JPH042114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のステアリングロツク装置
におけるロツキングレバーの付勢構造に関するも
のである。

イグニツシヨンスイツチやスタータスイツチ等
のスイツチと一体化された自動車のステアリング
ロツク装置においては、従来、誤動作により走行
中にステアリングがロツクされることを防止する
ために、種々の装置が提供されている。例えば、
第１図に示す装置では、スプリング１により付勢
されキー２の出し入れによりスライドピース３を
介して揺動するロツキングレバー４を設け、ステ
アリングをロツクするロツク部材（図示せず）と
上記ロツキングレバー４の係止部４ａとを揺動に
応じて係脱し、キー入れ時にはロツク部材による
ステアリングロツクがかからないようにする一
方、キー抜き時にはステアリングロツクがかかる
ようにしている。

上記装置においては、ロツキングレバー４を付
勢するため、ロータケース５にスプリング受け６
をカシメ固着し、該スプリング受け６とロツキン
グレバー４に凹設したスプリング受け４ｂとの間
にコイルスプリング１を縮装してロツキングレバ
ーを図中矢印方向に付勢しているが、上記方法で
はスプリングの取付けに手数がかかり、コスト高
になると共に、スプリング縮装部のスプリング受
け６と４ｂとの間の距離に制限を受け、かつ、高
精度を要求される等の欠点があつた。

この考案は、上記した欠点を解消し、ロツキン
グレバー付勢用のスプリングをスプリング受けを
設けることなくワンタツチで取付けられるように
し、取付簡便でコストの安い自動車のステアリン
グロツク装置におけるロツキングレバー付勢構造
を提供するものである。即ち、本考案は、イグニ
ツシヨンスイツチやスタータスイツチのスイツチ
と一体化された自動車のステアリングロツク装置
において、 キーの出入に応じて揺動しステアリングロツク
部材を係脱するロツキングレバーをロータケース
に軸支する一方、上記ロツキングレバーを付勢す
るスプリングとして、左右一対の長尺部の一端部
を連結する作用部と、上記長尺部の他端部より
夫々屈折して先端に係止部を備えたスプリングを
設け、上記スプリングの作用部を上記ロツキング
レバーに嵌合すると共に、上記係止部をロータケ
ースに穿設した孔に挿入係止して取付けているこ
とを特徴とするものである。

以下、この考案を第２図以下に示す実施例によ
り詳細に説明する。

図中、１０はロータケース、１１はロータケー
ス１０内に回転自在に嵌合したロータ、１２はロ
ータケース１０の周壁に穿設した開口１０ａ内に
ピン１７を介して揺動自在に取付けたロツキング
レバー、１３はロツキングレバー１２を時計回り
方向（矢印方向）に付勢したスプリング、１４は
キー、１５はロータ１１に穿設した穴１１ａ内に
摺動自在に嵌合しロツキングレバー１２をキー１
４の出し入れに応じて作動するスライドピースで
ある。

上記ロツキングレバー１２は図示の如き形状
で、略中央部をピン１７で支持されており、キー
挿入側の先端部に内方へ向けて屈折したスライド
ピース当接部１２ａを設け、該当接部１２ａを開
口１０ａよりロータ穴１１ａに突出させ、スライ
ドピース１５と当接させている。また、ロツキン
グレバー１２の上記先端部とピン支持点の間の上
面部にはスプリング嵌合用の凹部１２ｂを刻設し
ており、かつ、ピン支持点より他側部はロータケ
ース１０の開口１０ａの内端より突出し、その先
端に内方に向けて屈折した係止部１２ｃを設けて
いる。該係止部１２ｃは内方へ傾動するとロツク
部材（図示せず）を係止してステアリングをロツ
クする位置へ作動不可とする一方、逆の外方へ傾
動するとロツク部材との係止を解きロツク部材を
ロツク位置へ作動可としている。

上記ロツキングレバー１２を付勢するスプリン
グ１３は第４図に示す形状であり、左右一対の長
さ方向に傾斜した長尺部１３ａ，１３ｂと、該長
尺部１３ａ，１３ｂの内方へ傾斜した一端を連結
する作用部１３ｃと、長尺部１３ａ，１３ｂの外
方へ傾斜した他端より彎曲して直交する方向へ屈
折した屈折部１３ｄ，１３ｅと、各屈折部１３
ｄ，１３ｅの先端より互に離反する外側方へ屈折
した係止部１３ｆ，１３ｇとよりなる。

