JPH04228551A - 耳率の小さい成形加工用アルミニウム合金硬質板の製造方法 - Google Patents

耳率の小さい成形加工用アルミニウム合金硬質板の製造方法

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JPH04228551A
JPH04228551A JP20164190A JP20164190A JPH04228551A JP H04228551 A JPH04228551 A JP H04228551A JP 20164190 A JP20164190 A JP 20164190A JP 20164190 A JP20164190 A JP 20164190A JP H04228551 A JPH04228551 A JP H04228551A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば2ピースアルミニウム缶の缶胴材す
なわちDI缶胴材あるいは缶蓋材等として使用される成
形加工用アルミニウム合金硬質板の製造方法に関し、特
に成形加工時の耳の発生が少なく、しかも強度、成形加
工性に優れたA■−Cu−Mg−Mn系アルミニウム合
金硬質板の製造方法に関するものである。
従来の技術 成形加工用アルミニウム合金板、特にDI缶の缶胴材と
して用いられるアルミニウム合金板については、より強
度の高い薄板を使用することによる経済的効果を期待す
るべく、近年は薄肉化と高強度化が進められている。こ
の種の用途には従来から種々のアルミニウム合金が用い
られているが特にA■−Mg−Mn系合金であるJIS
 3004合金硬質板は、強度を高めるために高圧延率
の冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形性を示す
ところから、DI缶の缶胴材に使用されることが多い。
この3004合金硬質板の製造方法としては、その鋳塊
に均質化熱処理を施した後、常法に従って熱間圧延を施
し、次いで冷間圧延を施してからあるいは冷間圧延を施
さずに中間焼鈍を施し、その後最終冷間圧延を施して製
品板とすることが多い。
このような工程中における中間焼鈍としては、一般には
箱焼鈍炉を用いて300〜400℃において30分〜3
時間程度保持するバッチ焼鈍を適用することが多く、こ
の場合最終冷間圧延の圧延率は70%以上とすることが
通常である。また近年は連続焼鈍炉の普及に伴ない、中
間焼鈍に連続焼鈍を適用することによって急速昇温、高
温短時間加熱、急速冷却が可能となり、これによる溶体
化効果を利用して最終冷間圧延の圧延率が比較的低くて
も高強度が得られるようにしたプロセスも提案されてい
る。
発明が解決しようとする課題 DI缶の缶胴材に要求される性能としては、前述のよう
に高強度を有しかつ成形性が優れていることのほか、ま
たDI加工時の耳率が低いことが重要である。
ところで前述のような3004合金硬質板の従来の製造
方法の問題点は、中間焼鈍を箱型焼鈍炉で行なう場合と
、連続焼鈍炉で行なう場合とで異なる。
すなわち先ず連続焼鈍炉を用いたプロセスでは、DI加
工時に発生する耳率の制御が難しく、中間焼鈍に供され
るまでの過程で工夫を要する。
一方箱型焼鈍炉を用いたプロセスでは、強度を高めよう
とすれば最終冷間圧延率を高めざるを得ず、このように
最終冷間圧延率を高くすれば耳率の制御が難しくなる。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、最
終冷間圧延率を高めても成形加工時における耳率の制御
が容易であって、しかも成形性、強度に優れたアルミニ
ウム合金硬質板を製造する方法を提供しようとするもの
である。
課題を解決するための手段 この発明の方法では、基本的には、A■−Mg−Mn−
Cu系のアルミニウム合金の成分組成を適切に設定し、
熱間圧延においては a)金属間化合物の周辺の歪を回復させて、b)それ以
