JPH04227804A - 多成分系の分離方法および装置 - Google Patents

多成分系の分離方法および装置

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JPH04227804A
JPH04227804A JP40282690A JP40282690A JPH04227804A JP H04227804 A JPH04227804 A JP H04227804A JP 40282690 A JP40282690 A JP 40282690A JP 40282690 A JP40282690 A JP 40282690A JP H04227804 A JPH04227804 A JP H04227804A
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Takayuki Masuda
増田隆之
Tooru Sonobe
園部とおる
Fumihiko Matsuda
松田文彦
Masaharu Horie
堀江正治
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3以上の成分を含む混
合物流体を、各成分が富化された3以上の画分に分離す
る方法に関し、詳しくは3以上の複数成分を含む気体、
液体の多成分系をクロマトグラフィーの手法を用いて分
離する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体吸着剤を用い、この吸着剤に対する
吸着特性の差を利用してクロマトグラフィーの手法によ
り複数成分を分離する方法(以下「クロマト分離法」と
略称する)は、従来から工業的に広く利用されている。
【0003】このうちの多数の単位充填層を直列循環式
に連結して連続的に分離を行なう所謂擬似移動床方式は
、生産性の高い有利な装置,方法として知られているが
、この方法は一般に気体,液体中から二成分を分画する
ものであるため、3以上の成分を含む流体からこれらの
各成分の画分を分画することは困難である。
【0004】このため3成分以上を含む流体から各成分
を分画する方法も別に提案されている。
【0005】例えば、固定床式のクロマト分離装置を用
いて、3成分以上の各成分を連続的に分画する方法(特
開昭63−158105号)と、第1の成分、第2の成
分、第3の成分を含む原液を、当該三つの成分に対する
親和力の強さの順序が、第3の成分>第2の成分>第1
の成分である第1の吸着剤を充填した単位充填層と、前
記三つの成分に対する親和力の強さの順序が、第2の成
分>第3の成分>第1の成分である第2の吸着剤を充填
した単位充填層とをそれぞれ交互にすくなくとも4層以
上に直列無端に連結した擬似移動床装置に通液すること
により、三つの成分の吸着特性の違いでこれらを分画分
離する方法(特開昭64−80409号)が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、3成分以上を
含む流体からこれらの成分を3以上の分画に分離する上
記のような方法は、次のような問題がある。
【0007】例えば上記前者の方法は、「充填床への流
体の供給及び充填床からの流体の抜き出しを行なわずに
床内の流体を循環させる」という工程を有している特徴
があるが、基本的には固定床式のクロマト分離法の一つ
であるため、循環流速は充填層の全域に渡って同一とな
っている。このため循環の過程で吸着剤に対する親和力
が弱い成分の吸着帯域が、吸着剤に対する親和力が強い
成分の吸着帯域に追いつき、追い越すことを防止するた
めに余分な充填層の長さが必要となり、装置の大きさ,
吸着剤量が擬似移動床方式の装置に比べて大幅に大とな
り、この種の装置において工業的には重要な点となる単
位吸着剤当りの処理量が少ないという問題がある。また
分画した回収画分中の成分濃度が低いためにその後にお
いて必要に応じてなされる処理の負担が大きいという問
題もある。
【0008】他方上記後者の、異なる種類の吸着剤を用
いる方法は、3成分の分画分離を良好に行なえるという
利点があるが、3成分に対する適当な吸着能力をもつ二
種類の吸着剤の選択が必要であって、対象とする流体に
含まれる成分との関係で適用できる対象が制約される。
