JPH0412823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、折り畳み式シートの脚フレームを車
体フロアに係脱可能にロツクするロツク装置に関
する。

《従来の技術》 第３図はワンボツクスカーに設けられた折り畳
み式シートの一例を示したものである。この折り
畳み式シートは、前後脚フレーム１，２を介して
車体フロア３に配置されている。前脚フレーム１
はフロア３に取り付けられたブラケツト４にヒン
ジ結合され、後脚フレーム２はロツク装置５によ
りフロア３に係脱可能にロツクされている。そし
て、シートバツク６をシートクツシヨン７の上面
に前傾するとともに、ロツク装置５をロツク解除
して後脚フレーム２をシートクツシヨンの裏面に
折り曲げた後、シートクツシヨン７を前脚フレー
ム１のヒンジを介して前方に倒すと、シートは想
像線で示す如くフロント側のシート後方に折り畳
まれ、シートバツク６の基端部に回動可能に取付
けられた係止具８をパーテーシヨンパイプ９に係
止することにより折り畳み状態が保持される。

ところで、この種の折り畳み式シートに用いら
れるロツク装置５は、第４図に示す如く前記後脚
フレーム２の水平軸部に取付けられる略コ字状の
ブラケツト１０と、ブラケツト１０の上下面に設
けられた挿通孔１１，１２に挿通されてストツパ
ー１３により係止される操作部材１４と、操作部
材１４の下端部に固定されるロツクプレート１５
とを備え、ロツクプレート１５をフロア３に設け
られた係合穴１６に嵌入し、この状態で操作部材
１４を回動することによりロツクプレート１５の
位置を移動して想像線で示す如く係合穴１６の下
縁に係止させる構造となつている。また、前記ス
トツパー１３には扇状の切欠部１３ａが形成さ
れ、この切欠部１３ａの間にブラケツト１０に立
設した切り起し片１７を位置させて切欠部１３ａ
の端面を当接することにより、操作部材１４の回
動範囲が規制されるようになつている。

《考案が解決しようとする問題点》 このようなロツク装置５では、係合穴１６に対
するロツクプレート１５の相対位置を操作部材１
４の回動により変位させるだけでロツクあるいは
ロツク解除が行われることとなる。このため、例
えばロツクプレート１５が車両の振動によつて動
いたり、乗員などが操作部材１４に誤つて当たつ
た際にロツクプレート１５が動いて自動的にロツ
ク解除してしまうという虞れがあつた。また、従
来のロツク装置には、振動などによるロツク解除
を防ぐため、例えば係合穴１６にロツクプレート
１５のロツク状態を確実にするもどり防止機構を
設けているものもあるが、構造が複雑化するばか
りでなくコスト高になるという問題がある。

本考案は、このような背景に鑑みなされたもの
で、簡易な構成によつて振動などに起因するロツ
ク解除を防止できる折り畳み式シートのロツク装
置を提供することを目的とする。

《問題点を解決するための手段》 すなわち、本考案は、折り畳み式シートの脚フ
レームを車体フロアに係脱可能にロツクするロツ
ク装置であつて、前記脚フレームに固定された略
コ字状のブラケツトと、前記ブラケツトに設けら
れた上下方向の挿通孔に挿通された操作部材と、
前記ブラケツト内に設けられて前記操作部材を上
方に付勢するコイルばねと、前記操作部材の下端
部に固定されて、操作部材を前記コイルばねの付
勢力に抗して下方に押圧することにより車体フロ
アに設けられた係合穴に嵌入され、この状態で操
作部材を回動させることにより前記係合穴の下縁
に係止されるロツクプレートと、前記ロツクプレ
ートを車体フロアの係合穴に対して位置決めする
とともに、前記操作部材を下方に押圧したときに
のみ前記操作部材の回動を許容する、前記ブラケ
ツトの挿通孔内周に設けた溝および該溝に係合し
前記操作部材に設けた突起からなる回動規制手段
と、前記突起の上方の操作部材に溶着され、前記
ブラケツトの切り起し片に当接して操作部材の回
動範囲を規制する切欠部を有するストツパーとを
備えたことを特徴とする。

