若干の熱履歴上の相違があるが、前記雰囲気
13を通つた紡出糸Yはそこで単糸間のバラツキ
を生じることなく均一な配向がなされる。そのた
め引取速度を1500m/分以上の高速としても糸切
れの発生が減少するのである。 次に雰囲気13を通過した紡出糸Yは、冷却筒
15に吹きこまれた冷風16により冷却される。
冷却筒15は、好ましくは、その内周壁17に透
孔18が穿れた構造をしており、多重の円形に並
んだ紡出糸Yの外周から冷風16が吹きつけられ
る。そして紡出糸Yと接触した冷風は中心Cに集
まり、冷却筒15の下方に連通しているチムニダ
クト19内を降下してゆく。冷却された紡出糸Y
はチムニーダクト19を通つて更に冷却され、給
油ロール20に接触し油剤が付与される。油剤付
与された紡出糸Yはガイド(図示なし)で集束さ
れた後、表面速度が1500〜3000m/分好ましくは
1750〜2500m/分で回転する引取ロール12で引
取られる。 引取速度が1500m/分未満では、前記本発明法
で規定する紡出後の加熱、冷却ゾーンを通過させ
ても、延伸工程を経て得られた繊維は本発明で目
的とするハイモジユラス、低収縮、耐久性を満足
しない。 引取速度が1500m/分以下でも紡糸口金直下で
糸条を直ちに急冷する条件を採用する場合、例え
ば紡糸口金直下の加熱雰囲気長さを5cm未満と
し、且つ糸条の単糸繊度を細く、例えば延伸後の
単糸繊度を2デニール以下の衣料用繊維に適した
繊度とすれば、満足する複屈折および密度を有す
る未延伸糸が得られる場合もあるが、この未延伸
糸を熱延伸してゴム補強用繊維として用いても強
度、伸度、乾熱収縮率および初期引張抵抗度にお
いて満足する特性が得られないばかりか、製糸性
が悪く紡糸および延伸時に糸切れが多発し工業的
に採用することは不可能である。 一方、引取速度が3000m/分を越えると紡出直
後の紡出糸が安定した状態で走行できなくなり、
直接紡糸延伸後の繊維は強度が低くなり、例えば
7.5g/d以上が得にくいこと、及び延伸時の糸切
れが多発し、安定な製糸が困難であり、さらに未
延伸糸の複屈折(Δn)と密度(ρ)とが本発明
の範囲外となることがあり好ましくない。 したがつて、単に高速で引取る紡糸方法を用い
ることなく1500〜3000m/分の範囲内の速度とす
るのが望ましい。 以上述べた条件でポリエチレンテレフタレート
未延伸糸を、後述する条件で直接紡糸延伸をすれ
ば本発明の意図している原糸が得られるのである
が、工業的に上記原糸を確実に得るには、上記条
件を有機的に結合する必要がある。 特に、加熱筒内の雰囲気の長さ、温度、冷却筒の
長さ、冷風速度、ポリマの粘度、紡糸温度、紡糸
口金からの吐出量、引取速度等の条件を関係づけ
て結合す必要がある。しかし実際の操業において
これらの条件は複雑で、それらの関係を把握する
ことは相当困難である。 本発明においては、一つの条件を変更させても
なおかつ最終的に得られる原糸の物性を目的とす
る値にするには、引取ロール通過後の未延伸の複
屈折(Δn)に合わせて、未延伸糸の密度ρが一
定の範囲になるようにすれば前記種々の条件を変
更でき、この点に一特徴を有する。 すなわち、引取ロールに引取られた未延伸糸の
複屈折(Δn)を、25×10-3〜60×10-3好ましく
は30×10-3〜50×10-3、及び密度ρを、1.338〜
1.365好ましくは1.340〜1.355の範囲内において、
しかも1.005A≧ρ≧0.995Aの範囲になるように
する。 未延伸糸の複屈折(Δn)が25×10-3未満に場
合は、乾熱収縮率が8%以下の寸法安定性に優れ
たポリエステル繊維が得られず、未延伸糸の複屈
