JPH0418537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、米びつの上部に設けられた米投入口
の蓋に関する。

〔従来の技術〕

米びつの米投入口の蓋として、第４図および第
５図に示すものが知られている。第４図におい
て、１は計量米びつであり、前面壁２の上部に米
投入口３が開設されている。そして、前面壁２の
下部側には、計量用の操作ボタン５…を並設した
操作パネル４が取付けられると共に、その下方に
排出される米を受ける米受け部６が配置されてい
る。８は米貯蔵室７を区画する貯蔵区画である。

第５図は蓋の組立展開図であつて、９は蓋体で
あり、９ｃはねじ孔を刻設してリブ９ｂの四隅近
傍に突設されたねじ部であり、このねじ部９ｃに
後述のシユート１０側から取付ねじ１５が螺入さ
れる。１０は金属製シユート１０（以下、シユー
トと略記する）であり、本体部分１１には、上記
蓋体９の各ねじ部９ｃ…に対応してねじ挿通孔１
１ａ…が開設されている。１２，１３は左右の側
板であり、本体部分１１の左右両端から後方に向
けて延設されている。

１４は本体部分１１の前面下部にねじ止めまた
は溶接により固着されたヒンジ部材であり、この
ヒンジ部材１４の両端部には、軸孔１４ａが形成
されている。

上記のように構成された蓋体９およびシユート
１０の組立てに際しては、まずシユート１０のね
じ挿通孔１１ａから取付ねじ１５を挿通して、蓋
体９のねじ部９ｃにそれぞれ螺入し、蓋体９の裏
面側にシユート１０を固着する。つぎに、米びつ
１の投入口３にシユート１０側を挿入する。続い
て、投入口３下部の左右両側に配設された図示し
ない保持部材の軸孔と上記ヒンジ部材１４の軸孔
１４ａとに支持ピン（図示省略）を挿通する。こ
れにより、シユート１０はヒンジ部材１４を支点
にして回動自在に支持され、蓋が投入口３に対し
揺動開閉自在に取付けられるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記従来の米投入口の蓋において
は、蓋体９にシユート１０を固着する際、少なく
とも４本のねじ１５…が必要となるうえ、投入口
３に対し蓋を軸支するためにヒンジ部材１４を予
めシユート１０に溶接、もしくはねじ止めしなけ
ればならず、作業性に劣る欠点があつた。特に、
ヒンジ部材１４をねじ止めする場合は、上記４本
の取付ねじ１５に加え、少なくともねじが２本増
えるため、蓋体９とシユート１０との組立作業が
極めて煩瑣であつた。また、溶接による場合につ
いても、溶接作業が伴うので、作業工程が増加す
る難点があつた。さらに、ヒンジ部材１４を別途
用意しなければならないため、工程および部品点
数が多くなることから、製作コスト高になるモー
タ問題も残されていた。さらに、金属製である左
右側板１２，１３の下端縁１２ｃ，１３ｃで指な
どを傷つける場合もあつた。

本考案は、上記課題に鑑みてなされたもので、
蓋の組立作業性を向上させると共に、部品点数を
少なくして製作コストを低減し、さらに指などを
傷つけるおそれのない米びつの米投入口の蓋を提
供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の第１は、米
びつの米投入口の蓋を、蓋体と、蓋体の裏面側に
取り付けられた本体部分の左右両端から後方に向
けて左右側板を形成すると共に、米びつの米投入
口に対し回動自在に支持される支持片が形成され
ている折返し片を前記左右側板の下辺から外側上
向きに折曲形成している金属製シユートとから構
成したものであり、本考案の第２は、米びつの米
投入口の蓋を、裏面側下部に係止部を形成した蓋
体と、蓋体の裏面側に螺着された本体部分の左右
両端から後方に向けて左右側板を形成すると共
に、前記係止部に係止される係合部が形成されて
いる折返し片を前記左右の下辺から外側上向きに
折曲形成している金属製シユートとから構成した
ものである。

〔作用〕 上記構成において、蓋を組立てる場合は、シユ
ートの係合部に蓋体の係止部を係止する。そし
て、蓋体にシユートを螺着し、一体化する。この
後、シユートの左右側板に設けた支持片を米びつ
の米投入口に対し軸支することにより、蓋は米投
入口に対し揺動開閉自在に取付けられる。

従つて、本考案は、蓋体との係合部や回動自在
に支持される支持片を、シユートの左右側板の下
辺から外側上向きに折曲した折返し片に形成して
いるので、米の投入や蓋の開閉の邪魔にならず、
蓋体とシユートとの取付ねじによる螺着箇所が少
なくなる。また米投入口に対し支持するための支
持片を左右側板の下辺から外側上向きに折曲した
折返し片に形成しているから、左右側板の下端縁
で指などを傷つけることがなくなり、さらにシユ
ートの下辺部を支点として取付けるための部材が
省略されるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図は蓋Ａの斜視図、第２図は同組立展
開図、第３図は一部を断面で示す米投入口の側面
図である。

本実施例に係る米投入口の蓋は、第４図および
第５図に示す従来例と基本的構成が略同一であ
り、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は
省略する。

