JPH04124872U - 小型モータにおけるチヨークコイルの固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リード端末に対する ターミナルの位置決め
が簡単で、しかも信頼性の高い半田付けが行える小型モ
ータにおけるチョークコイルの固定装置を提供する。 【構成】 小型モータのハウジングの端部を塞ぐエンド
ベル３１の外面に形成されたチョークコイル収納凹部３
２には、チョークコイル１１がその長さ方向にして圧入
される。また、ターミナル２１は、前記チョークコイル
１１のリード端末１３を電気的に接続すると共に、前記
チョークコイル１１の他端を係止する平坦部２４と、前
記エンドベル３１と係止して固定する係合部２３と、前
記チョークコイル１１のリード端末１３に対する位置決
め部２５と、電力を供給するピンと接続するための円筒
部２２とから構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型モータにおけるハウジングの一端を塞ぐエンドベル内に組み込 まれたチョークコイルの固定装置、特に、小型モータを自動車の燃料ポンプ等に 使用する際に優れた小型モータにおけるチョークコイルの固定装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

小型モータを自動車の燃料ポンプ等に使用するに当って、モータのハウジング の一端を塞ぐエンドベル内にチョークコイルを配置することが行われる。以下、 当該チョークコイルの固定装置について説明する。

【０００３】 図６はソフトフェライトを示す図である。図７はコイルを示す図である。図８ はソフトフェライトとコイルとにより組み立てられたチョークコイルを示す図で ある。 図９は小型モータにおけるチョークコイルを収納するための凹部を説明する図 である。図１０は小型モータにおけるエンドベルの凹部に収納されたチョークコ イルを説明する図である。図１１は小型モータの外観を示す図である。

【０００４】 先ず、チョークコイル４１は、接着剤４４を付けた状態のソフトフェライト４ ２を絶縁被覆された導電線を巻回したコイル４３の内部に挿入させた後、接着剤 ４４を乾燥して完成される。 一方、小型モータには、図１１に示されているごとく、ハウジング９１の一端 から回転軸９２が突出し、ハウジング９１の他端を塞ぐエンドベル６１の外面に 図示されていない電源から電力を供給するターミナル７３、７３′が形成されて いる。

【０００５】 また、図９に示すごとく、エンドベル６１のたとえば、内端面には、チョーク コイル４１を収納するチョークコイル収納凹部７２、７２′と、前記ターミナル ７３、７３′と電気的に接続されているターミナル端部７４、７４′と、図示さ れていない整流子に電力を供給するブラシ７５、７５′と、端子７９、７９′と が形成されている。そして、チョークコイル収納凹部７２、７２′の内部には、 少なくとも一つのリブ７６が形成されている。

【０００６】 前記チョークコイル４１は、前記チョークコイル収納凹部７２に形成されたリ ブ７６に対し圧入されて収納される。 絶縁被覆された導電線のみにより形成されているチョークコイルは、外部から の圧力に対して変形し易いが、ソフトフェライト４２と前記コイル４３とを接着 剤４４によって固定されたチョークコイル４１は、ある程度の強度を有するため 、チョークコイル収納凹部７２内に圧入しても変形しない。

【０００７】 また、ソフトフェライト４２は、コイル４３と接着剤４４により接着されてい るため、ソフトフェライト４２がチョークコイル収納凹部７２から単独で脱落す ることがない。このようにして、チョークコイル収納凹部７２に収納されたチョ ークコイル４１のリード端末４５および４５′は、ターミナル端部７４に形成さ れた切欠７７に仮付けした後、半田７８によって電気的に接続される。

【０００８】 以上のように構成された小型モータのターミナル７３には、図示されていない 電源の一端に接続された接続ピンの端部が接続される。そして、接続ピンの端部 に供給された電流は、ターミナル７３、ターミナル端部７４、チョークコイル４ １、端子７９、ブラシ７５′、図示されていない整流子、電機子を通り、他側の ブラシ７５、端子７９′、チョークコイル４１′、ターミナル端部７４′、ター ミナル７３′を通り図示されていない接続ピンから電源の他端に流れる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来例において、図９に示すように、チョークコイル４１とチョ ークコイル収納凹部７２との大きさ関係、およびリード端末４５、４５′の立ち 上がる方向によって、チョークコイル４１のリード端末４５、４５′の位置が一 定しない。

【００１０】 したがって、リード端末４５、４５′は、ターミナル端部７４や端子７９まで 導く必要がある。また、リード端末４５、４５′は、ターミナル端部７４や端子 ７９に対して形成されている溝部分に圧入されて固定した後、半田付けが行われ ている。

【００１１】 そのため、リード端末４５、４５′とターミナル端部７４、端子７９とは、直 交した状態で僅かな接触部によって接続されている。このように僅かな接触面積 による接続は、半田付けの状態によって、その信頼性が左右されるおそれがある 。

