JPH0415725B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、多層延伸ポリエステル容器の製造法
に関するもので、より詳細には共押出法と射出法
との組合せにより、延伸ブロー成形用多層有底プ
リフオームを形成させることを特徴とする多層延
伸ポリエステル容器の製造法に関する。

従来の技術及び発明の技術課題 延伸ポリエステルボトルの成形は今日では一般
的で、その得られた成形容器はその優れた透明性
と適当なガスバリヤー性によつて液体洗剤、シヤ
ンプー、化粧品、醤油、ソースなどの液体商品の
容器の他、近年ビール、コーラ、サイダーなどの
炭酸飲料や果汁、ミネラルウオーターなどの清涼
飲料用容器に広く用いられるに至つている。

しかし延伸ポリエステルボトルもプラスチツク
なるが故にガラスびん、金属かも等の完全に密封
されたものにあつてはガスの透過性はゼロに等し
いとみてよいのに対し、延伸ポリエステルボトル
は酸素、炭酸ガスなどに対し僅かではあるが透過
性を有しており、かん、ガラスびんより食品の充
填保存性に劣り、とくに炭酸ガス入り飲料にあつ
ては炭酸ガス損失を生み、ビール、コーラ、サイ
ダーなどにおいては明瞭な保存期間の限度をもつ
ている。

延伸ポリエステルボトルのガスバリヤー性を改
善するために、ポリエステルをエチレン−ビニル
アルコール共重合体の如きガスバリヤー性樹脂と
組合せて積層体の形の多層有底プリフオームを軸
方向及び周方向に延伸ブロー成形する方法が提案
されている。多層有底プリフオームの製造には、
共射出法と共押出パイプ法とが提案されている
が、それぞれ一長一短がある。

先ず共射出法では、ポリエステルPET樹脂と、
ガスバリヤー性樹脂とを同時に金型内に射出して
多層のプリフオームを得る。

次いで、このプリフオームを適切な温度に加熱
し、ブロー金型に挟み高圧エアーを吹き込みなが
ら延伸ブローする。しかしながら、この方法で成
形されたプリフオームは現在試験的に成功してい
るが、プリフオームを多数個取りで射出成形する
にはプリフオーム金型内に２種類以上のメルトチ
ヤンネルを設ける必要があり、金型内構造が複雑
になる。

また、この方法ではPET樹脂と接着力を有す
る樹脂を共射出する場合は層間剥離はしないが、
PET樹脂と接着力を有しない樹脂との組合せで
は層間剥離を生じ容器としては実用に供すること
ができない。

さらに、この方法では共射出による欠点として
ガスバリヤー樹脂の分布が射出条件で変るため均
一分布が困難であること及びバリヤー樹脂の厚み
の制限もあり薄いガスバリヤー樹脂の共射出は困
難な点もある。

一方共押出パイプ法では、２種類以上の樹脂を
樹脂の種類に対応する数の押出機で加熱溶融し、
ダイヘツド内のメルトチヤンネルを通り多層の均
一分布したパリソンを得る。

次いで、パリソンはサイジングフオーマーで寸
法が規制され、冷却槽を通して冷却される。次に
冷却されたパイプは所定の長さに切断する。切断
されたパイプは次の工程でネジ部、底部を成形す
る。成形方法はまずパイプの一方の端面を適切な
温度に加熱し金型に挾み高圧エアーを吹き込み底
部を成形する。

次にもう一方のパイプ端面を適切な温度に加熱
しネジ金型に挾み高圧エアーを吹き込みネジ部を
成形する。

この時、初めにネジ部を成形し、その後に底部
を成形することも出来ることは言うまでもない。

この様にして得られたプリフオームは、次に適
切な温度に加熱された後、ブロー金型に挾み高圧
エアーを吹き込み延伸ブローする。したがつて、
共押出パイプ法ではPETと接着する樹脂の組合
せによる容器は勿論のこと、PHTと接着力を有
しない樹脂であつても両樹脂に接着力を有する接
着剤を間に介することによつて強固に接着力を有
する容器を成形することができる。

