JPH0518897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、草刈機の集草装置に関する。

［従来技術及びその問題点］ トラクタ等の動力車両に装着された草刈機によ
つて刈り取られた草や芝は、移送筒体を介して機
体後部に装着された集草容器内に回収される。

従来の集草容器としては、例えば特開昭61−
199715号公報や米国特許第4173111号明細書、あ
るいは米国特許第4106272号明細書に記載された
ものがある。

これらの公報に記載された集草容器には、集草
容器に向けて送られた空気を抜くために空気のみ
通過させるスクリーンと排風通路が設けられてい
るが、従来は排風通路が容器の後方１カ所に設け
てあるだけで、その他の部分にはなかつたので、
スクリーンに草が詰まつた場合には、空気の流れ
が阻害され、集草作業が困難になるという不具合
があつた。

また、こうした従来装置の場合には、容器全体
が剛体でできた箱型をなし、容器の下部に設けら
れた蓋も剛体で形成されていてその形状がまつた
く変わらぬものであるから、装置全体の重量が増
大すると共に、中の刈草を放出するために機体を
後退させて行く際に集草容器が樹木や塀に当たる
とこの集草容器が変形する恐れがあり、作業者は
後方を十分確認しながら機体を後退させなければ
ならなかつた。

［問題点を解決するための手段］ この考案は前記した問題点に鑑みて提案するも
のであつて、次のような技術的手段を講じた。

即ち、動力車両の機体下部に装着された草刈装
置２１と機体後部に装着された集草容器とを移送
筒体２２を介して連結してなる草刈機において、
前記集草容器を、前方が開口されていて通気性を
有するメツシユで変形可能なバツグ１とこのバツ
グ１の上方を覆うシートカバー３とで構成すると
共に、バツグ１とシートカバー３との間に、集草
容器内に送り込まれた空気を下向きに排出案内す
る排風通路２を形成し、バツグ１の後方及び左右
両側部から排風を吹き出させるように構成したこ
とを特徴とする草刈機等の集草バツグとするもの
である。

［考案の作用効果］ バツグ１を草刈機の集草部に装着して、刈り取
つた草を、バツグ１へ送つて収容させる。

バツグ１は外周面を通気可能なメツシユで構成
されているため、草がバツグ１内に滞留されて、
移送用の風がこのメツシユを外側へ通過排出され
る。

このとき、排風と共に一部の塵埃が排出される
が、このバツグ１の上部にはシートカバー３が被
覆して設けられているため、このバツグ１のメツ
シユを通過する排風は、バツグ１の外周の排風通
路２を通つて下方へ案内され、シートカバー３か
ら外側上部への直接吹き出しを防止する。

バツグ１内への集草堆積によつてこのバツグ１
が膨張するが、外周のシートカバー３との間には
集草によつて排風通路２が維持されているため、
この集草堆積がバツグ１上端近くに達しても、排
風、排塵作用を妨げ難く、円滑で衛生的な集草作
業を行うことができる。

さらに、排風通路２が進行方向前側を除く３面
に設けられているので、バツグ１内に溜まつた草
によつて空気の流れが阻害されることがなく、空
気の流れが円滑となり、しかも排風は下向きに吹
き出されるので塵埃が舞い上がつて作業者に掛か
ることがなく作業を快適に行うことができる。

また、この考案では、変形可能なバツグ１とこ
の上方にあつてバツグ１を覆うシートカバー３と
で集草容器の排風通路２を構成しているので、わ
ざわざ特別なスクリーンを設ける必要がなく、廉
価にできる。

さらに、バツグ１は変形可能なメツシユで形成
されているから、集草した草を廃棄する場合であ
つて、機体を後退させて行く際に、バツグ１が樹
木や塀に衝突してもこれが破損する恐れがなく、
作業者は気楽に作業を行なえる。また、集草容器
を形成する部材の大半はメツシユのバツグ１と、
シートカバー３とで構成されているので軽量であ
り、着脱等の取り扱いが容易である。

