JPH0420711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２輪車用タンデムシートの改良に関す
る。

２輪車用タンデムシートには分割シートと一体
シートとがある。

分割シートは前シートと後シートとを別体に製
作して直列に連設したもので、見映えが良く非常
に豪華な雰囲気を持つているが、前シートと後シ
ートとの各構成部材であるボトム、パツト、表皮
を各々別体に製作するので生産性が悪いという不
具合がある。

一方、前記一体シートは前記シート部と後シー
ト部とが一体成形され、ボトム、パツト及び表皮
を前記分割シートの如く各々別体に成形する必要
が無いので、工数が少なく非常に割安である。

ところが、この一体シートは前シート部と後シ
ート部とが一体に連接され区切りが無い為、分割
シートに比べると見映えが悪く豪華な雰囲気が乏
しい。

そこで第８図に示すように、分割シートに見え
るようにイメージした一体シートが提示されてい
る。しかし、この一体シートは前シート部A′と
後シート部と境目の左右サイドマチ部C′が平坦で
何ら括れていないので、表皮の端末が前、後にズ
レて張設されて表皮が被覆されるし、また、前記
一体シートの不具合を完全に除去することがてき
ない。

本考案は前記従来事情に鑑みてなされたもので
その目的とする処は、外観が分割シートのように
見えて見映えが良く雰囲気が豪華であると共に、
生産性に優れた一体タンデムシートを提供するこ
とにある。

斯る目的を達成する為の本考案の２輪車用タン
デムシートの基本的構成は、前、後シート部を構
成する１ケのボトムと１ケのパツトの各サイド
と、パツトの上面に連続する凹溝を設け、このボ
トムとパツトの各サイドの凹溝と、パツトの凹溝
とに、前シート部を構成する前表皮部と、後シー
ト部を構成する後表皮部との接合部分を喰い込ま
せて張設したものである。

従つて、前記各凹溝に喰い込まれた前、後表皮
部の接合部分によつて、前シート部と後シート部
とは区切られ、分割シートの如く外観を呈する。

本考案の実施例を第１〜第７図により説明す
る。

第１図は本考案に係るタンデムシートを示し、
図中Ａは前シート部、Ｂは後シート部、Ｃはその
境目であり、これを第２図により具体的に説明す
る。

前、後シート部Ａ，Ｂは第６図に示す１個のボ
トム１上に、第４図に示す１個の発泡体製パツト
２を重ねて設け、このボトム１及びパツト２に表
皮３を被覆することにより形成される。

前記ボトム１は第６図に示すように前シート部
と後シート部とのボトムを一体に形成したもので
あり、前座面１ａ、後座面１ｂ及びサイド面１ｄ
からなる合成樹脂製のものである。

サイド面１ｄの左右における前座面１ａと後座
面１ｂとの境目１ｃに沿つて第７図に示すような
凹溝４が各々形成されている。

又、パツト２は第４図に示すように前パツト部
２ａと後パツト部２ｂとを一体にモールド成形し
たウレタンフオームで、そのサイド２ｄの各サイ
ド及び上面における前パツト部２ａと後パツト部
２ｂとの境目２ｃに沿つて第５図に示すような凹
溝５が各々形成されている。

表皮３は第１〜第３図に示す如く前表皮部３ａ
と後表皮部３ｂとを一体に形成したもので、前、
後表皮部３ａ，３ｂは各々見頃１０ａ，１０ｂ
と、表皮の１枚物からなるマチ１１ａ，１１ｂと
から構成されている。

見頃１０ａ，１０ｂは不織布等のワデイングカ
バー、発泡体（スラブ材）製ワデイング１３ａ，
１３ｂ及び表皮部材１４ａ，１４ｂの積層体で、
このワデイングカバー１０ａ，１０ｂと表皮部材
１４ａ，１４ｂは部分的にウエルダーで溶着され
一体に形成されている。

前表皮部３ａと後表皮部３ｂとの接合部分６は
第３図に示すように高周波縫製により一体に形成
され、その接合部分６がボトム１及びパツト２の
各溝４，５に喰い込ませて張設されている。

尚、表皮３の端末はボトム１にホツグリング等
の係止手段によつて係止される。

本考案によれば、パツト及びボトムの各サイド
及びパツトの上面に連続する凹溝が設けてあり、
この凹溝に前表皮部と後表皮部の接合部分を喰い
込ませて張設するので、表皮の各サイドマチ部の
分割トリム処理を完全に行なうことが出来る。従
つて、本考案は第８図の従来例に比べ、サイドが
括れている為、分割シートの外観形状を呈し商品
価値が向上する。しかも、ボトム、パツト及び表
皮を各々前後別体に成形する必要が無い為、前記
従来分割シートに比べ生産性が頗る向上する。

更に、表皮の前表皮部と、後表皮部との接合部
分は、前記パツトとボトムとの凹溝内に喰い込ま
れ、外部から視覚されることがないため、シート
の外観が向上する。

加えて、前、後表皮部で、一体のパツト及びボ
トムを被覆してシートを構成するために、前、後
表皮部の端末をボトムの底面に固定する際、ボト
ムのサイドには凹溝が形成されているので、前、
後表皮部の接合部分をボトムの凹溝に喰い込ませ
て張設することにより、この凹溝が前、後表皮部
の位置定めになる。そのため、前、後表皮部は前
後方向にズレることなくボトムとパツトの所定位
置に被覆することができるし、前、後表皮部の全
体を均等な力で張り上げることも可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の２輪車用タンデムシー
トを示す立体図、第２図は第１図の一部切欠せる
正面図、第３図は表皮の要部拡大立体図、第４図
はシートパツトの立体図、第５図は第４図の−
線拡大断面図、第６図はシートボトムの立体
図、第７図は第６図の−線拡大断面図、第８
図は従来品を示す立体図である。 図中、Ａ……前シート部、Ｂ……後シート部、
Ｃ……境目、１……ボトム、１ａ……前座面、１
ｂ……後座面、１ｃ……ボトムの境目、２……パ
ツト、２ａ……前パツト、２ｂ……後パツト、２
ｃ……パツトの境目、３……表皮、３ａ……前表
皮部、３ｂ……後表皮部、４，５……凹溝、６…
…接合部分である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前シート部と後シート部とを構成する硬質材製
   ボトムと、このボトム上に載置した前シート部と
   後シート部を構成する発泡体製パツトと、このパ
   ツトを被覆する表皮からなり、前シート部と後シ
   ート部とを一体に形成したタンデムシートにおい
   て、前記ボトムとパツトとの各サイド及びパツト
   の上面における前シート部と後シート部との各境
   界に沿つて凹溝を設け、前記前シート部を構成す
   る前表皮部と後シート部を構成する後表皮部とを
   一体に接合し、該接合部分を、前記パツトの上面
   に設けた前記凹溝と、パツトとボトムの各サイド
   に設けた前記凹溝内とに夫々喰い込ませて張設し
   てなる２輪車用タンデムシート。