JPH0413064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は板材加工機械に係り、さらに詳細に
は、板材の加工を行なう加工位置の前側に上記加
工位置に対して板材の搬入を行なう搬入用搬送装
置を備え、上記加工位置の後方位置に、板材位置
決め装置としてのバツクゲージ装置を前後方向へ
位置調節自在に備えてなる板材加工機械に関する
ものである。

［考案の技術的背景及びその問題点］ 従来、例えば板材搬送装置を前後に備え板材を
自動搬送するシヤーリングマシン等において、板
材の切断位置を設定するため位置決め装置を設け
てある。この位置決め装置の位置設定手段として
サーボモータにより速度と位置のフイードバツク
を得て、目標位置である固定下刃から板材が突出
する距離を演算し、最短の位置決め時間を得る方
法をとつていたが、非常に高価な設備費と保守を
要するという問題があつた。

［問題を解決するための手段］ 上述のごとき従来の問題に鑑みて、本考案は、
板材加工機械において板材の加工を行なう加工位
置の前側に、上記加工位置に対して板材の搬入を
行なう搬入用搬送装置を設け、上記加工位置の後
方に、前記板材の位置決めを行なうバツクゲージ
装置を前後方向へ位置調節自在に備えてなる板材
加工機械にして、前記バツクゲージ装置における
バツクゲージ本体に、このバツクゲージ本体に備
えた板材突当て面より常に前方へ突出して前記板
材を検知したときに前記搬入用搬送装置を減速せ
しめるべく機能する検知装置を備え、かつ前記バ
ツクゲージ装置が前記加工位置に所定寸法以上接
近すべく前進したときに前記板材突当て面に対す
る上記検知装置の突出量が小さく調節される構成
である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図および第２図を参照するに、シヤーリン
グマシン１における下部フレーム３に取付けられ
ている支持部材料５を介して固定下刃７が取付け
てある。この固定下刃７に対して上部フレーム９
の一部に取付けられたガイドローラ１１，１３に
案内されて上下動するスライド１５に可動上刃１
７が設けてある。

スライド１５の上下動は、スライド１５の下部
に取付けられたシヤフト１９を介してコネクチン
グロツド２１の上下動により行なわれる。より詳
細には、コネクチングロツド２１の他方はシヤフ
ト２３に偏心的に回転自在に軸支してあり、シヤ
フト２３には一方のプーリ２５が取付けられてあ
る。一方、上部フレーム９に駆動モータＭが取付
けられ、該駆動モータＭには他方のプーリ２７が
取付けてある。一方のプーリ２５と他方のプーリ
２７とにはタイミングベルトの如きベルト２９が
巻回してある。

上記構成により、駆動モータＭを駆動させる
と、プーリ２７、ベルト２９およびプーリ２５を
介してシヤフト２３が回転される。シヤフト２３
が回転されることにより、コネクチングロツド２
１が上下動してスライド１５が上下動する。

スライド１５の上下動により可動上刃１７が上
下し、固定下刃７上に載置し押し付けられた板材
Ｗにシヤーリング加工が行なわれることになる。

なお、スライド１５が上昇する際にスライド１
５自体のバランスを図るためのバランス用シリン
ダ３１の一方がスライド１５の下方部に、バラン
ス用シリンダ３１の他方が上部フレーム９の一部
に設けてある。

シヤーリングマシン１における固定下刃７と可
動上刃１７との協動でシヤーリング加工される加
工位置の前後には、板材料Ｗの搬入用搬送装置３
３と搬出用搬送装置３５が設けてある。より詳細
には、上部フレーム９の一部に取付けられた搬送
用駆動モータ３７が取付けてあつて、該搬送用駆
動モータ３７にはプーリとベルトによる駆動伝達
装置３９が連結され、該駆動伝達装置３９により
搬入用搬送装置３３と搬出用搬送装置３５が駆動
される。なお、搬入用搬送装置３３と搬出用搬送
装置３５はほぼ同じ形式の電磁式ベルトコンベア
で構成されている。

前記加工位置の後方には、板材Ｗの移送方向第
１図において左右方向に移動自在なバツクゲージ
装置４１が設けてあつて、加工する板材Ｗの端縁
をバツクゲージ装置４１の突当て面４３に突当て
板材Ｗの位置決めがなされる。

より詳細には、駆動用サーボモータ４５により
歯車伝達装置４７を経てリードスクリユ４９が回
転され、このリードスクリユ４９と噛合するナツ
ト５１を備えた板材突当て部材であるバツクゲー
ジ本体５３が、第１図にて左右方向に移動自在と
なる。このバツクゲージ本体５３には複数の板材
突当て面４３を備え、更にこの突当て面４３より
突設して先端に検知器５５を設けたリンク部材５
７で構成した検知装置５９が設けてある。なお、
この検知装置５９を作動させるためのストツパ６
１が上部フレーム９の側面に設けてある。

