JPH0313140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はローントラクタ等で代表される乗用型
芝刈機或いは歩行型芝刈機であつて、詳しくはモ
ーアからの切断芝を排出ダクトを介して集草器に
供給するよう構成してある芝刈機に関する。

〔従来の技術〕

この種の芝刈機において、排出ダクトから集草
器に切断芝を供給するに、従来は、集草器の上面
に排出ダクトとの接続口を設け、この接続口から
落し込み供給するように構成してあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この場合には集草器上方まで排出ダク
トを架設しなければならず、切断芝を集草器に送
り込む揚程が大きくなり、排出ダクト内での詰り
が起こることがあつた。従つて、このような排出
ダクト内での詰まりを防止する為には、ダクト途
中にブロア等の補助送り込み装置が必要になり、
構造の大型化を招来する虞があつた。

本考案の目的は集草器での排出ダクトとの接続
口の合理的な位置設定によつて、従来構造にかか
る欠点を解消するとともに、満杯後の放出作業も
容易に行えるものを提供する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は前記集草器を、一側面
に開口を有する有底筒状容器に形成するととも
に、前記集草器開口に、排出ダクトとの接続口と
この接続口の周囲にエアー抜き機構を形成した蓋
体を着脱自在に装着し、かつ、前記集草器を、前
記接続口を側方に位置させた切断芝取入れ用の倒
伏姿勢と、接続口を上方に位置させた取出し用の
起立姿勢とに切換可能に構成してある点にあり、
その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、前記集草器が切断芝を取入れる際には
前記接続口を側方に位置させた倒伏姿勢になるこ
とによつて、モーアと接続口との高低差（揚程）
を少なくでき、切断芝を接続口に送り込むに、排
出ダクト内にブロア等の補助動力を必要とするこ
となく、モーアでの送風力だけでも、詰まりなく
円滑に送り込める。しかも、前記接続口の周囲に
エアー抜き機構が設けられているので、このエア
ー抜き機構が蓋体と対向する底面に設けられた場
合にくらべて、集草器内に切断芝が底面から徐々
に集積されてきても、蓋体に設けられたエアー抜
きが閉塞されることがないので、側方から芝を取
入れる形態の割りには集草器の集草容量一杯に詰
め込むことができる。

又、満杯後芝を放出する際には蓋体を上方に向
けた起立姿勢に切換えるようにしてあるので、切
断芝取入れ時にあらかじめ集草器内にポリ袋等の
放出用袋を装着してこの袋内に接続口を通して切
断芝を取入れ、満杯後起立姿勢状態で蓋体を取外
し、この袋を上方に引き上げるだけの操作でよい
ので、前記袋に集草器から移し変えるといつた人
手作業も必要でなく、放出用袋を有効に活用でき
る。

〔考案の効果〕

その結果、排出ダクト内での詰まり現象を抑制
でき、集草作業を円滑に行えるとともに、集草器
内一杯に芝を詰め込むことができるので、満杯後
の放出にかかる集草作業停止回数を低減化でき、
作業能率の向上を図ることができる。

但し、同様の効果を奏するものとして、U.S.
Patent 3934392号公報及びU.S.Patent 4095398
号公報に開示されたものがあるが、これらは何れ
も満杯後の放出姿勢が下向きであるために、一旦
集草器内のポリ袋に集草された切断芝が姿勢切換
する及びポリ袋を取出す際に、器外に漏れ出易い
ものであるが、本考案の場合は上向きに引き上げ
てポリ袋を取出すので、漏れ出る虞はなく、芝が
漏出することによつて必要になる刈場の後始末も
要せず、かつ、刈場に放出された後のポリ袋の回
収も容易で、専用の放出場所がいらない。

〔実施例〕

第４図に示すように、機体前部ボンネツト１内
にエンジン２及び燃料タンク３を設けるととも
に、後部に操縦ハンドル４、運転席５、及び、左
右偏平なデツキ６を備えた操縦部７を形成した機
体を前後車輪８，９で支持して刈取走行可能に、
かつ、前後車輪８，９の中間位置にモーア１０及
びこのモーア１０から左右後車輪９，９の間に位
置して後方に延出された排出ダクト１１並びに集
草器１２を備えてローントラクタを構成してあ
る。

