JPH041689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は主としてラジオカセツト・ステレオ・
テレビジヨン受像機等の民生用電子機器に使用さ
れるプリント基板取付用のスライド式可変抵抗器
のに関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、プリント基板取付用で細形のスライド式
可変抵抗器は第１図および第２図に示すように、
厚手の絶縁基板の表面に抵抗層１および導体層２
を印刷等により形成した後、長方形に打抜き加工
した抵抗基板３の端部にそれぞれプリント基板支
持脚兼用の外部端子４，５および６のめ等によ
り固着すると共に、この抵抗基板３に挿通して装
着され弾性脚７を有する摺動体８の内側に、上記
抵抗層１および導電層２間を橋絡する摺動子９を
固着する構成が一般的である。

しかしながら、このような構造において摺動体
８の直線運動のスライドガイドになるのは、打抜
き加工された厚手の絶縁基板から成る抵抗基板３
の上下端面３ａ，３ｂであり、この端面３ａ，３
ｂはプレス加工による破断部の凹凸があるため、
摺動体８の操作レバー部１０を手で持つてスライ
ドさせる時にはこの基板端面３ａ，３ｂの凹凸を
弾性脚７およびその対向面を通じて摺動体８がひ
ろつてしまい、これを操作レバー１０を介して手
に感じることになる。即ち、非常に不快な操作感
触になるという欠点があつた。

このため、一般には抵抗基板３を打抜き加工後
にその上下端面３ａ，３ｂを切削・研摩等するこ
とにより凹凸を少くする方法がとられているが、
加工費用を要すると共に寸法の変動があり、ま
た、これらの加工を施しても完全に切断面を滑ら
かにすることは困難であつた。

更に、本タイプのスライド式可変抵抗器の欠点
として、摺動体８の直線運動終端のストツパーの
役目および可変抵抗器をプリント基板に取付ける
際にプリント基板に当接する支持台の役割を、抵
抗基板３の端部にめ等により固着された外部端
子４，５および６にもたせているが、これらの目
的に合わせて端子および固着部を強化するために
はかなり大きな寸法とする必要があり、可変抵抗
器端部の寸法が大きくなつてしまうという欠点も
あつた。

また、本タイプのスライド式可変抵抗器を第３
図に示すようにセツトに取付けた状態において
は、操作レバー部１０を取出すためセツトパネル
１１に設けられた長孔１２から矢印で示す如く誤
つて何かを差し込んだり塵埃等が入つたりする
と、抵抗基板３上の抵抗層１および導電層２の摺
動子９が摺動する部分に直接入り込みこれらの面
を傷つけたり汚したりして電気的故障をひき起こ
す危険性があつた。

考案の目的 本考案はこのような問題を解決すべく考案され
たものであり、抵抗基板打抜き加工端面部による
操作レバー操作感触の不快感を無くすると共に、
外部端子取付け部も小さくし、更に使用時に外部
からの危害を受け難い細形のスライド式可変抵抗
器を提供しようとするものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は長方形抵抗
基板の上下平行部を成形樹脂で一定の厚さに覆
い、この部分を摺動体の直線摺動時にスライドガ
イドとすることにより操作感触を良好にすると共
にセツト使用時における外部から抵抗基板印刷面
への危害を防ぐ防護壁の役目をさせ、更に成形樹
脂により端子部の補強をして摺動体のストツパー
およびプリント基板への取付台部を形成した細形
のスライド式可変抵抗器の構造に関するものであ
る。

実施例の説明 第４図〜第７図は何れも本考案の実施例を示す
ものであり、第４図は分解斜視図、第５図は側面
図、第６図および第７図は第５図Ａ−A′線およ
びＢ−B′線における断面図である。

図において２１は長方形のフエノール樹脂積層
板等から成る抵抗基板で、その片側面には長方形
の長辺と平行に直線状抵抗層２２および導電層２
３が印刷等により形成され、その端部には夫々外
部端子２４，２５，２６および２６′がめによ
り固着されている。そして長方形抵抗基板２１の
平行な長辺の上下端２７，２８および両端の外部
端子着部２９，３０は抵抗基板２１の端面を包
むように表裏両面に亘つて成形樹脂で覆われてい
る。この抵抗基板２１の周囲を囲う成形樹脂層の
うち、平行上下端部２７，２８を覆う平行部分３
１，３２は、後述する摺動体３８の良好なスライ
ドガイドとするため抵抗基板２１の上下端２７，
２８を包んで円滑な表面とし両者が平行を保つよ
うに一定の厚さで覆われ、両端の外部端子着部
２９，３０を覆う両端部分３３，３４は平行部３
１，３２よりもやや厚くなつており、両者の境目
の部分には段部３５が設けられている。この段部
３５は後述する摺動体３８の直線運動終端のスト
ツパーの役目をするものである。

また、この両端部３３，３４の下方にはやや巾
広になつた支持台部３６が一体に形成されてい
る。この支持台部３６は可変抵抗器をプリント基
板３７に取付ける際にプリント基板３７に当接し
て高さを決めるものである。（第７図参照） この周囲を成形樹脂で覆われた抵抗基板２１の
平行部３１，３２には弾力性を有する成形樹脂製
のコの字形摺動体３８がその上下の対向保持部３
９，４０の対向した夫々の溝部４１，４２に平行
部３１，３２を嵌合させるよう樹脂の弾性を利用
してはめ込むことにより装着されている。４３は
この摺動体３８を操作するための操作レバー部で
あり、更に摺動体３８から一体に形成された２個
の弾性脚４４，４５はその先端部４６，４７で抵
抗基板２１の平行部３１，３２を弾圧して摺動体
３８のスライド運動時に一定の動作力を生じるも
のである。