前記スライド１５の前方第１図において左側に
は、上下方向へ延伸したロツド６３がスライド１
５に一体的に取付けられて、スライド１５と共に
上下動される。ロツド６３の下部には板材押え部
材６５が一体的に取付けてある。ロツドの外周り
にはスプリング６７が介設してあり、下方へ付勢
されるようになつている。

上記構成により、スライド１５を上下動させる
と切断加工以前にスプリング６７により下方へ付
勢されたロツド６３の下部に設けた板材押え部材
６５が板材料Ｗを押圧挟着する。

前記可動上刃１７と固定下刃７にて協動して切
断された板材Ｗの残材については、前記スライド
１５の前面（第１図にて左側）に設けたリンク機
構にて構成された残材蹴出し装置６９により図示
省略の駆動源の駆動により蹴出される。このよう
にして蹴出された残材は下部フレーム３の内部に
設置したスクラツプボツクス７１に落下処理され
る。また、板材Ｗの幅方向の基準となる側面ゲー
ジ７３が板材料搬入用搬送装置３３の上側に装着
してある。

次に本実施例の主要部に係る検知装置５９の一
実施例について第３図乃至第５図にて更に詳細に
説明する。

第３図乃至第５図において、バツクゲージ本体
５３に装着したリンク部材５７であるアーム７５
の一端は、ゲージ本体５３により突設したブラケ
ツト７７に回動自在に軸支してある。また、アー
ム７５の他端には転動自在なコロ部材７９を備
え、アーム７５の長手方向ほぼ中央に検知装置５
９である検知器５５（フアイバーセンサユニツト
等）を先端に設けた検知用ロツド８１が軸支され
ている。

このロツド８１は、受け台８３上に摺動自在に
設けられ、スプリング８５により常に前進方向
（第３図にて左側）へ付勢してあり、前進限はア
ーム７５に設けた調節ボルト８７の頭部８９がバ
ツクゲージ本体５３の側面に突接して決まる。

なお、検知用ロツド８１の先端（第３図にて左
側）には案内ローラ９１が装着され、上面に固着
した検知器５５の検知部９３がロツド８１の先端
に垂下して設けた穴９５に挿入してある（第５図
参照）。また、ストツパ６１が上部フレーム９の
側面に設けてあり、板材Ｗの切断線Ａ位置（第３
図参照）より所定寸法離れた出側（第３図にて右
側）に位置する。このストツパ６１に前記アーム
７５の先端に設けたコロ部材７９が当設する構成
となつている。

上記の構成により、例えば切断される板材Ｗの
長さが例えば100ミリ以上の場合は、切断目標値
まで駆動用サーボモータ４５の駆動によりバツゲ
ージ本体５３を移動し停止させる。この場合は、
リンク部材５７のアーム７５に設けたコロ部材７
９はストツパ６１には当接しない。アーム７５の
位置は、第３図において鎖線で示す位置にスプリ
ング８５の張力により付勢され、突当て面４３よ
り検知部９３の位置迄のＢ寸法が最大となる。

また、切断される板材Ｗの長さが例えば100ミ
リ以下の場合は、ストツパ６１にアーム７５の先
端に設けたコロ部材７９が当接し、Ｂ寸法は例え
ば切断される板の長さの1/2に設定するよう構成
してある。

以上の作動を第６図および第７図に図表で示
す。

この図表は、横軸は板材搬送時間Ｔを示し、縦
軸は板材の送り速度Ｓを示してある。

板材Ｗの長さが例えば100ミリ以上の場合は、
第６図の如く板材送り速度が立上り最高速度Ｙに
て搬送され、探知部９３にて板材端面を検知（Ｘ
位置）したら搬出用搬送装置３５の搬送用モータ
３７は減速に切替わる。減速状態で搬送された板
材はバツクゲージ本体５３に設けた突当て面４３
に当接すると同時に検知器９７（第２図参照）に
より搬送用モータ３７は停止してシヤーリング加
工が初まる。

板材Ｗの長さが例えば100ミリ以下の場合は、
第７図の如く、ストツパ６１にアーム７５の先端
に設けたコロ部材７９が当接し寸法（第３図参
照）は例えば切断される板長の1/2となり、板材
送り速度Ｓは最高速度Ｙに到達する以前に検知
（Ｚ位置）され減速後突当て面４３に当接し停止
する。