また、この方式では容器の必要特性に合わせて
ガスバリヤー材料等の厚みの調整を自由に出来る
特長もある。

一方欠点としては、ネジ部分の成形が射出法と
異なり圧縮ブロー併用となるため、射出法並みの
精度にするのが、困難であること、及びネジ部の
寸法に制約があり自由にデザインすることが出来
ない点がある。

発明の目的 従つて、本発明の目的は上記従来法の欠点が改
善された多層延伸ポリエステル容器の製造法を提
供するにある。

本発明の他の目的は、共押出パイプ法による上
記利点と射出法による利点とを兼ね備えた多層延
伸ポリエステル容器の製造法を提供するにある。

本発明の更に他の目的は、寸法精度のよい容器
口頚部の形成が可能であり、しかもポリエステル
とガスバリヤー性樹脂との耐層間剥離性にも優れ
ており、しかもガスバリヤー層の厚みの調節も自
由に行い得る多層延伸ポリエステル容器の製造法
を提供するにある。

発明の構成 本発明によれば、少なくとも胴部が熱可塑性ポ
リエステルと熱可塑性ガスバリヤー性樹脂との積
層体から成る有底プリフオームを、軸方向と周方
向とに二軸延伸ブー成形することから成る多層ポ
リエステル容器の製造法において、熱可塑性ポリ
エステルと熱可塑性ガスバリヤー性樹脂との共押
出成形により多層パイプ乃至チユーブを製造し、
この多層パイプ乃至はチユーブを一定の長さに切
断した後、この胴部の一端部を融着閉塞して底部
を成形し、上端に開口部及び外周に蓋との嵌合部
或いは螺合部を有する口頚部を熱可塑性ポリエス
テルの射出成形により製造し、該胴部と口頚部と
を、射出金型内又は射出金型外で融着一体化して
延伸ブロー成形用の有底プリフオームを形成し、
予備加熱後のプリフオームを軸方向延伸と同時乃
至は殆んど同時にブロー延伸を行うことを特徴と
する多層ポリエステル容器の製造法が提供され
る。

発明の好適態様 本発明をその好適態様について以下に詳細に説
明する。尚、以下には、ガスバリヤー性樹脂とし
てエチレン−ビニルアルコール共重合体を例にと
つて説明するが、本発明は後述するように、この
例に限定されない。

第１図は、本発明の目的に特に好適な多層パイ
プを示すものであり、この多層パイプ１は、ポリ
エステルの内層２及び外層３、エチレン−ビニル
アルコール共重合体の中間ガスバリヤー層４及び
これらの間に介在する接着剤層５ａ，５ｂから成
つている。

パイプは共押出により製造することが重要であ
ることは後に述べるが、押出されたパイプは、ポ
リエステルの結晶化を防止するために、水に浸漬
する等して急冷することが重要である。

このパイプを一定の寸法に切断した後、第２−
Ａ図に示す通り、この一端部１ａをヒーター１０
ａで加熱溶融して、例えば第２−Ｂ図に示す通り
半円球状等の任意の底形状に対応するキヤビテイ
１０ｂを有する雌金型１０ｃ及び突起部１０ｄを
有する雄金型１０ｅで押圧し、第２−Ｃ図に示す
如くパイプ状胴部６の一端に底部７を形成する。
パイプ状胴部６の他端部８は開口した状態にあ
る。

本発明においては、先ずポリエステルとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の如きガスバリヤ
ー性樹脂とを、パイプに共押出することに第一の
特徴がある。即ち、この共押出は、溶融ポリエス
テルと溶融エチレン−ビニルアルコール共重合体
をダイス内で合流させ、リング状オリフイスを通
して押出すことにより行われるが、この２種類の
樹脂は双方が溶融状態で或る時間接触するため、
両者の界面では樹脂同志の混じり合いが良く生
じ、両者の熱接着が多層射出成形の場合とは比較
にならない程強固に行われるものである。これ
は、ポリエステルとエチレン−ビニルアルコール
共重合体との間に接着性樹脂を介在させた場合で
も全く同様である。