【0009】本発明はこれらの従来法の問題に鑑みてな
されたものであり、3以上の成分を含む混合物を、各成
分が富化された3以上の画分に効率よく分離することが
できる新規な方法及び装置を提供することを目的として
なされたものである。
【0010】また本発明の別の目的は、3以上の複数成
分の分画分離を一種類の吸着剤を用いて行なうことがで
きる新規な方法及び装置を提供するところにある。
【0011】本発明の他の目的は、擬似移動床のクロマ
ト分離の手法を利用して3以上の成分を含む混合物から
の3以上の画分の分離を連続的に行なうことができる新
規な方法及び装置を提供するところにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、擬似移動床のク
ロマト分離の手法を利用することで、使用する吸着剤量
が少なくてすみ、従って設備的にも小型で単位吸着剤当
りの処理量が大きいために特に工業的な規模での実施に
極めて好適な新規な方法及び装置を提供するところにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】上記した目的を
実現するための本発明よりなる多成分を含む混合物の系
から3以上の成分を分画分離する方法の特徴は、吸着剤
が充填された単位充填層の多数個を用いて無端直列の循
環流路を形成し、かつこの循環流路が循環、遮断可能に
設けられている系であって、吸着剤に対する親和性の異
なる3以上の成分を含む原料流体を前記多数個の単位充
填層に通流することにより、吸着剤に対する親和力の弱
い成分から強い成分に順次に分れた吸着帯域を形成して
いる系に対し、親和力の弱い成分のうちで予め選んだ成
分が形成している吸着帯域よりも上流の位置において上
記系の循環を遮断しながら、この遮断の下流位置で該系
に原料流体を供給すると共に、遮断位置の上流で吸着帯
域を形成している成分のうちで予め定めた成分のものを
該系から抜き出す第1の工程と、原料流体を供給するこ
となく上記系を循環させながら、上記第1の工程で残留
した吸着帯域に分けられている各成分を、二成分系の擬
似移動床の方法に従って脱着剤流体を供給しながら各成
分を各別に抜き出す第2工程との各工程を1サイクルと
して繰返すようにしたところにある。
【0014】上記第1の工程は、原料流体を供給しなが
ら次のサイクルにおいて抜き出す各成分の吸着帯域の分
布を形成させると共に、既に吸着帯域が形成されている
成分のうちの親和力が中間的として分類される成分(以
下「中間成分」という)の少なくとも一つを系外に抜き
出す工程であり、これにより短時間に大量の中間成分を
原料流体により押し出すことができる。
【0015】また上記第2の工程は、原料流体の供給を
行なわずに系内で流体の循環を行なわせながら、「擬似
移動床の方法」に従って前記中間成分以外の目的とする
各成分の富化した画分を各別に系外に抜き出す操作を行
なうと共に、第1の工程で新しく系に供給された原料流
体に含まれている各成分を吸着剤に対する親和力の弱い
成分から強い成分に順次分かれた吸着帯域を形成させる
ための工程である。ここで脱着剤流体を供給しながら各
成分を各別に抜き出すために用いられる「擬似移動床の
方法」とは、原料流体の供給を行なわない点を除外すれ
ば従来擬似移動床の方法として周知の例、例えば特開昭
62−91205号の特に第2頁右上欄2行目〜左下欄
末行及び第3図で説明される方法を、原料流体の供給を
行なわない点と、原料流体の供給を行なわないために、
第1区画と第4区画を同一区画と考えてもよい点を除い
てそのまま実施することができる。具体的には、ポンプ
等により系内で流体を循環させながら、所定の成分が分
布している吸着帯域の上流から脱着剤流体を供給すると
共に吸着帯域の下流から成分の富化された画分を抜き出
し、これを吸着帯域の移動に合せて順次に循環流の下流
に移行させる操作を、前記中間成分以外の複数の成分に
対して各別に行なうことで実施できる。
【0016】本発明は上記した第1の工程および第2の
工程を1サイクルとして繰返す方法を基本とするもので
あるが、その効果を損なわない範囲において様々な変更
した態様で実施することができるのは言うまでもない。
【0017】例えば上記第1の工程は、系を遮断した位
