JPH0418348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は芝刈り機機体の後部に集草容器を連結
するとともに、機体後方に操縦ハンドルを延出し
た歩行型芝刈り機に関する。

〔従来の技術〕

前記歩行型芝刈り機において、従来は、機体後
方に位置する集草容器は、一体樹脂成形品で容器
の各壁に多数の小穴をあけた構造とするか、又
は、通気性の有る袋で構成して、容器が切断芝で
満杯になると容器全体を機体より取り外し、容器
と機体とが連結される側の容器開口部より切断芝
を出して捨てていたが、次の如き不都合な点があ
つた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

すなわち、集草容器の後面にも排気用通気孔が
ある為に、刈刃の回動による切断芝の移送排出風
が機体から集草容器内部を通つて、集草容器後面
から機体後方にいる芝刈り機操縦者に向かつて吹
き出されていた。この為切断芝と共に集草容器内
にはいつてくる微細な塵埃がこの排出風に乗つ
て、集草容器後面の排風用通気孔を通つて操縦者
に向かつて流れて行つたり、又、集草容器後面か
ら吹き出る排出風によつて操縦者の足元の、ほこ
り等がまき上げられて衛生上好ましくなかつた。
このほか集草容器に溜まつた切断芝を捨てる為に
は、集草容器全体を取り外さねばならず、切断芝
で重くなつた集草容器の取り外しが煩わしかつ
た。

ここで、本考案の目的は、芝刈り機操縦者に向
かつて塵埃の吹き出しや、ほこりの舞い上がりを
抑えるとともに、集草容器を機体から取り外さな
くても切断芝を容易に捨てられるような構造とす
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴とする点は冒記した歩行型芝刈り
機において、前記集草容器の本体の後端に開口部
を形成するとともに、この開口部を覆う状態と開
口部を開放する状態とに切り換え自在な多孔網様
体を配設し、前記多孔網様体の外方側に、前記開
口部を覆うに足る面積を有し、かつ、機体前後方
向視において前記開口部を覆う状態と、開口部を
開放する状態とに切り換え自在な蓋カバーを設
け、この蓋カバーを、前記集草容器本体の後部に
支持するとともに、前記多孔網様体と前記蓋カバ
ーの内面との間に、多孔網様体を通過した草刈案
内風を横外側方に排風させる排気通路を形成して
あることにあり、その作用及び効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

微細な塵埃を伴い集草容器にはいつてきた排出
風は、集草容器後面の前記多孔網様体を通り抜け
た後に蓋カバー内面にそつて、排気通路を通つて
集草容器の横外側に出て行き、集草容器後方に居
る操縦者には流れて行かない。又、集草容器の後
面の開閉自在な蓋カバーを開ければ、多孔網様体
が大きく露呈されて多孔網様体の掃除を行い易
く、更に、多孔網様体を開放させることで、集草
容器を機体から取り外さなくても、溜つた切断芝
を容易に取り出して捨てることができる。

〔考案の効果〕

塵埃を伴つて集草容器後面より吹き出す排出風
の機体の後向きへの流れを蓋カバーによつて横方
向の流れに向きを換えることによつて、操縦者に
向つて塵埃が流れて行くこと、及び、操縦者の足
元のほこり等の舞い上がりが防止でき、操縦者に
とつて衛生的に芝刈り作業を行えるようになつ
た。しかも、多孔網様体の掃除や回収した切断芝
を、容器本体を機体から取り外す等の煩わしさが
なく、簡単な作業で取り出すことができ、作業性
が向上するものとなつた。

〔実施例〕

以下、図面を用いて本考案を実施例について説
明する。

第４図に示すように、左右一対の前車輪１，１
及び後車輪２，２を備え、かつ、刈刃３を操縦軸
芯P₁周りで回動するように内装した刈刃ハウジ
ング４の上側にエンジン５を搭載し、エンジン出
力を刈刃クラツチ１９を介して前記刈刃３に伝達
するとともに、エンジン出力の一部を動力伝達軸
８、デイスク式無断変速装置９及び差動機構１０
を介して前記後車輪２，２に伝達し、かつ、機体
Ｖの後部に操縦ハンドル６を設けるとともに、集
草容器７を着脱自在に装着して自走式の歩行型芝
刈り機を構成している。

前記操縦ハンドル６について詳述すると、第５
図に示すように刈刃クラツチレバー２２を操縦ハ
ンドル６に軸芯P₂周りで揺動可能に取付け、レ
リーズワイヤ１８によるマスターシリンダを利用
した油圧式倍圧連動機構（図示せず）を介して刈
刃クラツチ１９と連動連結し、スプリング２１に
より刈刃クラツチ切り側に付勢している。この刈
刃クラツチレバー２２上に走行クラツチレバー２
３を軸芯P₃周りで揺動可能に取付け、レリーズ
ワイヤ２４を介して走行伝動系に介在させた走行
クラツチ（図示せず）と連動連結させ、スプリン
グ２５により走行クラツチ切り側に付勢されるよ
うに構成している。

