JPH0414985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、受網を通過した扱室からの漏下物を
揺動送りして選別する一番物漏下用グレンシーブ
とグレンパンとを設けた脱穀機の揺動選別装置に
関する。

〔従来の技術〕

かかる脱穀機の揺動選別装置において、従来で
は、一番物漏下用グレンシーブ上の処理物を扱処
理するあるいは処理物の選別能率を高める特別な
手段を設けていなかつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

例えば圃場において部分的に密であると、その
部分における供給穀稈が大となり、扱室受網から
の漏下物が多くなるが、十分に扱処理されていな
い多くの処理物がグレンシーブ上に存在するた
め、グレンシーブでの漏下量を増加させることが
できず、受網からの漏下物を処理することができ
なくなる虞れがあつた。

又、一番物漏下用グレンシーブ上の処理物が多
い場合において、それら処理物を一挙に揺動選別
することができないため、選別能率が低下する不
都合もあつた。

本考案は、上記実状に鑑みてなされたものであ
つて、その目的は、グレンシーブ上の処理物が多
い場合における選別能率の低下を抑制しながら
も、揺動選別装置での処理能力を増大させるよう
にする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、前記グレンシーブを上下
に配置する第１グレンシーブと第２グレンシーブ
とから構成し、前記第１グレンシーブ上の処理物
を横送りしながら扱処理する螺旋状の回転処理体
を設け、前記回転処理体で横送りされる処理物を
下方へ落下させる開口を前記第１グレンシーブの
横側部に設けると共に、前記開口から落下する処
理物を受止めて後方へ揺動送りする受板を前記第
２グレンシーブの横側部に設けた点にあり、その
作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕 すなわち、グレンシーブを上下に配置する第１
グレンシーブと第２グレンシーブとから構成する
ことによつて、処理物を分散させて、それら処理
物を揺動選別することができる。又、前記第１グ
レンシーブ上の処理物を横送りしながら揉み処理
する螺旋状の回転処理体を設けることによつて、
グレンシーブ上の処理物を単粒化処理しながら籾
の漏下を促進する。

そして、前記回転処理体で横送りされる処理物
を第１グレンシーブの横側部に設けた開口を介し
て下方へ落下させると共に、その開口から落下す
る処理物を第２グレンシーブの横側部に設けた受
板により受止めて、第２グレンシーブ上の処理物
に混入することなく後方へ揺動送りするのであ
る。

〔考案の効果〕

したがつて、グレンシーブ上の処理物を第１グ
レンシーブと第２グレンシーブとに分散させるこ
とによつて、グレンシーブ上の処理物が多い場合
における選別能率の低下を抑制することができ
る。又、第１グレンシーブ上での回転処理体によ
る単粒化、籾の漏下促進作用、ワラ屑の横送り分
散作用によつて、選別精度の向上を図ることもで
きた。

〔実施例〕

第４図に示すように、フイードチエーンにより
供給される穀稈に対して脱穀作用する回転扱胴１
を軸架した扱室Ａの下方から後方に亘つて揺動選
別装置を備える選別室Ｂを設けてある。

前記揺動選別装置を構成するに、前記回転扱胴
１の下方に配設する受網２からの漏下物を揺動送
りして選別する一番物漏下用グレンシーブ３とグ
レンパン４とを、左右一対の揺動枠５，５間に架
設すると共に、前記受網２を漏下せずに扱室Ａの
終端まで移送された後に開口２ａから落下する処
理物を揺動送りして選別する２段式のストローラ
ツク６，６を、前記揺動枠５，５間に架設してあ
る。そして、前記選別室Ｂの底部に、前記グレン
シーブ３の網目を通して漏下する一番物を回収し
て搬出する一番物回収部７、及び、前記グレンシ
ーブ３の終端部を越えて落下する処理物と前方に
位置する前記ストローラツク６からの落下物とを
回収して前記扱室Ａ内に還元する二番物回収部８
を前後に配設してある。さらに、前記グレンシー
ブ３及び前記ストローラツク６に向けて選別風を
送り込む唐箕９による選別風でグレンシーブ３及
びストローラツク６上にあるワラ屑等を後方へ吹
き飛ばすようにしてある。尚、図中１０は、前記
唐箕９により吹き飛ばされたワラ屑を装置外に吸
引排出する横断流フアンである。