外のマトリックスの歪は回復させないで蓄積し、 熱間圧延後の自己熱もしくはその後の再結晶焼鈍で再結
晶させる際に金属間化合物周辺を起点とする再結晶・亜
結晶化を防止する一方、それ以外のマトリックスを起点
とする再結晶・亜結晶化を促進することによって、耳率
の制御を容易としている。
具体的には、この発明の成形加工用アルミニウム合金硬
質板の製造方法は、Mg0.5〜2.5wt%、Cu0
.1〜1.0wt%、Mn0.6〜1.8wt%、Si
0.1〜1.0wt%、Fe0.2〜1.0wt%を含
有し、かつFe/Siの重量比が3.0以下であり、残
部がA■および不可避的不純物よりなる合金を鋳造して
その鋳塊に均質化熱処理を施した後、熱間圧延を行なう
にあたり、熱間圧延での総圧下率を70%以上として、
少なくともその熱延上り前の70%の間の圧下率の圧延
過程における各圧延パス間での再結晶率を10%以下と
し、しかも熱延上がり温度を270〜350℃の範囲内
の温度とするとともに熱延上がり板厚を3mm以下とし
て熱間圧延板の断面のミクロ組織において再結晶粒と1
0μm以下の粒径の亜結晶粒が合計で50%以上を占め
る熱延板を得、その後、 (A)無処理(但しこの無処理は熱延板の状態で100
%再結晶している場合に限る)、(B)再結晶処理、 (C)圧下率30%以下の冷間圧延後、再結晶処理、以
上の(A),(B),(C)のうちいずれかの過程を経
て、さらにその後50%以上の冷間圧延を施すことを特
徴とするものである。
作用 先ずこの発明におけるアルミニウム合金の成分限定理由
について説明する。
以下に示す各合金成分は、主として材料の強度を高める
とともに、耳率や成形性の制御を目的として添加される
ものである。
Mg: MgはCu、Siとの共存によりG.P.ゾーン→β′
Mg2Si→βMg2Si、あるいはG.P.ゾーン→
S′A■2CuMg→SA■2CuMgのような析出過
程をたどり、中間相の析出段階で強度向上に寄与する。
またMgは単独でも固溶強化に寄与する元素である。こ
のようにMgは強度向上に不可欠な元素であるが、Mg
が0.5wt%未満では強度向上の効果が少なく、一方
2.5wt%を越えれば、絞り成形上は特に問題ないが
、加工硬化しやすくなるため、再絞り性やしごき加工性
等の成形性を悪化させる。したがってMg量は0.5〜
2.5wt%の範囲内とした。
Cu: この発明の方法では、熱延上りの時点でCuの固溶量が
維持できるならば、箱型焼鈍炉を用いたプロセスでもC
uの溶体化を期待することができ、もちろん連続焼鈍炉
を用いたプロセスではこの効果が期待できる。そのため
Cuが添加されていれば、塗装焼付け処理時におけるA
■−Cu−Mg系析出物の析出過程での時効硬化を利用
して強度向上を図ることができる。但しCu量が0.1
wt%未満では上述の効果がほとんど期待できず、一方
1.0wt%を越えてCuを添加した場合、時効硬化は
容易に得られるものの、成形加工中に加工硬化が生じや
すくなって成形性を損なうから、Cuの添加量は0.1
〜1.0wt%とした。
Mn: Mnは強度向上に寄与するとともに成形性向上に有効な
元素である。特にこの発明における主用途である缶胴材
においては、苛酷なしごき成形が施されるから、成形性
向上のためにMnの添加は重要である。通常アルミニウ
ム合金板のしごき成形においてはエマルジョンタイプの
潤滑剤が使用されているが、Mn系晶出物が少ない場合
には、同程度の強度を有していてもエマルジョンタイプ
の潤滑剤では潤滑能が不足し、ゴーリングと称される擦
り疵や焼付き等の外観不良が生じるおそれある。Mn系
晶出物はしごき成形時において固体潤滑的な効果をもた
らして、しごき成形後の外観不良の発生を防止するに有
効であるが、その効果は晶出物の大きさ、量、種類に影
響される。連続鋳造法を用いた冷却速度の速い鋳造を行
なう場合には、Mnが1.8wt%を越えて添加されて
も特に支障なく鋳造できるばかりでなく、晶出物サイズ
もその後の熱処理で調整可能であるが、現在主流を占め