第１図において、９は蓋体であり、裏面側に設
けられたリブ９ｂの下端から突部をそれぞれ延出
して、係止部９ｄが形成されている。９ｃはリブ
９ｂの上部側の角部近傍に突設されたねじ部であ
る。１０は塗装鋼板製シユートであり、本体部分
１１の左右両端から後方に向けて側面視扇形の左
右側板１２，１３をそれぞれ折曲形成している。
１６，１６は、折返し片であつて、上記左右側板
１２，１３の下辺から外側上向きにそれぞれ折返
し、左右側板１２，１３の外側面に重合するよう
に折曲形成されている。１７，１７は上記各折返
し片１６，１６の一端部をそれぞれ延出して形成
された支持片であり、この支持片１７には軸孔１
７ａが設けられている。１８，１８は上記各支持
片１７，１７の近傍に押切り孔が形成された係合
部であり、この係合部１８に上記蓋体９側の係止
部９ｄが係止されるようになつている。

尚、係合部８と係止部９ｄの孔と突部の係合関
係は、前記とは逆にしてもよい。

上記のように形成された蓋体９とシユート１０
とは、第３図に示す米びつ１の米投入口３に対し
て取付けられる。図において、１９は上記支持片
１７を支持するための支持部材であり、この支持
部材１９の上部側に支持ピン２０を保持する保持
片１９ａを設けている。また、支持部材１９の下
部側１９ｂは、米びつの前面壁２の内側左右にお
いて、止めねじ２１を介して螺着されている。２
２は前面壁２の裏面側に突設された当接部材であ
り、この当接部材２２に上記シユート１０のスト
ツパ１２ｂ，１３ｂが当接するようになつてい
る。

次に、組立について説明すると、まずシユート
１０の係合部１８に、蓋体９の係止部９ｄを挿入
して係止する。つぎに、シユート１０のねじ挿通
孔１１ａから取付ねじ１５を挿通して蓋体９のね
じ部９ｃに螺入し、蓋体９の裏面側にシユート１
０を固着する。この後、投入口３にシユート１０
側を挿入して、上記保持片１９ａに設けた軸孔と
支持片１７の軸孔１７ａとに支持ピン２０を挿通
する。これにより、蓋Ａがシユート１０の支持片
１７を支点として投入口３に対し揺動開閉自在に
取付けられる。

しかして、上記のように構成された米びつ１に
おいて、米を投入する場合は、第３図に示す蓋体
９の把持部９ａに指を入れて蓋体９を右方に回動
する。このとき、前面壁２の当接部材２２に、シ
ユート１０のストツパ１２ｂ，１３ｂが当接する
と、第３図の仮想線に示すように、回動が規制さ
れて、蓋Ａは所定の傾斜角に保持され、投入口３
が開口する。よつて、米を投入口３から投入する
ことができる。この後、米を投入し終えれば、蓋
体９を左方に回動することによつて、第３図実線
で示されるように、投入口３を蓋体９にて施蓋す
ることができる。

〔考案の効果〕

本願の第１の考案では、左右側板の下辺から外
側上向きに折曲して折返し片を設けるので、金属
製左右側板の下端縁で指を傷つけるおそれがな
く、さらに前記支持片を前記折返し片に設けてい
るので、シユートを投入口に対して支持するため
の部材が不要となる。よつて、従来のようにシユ
ートの下辺部を投入口に対して支持するためのヒ
ンジ部材等が省略されるから、部品点数が減少し
て製作費が低廉となる。

又、第２の考案では、シユートの係合部に蓋体
の係止部を係止すると共に、ねじを介して本体部
分を蓋体に螺着することにより、この蓋体とシユ
ートとを一体化することができる。従つて、蓋体
とシユートとは係止部と係合部とによつて係止さ
れるから、ねじ止め箇所が従来に比して減少し、
組立て作業が簡単になる。

さらに、本考案では、蓋体との係合部あるいは
回動自在に支持される支持片を、シユートの左右
側板の下辺から外側上向きに折曲した折返し片に
形成しているので、米の投入や、蓋の開閉の邪魔
にならない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例を示
し、第１図は蓋の斜視図、第２図は同組立展開
図、第３図は一部を断面で示す米投入口の側面
図、第４図は従来の米びつの斜視図、第５図は従
来の蓋の組立展開図である。 Ａ……蓋、１……米びつ、２……前面壁、３…
…投入口、７……米貯蔵室、９……蓋体、９ｄ…
…係止部、１０……金属製シユート、１１……本
体部分、１２……左側板、１３……右側板、１６
……折返し片、１７……支持片、１８……係合
部、１９……支持部材、２２……当接部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 蓋体と、蓋体の裏面側に取り付けられた本体
   部分の左右両端から後方に向けて左右側板を形
   成すると共に、米びつの米投入口に対し回動自
   在に支持される支持片が形成されている折返し
   片を前記左右側板の下辺から外側上向きに折曲
   形成している金属製シユートとからなる米びつ
   の米投入口の蓋。 (2) 裏面側下部に係止部を形成した蓋体と、蓋体
   の裏面側に螺着された本体部分の左右両端から
   後方に向けて左右側板を形成すると共に、前記
   係止部に係止される係合部が形成されている折
   返し片を前記左右の下辺から外側上向きに折曲
   形成している金属製シユートとからなる米びつ
   の米投入口の蓋。