次に、この共押出多層パイプ乃至はチユーブを
一定の長さに切断した後、その一端部を融着閉塞
して底部に成形することが第二の特徴である。即
ち、この有底プリフオームとすることにより、予
備加熱後のプリフオームに延伸棒を押し当てなが
ら、軸方向延伸と同時乃至は殆んど同時にブロー
延伸を行うことが可能となり、逐次延伸の場合に
認められるエチレン−ビニルアルコール共重合体
層のクラツクや潜在的クラツクの発生が解消され
るものである。

この点に関して説明すると、エチレン−ビニル
アルコール共重合体は、ポリエステルの延伸適正
温度において、延伸性、特に二軸延伸性に著しく
欠けるという問題がある。即ち、ポリエステルと
エチレン−ビニルアルコール共重合体との共押出
多層パイプをクランプで挾持して軸方向に延伸
し、次いでブロー延伸すると、エチレン−ビニル
アルコール共重合体層には軸方向に多数の裂け目
乃至は潜在的クラツクが発生するという傾向が認
められる。これは軸方向延伸でエチレン−ビニル
アルコール共重合体層にフイブリル化現象に似た
現象を生じ、次の延伸操作で裂け目等が発生する
ためと思われる。

本発明によれば、共押出による積層体を同時延
伸ブローを行うことにより、このようなフイブリ
ル化現象が回避されるのである。

ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタ
レートや、エチレンテレフタレート単位を主体と
し、他にそれ自体公知の改質用エステル単位の少
量を含むコポリエステル等が本発明の目的に使用
される。このポリエステルはフイルムを形成し得
るに足る分子量を有していればよい。

本発明において、ガスバリヤー性樹脂として、
有利にはエチレン−ビニルアルコール共重合体一
般にエチレンと酢酸ビニル等のビニルエステルと
の共重合体をケン化して得られる共重合体が使用
され、成形作業性とバリヤー性とを考慮すると、
エチレン含有量が15乃至50モル％、特に25乃至45
モル％のもので、ケン化度が96％以上のものが有
利に用いられる。この共重合体の分子量はフイル
ム形成能を有するものであればよい。

必らずしも必要でないが、ポリエステル層とエ
チレン−ビニルアルコール共重合体層との接着性
を増強させるために、それ自体公知の任意の接着
剤を用いることができる。コポリエステル系接着
剤、ポリエステル−エーテル系接着剤、エポキシ
変性熱可塑性樹脂、酸変性熱可塑性樹脂剤等がこ
の目的に使用される。

ポリエステル基体PET、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体EVAC、接着剤層ADは、種々
の層構成で用いることができ、例えば外層を左
側、内層を右側として、 PET／EVAC，EVAC／PET PET／AD／EVAC，EVAC／AD／PET， PET／EVAC／PET，PET／AD／
EVACAD／PET 等の層構成で用いることができる。

層の厚みは、種々変化させ得るが、一般に、 PET：EVAC＝２：１乃至５：１、特に３：１
乃至４：１の範囲の厚み比とするのがよく、接着
剤層を用いる場合にはPET：AD＝20：１乃至
50：１特に30：１乃至40：１の範囲の厚み比とす
るのがよい。

本発明によれば、有底プリフオームの胴部を共
押出パイプ法で形成する一方で、口頚部をポリエ
ステルの射出法で形成し、射出金型の内部又は外
部で熱融着により一体化する。口頚部の射出と胴
部への融着とを金型内で一挙に行う態様（インサ
ート射出法）を示す第３−Ａ図及び第３−Ｂ図に
おいて、第３−Ａ図は金型が開いている状態を、
第３−Ｂ図は金型が閉じている状態を夫々示す。

