JPH041659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は映像機器などに利用される電子機器に
関するものである。

従来の技術 一般に映像機器分野等においては、内部の回路
部をシールドケースにアースすることが必要とさ
れている。

そのような従来例としては、第４図，第５図に
示すものがある。すなわち、中央にビス挿通孔１
を設けた円板部２の外周の一部に接続足３を突出
させたアースラグ４を用いて、シールドケース５
と絶縁カバー６との結合部間に上記アースラグ４
を介在させ、ビス７とナツト８により３者を結合
し、シールドケース５内に配置した各種電子部品
を組込んで回路を構成するプリント基板９に上記
アースラグ４の接続足３を接続していた。

また、他の従来例として、第６図に示すように
アースラグ４の円板部２に数個の突起１０を設け
た構成とし、第７図に示すようにプリント基板９
とシールドケース５とを接続するものも利用され
ていた。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の構成において、アースラグ４として
平板状のものを用いるものは、ビス７とナット８
との締付具合によつて電気的接続の状態が左右さ
れ、信頼性に欠けるものであつた。

また、複数の突起１０を有するアースラグ４を
用いたものは、この突起１０がシールドケース５
に圧接するため電気的な接続状態は安定したもの
になるが、シールドケース５に対して絶縁カバー
６は、シールドケース５の開口部に挿入するよう
に組込む場合が多く、この絶縁カバー６上にアー
スラグ４を載置してシールドケース５に組込むと
き、第８図に示すようにアースラグ４の突起１０
がシールドケース５の端面に当つて組込みにく
く、組立ての作業性の悪いものとなり、シールド
ケース５と絶縁カバー６との寸法差をかなり大き
くとる必要があり、これによつて両者間にギヤツ
プが生じ、この点で安全性，信頼性に劣るものと
なつていた。

本考案は以上のような従来の欠点を除去するも
のであり、組立てやすく、しかも電気的接続性に
も優れ、かつ安全で信頼性に富んだ電子機器を提
供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案の電子機器
は、シールドケースに組込む絶縁カバーと上記シ
ールドケースとの結合部に、内部回路部に接続さ
れた接続足を有し円板部の周辺の少なくとも２個
所に上方に折曲した折曲部を設けたアースラグを
配置した構成としたものである。

作 用 上記構成とすることにより、アースラグの折曲
部は円弧状テーパを構成するため、シールドケー
スに絶縁カバーとともに挿入するときスムーズに
組込め、しかもこの折曲部がシールドケースにバ
ネ性をもつて圧接するため電気的接続も安定した
ものとすることができる。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面第１図〜第３図
を用いて説明する。

１１は金属によつて構成されたシールドケース
であり、このシールドケース１１の開口部には合
成樹脂により形成された絶縁カバー１２が組込ま
れている。この絶縁カバー１２は断面コ字状とな
つており、シールドケース１１への結合部１３は
肉薄部となつている。しかも、この絶縁カバー１
２には各種電子部品を組込んで電子機器としての
回路部を構成するプリント基板１４を保持する支
持棒１５が設けられている。

この絶縁カバー１２の結合部１３にはアースラ
グ１６が組込まれる。このアースラグ１６は第２
図に示すように上記プリント基板１４に接続され
る接続足１７を有し、この接続足１７の一端に円
板部１８を設け、この円板部１８の中央にビス１
９を挿通するビス挿通孔１９′を設け、しかも、
この円板部１８の周辺の少なくとも２個所に上方
に90度以内の角度に折曲した折曲部２０が設けら
れて構成されている。

そして、シールドケース１１、アースラグ１
６、絶縁カバー１２は、上記ビス１９を絶縁カバ
ー１２の支持棒１５に螺合して結合される。

これで、回路部としてのプリント基板１４とシ
ールドケース１１とはアースラグ１６により確実
に電気的に接続され回路部はシールドケース１１
にアースされた状態となる。

また、組立ては、第３図に示すように、シール
ドケース１１の開口部からアースラグ１６を接続
したプリント基板１４を組込んだ絶縁カバー１２
を挿入していく。このとき、アースラグ１６の折
曲部２０がシールドケース１１の端面に当接する
が、この折曲部２０は円弧状テーパ面となつてい
るため、しかもバネ性をもつているためたわんで
簡単に挿入でき、十分に挿入し終つた段階でビス
１９を螺合して組立てを終了する。

このようにアースラグ１６の折曲部２０は金属
板を折曲したバネ性をもつており、したがつてシ
ールドケース１１や絶縁カバー１２の経年変化、
さらにはビス１９の締付力の変化に対しても対応
でき、シールドケース１１への接触は安定したも
のとなり、電気的接続の信頼性に富んだものとす
ることができる。

考案の効果 以上のように本考案の電子機器は円板部の周辺
の少なくとも２個所に上方に立上がる折曲部を設
けたアースラグを用いるため、折曲部のバネ性に
よつてシールドケースと内部の回路部との電気的
な接続状態は著しく安定し、確実に内部の回路部
をシールドケースにアースさせることができると
ともに、絶縁カバー上にアースラグを載置して、
シールドケースの開口端に組込む際にも、折曲部
の円弧状テーパ面で容易に組込め、作業性の向上
が図れるとともに、折曲部のバネ性を利用してた
わませるため、絶縁カバーとシールドケースとの
結合部の寸法を大きく異ならせる必要もなく密閉
性も保て安全性，信頼性の向上を図ることもでき
るなどの利点をもち、実用的価値の大なるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電子機器の一実施例を示す要
部の断面図、第２図は同電子機器に用いるアース
ラグの斜視図、第３図は同組立て途上の要部の上
面図、第４図は従来の電子機器に用いるアースラ
グの斜視図、第５図は同アースラグを用いた電子
機器の要部の断面図、第６図は他の従来のアース
ラグを示す斜視図、第７図は同アースラグを用い
た電子機器の要部の断面図、第８図は同組立て工
程を示す説明図である。 １１……シールドケース、１２……絶縁カバ
ー、１３……結合部、１４……プリント基板、１
５……支持棒、１６……アースラグ、１７……接
続足、１８……円板部、１９……ビス、２０……
折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールドケースに組込む絶縁カバーと上記シー
   ルドケースとの結合部に、内部回路部に接続され
   た接続足を有し円板部の周辺の少なくとも２個所
   に上方に立上がるように折曲した折曲部を設けた
   アースラグを配置した構成とする電子機器。