置の上流から所定の成分を抜き出す操作を、1成分だけ
でなく2成分ないしそれ以上に対して行なうこともでき
る。具体的には吸着剤に対する親和力が中間的として分
類される中間成分が複数ある場合、例えば原料流体が4
成分(A〜D)を含んでいる場合に、親和力が最も強い
成分Dと最も弱い成分Aを除いた二つの中間成分C,B
を系から抜き出すとすると、この中間成分のうちで相対
的に親和力の弱い成分Bが先に系より抜き出され、相対
的に親和力の強い成分Cが後から系より抜き出されるの
で、これらの画分を経時的に分画することで成分Cと成
分Bを分離できるし、これらの成分C,Bの分離が特に
必要なければ一つの画分とすることもできる。
【0018】また第1の工程において、系に対して原料
流体を供給するだけでなく、脱着剤流体を系に供給する
こともでき、これによって原料流体の供給量と上記中間
成分の抜き出し量の調整(マスバランスの調整)ができ
る利点がある。また特に、脱着剤流体の供給によってそ
の下流の流速を大きくすることで所定の成分の吸着帯域
の移動速度を選定できる利点もある。すなわち吸着剤に
対する親和力の弱い成分から強い成分(仮にA,B,C
の3成分とする)に順次に分れた吸着帯域を既に形成し
ている系に対し、親和力の最も強い成分Cの上流から脱
着剤流体を供給すれば、新しく供給した原料流体に含ま
れる各成分A´,B´,C´の移動、及び遮断位置の下
流に位置している最も弱い成分Aの移動は、供給される
原料流体の量に基づく流速で行なわれ、他方これに並行
して、中間成分Bの抜き出しと親和力の最も強い成分C
の吸着帯域の移動は、上記原料流体の供給量と脱着剤流
体の供給量が相剰した大きな流速で行なわせることがで
き、これにより遮断位置よりも下流に分布している親和
力の弱い成分A(移動速度が速い)の吸着帯域が、上記
親和力の強い成分C(移動速度が遅い)の吸着帯域に追
いつくことを効果的に防止できる。なお脱着剤流体の供
給は、系に対する原料流体の供給と同時であっても順次
であってもよい。
【0019】また更に第1の工程においては、中間成分
の富化した画分の抜き出しだけでなく、他の成分の富化
した画分の抜き出しを所定の位置で並行して行なうこと
もできる。
【0020】本発明の上述した第1の工程と第2の工程
を繰返して行なう操作は、装置が連続的に運転されてい
る状態について述べているが、装置立上げのためには上
記第1の工程に先立って、吸着剤に対する親和性の異な
る3以上の成分を含む原料流体を系に供給して、吸着剤
に対する親和力の弱い成分から強い成分に順次に分れた
吸着帯域を形成させる操作のみを単独に行なう前工程を
行なってもよい。
【0021】本発明においては、上記第2の工程の次に
更に下記の第3の工程を行なうこともできる。すなわち
、上記系内で流体を循環させながら、循環方向に離間し
て親和力の弱いものから強いものに分かれて分布してい
る各成分の吸着帯域それぞれに対し、脱着剤流体の供給
及び前記中間成分を含む各々の成分の富化された画分の
分離系からの抜き出しを各別に行ない、かつこの各成分
に対する脱着剤流体の供給及び画分の抜き出し位置を吸
着帯域の移動に合せて順次に循環流の下流側に移行させ
る工程である。
【0022】この工程は前記第1の工程で供給した原料
流体中の各成分が、前記第2の工程で、それぞれの成分
の富化された帯域へ移動し、吸着剤に対する親和力の弱
い成分から強い成分に順次に別れた吸着帯域を目的とす
る程度に形成させた時点から行ない、この工程を行なう
ことの意義は、すでに目的の分離が完了した状態にある
各吸着帯域を、目的とするすべての画分の抜き出しを連
続的に行ないながら、あらかじめ定めた1サイクルの終
了位置まで、循環移動させることにある。通常工業的ク
ロマト分離装置は、その用途すなわち分離対象系を限定
して設計されるが、1つの分離装置を複数の対象系に使
用したいという要望は多い。例として5つの成分(A,
B,C,D,Eとする)を含む原料流体を、本発明の方
法と装置を用いて各成分をそれぞれ単一成分となるよう
に5分画する場合に、第1段階としてA,B,Cの3成
分を1つの画分、D,Eの2成分をそれぞれ1つの画分
として分離し、さらに第2段階として第1段階で1つの
画分として取り出したA,B,Cの3成分の混合流体を
原料流体として同一の装置に供給してA,B,Cそれぞ
