JPH0422731B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車のフロントウインドやリヤ
ウインド等の嵌め殺しタイプのウインドに用いら
れるウインドウエザーストリツプの改良に関す
る。

従来の技術 自動車のウインドシールドガラスあるいはリヤ
ウインドガラス等の嵌め殺しタイプのウインドガ
ラスを固定保持するために、一般に第３図に示す
様なウインドウエザーストリツプ１が用いられて
いる。

このウインドウエザーストリツプ１は、ゴムあ
るいは軟質塩化ビニル等の合成樹脂を押出成形し
たもので、車体パネルＰの開口縁フランジ２に嵌
着固定するフランジ嵌着溝３を外周側に、ウイン
ドガラス４が嵌合するガラス嵌着溝５を内周側に
各々形成してある。尚６は、上記フランジ嵌着溝
３を形成するインナリツプ、７および８は車体パ
ネル外表面に密着するアウタリツプおよびセンタ
ーリツプ、９および１０は、各々ガラス嵌着溝５
の車室内外側を形成する保持リツプである。ま
た、上記ウインドウエザーストリツプ１において
は、ガラス嵌着溝５の両内壁に長手方向に沿つて
突条１１を形成し、車室外側においてはウインド
ガラス４との密着部に雨水等が侵入するのを防止
し、一方車室内側においては、車室外側から侵入
した水が回り込んで溢れ出ることがないようにし
てある。

また、仮に上記ガラス嵌着溝５に水が侵入して
も排出できるよう溝底１２に車体パネル２側の排
水路に連通する水抜孔１３を設けていた。

発明が解決しようとする問題点 上記水抜孔１３を設けることにより、排水性は
向上するが、リヤウインドガラス等のウインドガ
ラス４の傾斜や毛細管現象によりガラス嵌着溝５
内で車室外側から車室内側に回り込み前記突条９
をも乗り越えてしまつた水については円滑な排水
を行なうことができず、車室内に滲み出たり、あ
るいは水滴となつて滴下するという問題があつ
た。

特に、フロントウインドガラスに用いた場合
に、走行時にアウタリツプ７と車体パネルＰとの
間にラム圧が作用すると、水抜孔１３からの排水
がスムーズに行なわれず、却つて車室内側に逆流
させてしまう不具合があつた。

そこで、この発明は、ウインドガラスの車室内
側の面とガラス嵌着溝との間に滲み出る水の排水
性を向上すると共にフロントウインドガラスに使
用した場合にあつては、ラム圧による車室内側へ
の逆流を防止することができる自動車用ウインド
ウエザーストリツプを提供するものである。

問題点を解決するための手段 ウインドガラスを取付けるガラス嵌着溝の車室
内側の内壁に長手方向に沿つてシール用の突条を
ガラス嵌着溝の上縁から溝底にかけて複数段に形
成すると共に各突条に長手方向にオフセツトした
位置に欠損部を形成してガラス嵌着溝の車室内側
の内壁とウインドガラスとの間に蛇行する排水路
形成し、上記ガラス嵌着溝の車室内側の内壁であ
つて、水抜孔の上部位置に、上下方向に沿つて凹
部を設け、この凹部の突条の下側に上下方向にガ
イド突条を設けた。

作 用 ガラス嵌着溝の車室内側の内壁とウインドガラ
スとの間に回り込んだ水は、上記突条の欠損部に
より形成したウインドガラスとの間の蛇行した排
水路から溝底の水抜孔を経て車室外に排出され
る。

ここで、蛇行した排水路から水抜孔を経て排水
される際に、水の排水抵抗は凹部によつて少なく
なり、かつ、ガイド突条によつてウインドガラス
を伝わつて横方向に流れた水をも止めて凹部に集
めることができる。このようなウインドウエザー
ストリツプをフロントウインドガラスに用いた場
合に車室外側にラム圧が作用しても、上記突条の
欠損部を長手方向にオフセツトした位置に形成し
てあるため水が逆流することはない。

実施例 以下、この発明の実施例を図面と共に前記従来
の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第１，２図において、車体パネルＰの開口縁フ
ランジ２を取付けるフランジ嵌着溝３および水抜
孔１３を有するガラス嵌着溝５を形成し、フラン
ジ嵌着溝３を形成するインナリツプ６、車体パネ
ルＰの外表面に密着するアウタリツプ７とセンタ
ーリツプ８を設け、ガラス嵌着溝５を形成する保
持リツプ９，１０を設けたウインドウエザースト
リツプ１Ａの基本的構造は前記従来と同様であ
る。ここで前記ガラス嵌着溝５の車室内側の内壁
５Ａには、ガラス嵌着溝５の長手方向に沿つて上
縁側から断面三角形状のシール用の突条１１Ａ，
１１Ｂ，１１Ｃを形成してあり、一方水抜孔１３
の上部位置の内壁５Ａには凹部１４を設けてあ
る。