ているDC鋳造法では、Mnが1.8wt%を越えて添
加されれば、MnA■6の初晶巨大金属間化合物が生じ
、逆に著しく成形性を損なうおそれがある。そこでMn
の添加量の上限は1.8wt%とした。またMn量が0
.6wt%未満では、Mn化合物による前述の固体潤滑
的な効果が得られないため、Mn量の下限は0.6wt
%とした。
Fe: FeはSiとともにMnの晶出や析出を促進し、アルミ
ニウム基地中の固溶量やMn系不溶性化合物の分散状態
を制御するために必要な元素である。
特にこの発明の方法の場合、成形加工時の耳率を制御す
るために最適な方向性を得ることを目的としているが、
この効果を得るためには、中間焼鈍(再結晶処理)にお
いてそれまでの熱履歴に応じて最適な再結晶組織を得る
ことができるような固溶状態、不溶性化合物の分散状態
および熱延後の加工歪(あるいは熱延段階とそれに引続
く軽度の冷間圧延後の加工歪)が再結晶前に存在してい
ることが必要となる。このような条件を得るためには、
Mn添加量に応じた適切なFe量、Si量とする必要が
ある。Fe量が0.2wt%未満では、適正な化合物分
散状態を得ることが困難となり、一方Fe量が1.0w
t%を越えれば、Mn添加と相俟って初晶巨大金属間化
合物が発生して成形性を著しく損なうおそれがある。そ
こでFe量は0.2〜1.0wt%の範囲内とした。
Si: Siが添加されている場合、Mg2Si系化合物の析出
過程でも時効硬化が期待できることは良く知られている
が、この発明におけるSiの役割は、強度向上よりもむ
しろ成形加工時の方向性の制御にある。すなわちFeは
再結晶粒を微細にするためには積極的に添加して良い元
素であるが、Feがアルミニウム基地中に固溶している
場合、45゜耳が発生しやすくなるから、Feはアルミ
ニウム基地中に固溶させないことが好ましい。SiはF
eの析出を促進し、結果的にアルミニウム基地中のFe
の固溶量を減少させ、これにより成形加工時の方向性を
良好にする。ここでFe/Si比(重量比)が3.0を
越えればSiが少な過ぎてFeの固溶量が大きくなる。
Fe/Si比が3.0以下であれば、Feの固溶量を少
なくして方向性を良好とすることができる。したがって
Si量はFe量に応じてFe/Si比が3.0以下とな
るように定める必要がある。またSiの絶対量が0.1
wt%未満では最適Fe/Si比を得ることが難しく、
一方1.0wt%を越えればFeの析出を促進させる効
果が飽和し、また過度な固溶状態となるため時効硬化性
は高くなるが方向性制御には不適当となる。したがって
Siの絶対量は0.1〜1.0wt%の範囲内とした。
以上の各成分の残部は、基本的にはA■および不可避的
不純物とすれば良い。なお通常のアルミニウム合金にお
いては鋳塊結晶粒微細化のために、Ti、あるいはTi
およびBを微量添加することがあり、この発明の場合に
おいても微量のTi、あるいはTiおよびBを含有して
いても良い。但し、Tiを添加する場合、0.01wt
%未満ではTi添加の効果が得られず、一方 0.2w
t%を越えれば初晶TiA■3が晶出して成形性を害す
るから、Tiは0.01〜0.2wt%の範囲内とする
ことが好ましい。またTiとともにBを添加する場合、
Bが1ppm未満ではB添加の効果が得られず、一方B
が500ppmを越えればTiB2の粗大粒子が混入し
て成形性を害するから、Bは1〜500ppmの範囲内
とすることが好ましい。そのほか、鋳造時の溶湯酸化防
止のためにBeを0.02wt%以下の範囲で添加して
も良い。さらに不純物としてCr、Zn、V、Zr等の
元素が微量含有されていても良く、Cr0.3wtを%
以下、Zn0.1wt%以下、V0.3wt%以下、Z
r0.3wt%以下であれば特にこの発明の効果が損な
われることはない。
次にこの発明の成形加工用アルミニウム合金硬質板の製
造方法におけるプロセスについて説明する。
先ず前述のような成分組成を有するアルミニウム合金の
溶湯を常法に従って溶製し、鋳造する。