《作用》 前記操作部材がコイルばねにより上方に付勢さ
れているので、ロツクプレートは前記係合穴の下
縁に圧接されて係止される。また操作部材の回動
が回動規制手段によりロツクされるので、前記係
合穴の下縁に係止されたロツクプレートは不動状
態に拘束されることとなる。

《実施例》 以下、本考案の一実施例を図面により詳細に説
明する。第１図は本考案を適用したロツク装置を
分解して示したものである。なお、同図におい
て、従来例と同一部位には同一符号を付して説明
する。

このロツク装置５０は、第３図に示した折り畳
み式シートの後脚フレーム２を車体フロア３に係
脱可能にロツクするためのもので、後脚フレーム
２の水平軸部に取付けられたブラケツト１０と、
ブラケツト１０に挿通される操作部材１４と、ブ
ラケツト１０の内部に設けられて操作部材１４を
上方に付勢するコイルばね１８と、操作部材の下
端部に固定されるロツクプレート１５とを備え、
操作部材１４をコイルばね１８の付勢力に抗して
下方に押圧することによりロツクプレート１５を
車体フロア３に設けられた係合穴１６に嵌入し、
この状態で操作部材１４を回動させることでロツ
クプレート１５が係合穴１６の下縁に係止されて
ロツクされる構造となつている。

前記ブラケツト１０は略コ字状となつており、
上下面の先端間に後脚フレーム２の水平軸部を挟
み込んで溶接等により固着されている。ブラケツ
ト１０の上下面には同軸上に径大の挿通孔１１と
径小の挿通孔１２が設けられているとともに、上
面の挿通孔１１内周には交差する対角線上に溝１
９ａ，１９ｂ，１９ｃ，１９ｄが形成されてい
る。また、操作部材１４は逆Ｌ字状に折曲されて
いる。操作部材１４の水平部１４ａは手で把持す
る操作部として用いられ、直下部１４ｂは前記挿
通孔１１，１２に前記コイルばね１８を介して挿
通されて、その下端部に前記ロツクプレート１５
がナツト２１により固定される。直下部１４ｂ
は、径大の中間部を有し、この中間部の上端にス
トツパー１３が溶着されており、挿通孔１１，１
２に挿通したときにストツパー１３により係止さ
れる。また前記中間部の周囲にはストツパー１３
から一定の隙間１を保つて下方に延びた１対の突
起２０ａ，２０ｂが一体に設けられており、突起
２０ａ，２０ｂを前記溝１９ａ，１９ｃまたは溝
１９ｂ，１９ｄに係合した状態で中間部も挿通孔
１１に挿通され、かつストツパー１３に係止され
た状態で前記係合が隙間Ｌにより離脱されて操作
部材１４は回動可能となる。前記突起および溝
は、ロツクプレート１５を係合穴１６に対して位
置決めするとともに、操作部材１４を下方に押圧
したときにのみ操作部材１４の回動を許容する回
動規制手段として作用し、突起２０ａ，２０ｂが
溝１９ａ，１９ｃに係合されるとロツクプレート
１５はフロア３の係合穴１６に嵌入可能となり
（ロツク解除状態）、逆に突起２０ａ，２０ｂが溝
１９ｂ，１９ｄに係合されるとロツクプレート１
５は係合穴１６の下縁に係止可能となる（ロツク
状態）ように設定されている。

さらに前記ストツパー１３には扇状の切欠部１
３ａが形成されており、前記操作部材１４を回動
したときに、切欠部１３ａの端面がブラケツト１
０に立設した切り起し片１７に当接されて操作部
材１４の回動範囲が規制されるようになつてい
る。