れの画分に分離する方法を挙げることができる。このよ
うな場合、第1段階の分離と第2段階の分離の難易度は
異なることになり、難易度の高い方の分離に合わせた設
計を行なうならば、難易度の低い分離を行なう場合に、
前記第2の工程の途中であって、各成分の富化された吸
着帯域が、あらかじめ定めた1サイクルの終了位置に到
達する前に目的とする分離が完了するということがあり
うる。この時にさらに第2の工程を続けて行なうことも
できるが、吸着剤に対する親和力が中間的として分類さ
れる中間成分の富化された帯域を抜き出すことなく循環
を行なうことになりこの帯域の広がりと、広がりの結果
としておこる薄まりを防止することができない。
【0023】第3工程は、中間成分を抜き出すという操
作を第2の工程に付加することによって、この中間成分
の抜き出し点より上流側の流速を中間成分を速く移動さ
せる流速に、また中間成分の抜き出し点より下流側の流
速を、中間成分を遅く移動させる流速にそれぞれ設定す
ることができるため、中間成分の富化された帯域が前後
の帯域に広がってゆくことを防止しながら、目的とする
すべての画分の抜き出しを連続的に行なえるという利点
が加わる。すなわちこの第3の工程が行なえるように装
置を設計しておくことにより、同一の装置を複数の分離
対象系に適用する可能性を大きくすることができる。
【0024】本発明の方法は、気体中に含まれる3以上
の成分を分画分離する方法として、あるいは液体中に含
まれる3以上の成分を分画分離する方法として適用する
ことができ、特に大量の流体を処理する工業的な対象と
して、吸着剤としてアルカリ金属型またアルカリ土類金
属型の強酸性カチオン交換樹脂を使用して種々の糖類あ
るいは糖アルコール混合物の分離精製を行なう糖精製の
工業的設備としての有用性は極めて大きい。このような
糖精製の具体例としては、糖蜜から蔗糖とその他の有用
物質を分離する、異性化糖をぶどう糖,果糖,オリゴ糖
に分画する、乳糖,ラクツロース,ガラクトースを含む
混合液から各成分を分離する、ぶどう糖,蔗糖,フラク
トオリゴ糖を含む混合液からの各成分を分離する、ぶど
う糖,イソマルトース,イソマルトデキストリンを含む
混合液から各成分を分離する、ぶどう糖,マルトース,
マルトデキストリンを含む混合液から各成分を分離する
、ソルビトール,マルチトールなどの糖アルコールを含
む混合液から各成分を分離するなどの場合を例示するこ
とができる。
【0025】また本発明は、以上の方法を実施するため
に以下の特徴を有する装置を提供する。
【0026】すなわち、吸着剤が充填された単位充填層
の多数個を用いて形成された無端直列の循環流路と、こ
の循環流路の途中のすくなくとも一ヵ所に設けられた開
閉可能の遮断弁と、この遮断弁の下流位置で循環流路に
接続された原料流体供給手段と、遮断弁の上流位置で循
環流路に接続された流体抜き出し手段と、上記単位充填
層の隣接間毎に接続された脱着剤流体供給手段、及び流
体抜き出し手段とを備えたことを特徴とする多成分系を
含む混合物から3以上の富化された画分を分画分離する
ために用いられる装置である。
【0027】
【発明の効果】以上の構成によれば、3以上の成分を含
む混合物を、各成分が富化された3以上の画分に効率よ
く分離することができるという効果がある。
【0028】また3以上の複数成分の分画分離を一種類
の吸着剤を用いて行なうことができ、しかも擬似移動床
のクロマト分離の手法を利用して3以上の成分を含む混
合物からの3以上の画分の分離を連続的に行なうことが
できるという効果もある。
【0029】更にまた本発明によれば、使用する吸着剤
量が少なく、設備的に小型で単位吸着剤当りの処理量が
大きいという効果があり、特に工業的な規模での実施に
極めて好適であるという効果がある。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施
例に限定されるものでないことは当然である。
【0031】図1は本発明の方法を実施するために設け
られた装置の構成概要を示したものであり、この図1に
おいて、1〜8は各々同一の吸着剤が充填された単位充
填層であり、各単位充填層1〜8の間は配管により液流
通可能に連結されていると共に、最後段の単位充填層8