先ず、口頚部の射出に先立つて、パイプ状胴部
６の端部８に、射出される口頚部との係合を確実
にするために、プリフオーム軸方向及び周方向へ
の係合が確実に行われるような切欠９を、切削加
工或いは加熱圧縮成形等の手段で設ける。

射出金型は、パーテイングライン１１を有し且
つ内部に成形すべき口頚部の外周面に対応する内
周面１２を有する一対の割金型１３ａ，１３ｂ
と、固定された雄金型１４とから成つている。割
金型１３ａ，１３ｂは水平方向に開閉可能に且つ
昇降動可能に設けられている。雄金型１４は成形
すべき口頚部の内周面に対応する外周面１５とパ
イプ状胴部６内に挿入される先端部１６とを備え
ている。

固定金型１４にはランナー１７が、また割金型
１３ａにはランナー１７とキヤビテイ１８とを結
ぶランナー１９が夫々設けられている。

口頚部の射出成形に先立つて、パイプ状胴部６
を上下動可能な支持具２０で支持し、必要によ
り、その先端８を射出される口頚部との融着が生
ずるような温度に加熱した後、割金型１３ａ，１
３ｂを閉じ、支持具２０及び割金型１３ａ，１３
ｂを上昇させる。これにより、雄金型１４の先端
部１６がパイプ状胴部６の開口部へ挿入される。
また、割金型１３ａ，１３ｂの内周面１２、雄金
型１４の外周面１５及びパイプ状胴部６の先端８
で規定されるキヤビテイ１８が形成される。

ランナー１７及び１９を経て、キヤビテイ１８
内にポリエステルを射出することにより、プリフ
オームの口頚部の形成と、この口頚部のパイプ状
胴部６への融着一体化とが可能となる。

かくして、本発明方法により得られる多層有底
プリフオームを示す第４図において、このプリフ
オーム２１は、多層共押出パイプ法で形成される
パイプ状の胴部６及び閉塞底部７と、ポリエステ
ルの射出で形成された口頚部２２とが一体化され
て形成されており、しかもこの口頚部２２には、
密封用開口端２３、周囲のネジ部２４及び支持リ
ング２５が精度良く形成されていることが顕著な
特徴である。

尚、第３−Ａ及び３−Ｂ図に示す具体例では、
パイプ状胴部６の先端に切欠乃至は係合部９を設
けているが、口頚部２２とパイプ状胴部６の先端
８との融着一体化が完全に行われる限り、このよ
うな切欠乃至は係合部を設けることは必らずしも
必要でない。

また、第３−Ａ及び３−Ｂ図に示す通り、口頚
部の射出とパイプ状胴部の融着一体化とを一挙に
行うことが接合面の仕上げ精度の点で望ましい
が、第５−Ａ及び５−Ｂ図に示す通り、ポリエス
テルの射出で製造された口頚部２２の下端部３０
及び第１図に示すパイプ１或いは第２図に示すパ
イプ状胴部６の上端３１をヒーター３２により加
熱し、ホルダー３２及び加圧プランジヤ３３の組
合せを用いて端面同志を接合してもよい。また口
頚部２２の下端部３０とパイプ状胴部６の上端３
１との接合は、それ自体公知の回転融着（スピン
ウエルド）法によつて行うこともできる。即ち、
融着すべき端部を圧接した状態で一方を回転さ
せ、回転摩擦熱により、両者の融着一体化を図る
ことができる。この回転融着法によれば、融着接
合部分を予じめ加熱しておく必要はない。またポ
リオレフイン等の回転融着法ではポリオレフイン
の微粉を発生するが、特にポリエチレンテレフタ
レート同士の回転融着法では微粉の発生が極めて
少なく、プリフオームの後処理が簡単であるとい
う利点を有する。