このように形成されたロツク装置５０の操作を
第２図イからハにより説明する。

折り畳み式シートの後脚フレーム２をフロア３
に固定する場合は、突起２０ａ，２０ｂを挿通孔
１１の溝１９ａ，１９ｃに係合した状態で同図イ
に示す如く操作部材１４をコイルばね１８の付勢
力に抗して下方に押圧して、ロツクプレート１５
をフロア３の係合穴１６に嵌入した後、操作部材
１４を回動することにより、同図ロ示す如くロツ
クプレート１５は係合穴１６の下縁に移動され、
同時に操作部材４の回動はブラケツト１０の切り
起し片１７にストツパー１３の切欠端部が衝接し
て阻止される。この状態で操作部材１４から手を
離すことにより、操作部材１４はコイルばね１８
の付勢力によつて同図ハの如く上方に押上げられ
て、ロツクプレート１５が係合穴１６の下縁に圧
接されて係止される。この状態では前記突起２０
ａ，２０ｂが他方の溝１９ｂ，１９ｄに係合さ
れ、操作部材１４の回動もロツクされることとな
る。これによつて、例えばロツクプレート１５な
どに車体振動が加わつたり、乗員などが操作部材
１４に誤つて当たつたとしても操作部材１４が回
動してロツクプレート１５の係止状態がロツク解
除されるという虞れが確実になくなる。

また、前記ロツク装置５０では、操作部材１４
がコイルばね１８の付勢力によつて上方に押し上
げられた状態でロツクが行われるので、後脚フレ
ーム２とフロア３との間の寸法にばらつきがあつ
てもこれが吸収される。

尚、前記操作部材１４の回動を規制する回動規
制手段としては、この実施例に限定されず例えば
一個の突起２０ａとこの突起２０ａに対抗する溝
１９ａ，１９ｂにより構成してもよい。

《考案の効果》 以上説明したように、本考案によれば、車体振
動などによつてロツクプレートが動いてロツク解
除されるという虞れが確実に防止され、これによ
り簡易な構成によつて高性能のロツク装置が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロツク装置の一実施例を
示す要部分解斜視図、第２図イ，ロ，ハはロツク
装置のロツク操作を示したもので、同図イは係合
穴にロツクプレートを嵌入した状態を示す断面
図、同図ロは操作部材を回動した状態を示す断面
図、同図ハはロツク状態を示す断面図、第３図は
折り畳み式シートの一例を示した概略図、第４図
は従来のロツク装置を示す分解斜視図である。 １，２……脚フレーム、３……車体フロア、１
０……ブラケツト、１１，１２……挿通孔、１３
……ストツパー、１３ａ……切欠部、１４……操
作部材、１５……ロツクプレート、１６……係合
穴、１７……切り起こし片、１９ａ，１９ｂ，１
９ｃ，１９ｄ……溝（回動規制手段）、２０ａ，
２０ｂ，２０ｃ……突起（回動規制手段）、５０
……ロツク装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折り畳み式シートの脚フレームを車体フロアに
   係脱可能にロツクするロツク装置であつて、前記
   ロツク装置は、脚フレームに固定された略コ字状
   を呈し、切り起し片を立設したブラケツトと、前
   記ブラケツトに設けられた上下方向の挿通孔に挿
   通された操作部材と、前記ブラケツト内に設けら
   れて前記操作部材を上方に付勢するコイルばね
   と、前記操作部材の下端部に固定されて、操作部
   材を前記コイルばねの付勢力に抗して下方に押圧
   することにより車体フロアに設けられた係合穴に
   嵌入され、この状態で操作部材を回動させること
   により前記係合穴の下縁に係止されるロツクプレ
   ートと、前記ロツクプレートを車体フロアの係合
   穴に対して位置決めするとともに、前記操作部材
   を下方に押圧したときにのみ前記操作部材の回動
   を許容する、前記ブラケツトの挿通孔内周に設け
   た溝および該溝に係合し前記操作部材に設けた突
   起からなる回動規制手段と、前記突起の上方の操
   作部材に溶着され、前記ブラケツトの切り起し片
   に当接して操作部材の回動範囲を規制する切欠部
   を有するストツパーとを備えたことを特徴とする
   折り畳み式シートのロツク装置。