の後端は最前段の単位充填層1の前端に液体流路11を
介して連結されている。なお10は液体流路11の途中
に介設されている循環用のポンプである。
【0032】9は単位充填層4,5の間の連結配管に設
けられた遮断弁であり、図示しない制御装置によって開
閉制御される。
【0033】そしてこの単位充填層4,5の間には、上
記遮断弁9の下流側には液供給管が連結されていて、こ
の液供給管には原料液体の供給弁5eを介して原料液体
の供給配管12eが連結されていると共に、脱着剤流体
である溶離液の供給弁5dを介して共通の溶離液の供給
配管12dが連結されている。また上記遮断弁9の上流
側には液を系外に抜き出すための液抜き出し用の配管が
連結されていて、これは以下に説明するように3成分そ
れぞれの富化された画分を分画できるように三つに分岐
されて、それぞれ吸着剤に対する親和力の弱い成分(以
下「成分A」という)、強い成分(以下「成分C」とい
う)、中間成分(以下「成分B」という)の画分の抜き
出し弁4a,4b,4cを介して各々の成分についての
共通の抜き出し配管12a,  12b,  12cに
連結されている。
【0034】また上記各単位充填層1〜4、5〜8、及
び8〜1の間には、上記共通の溶離液の供給配管12d
が各々溶離液の供給弁2d,3d,4d,6d,7d,
8d,1dを介して連結されており、これらの各供給弁
は、上記供給弁5d及び原料液体の供給弁5eと共に不
図示の制御装置によってその開閉が適宜に切換えられる
ようになっている。
【0035】また供給弁と同様にして、上記各単位充填
層1〜4、5〜8、及び8〜1の間には、液の抜き出し
用の配管が連結されている。そしてこれらの液の抜き出
し用の配管は、単位充填層1と2の間のものにおいては
成分AとCの抜き出しのための抜き出し弁1a,1cを
介して共通の抜き出し配管12a,12cに連結され、
単位充填層2〜4の間のものにおいては成分A〜Cの抜
き出しのための抜き出し弁2a,2b,2c及び3a,
3b,3cを介して共通の抜き出し配管12a,12b
,12cに連結され、単位充填層5〜8及び8〜1の間
のものにおいては成分AとCの抜き出しのための抜き出
し弁5a〜8a,5c〜8cを介して共通の抜き出し配
管12a,12cに連結されており、これらの各抜き出
し弁は、上記抜き出し弁4a,4b,4cと共に不図示
の制御装置によってその開閉が適宜に切換えられるよう
になっている。
【0036】次に以上のように構成された装置において
、3成分を含む液体から各成分の富化した画分の分離は
、たとえば図4で説明されるフローチャートに従って行
なわれる。なお図4は煩雑な図となっているため、便宜
上図4の工程1−1〜2−3を図5に、また工程2−4
〜2−7を図6に夫々拡大して示した。
【0037】図4の1−1は、原料流体fを閉じられた
状態にある遮断弁9の下流にある、原料流体の供給弁5
eを介して、単位充填層5に導入し、同時に溶離液Dを
成分Cの上流位置にある溶離液供給弁1dを介して供給
することにより遮断弁9の上流から、成分Bをその抜き
出し弁4bを介して抜き出し始めた状態を模擬的に示し
た図である。この時破線で示したように同時に成分A及
び成分Cのどちらか1つ、または両方の成分をその抜き
出し弁6a、2cを介して抜き出すこともできる。
【0038】図4の1−2は、溶離液Dをその供給弁1
dを介して供給することにより、閉じられた遮断弁9の
上流から、成分Bをさらに抜き出す状態を模擬的に示し
た図である。この図においてA′,B′,C′は、図4
の1−1において供給された原料流体中に存在していた
成分A,成分B,成分Cをそれぞれ示す。
【0039】以上の図4の1−1は原液を流入するとと
もに溶離液を流入する場合の請求項1(請求項4)で第
1工程と呼ぶものであり、図4の1−2の工程は溶離液
の流入時間を長くして成分Bをより多量に抜き出すため
の工程であり、分離の対象系によっては、不用な場合が
ある。
【0040】図4の2−1〜2−7は、請求項1で第2
工程と呼ぶ工程であり遮断弁9を開き、原料流体fを供
給することなく、系内で流体の循環を行なわせながら、
擬似移動床の方法に従って溶離液Dの供給、成分Cの抜
き出し、成分Aの抜き出しを行ない、この溶離液の供給
位置、成分Cの抜き出し装置、成分Aの抜き出し位置を