鋳造法としては一般的なDC鋳造法(半連続鋳造法)を
適用すれば良い。得られた鋳塊に対しては、均質化熱処
理としての加熱を施した後熱間圧延前の予備加熱を施す
か、または均質化熱処理を兼ねた熱間圧延前予備加熱を
施し、引続き熱間圧延を行なう。均質化熱処理の条件は
特に限定しないが、通常は500〜620℃、1〜20
時間とすれば良い。
熱間圧延においては、熱間圧延での総圧下率を70%以
上とし、少なくともその熱延上り前の70%の圧下率の
圧延過程における各圧延パス間での再結晶率が10%以
下となるように制御する。すなわち、熱間圧延の仕上げ
圧延の圧下率が70%以上の場合、その仕上圧延におけ
る圧延終了前からさかのぼって少なくとも圧下率70%
の圧延の間における各パス間の再結晶率が10%以下と
なるように制御すれば良く、また仕上げ圧延が圧下率7
0%未満である場合には、その仕上げ圧延とその前の中
間圧延もしくは粗圧延を通して圧延終了前からさかのぼ
って少なくとも圧下率が70%の間における各パス間の
再結晶率が10%以下となるように制御すれば良い。具
体的には、例えば熱延上がり板厚が3mmであるとすれ
ば、板厚が10mmの段階から3mmに仕上げるまでの
間の圧下率が70%であるから、熱間圧延工程で少なく
とも10mmとなった段階から熱延終了までの数パスに
おける各パス間での再結晶率が10%以下となるように
制御すれば良い。
このように熱間圧延における圧延終了前の圧下率70%
以上の圧延過程での各パス間の再結晶率を10%以下に
規制することは、 a)金属間化合物周辺の歪を回復させて、b)それ以外
のマトリックスの歪は回復させないで蓄積し、 熱間圧延後の自己熱もしくはその後の再結晶焼鈍で再結
晶させる際に金属間化合物周辺を起点とする再結晶・亜
結晶化を防止する一方、それ以外のマトリックスを起点
とする再結晶・亜結晶化を促進することを意味する。す
なわちこの発明においては、熱間圧延終了後最終冷延前
のキューブ方位の再結晶・亜結晶を増すことによって最
終板の耳率を制御するわけであるが、キューブ方位は金
属間化合物周辺を起点とする再結晶・亜結晶にはほとん
ど存在せず、逆にそれ以外のマトリックスを起点とする
再結晶・亜結晶にはキューブ方位が多いからである。こ
のように各パス間での再結晶率を制御することは、各パ
ス間の時間(保持時間)を圧延温度および圧下率に応じ
て適切に調整することにより達成することができる。例
えば第1図には、缶胴材として代表的な3004合金に
ついて、熱間圧延1パスにおける圧延温度と圧下率に対
し、再結晶率が10%となるような圧延パス後保持時間
の等時間直線を示す。この第1図において、各等時間直
線の左下の領域が再結晶率10%以下の領域となり、し
たがって圧延温度と圧下率から、再結晶率が10%以下
となるような各パス間保持時間の目安を求めることがで
きる。なお3004合金よりもMg等の合金元素量が増
加すれば第1図の等時間直線は低圧下側、低温側にずれ
、また仕上熱間圧延の前の熱履歴によっても等時間直線
はずれるが、安全サイドの条件はこの図より容易に見出
すことができる。
さらに熱間圧延における上がり温度は270〜350℃
の範囲内、上がり板厚は3mm以下とし、かつ熱間圧延
上がりの熱延板のままで、その熱延板におけるミクロ組
織として、再結晶粒と10μm以下の亜結晶粒が合計で
50%以上を占めるような再結晶状態となるように調整
する。このような条件は、前述のような熱延終了前の圧
下率70%以上の圧延過程における各パス間の再結晶率
の制御とならんで、成形加工時の耳率の制御のために重
要である。
すなわち、前述のように各パス間の再結晶率を制御する
ことによって a)金属間化合物周辺の歪を回復させて、b)それ以外
のマトリックスの歪は回復させないで蓄積し、 熱間圧延後の自己熱もしくはその後の再結晶焼鈍で再結
晶させる際に金属間化合物周辺を起点とする再結晶・亜
結晶化を防止する一方それ以外のマトリックスを起点と