折(Δn)が60×10-3を越えた場合は、安定した
状態で高速紡糸延伸を行うことが困難となり、
7.5g/d以上の高強力のポリエステル繊維を得る
ことが困難となる。 また、前記のように複屈折(Δn)が25×10-3
乃至60×10-3の範囲の未延伸糸は配向結晶化が進
んでいることを示しており、その結晶化の程度
は、密度ρとして1.338〜1.365g/cm-3である。密
度ρが1.338g/cm-3未満では配向結晶化が十分進
んでいないため、このような未延伸糸を延伸して
も乾熱収縮率が8%以下の寸法安定性に優れたポ
リエステル繊維が得られず、密度ρが1.365g/cm
−3を越えた未延伸糸は延伸を施す前に配向結晶化
が進み過ぎているために延伸時に毛羽の発生、糸
切れが発生しやすく安定した状態での高速紡糸延
伸が困難となり、7.5g/d以上の高強力ポリエス
テル繊維を得難い。 前記Aは4.4(Δn)2+0.167(Δn)+1.331に該当す
る。 前記のように未延伸糸の特性を把握し、その結
果に基いて本発明の構成要件である紡出ポリマの
固有粘度、紡出糸の加熱条件、引取速度の範囲内
で詳細条件を設定組み合わせることによつて、複
雑な紡出条件の管理がしやすくなり、以降の工程
で引続いて直接紡糸延伸しても、安定的に糸切れ
の少ない、目的とする特定の物性を有する原糸を
得ることが可能である。 前記複屈折(Δn)及び密度は次の方法で測定
して得た値である。 複屈折(Δn)はニコン(株)製XTP−型偏光
顕微鏡を用い、ナトリウムランプD線を光源と
し、通常のペレツクコンペンセータ法によつて測
定した。 密度は四塩化炭素を重液、n−ヘプタンを軽液
として作製した密度勾配管を用い、25℃で測定し
た。 次に引取ロール21で引取られた複屈折(Δn)
が25×10-3〜60×10-3密度ρが1.338〜1.365であ
つて、1.005A≧ρ≧0.995A、A=4.4(Δn)2
0.167(Δn)+1.331の特性を有する未延伸糸は1.10
倍未満、好ましくは1.005〜1.05倍の延伸比で供
給ロール22に供給され、好ましくは第1延伸ロ
ール23、第2延伸ロール24及び張力調整ロー
ル25に導かれて総合延伸倍率1.5〜3.0倍に延伸
される。延伸の次の延伸倍率でなされるのが望ま
しく、第1段延伸倍率を1.3〜1.9倍、好ましくは
1.3〜1.7倍、第2段延伸倍率を1.2〜1.6倍、好ま
しくは1.3〜1.5倍とする。第2延伸ロール24と
張力調整ロール25との間では0.90〜1.05倍、好
ましくは0.95〜1.00倍で延伸(正しくは若干弛
緩)される。そして最終的な全延伸倍率が1.5〜
3.0倍とされる。 延伸温度としては引取ロール21が150℃以下
好ましくは120℃以下、供給ロール22は60〜150
℃、好ましくは80〜130℃、第1延伸ロール23
は80〜180℃、好ましくは100〜160℃、そして第
2延伸ロール24は180〜260℃、好ましくは200
〜250℃で、しかも後の工程ロール程、温度が高
いか、少なくとも同等の温度となるように決定さ
れる。張力調整ロール25の温度は常温〜240℃
の範囲とする。 延伸倍率が1.5倍未満では、本発明で得ようと
する特性を有するポリエステル繊維を安定した状
態で直接紡糸延伸することができなく、7.5g/d
以上の高強力のポリエステル繊維は得られない。 また、延伸倍率が3.0倍を越えた場合、本発明
で得ようとする特性を有するポリエステル繊維を
安定した状態で直接紡糸延伸することができな
く、特に8.0%よりも低い乾熱収縮率を有する寸
法安定性に優れた高強力のポリエステル繊維は得