また抵抗基板２１と対向した摺動体平板部４８
には前記直接抵抗層２２導電層２３間を橋絡摺動
する弾性金属製の摺動子４９が取り付けられてい
る。

ここで、摺動体３８に一体に設けられた操作レ
バー部４３を抵抗基板２１の平行部３１，３２を
ガイドとして摺動させることにより、摺動体３８
の弾性脚４４，４５の先端４６，４７が平行部３
１，３２を弾圧しながら摺動子４９が直線抵抗層
２２および導電層２間を橋絡摺動していき、外部
端子２４，２６または２６′間および２５，２６
または２６′間の抵抗値が変化すると共に、その
摺動の終端においては摺動体３８の端部５０また
は５１が両端樹脂部３３または３４の段部３５に
当接することにより止められる。

第８図はこのスライド式可変抵抗器をセツトに
取付けた状態を示しており、操作レバー部４３を
セツトパネル５２の長孔５３から取出している。

本考案の実施例は以上の如く構成されるもので
あり、次の如き特長を有する。

(1) 摺動体３８の直線運動のスライドガイドとな
る抵抗基板２１の平行上下端２７，２８は、円
滑な表面の成形樹脂で覆われた平行部分３１，
３２なので、操作レバー部４３を持つて摺動体
３８をスライドさせる時にコの字形摺動体３８
の対向保持部３９，４０の対向した溝部４１，
４２および２個の弾性脚４４，４５を通して感
じるスライド感触は従来品に比べて非常に円滑
で良好なものである。

(2) 摺動体３８のスライド運動のストツパーとな
るのは抵抗基板２１の平行部３１，３２と外部
端子着部２９，３０を覆つた終端樹脂部３
３，３４との間の段差３５であり、また本可変
抵抗器をプリント基板３７に取付ける際にプリ
ント基板３７に当接する支持台の部分３６も成
形樹脂で同時に形成されているので、外部端子
２４，２５，２６および２６′とその着部に
対しては機械的（強度的）な負担は殆んど加わ
らない。従つて、外部端子２４，２５，２６お
よび２６′とその着部２９，３０はその電気
的導通の役割を果たせばよく、小さな寸法で良
いため可変抵抗器の長さ寸法を小さくすること
ができる。

(3) 本スライド式可変抵抗器を第８図に示すよう
にセツトに取付けた状態において、抵抗基板２
１の平行上部２７を樹脂で覆つた平行部分３１
は抵抗基板２１上の抵抗層２２および導電層２
３に対し表面から突出している分が防護壁の役
目をするので、操作レバー部４３を取り出すセ
ツトパネル５２の長孔５３から何かを差し込ん
だり塵埃等が入つたりすることに対して有利と
なつている。

この効果は摺動体３８の操作レバー４３の取
付け位置を抵抗基板２１の裏面側にすることに
より更に有効となる。

(4) 本考案は抵抗基板２１の周囲を成形樹脂で覆
うため抵抗基板２１の板厚は小さいものでよ
く、また成形加工に要する費用も従来品の厚い
基板を打抜き加工後に切削・研摩する場合に比
較すると大差なく連続的に成形加工するとかえ
つて安価になり、その効果を考えると非常に有
利である。

考案の効果 以上のように本考案のスライド式可変抵抗器
は、操作性に優れ小形化も図れ、安全性、防塵性
にも有効でコスト的にも有利であるなどの利点を
もち、実用的価値の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスライド式可変抵抗器の側面
図、第２図は同断面図、第３図は同セツト取付状
態の断面図、第４図は本考案の一実施例のスライ
ド式可変抵抗器の分解斜視図、第５図は同側面
図、第６図は同第５図のＡ−A′線断面図、第７
図は同第５図のＢ−B′線断面図、第８図は同セ
ツト取付状態の断面図である。 ２１……抵抗基板、２２……抵抗層、２３……
導電層、２４〜２６，２６′……外部端子、２７，
２８……上下端、２９，３０……端子着部、３
１，３２……平行部分、３３，３４……両端部
分、３５……段部、３６……支持台部、３８……
摺動体、３９，４０……対向保持部、４１，４２
……溝部、４３……操作レバー部、４４，４５…
…弾性脚、４６，４７……先端部、４８……摺動
体平板部、４９……摺動子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 長方形絶縁基板の片面中央部に直線状抵抗層
   と導電層を設けその端部にそれぞれの層と導通
   する外部端子を着した外部端子着部を設け
   た抵抗基板と、この抵抗基板の平行する上下端
   の少なくとも上端側に上記直線状抵抗層および
   導電層に対し表面から突出して設けた防護壁と
   直線状抵抗層と導電層の端部側に設けたストツ
   パー用段部および上記抵抗基板の下端側に設け
   たプリント基板に取り付ける際に当接する支持
   台部と上記抵抗基板の上記平行する上下端を覆
   う平行部とを一体に設けるとともに、更に上記
   外部端子着部を覆う成形樹脂層と、この成形
   樹脂層を上下および板厚方向から挟持してスラ
   イドガイドとすることにより直線摺動する摺動
   体と、この摺動体に保持され上記抵抗基板上の
   直線状抵抗層および導電層間を橋絡摺動する摺
   動子とで構成したスライド式可変抵抗器。 (2) 摺動体を駆動する操作レバー部を摺動体の抵
   抗基板の裏側に位置する部分から抵抗基板と平
   行な方向に設けたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のスライド式可変抵抗
   器。