［実施例］ 図例において、バツグ１は通気性のあるメツシ
ユで構成され、機体後部に設けた取付枠４に対し
て取り付けたパイプ材からなる固定フレーム５
を、側面視形状にして左右適宜の幅にしてルー
プ状とした一体構成とし、この固定フレーム５の
上下方向の縦辺部６の上部に横方向の軸７を設
け、この軸７廻りに回動自在で該縦辺部６と平行
状の縁枠８を設け、ハンドル９によつてこの縁枠
８を一体的に回動操作する構成である。この縁枠
８の内側に開閉口部を構成する。１０は固定フレ
ーム５の上端部の上辺部１１と縦辺部６との間を
連結する補強枠で、この補強枠１０より下側で固
定フレーム５の縦辺部６下部と上辺部１１後部と
に亘つて、バツグ１の周縁部を紐１３等で連結
し、該縁枠８を上方へ回動することによりこのバ
ツグ１部を折り畳み自在に構成している。１２は
バツグ１の底板で、合成樹脂材からなり、該縁枠
８の下端へ向けて下り勾配に傾斜させて、下端を
この縁枠８に連結している。

シートカバー３は、ビニールシート、乃至布製
からなり、該バツグ１のメツシユに対し、通気性
が著しく低いか、又は非通気性のもので形成して
いる。このシートカバー３を固定フレーム５の上
半部を殆ど被覆する形態として左右の縦辺部６間
には、ブロワ１６の上端排出口部１４を連通させ
る吹込口１５を設け、該上辺部１１、縦辺部６、
及び補強枠１０部では、上記紐１３等一体的に連
結する。このシートカバー３の下縁部は、バツグ
１の外周部適宜の高さにまで垂下させて、このシ
ートカバー３の内周面とバツグ１の外周面との間
には、上端の上辺部１１乃至補強枠１０から下方
に亘つて排風間隔２を形成し、下方に向けて開放
されている。上記縦辺部６の下半部は左右に亘つ
てシートカバー２４で覆つている。１７はトラク
ター、１８は操縦席、１９は操縦ハンドル、２０
は後車輪、２１は草刈装置である。草刈装置２１
は車体の腹部に装着されて刈り取つた草を移送筒
体２２を通して後側に搬送するブロワ１６に連通
している。

２３はブロワ１６の伝動プーリである。前記取
付枠４はトラクタ車体の後端部に装着され、後側
に固定フレーム５を取り付ける。

草の刈取時は、バツグ１の縁枠８をハンドル９
によつて縦辺部６に沿わせて閉鎖状態とし、草刈
取装置２１から送られてくる草を吹込口１５から
吹き込ませる。バツグ１内に吹き込まれる草は、
バツグ１内に底板１２部から堆積され、風は小さ
な塵埃と共にバツグ１のメツシユ部を通過して外
周に排出され、排風通路２を経てシートカバー３
の内側を下端縁部から下方へ排風される。

草がバツグ１内に堆積すると、バツグ１及び排
風通路２の上端部分からの排風に移行して堆積高
さを大きくできてブロワ１６側からの集草を円滑
に維持する。

バツグ１内に草が一杯になると、ハンドル９に
よつて縁枠８を軸７廻りに後方へ回動させると、
この縁枠８と縦辺部６との間が開口されて、バツ
グ１内に収容されていた草２５が底板３を滑り落
ちてこの開閉口部から下方へ排出される。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は一部の側面図、第３図は一部の正断
面図、第４図は一部の斜視図である。 符号の説明、１……バツグ、２……排風通路、
３……シートカバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力車両の機体下部に装着された草刈装置と機
   体後部に装着された集草容器とを移送筒体を介し
   て連結してなる草刈機において、前記集草容器
   を、前方が開口されていて通気性を有するメツシ
   ユで変形可能なバツグとこのバツグの上方を覆う
   シートカバーとで構成すると共に、バツグとシー
   トカバーとの間に、集草容器内に送り込まれた空
   気を下向きに排出案内する排風通路を形成し、バ
   ツグの後方及び左右両側部から排風を吹き出させ
   るように構成したことを特徴とする草刈機等の集
   草バツグ。