られない。 延伸倍率を1.5倍未満に設定しようとすると、
未延伸糸の結晶配向化すなわち複屈折(Δn)お
よび密度ρが本発明で得ようとするポリエステル
繊維の特性の範囲を越えて高すぎる場合に相当
し、延伸倍率が3.0倍を越えて設定しようとする
と、未延伸糸の結晶配向化すなわち複屈折(Δn)
および密度ρが本発明で得ようとするポリエステ
ル繊維の特性の範囲に達しない場合に相当する。 延伸された延伸糸が巻取機26で350〜
6000m/分の速度、好ましくは400〜5500m/分
の速度で巻取られ原糸となる。 巻取速度が3500m/分未満では、本発明で得よ
うとする特性を有するポリエステル繊維を安定し
た状態で直接紡糸延伸することができなく、巻取
速度が3500m/分未満を採用して本発明で得よう
とする特性を有するポリエステル繊維を製造する
時は、例えば複屈折(Δn)が60×10-3を越えた
高配向の未延伸糸を得て、該未延伸糸を1.4倍未
満の低倍率で延伸することになるが、この場合、
ポリエステル繊維を安定した状態で直接紡糸延伸
することができなく、特に7.5g/d以上の高強力
のポリエステル繊維は得られない。 また、巻取速度が6000m/分を越えると、本発
明で得ようとする特性を有するポリエステル繊維
を安定した状態で直接紡糸延伸することができな
く、巻取速度が6000m/分を越えた高速を採用し
て本発明で得ようとする特性を有するポリエステ
ル繊維を製造する時は、例えば複屈折(Δn)が
20×10-3未満の低配向の未延伸糸を得て、該未延
伸糸を3.0倍以上の高倍率で延伸することになる
が、この場合、巻取速度を6000m/分以上の高速
とすることになり設備上の問題を有するのみでな
く、実質的にポリエステル繊維を安定した状態で
直接紡糸延伸するこができなく、特に8.0%より
も低い乾熱収縮率を有する寸法安定性に優れた高
強力のポリエステル繊維は得られない。 前記のように特定の紡糸条件で、紡出および加
熱処理、冷却され高速で引取られた特定の特性を
有する未延伸糸を、一旦巻取ることなく直接紡糸
延伸法で低倍率延伸が施されることによつて、ゴ
ム補強用として優れた特性を有するポリエステル
繊維が得られる。 本発明の方法によつて得られたポリエステル繊
維(原糸)は次の特徴を有する。 (a) 乾熱収縮率 8≧ΔS≧2% (b) 初期引張抵抗度 130≧Mi≧90g/d (c) 強度 10.0≧T/D≧7.5g/d (d) 伸度 15.0≧E≧9.0% (e) 複屈折 190×10-3≧Δn≧160×10-3 本発明の方法で得られた上記の特性を有するポ
リエステル繊維は、公知の方法により、例えば撚
係数2100〜2500で2本合撚糸し、接着剤を付与し
たのち240〜250℃、ネツトストレツチー2.0〜5.0
%で熱処理して処理コードをなした時、下記の(f)
〜(i)に示す特性を有している。 (f) 強度 6.8≧T/D≧5.5 (g) 中間伸度 7.0≧ME≧3.0 ただし、中間伸度(ME)は (4.5×D×n)/(1000×2Kg)荷重時伸度で
ある。Dは原糸繊度、nは撚糸コード合糸本数で
ある。例えば、1000D,2本合撚糸したコードの
中間伸度は4.5Kg時の伸度である。 (h) 乾熱収縮率 5.0≧ΔS2 (i) 中間伸度+乾熱収縮率 9%≧ME+ΔS2≧7% 前記の(f)〜(i)の各特性から明らかなことは本発
明に係る方法によつて得られたポリエステル繊維
からなるゴム補強用コードは、従来の処理コード
に較べ、「中間伸度+乾熱収縮率」値が著しく低
い。 このことはモジユラスを高くして、すなわち、
中間伸度の低いゴム補強コードとなした場合であ