このように刈刃クラツチレバー２２上に走行ク
ラツチレバー２３を設けて２段式とすることによ
り、第６図イに示すように刈刃クラツチレバー２
２のみを入り操作した場合、第６図ロに示すよう
に走行クラツチレバー２３のみ入り操作した場合
と、両者別々に単独操作することができる。

又、第５図に示すように走行クラツチレバー２
３の握り部に引つ掛かり部２３ａを設けて、刈刃
クラツチレバー２２と走行クラツチレバー２３を
同時に入り操作した場合、第６図ハに示すように
走行クラツチレバー２３の引つ掛かり部２３ａが
操縦ハンドル６の握り部６ａに軽く引つ掛かるよ
うに構成する。このような構造とすれば、スプリ
ング２１、２５の付勢力で両クラツチレバー共に
切り側に戻される程度のものである。

本考案を適用した集草容器本体７について詳述
すると、第１図及び第２図に示すように集草容器
７は、後端に閉口部を形成した集草容器本体７ａ
と前記開口部の後方を覆う蓋カバー７ｂとから構
成されている。集草容器本体７ａは左右の側壁７
ｃに排風用の通気孔１１を多数設けており、上部
の後半分には、内面に防塵網１２を張り、この防
塵網１２より適当距離（例えば数cm）の上方に、
集草容器持ち運び用の把つ手２６を有する上壁面
７ｄを設置して、防塵網１２と上壁面７ｄとの間
に空間１３を設け、この空間１３の左右両側の側
壁７ｅに開口部１４を開口している。集草容器上
部をこのような構造とすれば、微細な塵埃を伴つ
た排出風が防塵網１２を通つて前記開口部１４よ
り集草容器の横方向に流れ出て行き、集草容器上
方に塵埃が舞い上がるのを防止できる。

蓋カバー７ｂは、第１図及び第３図に示すよう
に防塵網１５を内面に適当間隔（例えば約３cm）
をあけて、かつ、防塵網１５の上下辺のみを蓋カ
バー７ｂの内面に固定して防塵網１５の左右両側
辺側は蓋カバー７ｂには固定せずに、防塵網１５
の左右側辺、則ち、集草容器本体７ａにおける後
ろ端開口部の左右側縁と蓋カバー７ｂには固定せ
ずに、防塵網１５の左右側辺部で排気口２０を形
成するとともに、蓋カバー７ｂと防塵網１５との
間の隙間により、防塵網１５を通過した刈草案内
風を横外側方に排風させる排気通路１６を形成し
てある。蓋カバー７ｂの上辺は集草容器本体７ａ
の後方上部でヒンジ１７で連結して、蓋カバー７
ｂと防塵網１５とを一体的に揺動開閉できるよう
にしてある。

前記構造により、集草容器後面から吹き出る排
出風は防塵網１５を通過後排気通路１６を通つて
集草容器両側方に流れ出て行く。又、集草容器７
の後面及び上面後半部に通気性の高い防塵網１
２，１５を設けている為に、集草容器は排出風の
ほとんどがこの防塵網１２，１５を通つて出て行
くので、この排出風の流れに乗つて切断芝が集草
容器７の後部から順次、溜まつて行き、集草容器
内部に空いた空間をつくることなく効率良く切断
芝を詰め込むことができる構造となつている。

〔別実施例〕

前述の実施例では防塵網１５を蓋カバー７ｂの
内側に固定張設して蓋カバー７ｂと防塵網１５と
が一体で開閉可能としていたが、防塵網１５を蓋
カバー７ｂに固定せずに、別々に集草容器本体７
ａに対して開閉自在に取付ける構成としてもよ
く、又、蓋カバー７ｂと防塵網１５とを集草容器
本体７ａに対して着脱自在に構成してもよい。更
に、集草容器７の後面及び上面後半部に設けてい
る防塵網１２，１５に替えて小穴を多数、開口し
た多孔板を用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型芝刈り機の実施例を
示し、第１図は集草容器の縦断面側面図、第２図
は集草容器の斜視図、第３図は集草容器の後部横
断面図、第４図は全体側面図、第５図は操縦ハン
ドルの斜視図、第６図イ、ロ，ハはレバーの操作
状態を示す側面図である。 Ｖ……芝刈り機械体、６……操縦ハンドル、７
……集草容器、７ａ……集草容器本体、７ｂ……
蓋カバー、１５……多孔網様体、１６……排気通
路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芝刈り機機体Ｖの後部に集草容器７を連結する
   とともに、機体後方に操縦ハンドル６を延出した
   歩行型芝刈り機であつて、前記集草容器７の本体
   ７ａの後端に開口部を形成するとともに、この開
   口部を覆う状態と開口部を開放する状態とに切り
   換え自在な多孔網様体１５を配設し、前記多孔網
   様体１５の外方側に、前記開口部を覆うに足る面
   積を有し、かつ、機体前後方向視において前記開
   口部を覆う状態と、開口部を開放する状態とに切
   り換え自在な蓋カバー７ｂを設け、この蓋カバー
   ７ｂを、前記集草容器本体７ａの後部に支持する
   とともに、前記多孔網様体１５と前記蓋カバー７
   ｂの内面との間に、多孔網様体１５を通過した刈
   草案内風を横外側方に排風させる排気通路１６を
   形成してある歩行型芝刈り機。