、それぞれの成分の移動に合わせて、順次に下流に移行
させる操作を模擬的に示した図である。
【0041】図4の2−6〜2−7において、破線で示
したように成分Bをも抜き出すことを行なうならば、こ
の2つの工程は請求項2で第3工程と呼ぶ工程に相当し
、この図はそれぞれ3−1,3−2と呼称する方が妥当
である。
【0042】前述の実施例における本発明の装置および
クロマト分離方法では、原料流体として液体を通液した
場合について説明したが、本発明の装置および方法はガ
ス体のクロマト分離にも応用することができる。
【0043】また図1で示した装置は8つの単位充填層
を用いているが、当該単位充填層の数は対象混合物、分
画分離の目的等によって変化させることができ、一般的
には単位充填層の数は3〜36、好ましくは3〜24、
より好ましくは3〜16である。
【0044】更に本発明に用いる循環流路の途中に設け
る開閉可能な遮断弁は、少なくとも一か所に設ける必要
があるが、例えば原料流体の供給口を循環流路の異なる
位置に複数箇所設ける場合は、当該供給口の数に応じて
遮断弁を増加することもできる。
【0045】なお本発明は3以上の成分を含む混合物か
ら3以上の画分の分離を連続的に行なうことができる装
置および方法を提供するものであるが、一般的に相互に
分離すべき画分としては、好ましくは3〜16、より好
ましくは3〜6、最も好ましくは3である。
【0046】実施例1 実施例ではオリゴ糖、ぶどう糖および果糖の分離につい
て示す。
【0047】図1に示した装置を用いて表1に示す原料
(異性化糖液)のクロマト分離を、吸着剤としてCa型
の強酸性カチオン交換樹脂(アンバーライトCG600
0;商品名)を使用し、溶離液として水を使用して行な
った。
【0048】直列に連結した8本の内径108.3mm
、充填層高1000mmの充填塔に吸着剤を合計73.
7リットル充填した充填層を60℃に保ち、表2に示す
タイムスケジュールで分離操作を繰り返し行った。 本実施例では吸着剤との親和性の強さの順番は、果糖>
ぶどう糖>オリゴ糖の順であり、抜き出し弁(1a〜8
a)からはオリゴ糖成分に富む液体、抜き出し弁(4b
)からはぶどう糖成分に富む液体、抜き出し弁(1c〜
8c)からは果糖成分に富む液体が取り出される。各工
程での流量を下記に示す。
【0049】   第1の工程での流量     原料液体の供給流量            
            36.8  l/hr   
 溶離液の供給流量                
          18.8  l/hr    オ
リゴ糖画分の抜き出し流量             
   11.0  l/hr    ぶどう糖画分の抜
き出し流量                36.8
  l/hr    果糖画分の抜き出し流量    
                  7.4  l/
hr  第2の工程での流量     溶離液の供給流量             
             18.4  l/hr  
  オリゴ糖画分の抜き出し流量          
      11.0  l/hr    果糖画分の
抜き出し流量                   
   7.4  l/hr    溶離液供給部と果糖
画分抜き出し部の間の充填層内流量         
                         
              44.2  l/hr

0050】
【表1】
【0051】表2に示す操作を上記の流量で9サイクル
行った後、充填層内の濃度分布を測定した。結果を図2
に示す。また9サイクル目で得られた各画分の成分組成
を表3に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】実施例2 本実施例ではオリゴ糖、マルトースおよびぶどう糖の分
離について示す。
【0055】実施例1の装置と同じ装置を用い、表4に
示す原料(オリゴ糖、マルトース、ぶどう糖混合溶液)
のクロマト分離を、吸着剤としてNa型の強酸性カチオ
ン交換樹脂(アンバーライトCG6000:商品名)を
使用し、溶離液として水を使用して行なった。
【0056】直列に連結した8本の内径108.3mm
、充填層高1000mmの充填塔に吸着剤を合計73.