【００１２】 本考案は、以上のような課題を解決するためのもので、リード端末に対するタ ーミナルの位置決めが簡単で、しかも信頼性の高い半田付けが行える小型モータ におけるチョークコイルの固定装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案の小型モータにおけるチョークコイルの固 定装置は、小型モータのハウジングの端部を塞ぐエンドベルに形成された凹部に チョークコイルを収納するもので、チョークコイルをその長さ方向に挿入した際 に、チョークコイルの一端を係止するように形成されているチョークコイル収納 凹部と、前記チョークコイルのリード端末を電気的に接続すると共に、前記チョ ークコイルの他端を押圧する平坦部、前記エンドベルと係止して固定する係合部 、前記チョークコイルのリード端末に対する位置決め部、電力を供給するピンと 接続するための円筒部を有するターミナルとから構成される。

【００１４】

【作 用】

本考案のチョークコイルは、小型モータのハウジングの一端を塞ぐエンドベル に形成されたチョークコイル収納凹部に、チョークコイルの長さ方向に挿入され る。そして、チョークコイルを形成するたとえば、ソフトフェライトの一端は、 前記チョークコイル収納凹部の底部に係止され、他端は、ターミナルによって上 から押さえるようにして固定される。

【００１５】 また、チョークコイルを前記チョークコイル収納凹部に挿入するために、リー ド端末の一方は、チョークコイルの長さ方向と平行になるように成形されている ため、ターミナルの位置決め部に当接する。したがって、前記リード端末は、前 記位置決め部に沿って折曲げられ、ターミナルの平坦部において半田付けが行わ れる。

【００１６】 本考案によれば、リード端末は、その位置を修正することなく、簡単にターミ ナルに対する位置決めができるだけでなく、リード端末とターミナルとの接触面 積が大きく、信頼性のある半田付けが可能になる。 また、平坦部において、半田付けが行われるので、半田付け作業が容易であり 、しかも半田付け状態を容易に確認することができる。さらに、従来例に比べて リード端末とターミナルとの接触面積が大きいため、半田付け作業中に溶融半田 が流出しない。

【００１７】

【実 施 例】

図１ないし図５を参照しつつ本考案の小型モータにおけるチョークコイルの固 定装置を説明する。図１はチョークコイルを固定する際の本考案における一実施 例説明図である。

【００１８】 図２は図１のエンドベルを横から見た図である。図３は本考案におけるターミ ナルの一実施例説明図である。図４はチョークコイルが小型モータのエンドベル に固定されている状態を説明するための図である。図５は本考案におけるターミ ナルとリード端末との接続状態を説明する図である。

【００１９】 図１において、小型モータのハウジングの一端を塞ぐエンドベル３１における たとえば、外表面には、後述のチョークコイル１１、１１′を収納するチョーク コイル収納凹部３２、３２′と、当該チョークコイル収納凹部３２、３２′に収 納されたチョークコイル１１、１１′のソフトフェライト１２、１２′を押さえ るためのターミナル２１、２１′を固定する係止部３３、３３′と、同じくター ミナル２１、２１′の円筒部２２、２２′を嵌合するターミナル嵌合凹部３４、 ３４′と、モータの軸受３６と、たとえば、ロータとステータとの間にガソリン が入っている場合のチェックバルブを挿入する開口３７と、前記ターミナル２１ 、２１′の押さえ部の動きを止める突起部３８と、後述のブラシホルダ端子１８ 、１８′および１９、１９′が挿入される開口部（図では見えない）とが形成さ れている。

【００２０】 また、図２に示すように、エンドベル３１の反対側には、ブラシ１７、１７′ （１７′は図示されていない）を取り付けたブラシホルダ１５、１５′（１５′ は図示されていない）がブラシホルダ端子１８、１８′、１９、１９′を前記開 口部に挿入することによって固定されている。そして、ブラシホルダ１５、１５ ′には、ブラシ１７、１７′と接続するピグテール接続部１６が設けられている 。

【００２１】 図３に示すターミナル２１は、一端に外部の電源と接続する際に図示されてい ない接続ピンの端部をその内部に嵌合するために円筒状に形成された円筒部２２ と、前記エンドベル３１の係止部３３に係止する係合部２３と、他端にソフトフ ェライト１２の一端を押さえると共に、前記チョークコイル１１のリード端末１ ３を電気的に接続する平坦部２４と、図１に示すリード端末１３の位置を決める 位置決め部２５とから構成される。

【００２２】 前記位置決め部２５の形状は、切欠あるいは溝等リード端末１３、１４の位置 を規制できれば任意である。また、エンドベル３１に形成されたチョークコイル 収納凹部３２は、図４に示すように、その底部に少なくとも一個のリブ３５が形 成されている。