つても乾熱収縮率が従来の処理コードよりも低い
値を有するということを意味する。 前記の本発明に係る方法を用いて得られたポリ
エステル繊維を用いて得られた処理コードを用い
て補強されたタイヤは走行耐久性にもすぐれてい
る。モデル的にはグツドイヤーマロリーチユーブ
(GY)疲労試験及びグツドリツチデイスク疲労
試験によつて非常に優れた機械的疲労性を有する
こと、及びゴム中に処理コードを埋め込んで、高
温で処理した後の強力保持率によつて示される耐
化学劣化性に優れている。 本発明繊維はタイヤコードとして用いた時、寸
法安定性及び耐久性のすぐれた特徴を活かし特に
ラジアルタイヤに適用した時有用な性能を発揮す
る。 一方モジユラスを比較的低く設計して、耐久性
のすぐれた特徴を活かし、バイアスタイヤに用い
ても良い性能が得られる。 又、タイヤコードのみならず、寸法安定性、耐
久性特に屈曲疲労性、耐熱性が要求される用途、
例えばV−ベルト、搬送用ベルト等のゴム補強用
繊維としても有用される。 以下、実施例によつて本発明を詳述する。 実施例 1 分子鎖の繰返構造単位の100モルがエチレンテ
レフタレート単位、紡糸口金を通る時の固有粘度
(IV)が1.20、カルボキシル末端基濃度が15eq/
106g、ポリマの融点が260℃からなるポリエチレ
ンテレフタレートのチツプをエクストルーダ型紡
糸機を用いて紡糸温度295℃、紡糸口金の口径0.6
mmφ、孔数192ホール、吐出量580g/分で溶融紡
糸した。 前記紡糸口金の直下には、該口金を支持するス
ピンブロツクによる5cmの加熱された領域があ
り、該加熱領域の直下に長さ7cm、直径22cmの加
熱筒を設け加熱領域(L)を12cmとした。前記加
熱筒の直下には長さ1cm、内径20cmのドーナツ型
の断熱材を介して長さ30cm、内径22cmの環状冷却
装置(環状チムニ)を設けた。 前記加熱筒は長さ方向の中央部である3.5cmの
位置が330℃になるように加熱をコントロールし、
前記口金の下面から10cm離れた位置も330℃を保
持するように設定した。 また、前記口金の下面から10cm離れた位置から
下方に向かつて雰囲気温度を順次降下させ、前記
加熱領域を出る位置における雰囲気温度がポリマ
の融点と同じ260℃になるように設定した。 前記環状型冷却装置に用いる風は25℃に調整
し、風速は45m/分とした。 前記の紡糸口金から紡出した紡出糸は口金直下
に設けられた加熱筒を通して徐冷し、次いで環状
型冷却装置で急冷した後、引続き給油ロールで油
剤を付与した後、ガイドで集束し、表面速度
2500m/分で回転する非加熱のネルソンロールか
らなる第1フイールドロール(1FR)で引取り未
延伸糸を得た。 次いで前記の未延伸糸は巻取ることなく前記第
1フイードロール(1FR)と90℃に加熱した第2
フイールドロール(2FR)との間で1.03倍にスト
レツチをかけて引き揃えた後、前記第2フイール
ドロール(2FR)と120℃に加熱した第1延伸ロ
ール(1DR)との間で1.56倍の延伸をし、該第1
延伸ロール(1DR)と240℃に加熱した第2延伸
ロール(2DR)との間で1.35倍の延伸をし、次い
で、前記第2延伸ロール(2DR)と非加熱の張
力調整ロール(RR)との間で2%の弛緩を与
え、全延伸倍率2.13倍で延伸および弛緩したのち
捲き取つた。 ポリマ特性、紡糸条件及び延伸条件を第1表に
示し、得られた未延伸糸特性および延伸糸特性を
第2表に示した。 また、得られた延伸糸を49T/10cmの下撚を施
して下撚糸となし、該下撚糸を2本合糸して
49T/10cmの上撚を施してタイヤ補強用の生コー
ドとなした。 次にこの生コードをリツラー社製コンピユート