7リットル充填した充填層を70℃に保ち、表5に示す
タイムスケジュールで分離操作を繰り返し行なった。本
実施例では、吸着剤との親和性の強さの順番は、ぶどう
糖>マルトース>オリゴ糖の順であり、抜き出し弁(1
a〜8a)  からはオリゴ糖成分に富む流体、抜き出
し弁(2b〜4b)  からはマルトース成分に富む流
体,抜き出し弁(1c〜8c)  からはぶどう糖成分
に富む流体が取り出される。
【0057】各工程での流量を下記に示す。
【0058】   第1の工程での流量     原料液体の供給流量            
            36.8  l/hr   
 溶離液の供給流量                
          23.9  l/hr    オ
リゴ糖画分の抜き出し流量             
   13.8  l/hr    マルトース画分の
抜き出し流量              36.8 
 l/hr    ぶどう糖画分の抜き出し流量   
             10.4  l/hr  
第2の工程での流量     溶離液の供給流量             
             23.9  l/hr  
  オリゴ糖画分の抜き出し流量          
      13.8  l/hr    ぶどう糖画
分の抜き出し流量                1
0.1  l/hr    脱着剤供給部とぶどう糖画
分抜き出し部の間の充填層内流量          
                         
             46.9  l/hr  
第3の工程での流量     溶離液の供給流量             
             23.9  l/hr  
  オリゴ糖画分の抜き出し流量          
      11.7  l/hr    マルトース
画分の抜き出し流量                
5.8  l/hr    ぶどう糖画分の抜き出し流
量                  6.4  l
/hr    溶離液供給部とぶどう糖画分抜き出し部
の間の充填層内流量                
                         
       46.9  l/hr
【0059】
【表4】
【0060】表5に示す操作を上記の流量で10サイク
ル行なった後、充填層内の濃度分布を測定した。結果を
図3に示す。また10サイクル目で得られた各画分の成
分組成を表6に示す。
【0061】以上の二つの実施例共に、3成分余の分離
対象をそれぞれの3つの画分に分離したものであり、従
来の方法および装置では得られなかった良好な分離結果
が得られている。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】実施例3 本実施例では甜菜糖蜜をラフィノース画分、蔗糖画分、
単糖画分およびベタイン画分の4つの画分に分離した例
について示す。
【0065】実施例1の装置のカラム長さのみを変更し
、他は同じ装置を用い、下記表7に示す原料(甜菜糖蜜
)のクロマト分離を、吸着剤としてNa型の強酸性カチ
オン交換樹脂(アンバーライトCG6000:商品名)
を使用し、溶離液として水を使用して行なった。
【0066】直列に連結した8本の内径108.3mm
、充填層高1500mmの充填塔に吸着剤を合計110
.6リットル充填した充填層を80℃に保ち、表8に示
すタイムスケジュールで分離操作を繰り返し行なった。 本実施例では、吸着剤との親和性の強さの順番は、ベタ
イン>単糖>蔗糖>ラフィノースの順であり、抜き出し
弁(1a〜8a)からはラフィノース成分に富む液体、
次いで単糖成分に富む液体が抜き出され、抜き出し弁(
4b)からは、はじめに蔗糖成分に富む液体、次いで単
糖成分に富む液体が抜き出され、抜き出し弁(1cおよ
び3c〜8c)からはベタイン成分に富む液体が取り出
される。
【0067】各工程での流量を下記に示す。
【0068】   第1の工程での流量     原料液体の供給流量            
            19.8  l/hr   
 溶離液の供給流量                
          45.7  l/hr    ラ
フィノース画分の抜き出し流量           
   2.1  l/hr    蔗糖画分および単糖
画分の抜き出し流量      63.4  l/hr
  第2の工程での流量     溶離液の供給流量             
             16.6  l/hr  
  オリゴ糖画分の抜き出し流量          
        4.2  l/hr    ぶどう糖
画分の抜き出し流量                
12.4  l/hr    脱着剤供給部とベタイン
画分抜き出し部の間の充填層内流量         
                         
              52.0  l/hr

0069】
【表7】