する再結晶・亜結晶化を促進するのである。これによっ
て熱間圧延終了後最終冷延前のキューブ方位の再結晶・
亜結晶を増加し、その結果最終板として0−90゜高耳
の板が得られるようになる。すなわち45゜耳が低く、
全体として耳率の低い最終板が得られるようになる。
ここで、熱延上りのままで再結晶粒と10μm以下の亜
結晶粒が合計で50%以上となるような状態とならなけ
れば、その後の再結晶焼鈍もしくは自己熱による再結晶
で0−90゜高耳となるような組織が得られない。そし
てまたこのように熱延上りのままで再結晶粒と10μm
以下の亜結晶粒が合計で50%以上を占めるような状態
とするためには、熱延上り温度が270℃以上である必
要がある。すなわち熱延上り温度が270℃未満では、
いかなる仕上圧延条件を適用しても、熱延後のままで再
結晶粒と亜結晶粒の合計が50%以上とはならない。一
方熱延上り温度が350℃を越えれば、熱延時のロール
コーティングが強くなって実用的でなくなり、また熱間
圧延終了前圧下率70%の圧延過程で各パス間の再結晶
率を10%以下に抑制することが容易ではなくなる。し
たがって熱延上り温度は270〜350℃の範囲内とし
た。なお熱延上り温度が270〜35C℃の範囲内であ
れば完全再結晶後に0−90゜高耳の板が得られるが、
熱延板の長手方向および幅方向において均一でかつ微細
な再結晶粒を得、さらに圧延の条件のしやすさを考慮す
れば、270〜350℃の範囲内でも特に280〜31
0℃の範囲内とすることが好ましい。また熱延上り板厚
が3mmを越える厚さとなれば再結晶後の均一性が失わ
れ、また耳率も0−90゜高耳とならない。
したがって熱延上り板厚は3mm以下とした。
このようにして得られた熱延板に対しては、冷却してか
ら、あるいはそのまま直ちに、再結晶処理を施して完全
再結晶させる。あるいは熱延上り後のコイルのままでそ
の熱延板コイルの有する自己熱によって完全再結晶させ
る。あるいはまた、圧下率が30%以下の軽圧下の冷間
圧延を施してから再結晶処理を施して完全再結晶させる
すなわち、熱延上り後の熱延コイルは、その自己保有熱
により少なくとも若干は再結晶が進行するが、この自己
保有熱により100%再結晶した場合には、積極的に再
結晶処理を施さなくても良く、それ以外の場合すなわち
熱延コイルの自己保有熱により100%再結晶に至らな
い場合は積極的に再結晶処理を施して完全再結晶させる
。そしてこの再結晶処理は熱延板に対して行なっても、
あるいは30%以下の軽圧下の冷間圧延を施してから行
なっても良い。ここで、熱延後に30%以下の冷間圧延
を行なってから再結晶処理を行なっても良い理由は次の
通りである。すなわち30%以下の低加工度の冷間圧延
では、熱延上りで生成されたキューブ方位の粒は方位の
回転を起さず、その後の再結晶処理での再結晶核となる
ことができ、そのため30%以下の軽冷間圧延後再結晶
処理を行なっても最終的に0−90゜高耳の板を得るこ
とが可能となるのである。なお熱延コイルの自己保有熱
により100%再結晶した場合でも、引続いて、あるい
は30%以下の軽圧下の冷間圧延を行ってから、再結晶
処理を施しても良い。
このような再結晶処理は、要は100%再結晶するよう
な条件で行なえば良く、箱型炉を用いたバッチ式熱処理
でも、連続炉を用いた連続熱処理のいずれでも良い。バ
ッチ式熱処理の場合、通常は300〜400℃で0.5
〜10時間の保持とすれば良く、また連続炉を用いた熱
処理の場合、通常は380〜620℃に加熱して保持な
しまたは2分以下の保持とすれば良い。
以上のようにして完全再結晶させた後には、圧下率50
%以上の冷間圧延を施して製品の硬質板とすれば良い。
また深絞り加工や局部伸びの必要な成形加工などにおけ
る成形性が重視される場合には、上述のような50%以
上の冷間圧延の後、さらに90〜250℃の範囲内の温
度で最終焼鈍を施しても良い。
このようにして得られた硬質板は、成形加工時における
耳率が低くしかも強度の高い材料となっている。また缶