第２図に示す様な底部成形は、上記の様に口頚
部２２とパイプ状胴部６との融着一体化の後に行
つてもよいし、或いは予じめ底部成形を行つた後
に、口頚部２２を融着一体化してもよい。

上記方法によるときは多層パイプないしチユー
ブより予備成形品を得るに当つて余分な樹脂部分
を発生せしめない特徴がある。

次に上記有底プリフオームを熱風、赤外線ヒー
ター、高周波誘電加熱等で多層プリフオームの延
伸適正温度まで予備加熱する。この場合温度範囲
は85゜〜120℃望ましくは95℃〜110℃の間のポリ
エステル樹脂の延伸温度まで予備加熱する。

延伸ブロー成形操作を説明するための第６図及
び第７図において、プリフオーム２６の口部にマ
ンドレル２７を挿入すると共に、その口部を一対
の割金型２８ａ，２８ｂで挾持する。マンドレル
２７と同軸に垂直移動可能な延伸棒２９が設けら
れており、この延伸棒２９とマンドレル２７との
間には、流体吹込用の環状通路３０がある。

本発明においては、この延伸棒２９の先端３１
をプリフオーム２６の底部７の内側に当てがい、
この延伸棒２９を下方に移動させることにより軸
方向に延伸すると共に、前記通路３０を経てプリ
フオーム２６内に流体を吹込み、この流体圧によ
りプリフオームを周方向に膨脹延伸させる。

本発明によれば、このように軸方向延伸と周方
向延伸とを同時に乃至は殆んど同時に行うことに
より、ビニルアルコールが高含有のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体層にあつても比較的低い
温度で延伸可能なることが発見されたのである。

このことは、エチレン−ビニルアルコール共重
合体でも高ビニルアルコール含有のものは非常に
延伸が難しく、フイルムの延伸にあつては延伸適
正温度にあつても、縦軸に次いで横軸に逐次延伸
するときは前述した如く延伸途中でフイルムが破
裂してしまうことからしても意外のことである。
またポリプロピレンとエエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体との多層パイプの延伸ブロー成形に
於ては、140゜〜165℃とかなり高い温度領域で多
層内のエチレン−ビニルアルコール共重合体層の
延伸がようやく可能である事実とも考え合わす
と、ポリエステル樹脂の延伸温度範囲85℃〜120
℃、なかでも95℃〜110℃の低い温度領域で、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体が二軸延伸可
能であることは驚くべき事実である。

この理由は、ポリエステル層にエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体層が載せられた状態で共延
伸が行われ、しかも共延伸時に両樹脂層の層間剥
離が抑制されること及び二軸延伸が同時にしかも
バランスよく行われることにあるものと推定され
る。

かくして得られた多層延伸ポリエステルボトル
はすぐれた透明性の他、他のプラスチツクボトル
よりすぐれるポリエステル（延伸PET）単体ボ
トルよりなお非常に高いガスバリヤー性を有し、
かつ必要に応じそのガスバリヤー性は調整可能
で、さらにこのボトルは耐圧性をも具備し、炭酸
ガス入りの飲料、すなわちビール、コーラ、サイ
ダーの充填保存も極めて容器であり容易は衛生的
であり使用済みの容器の廃棄焼却に於ても発生す
るガスは殆んど酸ガスと水のみで有割ガスの発生
もみず易焼却処理性の特徴があり、ガラスびんに
匹適する透明性、ガス遮断性耐圧性をもちながら
も軽量かつ耐破びん性のある理想的な容器が提供
される。

ガスバリヤー性樹脂をエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体を例にとつて説明したが、このガス
バリヤー性樹脂は、この例に限定されず例えばガ
スバリヤー性の良好な熱可塑性樹脂、例えば、ガ
スバリヤー性ポリアミド（ナイロン）、ガスバリ
ヤー性共重合ポリエステル（米国特許第43980117
号明細書）、ガスバリヤー性ハイニニトリル樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂等にも勿論適用可能であ
る。