このように、板の長さに応じて減速点を変化さ
せ精度良く位置決めができる。

なお、上述した実施例に限定されることなく、
本考案の要旨を逸脱しない範囲において種々変更
し得ることは勿論であり、シヤーリングマシンに
ついて説明を行つたが板材の位置決めを備えた板
材加工機械に通用されるものである。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案は、板材加工機械において板
材の加工を行なう加工位置の前側に、上記加工位
置に対して板材の搬入を行なう搬入用搬送装置３
３を設け、上記加工位置の後方に、前記板材の位
置決めを行なうバツクゲージ装置４１を前後方向
へ位置調節自在に備えてなる板材加工機械にし
て、前記バツクゲージ装置４１におけるバツクゲ
ージ本体５３に、このバツクゲージ本体５３に備
えた板材突当て面４３より常に前方へ突出して前
記板材を検知したときに前記搬入用搬送装置３３
を減速せしめるべく機能する検知装置５９を備
え、かつ前記バツクゲージ装置４１が前記加工位
置に所定寸法以上接近すべく前進したときに前記
板材突当て面４３に対する上記検知装置５９の突
出量が小さく調節される構成である。

上記構成より明らかなように、本考案は、加工
位置の前側に、加工位置に対して板材の搬入を行
なう搬入用搬送装置３３を設け、上記加工位置の
後方に、板材の位置決めを行なうバツクゲージ装
置４１を前後方向へ位置調節自在に設けてなる板
材加工機械に関するものである。そして、本考案
においては、バツクゲージ装置４１におけるバツ
クゲージ本体５３には、このバツクゲージ本体５
３に備えた板材突当て面４３より常に前方へ突出
して板材を検知したときに、前記搬入用搬送装置
３３を減速せしめるべく機能する検知装置５９が
備えられており、この検知装置５９は、バツクゲ
ージ装置４１が加工位置に所定寸法以上接近すべ
く前進したときに前記突当て面４３に対する突出
量が小さく調節される構成である。

したがつて本考案によれば、板材がバツクゲー
ジ装置４１の板材突当て面４３に当接する前に、
検知装置５９によつて板材が検知され、搬入用搬
送装置３３が減速された後に、上記突当て面４３
に対して板材が当接し位置決めされるものであ
る。上述のごとく板材の位置決めを行なうとき、
加工位置からバツクゲージ装置４１までの距離が
長い場合には、前記搬入用搬送装置３３による板
材の搬送速度は大きくなり、高速で搬送されるの
で、能率の良い搬送が行なわれるものである。そ
して、板材の位置決めを行なうときには、前述し
たように搬入用搬送装置３３を減速するので、突
当て面４３に板材を当接したときに、板材が変形
するようなことがないものである。

また、前記加工位置からバツクゲージ装置４１
までの距離が短い場合には、前記搬入用搬送装置
３３による板材の搬送装置の加速中であつて高速
に達しない前に板材が前記突当て面４３に当接す
ることとなる。この場合、突当て面４３への板材
の当接時の変形の心配はなくなるので、前記搬入
用搬送装置３３の減速距離を高速時と等しく設定
したのでは低速での移動時間が長くなり、時間を
要することとなる。そこで、本考案においては、
バツクゲージ装置４１が加工位置に所定寸法以上
接近すると、突当て面４３に対する検知装置５９
の突出量が小さく調節される構成であるから、前
記減速距離が短いものとなり、能率の良い搬入位
置決めを行なうことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案を実施した一実施
例であるシヤーリングマシンを示し、第１図は側
面断面図、第２図は平面図である。第３図乃至第
５図は本実施例に係る板材位置決め装置を示し、
第３図は第１図の−線に沿つた平面図、第４
図は第３図の−線に沿つた側面図、第５図は
第３図の−線に沿つた拡大断面図である。第
６図および第７図は板材搬送時間と送り速度の関
係を示した図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明、４１…
…バツクゲージ装置、４３……突当て面、５３…
…バツクゲージ本体、５５……検知器、５７……
リンク部材、５９……検知装置、６１……ストツ
パ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板材加工機械において板材の加工を行なう加工
   位置の前側に、上記加工位置に対して板材の搬入
   を行なう搬入用搬送装置３３を設け、上記加工位
   置の後方に、前記板材の位置決めを行なうバツク
   ゲージ装置４１を前後方向へ位置調節自在に備え
   てなる板材加工機械にして、前記バツクゲージ装
   置４１におけるバツクゲージ本体５３に、このバ
   ツクゲージ本体５３に備えた板材突当て面４３よ
   り常に前方へ突出して前記板材を検知したときに
   前記搬入用搬送装置３３を減速せしめるべく機能
   する検知装置５９を備え、かつ前記バツクゲージ
   装置４１が前記加工位置に所定寸法以上接近すべ
   く前進したときに前記板材突当て面４３に対する
   上記検知装置５９の突出量が小さく調節される構
   成であることを特徴とする板材加工機械。