前記受網２からの漏下物を揺動選別装置により
穀粒とワラ屑とに揺動選別するに、第１図に示す
ように、前記揺動枠５，５夫々の前後２箇所を、
揺動アーム１１と偏心カム軸１２とを介して支持
させて、揺動アーム１１を回転させることにより
揺動選別装置を揺動するようにしてある。

第２図及び第３図に示すように、前記グレンシ
ーブ３を、前記グレンパン４の後方に位置する第
１グレンシーブ３ａとその下方位置に前記グレン
パン４から延設の波板１３の後方に位置する第２
グレンシーブ３ｂとから構成してある。そして、
前記第１グレンシーブ３ａ上の処理物を横送りし
ながら扱処理する螺旋状の回転処理体１４を前記
第１グレンシーブ３ａの上方に設け、前記回転処
理体１４で横送りされる処理物を下方へ落下させ
る開口１５を前記第１グレンシーブ３ａの両横側
部に設けると共に、前記開口１５から落下する処
理物を受け止めて後方へ揺動送りする受板１６を
前記第２グレンシーブ３ｂの両横側部に設け、も
つて、受網２を通過した扱室Ａからの漏下物のう
ちの穀粒を第１グレンシーブ３ａの網目を通して
漏下すると共に、その漏下した穀粒を前記波板１
３により受止めてそれより後方に位置する前記第
２グレンシーブ３ｂに揺動送りするようにし、
又、前記漏下物のうちのワラ屑を前記回転処理体
１４により両横側部に横送りし、その横送りされ
たワラ屑を前記開口１５から前記受板１６に落下
させると共に、選別装置の揺動により後方へ送り
込むようにしてある。

前記回転処理体１４を回転させるための回転軸
１７を前記揺動枠５，５間に軸架すると共に、螺
旋状の回転処理体１４を前記回転軸１７に外嵌
し、もつて、回転軸１７を回転させる電動モータ
１８の作動により回転処理体１４を回転させて、
第１グレンシーブ３ａ上の処理物のうちの穀粒の
漏下を促進すると共に、前記処理物のうちのワラ
屑を両横側部に横送りするようにしてある。

尚、図中１９は、前記回転処理体１４の上部を
覆う上部壁であり、前記ストローラツク６の前方
に側面視において三角形状となるように突設して
ある。

前記第１グレンシーブ３ａの網目の大きさは、
前記受網２の網目よりも小であり、且つ、前記第
２グレンシーブ３ｂの網目よりも大である。

第２図中２０は、前記開口１５からの落下物が
第２グレンシーブ３ｂに入り込むことを抑制する
ための案内板である。

〔別実施例〕

前記実施例では、回転処理体１４で横送りされ
る処理物を下方へ落下させる開口１５を第１グレ
ンシーブ３ａの両横側部に設けたが、片方の横側
部にのみ設けるようにしてもよい。

又、前記実施例では、受板１６を全面に亘つて
波板状に形成したが、第５図に示すように、受板
１６の後半部を網に形成してもよい。又、受板１
６の後半部に穀粒漏下用の小孔を設けるようにし
てもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機の揺動選別装置の実
施例を示し、第１図は揺動選別装置の縦断側面
図、第２図はグレンパンとグレンシーブの斜視
図、第２図はグレンパンとグレンシーブの斜視
図、第３図は回転処理体の正面図、第４図は脱穀
機の縦断側面図である。第５図はグレンパンとグ
レンシーブの別実施例を示す斜視図である。 ２……受網、３……グレンシーブ、３ａ……第
１グレンシーブ、３ｂ……第２グレンシーブ、４
……グレンパン、１４……回転処理体、１５……
開口、１６……受板、Ａ……扱室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受網２を通過した扱室Ａからの漏下物を揺動送
   りして選別する一番物漏下用グレンシーブ３とグ
   レンパン４とを設けた脱穀機の揺動選別装置であ
   つて、前記グレンシーブ３を上下に配置する第１
   グレンシーブ３ａと第２グレンシーブ３ｂとから
   構成し、前記第１グレンシーブ３ａ上の処理物を
   横送りしながら扱処理する螺旋状の回転処理体１
   ４を設け、前記回転処理体１４で横送りされる処
   理物を下方へ落下させる開口１５を前記第１グレ
   ンシーブ３ａの横側部に設けると共に、前記開口
   １５から落下する処理物を受止めて後方へ揺動送
   りする受板１６を前記第２グレンシーブ３ｂの横
   側部に設けてある脱穀機の揺動選別装置。