【0070】表8に示す操作を上記の流量で定常状態と
なるまで繰り返し行なった。定常状態となっている10
サイクル目で得られた各画分の成分組成を表9に示す。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】以上の3つの実施例共に、3成分余の分離
対象をそれぞれ3つのあるいは4つの画分に分離したも
のであり、従来の方法および装置では得られなかった良
好な分離結果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である装置の構成概要を示し
た図である。
【図2】図1で示した装置を用いて行なった実施例1の
充填層内部の濃度分布を示した図である。
【図3】同実施例2の充填層内部の濃度分布を示した図
である。
【図4】図1の装置の運転を各弁の開閉と液の供給,抜
き出しの関係で示したフローチャートである。
【図5】図4の工程1−1〜2−3を拡大して示した図
である。
【図6】図4の工程2−4〜2−7を拡大して示した図
である。
【符号の説明】
1〜8:単位充填層 1a〜8a:親和力の弱い成分の抜き出し弁2b〜4b
:中間成分の抜き出し弁 1c〜8c:親和力の強い成分の抜き出し弁1d〜8d
:溶離液の供給弁 5e:原料液体の供給弁 9:遮断弁 10:循環ポンプ 11:液体流路 12a:親和力の強い成分の抜き出し配管12b:中間
成分の抜き出し配管 12c:親和力の弱い成分の抜き出し配管12d:溶離
液の供給配管 12e:原料液体の供給配管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  吸着剤が充填された単位充填層の多数
    個を用いて無端直列の循環流路を形成し、かつこの循環
    流路が循環、遮断可能に設けられている系であって、吸
    着剤に対する親和性の異なる3以上の成分を含む原料流
    体を前記多数個の単位充填層に通流することにより、吸
    着剤に対する親和力の弱い成分から強い成分に順次に分
    れた吸着帯域を形成している系に対し、親和力の弱い成
    分のうちで予め選んだ成分が形成している吸着帯域より
    も上流の位置において上記系の循環を遮断しながら、こ
    の遮断の下流位置で該系に原料流体を供給すると共に、
    遮断位置の上流で吸着帯域を形成している成分のうちで
    予め定めた成分のものを該系から抜き出す第1の工程と
    、原料流体を供給することなく上記系を循環させながら
    、上記第1の工程で残留した吸着帯域に分けられている
    各成分を、二成分系の擬似移動床の方法に従って脱着剤
    流体を供給しながら各成分を各別に抜き出す第2工程と
    、の各工程を1サイクルとして繰返すことを特徴とする
    多成分系の分離方法。
  2. 【請求項2】  請求項1における1サイクルは、第2
    の工程の次に、上記系内で流体を循環させながら、循環
    方向に離間して親和力の弱いものから強いものに分けら
    れている各成分の吸着帯域それぞれに対し、脱着剤流体
    の供給及び各々の成分の富化された画分の分離系からの
    抜き出しを行ない、かつこの各成分に対する脱着剤流体
    の供給及び画分の抜き出し位置を吸着帯域の移動に合せ
    て順次に循環流の下流側に移行させる第3工程を行なう
    ことを特徴とする多成分系の分離方法。
  3. 【請求項3】  請求項1において、第1の工程におけ
    る予め定めた成分の系からの抜き出しが、複数の成分に
    ついて順次に行なうものであることを特徴とする多成分
    系の分離方法。
  4. 【請求項4】  請求項1における第1の工程において
    、循環流路の系に脱着剤流体を供給することを特徴とす
    る多成分系の分離方法。
  5. 【請求項5】  請求項4において、脱着剤流体を供給
    する位置が、吸着剤に対する親和力の最も強い成分が分
    布する吸着帯域の上流から行なうことを特徴とする多成
    分系の分離方法。
  6. 【請求項6】  請求項1の第1の工程において、吸着
    帯域に分かれている複数の成分を同時に系から抜き出す
    ことを特徴とする多成分系の分離方法。
  7. 【請求項7】  吸着剤が充填された単位充填層の多数
    個を用いて形成された無端直列の循環流路と、この循環
    流路の途中に設けられた開閉可能の一つの遮断弁と、こ
    の遮断弁の下流位置で循環流路に接続された原料流体供
    給手段と、遮断弁の上流位置で循環流路に接続された流
    体抜き出し手段と、上記単位充填層の隣接間毎に接続さ
    れた脱着剤流体供給手段、及び流体抜き出し手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の方法に用いる多
    成分系の分離装置。
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