材のように塗装焼付けを行なう用途に使用する場合にお
ける塗装焼付け処理後の強度も充分に得ることができ、
特に冷間圧延後に90〜250℃の最終焼鈍を施す場合
には、溶体化効果を有する焼鈍方法を選べば、塗装焼付
け処理後の強度はさらに増すことができる。
実施例 第1表の合金番号No.1、No.2に示す本発明成分
組成範囲内の合金と、同じく第1表の合金番号No.3
に示す本発明成分組成範囲外の合金(比較合金)とにつ
いて、常法にしたがってDC鋳造し、得られた鋳塊に対
してNo.1、No.2の合金の場合600℃×6時間
の鋳塊加熱を行ない、No.3の合金の場合は500℃
×2時間の鋳塊加熱を行なった後、熱間圧延を行ない、
第2表の製造プロセス符号A〜Iに示すように上がり温
度260〜320℃にて板厚2.0〜3.5mmに仕上
げた。このとき、熱間圧延終了前の数パスにおいては各
パス間の再結晶率が10%以下となったが、再結晶率が
10%以下となってから熱延終了までの圧下率を第2表
中に示す。また熱延上り段階でのミクロ組織における再
結晶粒と10μm以下の再結晶粒の合計を調べたので、
その結果も第2表中に示す。
その後、熱延板に対してそのままの厚みで、あるいは冷
間圧延を施して中間板厚とした後、再結晶処理として連
続炉を用いた中間焼鈍もしくは箱型炉を用いた中間焼鈍
を行なった。その再結晶処理(中間焼鈍)を行なった時
点の板厚、および焼鈍方法、焼鈍条件(温度、時間)を
第2表中に示す。その後さらに冷間圧延を行なって、第
2表中に示すように最終板厚0.30mmとした。得ら
れた最終板厚の硬質板のうち、一部のものに対しては第
2表中に示すように160℃×2時間もしくは120℃
×2時間の最終焼鈍を施し、他のものは最終焼鈍を施さ
ずにそのまま次の試験に供した。
以上のようにして得られた各板について、塗装焼付け相
当処理として、270℃×20秒もしくは200℃×2
0分のベーキングを行ない、ベーキング後の耐力を調べ
、さらにそのベーキング後の方向性について、次のよう
にして耳率を調べた。すなわち、ブランク径58mmφ
、ポンチ径32mmφ、クリアランス45%の条件で、
しごきを入れずに素材の特徴が出やすい深絞りを行ない
、深絞り後の耳率を調べた。その結果を第3表に示す。
さらにベーキング後の成形性評価として、前記各板のう
ち、製造プロセス符号A、Iにより得られた板について
は、深絞り成形性、曲げ性、エリクセン値を調べた。ま
た製造プロセス符号B〜Hにより得られた板については
、缶胴材を想定した成形性評価として、深絞り性および
しごき成形性を調べた。これらの結果を第3表中に示す
。なおこれらの評価については、製造プロセス符号A、
Iにより得られた板については、従来例に相当するIの
プロセスによる板を基準(良:〇印)として相対評価し
、製造プロセス符号B〜Hにより得られらた板について
も、従来例に相当するHのプロセスによる板を基準(良
:○印)として相対評価した。
第2表に示す各製造プロセスA〜Iのうち、比較例のC
は、熱延上り温度が低いため、熱延上りでの再結晶粒+
亜結晶粒が0%となったものである。また比較例のDは
熱延上り板厚が3mmを越え、しかも再結晶処理を、熱
延上り後30%を越える冷間圧延を施してから行なった
ものである。さらに比較例のFは、熱延上り温度が低く
、熱延上りでの再結晶粒+亜結晶粒が0%となったもの
である。
そしてまた比較例のGは各パス間での再結晶率が10%
以下となってからの熱延上り前圧下率が70%に満たな
かったものである。さらに従来例のHは再結晶処理(中
間焼鈍)を、熱延上り後30%を越える圧下率の冷間圧
延を行なった後に施したものである。そして従来例のI
は素材の合金成分組成がこの発明で規定する範囲を外れ
たものである。
第3表から明らかなように、この発明の条件にしたがっ
て得られたアルミニウム合金硬質板(製造プロセス符号
A、B、E)は、従来例もしくは比較例により得られた
硬質板と比較して、方向性の点では優れており、また強