【００２３】 以上のような構成のエンドベル３１に設けられたチョークコイル収納凹部３２ 、３２′の内部に、チョークコイル１１、１１′は、リード端末１３、１３′を 上部に向けた状態で挿入される。チョークコイル１１、１１′に挿入されている ソフトフェライト１２、１２′の端部は、チョークコイル収納凹部３２、３２′ の底部に形成されているリブ３５に押しつけられる。

【００２４】 次に、ターミナル２１、２１′の円筒部２２、２２′と係合部２３、２３′と は、ターミナル嵌合凹部３４、３４′と係止部３３、３３′とにそれぞれ嵌合さ れる。ターミナル２１、２１′の上記取り付けと同時にターミナル２１、２１′ の平坦部２４、２４′は、前記チョークコイル１１、１１′の上端部を押さえる 。

【００２５】 この時、チョークコイル１１、１１′のリード端末１３、１３′は、ターミナ ル２１、２１′の位置決め部２５、２５′に当接するような位置関係になるので 、９０度折曲げられてターミナル２１、２１′の平坦部２４、２４′に半田２６ によって半田付けされる。

【００２６】 このようにして、チョークコイル１１、１１′のリード端末１３、１３′の位 置決めが容易に、しかも接触面積の大きい平坦部２４、２４′によって信頼性の 高い半田付けができる。 以上のように構成された小型モータでは、図示されていない電源から接続ピン の端部がターミナル嵌合凹部３４に嵌合される。そして、電源の一端から供給さ れた電流は、図示されていない接続ピンの端部、ターミナル２１の円筒部２２、 ターミナル２１の平坦部２４、平坦部２４に接続されたチョークコイル１１のリ ード端末１３を通り、チョークコイル１１、リード端末１４、ブラシホルダ端子 １８、ブラシ１７、図示されていない整流子、電機子を通り、他側のブラシ１７ ′、ブラシホルダ端子１８′、チョークコイル１１′のリード端末１４′、チョ ークコイル１１′、リード端末１３′、ターミナル２１′の平坦部２４′、円筒 部２２′、図示されていない接続ピンの端部、電源の他端に流れる。

【００２７】 このように電源から接続する接続ピンの端部とターミナルとの接続を容易にし かも確実に行うことができる。

【００２８】

【考案の効果】

本考案によれば、チョークコイルを長さ方向にしてエンドベルに設けられた凹 部に挿入して、チョークコイルの長さ方向に導出したリード端末が、ターミナル の位置決め部によって位置決めされるため、位置決めが容易で、しかも接触面積 の大きい平坦部によって信頼性の高い半田付けができる。

【００２９】 また、チョークコイルをチョークコイル収納凹部に挿入することにより、リー ド端末がターミナルの位置決め部に導出されるので、リード端末を単に折曲げる だけで、仮固定を行う必要がない。さらに、ターミナルの平坦部において、半田 付けが行われるので、溶融半田の流出がなく、半田付け作業および半田付け状態 の確認が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】チョークコイルを固定する際の本考案における
一実施例説明図である。

【図２】図１のエンドベルを横から見た図である。

【図３】本考案におけるターミナルの一実施例説明図で
ある。

【図４】チョークコイルが小型モータのエンドベルに固
定されている状態を説明するための図である。

【図５】本考案におけるターミナルとリード端末との接
続状態を説明する図である。

【図６】ソフトフェライトを示す図である。

【図７】コイルを示す図である。

【図８】ソフトフェライトとコイルとにより組み立てら
れたチョークコイルを示す図である。

【図９】小型モータにおけるチョークコイルを収納する
ための凹部を説明する図である。

【図１０】小型モータにおけるエンドベルの凹部に収納
されたチョークコイルを説明する図である。

【図１１】小型モータの外観を示す図である。

【符号の説明】

１１、１１′ チョークコイル １２、１２′ ソフトフェライト １３、１３′ リード端末 １４、１４′ リード端末 ２１、２１′ ターミナル ２２、２２′ 円筒部 ２３、２３′ 係合部 ２４、２４′ 平坦部 ２５、２５′ 位置決め部 ３１ エンドベル ３２、３２′ チョークコイル収納凹部 ３３、３３′ 係止部 ３４、３４′ ターミナル嵌合凹部 ３５ リブ ３６ 軸受 ３７ 開口 ３８ 突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小型モータのハウジングの端部を塞ぐエ
   ンドベルに形成された凹部にチョークコイルを収納した
   小型モータにおけるチョークコイルの固定装置におい
   て、チョークコイルをその長さ方向に挿入した際に、チ
   ョークコイルの一端を係止するように形成されているチ
   ョークコイル収納凹部と、前記チョークコイルのリード
   端末を電気的に接続すると共に前記チョークコイルの他
   端を押圧する平坦部、前記エンドベルと係止して固定す
   る係合部、前記チョークコイルのリード端末に対する位
   置決め部、電力を供給するピンと接続するための円筒部
   を有するターミナルと、を備えたことを特徴とする小型
   モータにおけるチョークコイルの固定装置。