また上述した本発明方法によれば、予じめ口頚
部が射出成形により形成されているため、該口頚
部の寸法精度が極めて良好なプリフオームが得ら
れる。

而してこの様に口頚部が寸法精度よく予じめ成
形されていれば、その後結晶化処理を行つて耐熱
性を向上させた場合にも寸法精度は維持される。

口頚部の結晶化は、射出成形により得られた口
頚部のみを予じめ加熱結晶化させ、この結晶化口
頚部をプリフオーム胴部に融着一体化させてもよ
いし、或いは、予じめ成形された口頚部を未結晶
化のままプリフオーム胴部と融着一体化させ、そ
の後プリフオームの状態で口頚部の加熱結晶化を
行うようにしてもよい。

本発明を次の例で説明する。

実施例 １ 直径が65mm、有効長さが1430mmのフルフライト
型スクリユーを内蔵した内外層用押出機、直径が
50mm、有効長さが1100mmのフルフライト型スクリ
ユーを内蔵した中間層用押出機及び接着剤層用押
出機、５層用リング状ダイを用いて、内外層が固
有粘度1.0のポリエチレンテレフタレート、中間
層がビニルアルコール含有量70モル％のエチレン
−ビニルアルコール共重合体、並びに接着剤層が
エポキシ化オレイン酸オクチル10000ppm配合の
マレイン酸無水物グラフと変性高密度ポリエチレ
ンである３種５層の積層パイプをダイより水中に
押出して冷却する。このパイプの外経は30mm、内
径が22mmで、かつ各層の厚さは、内層が1.4mm、
外層が20mm、接着剤層がそれぞれ0.05mm及び中間
層が0.5mmであり、このパイプを一定寸法（長さ
129mm、重さ55ｇ）に切断し、パイプの一端を約
220℃に加熱し半円球状の底部に閉塞形成した。

パイプの開口端に、第３−Ａ図に示すように、
外径が26mmの最上部と外径が24mmの中間部とから
成る切欠係合部を、切削加工により形成された。

このパイプの開口端部のみを230℃の温度に加
熱し、第３−Ａ及び第３−Ｂ図に示す射出成形型
に挿入し、前記ポリエチレンテレフタレート単独
を射出して、密封用開口端、ネジ部及びサポート
リングを備えた口頚部に成形すると共に、パイプ
との融着一体化を行い、金型から冷却後取り出し
た。

この予備成形品を105℃に加熱温調し、ブロー
金型内で縦軸方向に伸長しながら、ブローして横
軸方向の延伸する略同時二軸延伸ブロー成形して
内容積1550c.c.の多層延伸ボトルを得た。

このボトルの酸素透過度は約1.5c.c.／m²・
24H・atm（37℃）であり、高さ120cmよりコンク
リート上への落下で破損もなく、各層間の剥離も
生じなかつた。また、このボトルのネツク部はポ
リエステルの射出成形により精度よく形成されて
いるため、93℃の液体を充填し蓋で密封してもネ
ツク部の変形や漏洩は生じなかつた。

実施例 ２ 実施例１で用いた内外層用押出機、中間層用押
出機、接着剤層用押出機及び５層用リング状ダイ
を用いて、内外層が固有粘度1.0のポリエチレン
テレフタレート、中間層がビニルアルコール含有
量70モル％のエチレン−ビニルアルコール共重合
体、並びに接着剤層がポリアミド（６ナイロン／
6.6ナイロン共重合体）である３種５層の積層パ
イプをダイより水中に押出して冷却する。

このパイプの外径は30mm、内径が22mmで、かつ
各層の厚さは、内層が1.4mm，外層が2.0mm、接着
剤層がそれぞれ0.05mm及び中間層が0.5mmであり、
このパイプを一定寸法（長さ129mm、重さ55ｇ）
に切断し、パイプの一端を約220℃に加熱し、半
円球状の底部に閉塞形成し、有底プリフオームを
得た。