度および成形性の点では同等もしくは同等以上の性能が
得られた。したがってこの発明の方法によれば、耳率の
増大を招くことなく、従来と同等以上の高強度、優れた
成形性を与え得ることが明らかである。
発明の効果 この発明の成形加工用アルミニウム合金硬質板の製造方
法によれば、缶胴材等として使用される硬質板として、
成形加工時の耳の発生が少なく、しかも強度、成形性に
優れた板を得ることができる。特にこの発明の方法では
、冷間圧延の圧下率を高めることと、中間焼鈍(再結晶
処理)方法として連続焼鈍を適用することとの組合せに
よって強度を高めた場合でも、耳率の増大は少なく、強
度、耳率ともに優れた硬質板を得ることが可能となる。
なおこの発明の方法は缶胴材の製造に適しているが、缶
蓋材として従来から用いられている5182合金なみの
強度を、耳率の増大を招くことなく達成することができ
るから、缶蓋材向けの硬質板の製造にも適しており、こ
のほか種々の用途の成形加工用硬質板の製造に適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、3004合金について1パス圧延時の圧延温
度と圧下率に対して再結晶率が10%となるような圧延
保持時間の等時間直線を示す線図である。 出願人 スカイアルミニウム株式会社 代理人 弁理士 豊田 武久

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 Mg0.5〜2.5wt%、Cu0.1〜1.0wt%
    、Mn0.6〜1.8wt%、Si0.1〜1.0wt
    %、Fe0.2〜1.0wt%を含有し、かつFe/S
    iの重量比が3.0以下であり、残部がA■および不可
    避的不純物よりなる合金を鋳造してその鋳塊に均質化熱
    処理を施した後、熱間圧延を行なうにあたり、熱間圧延
    での総圧下率を70%以上として、少なくともその熱延
    上り前の70%の間の圧下率の圧延過程における各圧延
    パス間での再結晶率を10%以下とし、しかも熱延上が
    り温度を270〜350℃の範囲内の温度とするととも
    に熱延上がり板厚を3mm以下として熱間圧延板の断面
    のミクロ組織において再結晶粒と10μm以下の粒径の
    亜結晶粒が合計で50%以上を占める熱延板を得、その
    後、(A)無処理(但しこの無処理は熱延板の状態で1
    00%再結晶している場合に限る)、(B)再結晶処理
    、 (C)圧下率30%以下の冷間圧延後、再結晶処理、以
    上の(A),(B),(C)のうちいずれかの過程を経
    て、さらにその後50%以上の冷間圧延を施すことを特
    徴とする耳率の小さい成形加工用アルミニウム合金硬質
    板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0594509A1 (en) * 1992-10-23 1994-04-27 The Furukawa Electric Co., Ltd. Process for manufacturing Al-Mg alloy sheets for press forming
JPH1081947A (ja) * 1996-04-10 1998-03-31 Toyo Kohan Co Ltd 絞りしごき缶用樹脂被覆アルミニウム合金板の製造方法

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EP0594509A1 (en) * 1992-10-23 1994-04-27 The Furukawa Electric Co., Ltd. Process for manufacturing Al-Mg alloy sheets for press forming
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