上記突条１１Ａは、上記凹部１４を形成してあ
る部分に欠損部１５Ａを備え、さらにこの欠損部
１５Ａの両側に欠損部１５A′を備え、凹部１４
側の端部は折曲り、上側に向いて形成してある。

また突条１１Ｂは、凹部１４をまたいで、中央
部が折曲がつた山形に形成してあり、上側から見
て上記突条１１Ａの欠損部１５Ａを塞ぐ位置に設
けられ、両側は欠損部１５Ｂとなつている。

さらに、突条１１Ｃは上記凹部１４の位置に欠
損部１５Ｃを有し、凹部１４寄りの各端部は下側
に折曲がつている。

そして、上記凹部１４の突条１１Ｂの下側には
上下方向にガイド突条１１Ｄを形成してある。

このように、欠損部１５Ａ，１５Ｂ，１５Ｃを
長手方向にオフセツトした位置に設けたことによ
り、突条１１Ａの欠損部１５Ａから突条１１Ｂに
沿つて突条１１Ｂの欠損部１５Ｂに至り、さらに
突条１１Ｃに沿つて突条１１Ｃの欠損部１５Ｃに
至る部分が破線で示す蛇行する排水路１６となり
この排水路１６が水抜孔１３と連通している。

以上の実施例構造によれば、ガラス嵌着溝５の
車室内側の内壁５Ａとウインドガラス４との間に
回り込んだ水は、突条１１Ｂと突条１１Ｃにより
下側にガイドされ、凹部１４を流れる際の流過抵
抗が少ないこともあつて、蛇行した排水路１６か
らスムーズに車室外に排出される。

特に、フロントウインドガラスに用いた場合で
あつて走行中に車室外側からラム圧が作用した場
合に、水抜孔１３付近の水が押し戻されたとして
も、突条１１Ｂにより逆流は防止される。

発明の効果 以上説明してきたようにこの発明によれば、ウ
インドガラスを装着するガラス嵌着溝の車室内側
の内壁に長手方向に沿つて形成した複数段の突条
を設け、この突条に欠損部を設けて蛇行した排水
路を形成したことにより、車室内に回り込んだ水
を確実に排出できる。そして、凹部を設けたこと
により排水抵抗を小さくでき、また、ガイド突条
を設けたことにより、ウインドガラスに沿つて横
方向に流れる水を止めて凹部に集まることができ
る。更に、フロントウインドガラスに用いた場合
に作用するラム圧により水の逆流を生ずることも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例のウインドウエザー
ストリツプの部分斜視図、第２図は第１図−
断面図、第３図は従来のウインドウエザーストリ
ツプの断面図である。 １Ａ……ウインドウエザーストリツプ、２……
車体開口縁フランジ、３……フランジ嵌着溝、４
……ウインドガラス、５……ガラス嵌着溝、１１
Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ……突条、１１Ｄ……ガイド
突条、１２……溝底、１３……水抜孔、１４……
凹部、１５Ａ，１５A′，１５Ｂ，１５Ｃ……欠
損部、１６……排水路、Ｐ……車体パネル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体の開口縁フランジに嵌合するフランジ嵌
   着溝を外周側に開口して形成し、ウインドガラス
   端縁を保持するガラス嵌着溝を内周側に開口して
   形成し、かつ上記ガイド嵌着溝の溝底に水抜孔を
   備えたウインドウエザーストリツプにおいて、上
   記ガラス嵌着溝の車室内側の内壁に、長手方向に
   沿つてシール用の突条をガラス嵌着溝の上縁から
   溝底にかけて複数段に形成すると共に各突条に長
   手方向にオフセツトした位置に切損部を形成して
   ガラス嵌着溝の車室内側の内壁とウインドガラス
   との間に蛇行する排水路を形成し、上記ガラス嵌
   着溝の車室内側の内壁であつて、水抜孔の上部位
   置に上下方向に沿つて凹部を設け、この凹部の突
   条の下側に上下方向にガイド突条を設けたことを
   特徴とする自動車用ウインドウエザーストリツ
   プ。