上記スプリング１３を取付けるため、ロータケ
ース１０には、開口１０ａの底壁の端部に周方向
（図中横方向）の溝１０ｃを刻設すると共に、該
溝１０ｃの両端部に連通した孔１０ｄ，１０ｅを
穿設している。

スプリング１３は、ロツキングレバー１２に対
して内方傾斜した先端の作用部１３ｃを凹部１２
ｂに嵌合し、外方へ向つて傾斜した長尺部１３
ａ，１３ｂをロツキングレバー１２の両側に挾む
ように配置し、他端の屈折部１３ｄ，１３ｅを内
方へ向けて伸長させ、その先端部を溝１０ｃ内に
嵌合すると共に、先端の係止部１３ｆ，１３ｇを
孔１０ｄ，１０ｅ内に挿入して係止している。該
スプリング１３によりロツキングレバー１２は凹
部１２ｂが作用部１３ｃと嵌合して内方へ押圧さ
れることにより、ロツキングレバー１２には支点
１７を中心として時計回り方向の付勢力が作用し
ている。よつて、ロツキングレバー１２は第２図
中に実線で示す如く、先端の当接部１２ａは内方
へ付勢され、スライドピース１５を内方へ押圧
し、スライドピース１５のＶ字状の突出部１５ａ
がキー挿入孔１１ｂに突出するようにし、かつ、
他端の係止部１２ｃは外方に位置してロツク部材
との係止を解くようにしている。

上記の如き構造とすることにより、キー１４を
キー挿入孔１１ｂに挿入していない時は、ロツキ
ングレバー１２の係止部１２ｃはロツク部材の係
止を解き、ロツク部材はステアリングをロツクす
る位置に回動可となる。一方、キー１４をキー挿
入孔１１ｂに挿入すると、スライドピース１５は
キー１４に押されて外方へ摺動し、当接したロツ
キングレバー１２はスプリング１３の付勢力に抗
して反時計方向に回動し、他端の係止部１２ｃは
ロツク部材と係止し、ロツク部材がステアリング
をロツクする位置へ作動するのを不可としてい
る。

以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、ロツキングレバーを付勢するスプリングを
上記した形状として一端をロツキングレバーに嵌
合すると共に他端をロータケースにワンタツチで
掛止して取付けているため、スプリングの取付が
極めて簡単で手数がかからず、かつ、スプリング
受けを別に設ける必要がないためコストが低下し
部品管理も簡単となる。また、スプリングの長尺
部の長さも十分にとれると共に、ロツキングレバ
ーに対する作用点が作用部と凹部との嵌合部で確
実であるため、ロツキングレバーに対する付勢力
が確実に働く等の種々の利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はこの考案の
実施例を示す断面図、第３図は第２図の矢印
図、第４図はスプリングの拡大図では平面図
は側面図である。 １０……ロータケース、１０ａ……開口、１０
ｃ……溝、１０ｄ，１０ｅ……孔、１１……ロー
タ、１２……ロツキングレバー、１３……スプリ
ング、１３ｃ……作用部、１３ｆ，１３ｇ……係
止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) イグニツシヨンスイツチやスタータスイツチ
   のスイツチと一体化された自動車のステアリン
   グロツク装置において、 キーの出入に応じて揺動しステアリングロツ
   ク部材を係脱するロツキングレバーをロータケ
   ースに軸支する一方、 上記ロツキングレバーを付勢するスプリング
   として、左右一対の長尺部の一端部を連結する
   作用部と、上記長尺部の他端部より夫々屈折し
   て先端に係止部を備えたスプリングを設け、上
   記スプリングの作用部をロツキングレバーに嵌
   合すると共に、上記係止部をロータケースに穿
   設した孔に挿入係止して取付けている自動車の
   ステアリングロツク装置におけるロツキングレ
   バーの付勢構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のスプリ
   ングの作用部をロツキングレバーに設けた凹部
   に嵌合することを特徴とする自動車のステアリ
   ングロツク装置におけるロツキングレバーの付
   勢構造。