リータによつてレゾルシンーホルマリンーラテツ
クス及びICI社(英国)製“Pexul”の混合液か
らなる接着剤で処理したのち160℃の加熱炉中を
定長で60秒間通過させて乾燥し、引続き0.5〜4
%の緊張を与えつつ250℃の加熱炉で70秒間通過
させ、更に1%の弛緩を与えつつ240℃、70秒間
熱処理して処理コードを得た。 該処理コードの特性は第3表に示した。 前記第2表および第3表からも判るように本発
明の方法によると、製糸性もよく得られた未延伸
糸は一定範囲の特性を有し、さらに延伸糸がゴム
補強用として優れた特性、すなわち、乾熱収縮率
(ΔS)、初期引張抵抗度(Mi)、強度(T/D)、
伸度(E)、及び複屈折(Δn)が一定の範囲内の
値を有し、これらの特性の相乗効果によつて、ゴ
ム補強用として得たコードの、ゴム中の寸法安定
性、耐熱性に優れGY疲労寿命に優れるものであ
つた。 実施例 2 紡糸口金からの吐出量を609g/分とし、紡糸
口金の直下に設けた加熱筒の長さを15cmとなし、
延伸糸の繊度を実施例1と合わせるように延伸倍
率を変更した以外は全て実施例1と同様の条件で
直接紡糸延伸法によつてポリエステル繊維を得
た。 用いたポリマの特性、紡糸条件及び延伸条件を
第1表に示した。得られた未延伸糸特性および延
伸糸特性は第2表に示すとおりであつた。 また、実施例1と同様の条件で生コードとなし
たのち、該生コードを接着剤処理した。接着剤処
理コードの特性は第3表に示すとおりであつた。 実施例 3〜5 紡糸口金からの吐出量を未延伸糸の引取り速度
を第1表に示すように設定するとともに延伸糸の
繊度を実施例1と合わせるように延伸倍率を変更
した以外は全て実施例1と同様の条件で直接紡糸
延伸法によつてポリエステル繊維を得た。 用いたポリマの特性、紡糸条件及び延伸条件を
第1表に示した。得られた未延伸糸特性および延
伸糸特性は第2表に示すとおりであつた。 また、実施例1と同様の条件で生コードとなし
たのち、該生コードを接着剤処理した。接着剤処
理コードの特性は第3表に示すとおりであつた。 比較例 1 実施例1と同様の特性を有するポリエチレンテ
レフタレートポリマを用いて、紡糸口金の直下に
加熱筒を設けることなく、特開昭58−58032号公
報に記載の方法で紡出および冷却して未延伸糸を
得た。 用いたポリマの特性、紡糸条件及び延伸条件を
第1表に示した。得られ未延伸糸特性および延伸
糸特性は第2表に示すとおりであつた。 比較例 2 実施例1と同様の特性を有するポリエチレンテ
レフタレートポリマを用いて、特公昭53−1367号
公報に記載の方法で徐冷紡糸を行つた。紡糸口金
からの吐出量は299g/分とし、加熱筒の長さを
50cmとし、引取速度は500m/分とした。 用いたポリマの特性、紡糸条件及び延伸条件を
第1表に示した。得られた未延伸糸特性および延
伸糸特性は第2表に示すとおりであつた。 また、実施例1と同様の条件で生コードとなし
たのち、該生コードを接着剤処理した。接着剤処
理コードの特性は第3表に示すとおりであつた。
【表】
【表】 *2 非加熱
【表】
【表】 本発明に係る方法(実施例1〜5)によつて得
られたポリエステル未延伸糸及び従来技術(比較
例1,2)によつて得られたポリエステル未延伸
糸の紡糸速度と複屈折との関係は第3図に示すと
おりであり、複屈折と密度の値は第4図に示す通
りであつた。 本発明に係る紡糸速度がけ1500m/分以上、複
屈折が25×10-3〜60×10-3であるのに対し、比較
例1の場合、紡糸口金の直下に加熱筒を設けるこ
となく紡糸速度が2500m/分で、複屈折が61.7×