次いで接着部外径30mm、内径が22mmの口頚部
を、ポリエチレンテレフタレートの射出成形によ
り形成し、該口頚部を180℃の温度にて結晶化を
行い、自化させた。

この白化口頚部を上記プリフオームの開放端に
圧接しながら分速500回転で回転させ、両者を融
着一体化し、口頚部付きの有底プリフオームを形
成した。

このプリフオームを、102℃の温度に加熱温調
し、ブロー金型内で縦軸方向に伸長しながら、ブ
ローして横軸方向の延伸が行われる略同時二軸延
伸ブロー成形を行つた。

この際、金型温度を150℃として８秒間のヒー
トセツトを行つた後、成形品を金型内から取り出
し、内容積が1530c.c.の多層延伸ボトルを得た。

このボトルの酸素透過度は約1.5c.c.／m²・
24H・atm（37℃）であり、120cmの高さからコン
クリート上へ落下させても破損もなく、各層間の
剥離も生じなかつた。

またこのボトルの口頚部は、ポリエステルの射
出成形により精度よく形成されたものを結晶化処
理しているため、ねじ寸法精度が維持されてお
り、92℃の湯水を充填しアルミ蓋で密封してもネ
ツク部の変形や漏洩は生じなかつた。

発明の作用効果 この方法で得られたプリフオームから成形した
容器は次の様な特性を有する。

(1) 共射出法及び共押出パイプ法と同等の内容物
保存性を有する。

(2) ネジ部の成形は射出法で成形するので形状の
自由性を有し、又、精度も良く成形することが
出来る。

(3) ネジ部形状の統一化を計ることにより金型の
併用化が可能となる。

(4) 多層パイプの成形は任意にバリヤー性、厚
み、パイプ長さを容易に変更が可能のためネジ
金型の統一化を計ることにより得意先ニーズに
速応することが出来る。

(5) ネジ部はPET単体につき透明性の非常に良
いものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いる多層パイプの断面図、
第２−Ａ図、第２−Ｂ図及び第２−Ｃ図は底部の
形成工程の説明図、第３−Ａ図及び第３−Ｂ図は
口頚部の射出工程を説明する説明図、第４図は本
発明に用いる多層プリフオームの断面図、第５−
Ａ図及び第５−Ｂ図はパイプ状胴部と射出成形口
頚部との融着一体化工程を示す説明図、第６図及
び第７図は予備成形品をブロー金型内に保持し、
ブロー成形前の断面図及びブロー成形後の一断面
図である。 １は共押出多層パイプ、２及び３はポリエステ
ル内層及び外層、４は中間ガスバリヤー層、６は
パイプ状胴部、７は閉塞底部、２１はプリフオー
ム、２２は射出ポリエステル口頚部を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも胴部が熱可塑性ポリエステルと熱
   可塑性ガスバリヤー性樹脂との積層体から成る有
   底プリフオームを、軸方向と周方向とに二軸延伸
   ブロー成形することから成る多層ポリエステル容
   器の製造法において、熱可塑性ポリエステルと熱
   可塑性ガスバリヤー性樹脂との共押出成形により
   多層パイプ乃至チユーブを製造し、この多層パイ
   プ乃至はチユーブを一定の長さに切断した後、こ
   の胴部の一端部を融着閉塞して底部を成形し、上
   端に開口部及び外周に蓋との嵌合部或いは螺合部
   を有する口頚部を熱可塑性ポリエステルの射出成
   形により製造し、該胴部と口頚部とを、射出金型
   内又は射出金型外で融着一体化して延伸ブロー成
   形用の有底プリフオームを形成し、予備加熱後の
   プリフオームを軸方向延伸と同時乃至は殆んど同
   時にブロー延伸を行うことを特徴とする多層ポリ
   エステル容器の製造法。