伝動機構を詳述すると、前記エンジン２の下向
き出力軸１３に上下二段に出力プーリ１４，１５
を嵌着するとともに、下段プーリ１５と前記モー
ア１０入力軸に嵌着された入力プーリ１６とをベ
ルト１７連結して作業装置伝動機構を構成してあ
る。一方、上段出力プーリ１４にはベルト無段変
速装置１８を介してミツシヨンケース１９の入力
プーリ２０をベルト２１，２２連結し、このミツ
シヨンケース１９下端に軸支された後車輪９，９
を駆動可能に走行伝動系を構成してある。

前記集草器１２は集草器１２の管内径Ｄと略等
しい開口１２Ａを一側面に有する有底筒状容器
と、前記排出ダクト１１の排出口１１Ａを接続可
能な接続口２３ａとこの接続口２３ａの周囲にエ
アー抜き機構２３ｂを形成しかつ前記開口１２Ａ
に装着された蓋体２３とから構成されている。前
記集草器１２はその内部空間にモーア１０からの
切断芝を受止め収納し、満杯後共に放出されるポ
リ袋２４を内装し、ポリ袋２４の上端開口部を全
周に亘つて前記蓋体２３と集草器１２本体上縁と
で挟み込み、袋の開口姿勢を維持するように構成
されている。

前記集草器１２の支持構造を詳述すると、機体
左右フレーム２５，２５の後端から固定支持フレ
ーム２６，２６を後方に向けて延出するととも
に、この固定フレーム２６，２６に前記集草器１
２を横軸心Ｘ周りで揺動可能に支持するブラケツ
ト２７，２７を立設してある。このブラケツト２
７，２７には集草器１２から延出された支持軸２
８，２８が支承され、一方の支持軸２８はブラケ
ツト２７を貫通突設している。そして、この突出
端に前記集草器１２を一体的に前記支持軸軸心周
りで回動操作可能な操作レバー２９を、前記支持
軸２８軸心に直交する軸心周りで曲折可能に、か
つ、つる巻きスプリング３０によつて集草器側に
付勢された状態で枢支してある。前記操作レバー
２９にはこの操作レバー２９の左右への揺動操作
を案内するガイド溝３１Ａを設けた案内板３１を
嵌着し、このガイド溝３１Ａの両端に、溝３１Ａ
方向と直交する方向への拡張部３１ａ，３１ａを
設け、前記付勢力によつて前記操作レバー２９を
この拡張部に係合保持して、前記ガイド溝３１Ａ
に沿つた移動を規制するようにしてある。つま
り、前記集草器１２の切断芝取入れ用倒伏姿勢で
一方の前記拡張部３１ａに係止保持された操作レ
バー２９を前記付勢力に抗して他方の拡張部３１
ａに向けて揺動させその拡張部３１ａに係止保持
して、前記倒伏状態から起立姿勢に切換えられた
その姿勢を維持可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る芝刈機の実施例を示し、第
１図は集草器分解斜視図、第２図は集草器の背面
図、第３図は操作レバー支持構造を示す平面図、
第４図は全体側面図である。 １０……モーア、１１……排出ダクト、１２…
…集草器、１２Ａ……開口、２３……蓋体、２３
ａ……接続口、２３ｂ……エアー抜き機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モーア１０からの切断芝を排出ダクト１１を介
   して集草器１２に供給するよう構成してある芝刈
   機であつて、前記集草器１２を、一側面に開口１
   ２Ａを有する有底筒状容器に形成するとともに、
   前記集草器１２開口１２Ａに、排出ダクト１１と
   の接続口２３ａとこの接続口２３ａの周囲にエア
   ー抜き機構２３ｂを形成した蓋体２３を着脱自在
   に装着し、かつ、前記集草器１２を、前記接続口
   ２３ａを側方に位置させた切断芝取入れ用の倒伏
   姿勢と、接続口２３ａを上方に位置させた取出し
   用の起立姿勢とに切換可能に構成してある芝刈
   機。