10-3であり、60×10-3よりも大きく延伸工程に置
ける延伸性が悪く円滑な延伸が不能となる。 比較例2の場合は紡糸速度が500m/分、複屈
折が2.1×10-3で極めて低い値を有する。 これらの特性の差異は、特に紡糸口金の直下に
設けられた加熱筒の長さが影響し、本発明の方法
が5〜25cmであるのに対し、比較例2は50cmであ
る。そして比較例2で直接紡糸延伸法によつて得
られた未延伸糸を延伸したのち加撚し接着剤処理
したゴム補強用コードの中間伸度+乾熱収縮率が
9%を越え、さらに乾熱収縮率も5.0%と高いな
ど、ゴム補強用として要求される寸法安定性が悪
く、GY疲労性が劣る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の工程図を示す。第2図は第1
図の部分の拡大図である。第3図は本発明に係
る方法(実施例)および従来技術に係る方法(比
較例)を用いて紡糸速度とポリエステル未延伸糸
の複屈折との関係を示したグラフである。第4図
は本発明に係る方法(実施例)および従来技術に
係る方法(比較例)を用いて得られた未延伸糸の
複屈折と密度の値をプロツトしたグラフである。 11……紡糸口金、12……加熱筒、13……
雰囲気、15……冷却筒、19……チムニダク
ト、20……給油ロール、21……引取ロール、
22……供給ロール、23……第1延伸ロール、
24……第2延伸ロール。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ゴム補強用として用いられる乾熱収縮率
    (ΔS)、初期引張抵抗度(Mi)、強度(T/D)、
    伸度(E)および複屈折(Δn)が、 8≧ΔS≧2% 130≧Mi≧90g/d 10.0≧T/D≧7.5g/d 15.0≧E≧9.0% 190×10-3≧Δn≧160×10-3 の特性を有するポリエステル繊維の製造法におい
    て、 (イ) 分子鎖の繰返し構造単位の90モル%以上がエ
    チケレンテレフタレート単位であり、紡糸口金
    を通る時の固有粘度が0.80〜1.30であるポリマ
    を紡糸口金を通して溶融紡出し、紡出糸を得る
    こと、 (ロ) 前記紡出直後の紡出糸を前記紡糸口金の直下
    に設けられた長さが5〜25cmの加熱筒を通し、
    前記口金下面から少なくとも5cm以上、最大30
    cm以下の間前記ポリマの融点〜400℃の温度に
    加熱されるとともに上方から下方に向つて徐々
    に低い温度になるように加熱された雰囲気中で
    加熱すること、 (ハ) 前記雰囲気中を通つた紡出糸に冷風を吹きつ
    けて該紡出糸を冷却すること、 (ニ) 冷却された紡出糸を1500m/分以上の表面速
    度で回転する引取ロールで引取り、下記(1),(2)
    及び(3)式を同時に満足する範囲内の複屈折
    (Δn)ならびに密度(ρ)を有する未延伸糸と
    なすごとく前記(ロ)の加熱条件および(ハ)
    の冷却条件が設定されていること、 1.338<ρ<1.365 (1) 1.005A≧ρ≧0.995A (2) ただし、Aは4.4(Δn)2+0.167(Δn)+1.331で
    ある。 25×10-3≦Δn<60×10-3 (3) (ホ) 引取ロールで引取られた前記未延伸糸を一た
    ん巻取ることなく引続いて1.5〜3.0倍に熱延伸
    した後、3500m/分以上の速度で巻取ること、 を特徴とするポリエステル繊維の製造法。
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