JPH04124859U - 小型モータにおけるチヨークコイルの取り付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チョークコイルをチョークコイル収納凹部に
取り付ける際、接着剤を使用せずに、簡単な手段によっ
て取り付ける小型モータにおけるチョークコイルの取り
付け構造を提供する。 【構成】 チョークコイルは、チョークコイル収納凹部
に長さ方向にして挿入される。チョークコイル収納凹部
とエンドベルに係止されるターミナル２１の押圧とによ
って、チョークコイルが取り付けられる。チョークコイ
ルの一方のリード端末は、前記ターミナル２１に、他方
のリード端末は、絶縁ワッシャ２５によってターミナル
と絶縁されて他方に導出される。前記リード端末の導出
される位置は、前記絶縁ワッシャ２５によって位置決め
される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型モータにおけるハウジングの一端を塞ぐエンドベル内に組み込 まれたチョークコイルの取り付け装置、特に、小型モータを自動車の燃料ポンプ 等に使用する際に優れた小型モータにおけるチョークコイルの取り付け装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

小型モータを自動車の燃料ポンプ等に使用するに当って、モータのハウジング （永久磁石界磁が保持されているハウジング）の一端を塞ぐエンドベル内にチョ ークコイルを配置することが行われる。以下、当該チョークコイルの従来の取り 付け構造を説明する。

【０００３】 図９はチョークコイルをエンドベルに設けられたチョークコイル収納凹部に挿 入する際の説明図である。図１０はチョークコイルをチョークコイル収納凹部に 取り付けた際の断面図である。 図９および図１０において、被覆電線が巻回されているコイルの内部にソフト フェライト１２を挿入してチョークコイルが形成される。

【０００４】 一方、図示されていないモータにおけるハウジングの一端を塞ぐエンドベル３ １には、チョークコイルを挿入するチョークコイル収納凹部３２が設けられてい る。モータを組み立てる際に、チョークコイル１１は、前記チョークコイル収納 凹部３２に挿入された後に、チョークコイル１１の全体を包むように前記チョー クコイル収納凹部３２内に接着剤４１を充填する。

【０００５】 チョークコイル１１の一方のリード端末１３は、ターミナル２１と電気的に接 続され、他方のリード端末１４は、図示されていないブラシホルダの端子に接続 される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来例では、チョークコイル１１は、その全体を接着剤４１によ って覆うと共に、チョークコイル収納凹部３２の中に収納されているため、放熱 性が悪い。また、チョークコイル１１の寸法は、放熱性によって規制されるため 、小型化に限度があった。

【０００７】 さらに、チョークコイル１１の取り付けに接着剤４１を使用するため、接着剤 と接着剤の塗布および乾燥にかかる手間とが必要である。小型モータは、自動車 の燃料ポンプとして適用される場合、ガソリンに浸漬される場合がある。したが って、接着剤４１は、ガソリンの浸漬によって接着力が劣化しない特殊な接着剤 を必要とした。また、接着剤４１が硬化するまでに、チョークコイル収納凹部３ ２内のチョークコイル１１が傾くおそれがある。そのため、ターミナル２１ある いは図示されていないブラシホルダ端子等に対する取り付けの際の精度が不安定 になる。

【０００８】 本考案は、以上のような課題を解決するためのもので、チョークコイルをチョ ークコイル収納凹部に取り付ける際、接着剤を使用せずに、簡単な手段によって 取り付ける小型モータにおけるチョークコイルの取り付け装置を提供することを 目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案の小型モータにおけるチョークコイルの取 り付け装置は、小型モータのハウジングの端部を塞ぐエンドベルに形成された凹 部にチョークコイルを収納し、前記チョークコイルをその長さ方向に挿入するチ ョークコイル収納凹部と、前記チョークコイルの一方のリード端末を電気的に接 続する部分によって前記チョークコイルの一端を押圧すると共に前記エンドベル に係止されるターミナルと、前記チョークコイル収納凹部に挿入されたチョーク コイルに嵌合して他方のリード端末と前記ターミナルとを絶縁する絶縁ワッシャ とから構成される。

【００１０】

【作 用】

本考案のチョークコイルは、小型モータのハウジングの一端を塞ぐエンドベル に形成されたチョークコイル収納凹部に、チョークコイルの長さ方向に挿入され る。その後、チョークコイルを形成する、たとえばソフトフェライトの一端から 絶縁ワッシャが挿入される。そして、ソフトフェライトの一端をターミナルによ って上から押さえるようにして、チョークコイルは、ターミナルとチョークコイ ル収納凹部との間に固定される。

【００１１】 したがって、チョークコイルは、チョークコイル収納凹部とターミナルとによ ってエンドベルから脱落しないように固定されると共に、接着剤を使用しないた め、たとえば、ガソリンに浸漬される可能性のある燃料ポンプ用小型モータとし て優れている。また、本考案におけるチョークコイルの取り付け装置は、接着剤 を使用しないため、接着剤が不要であると共に、接着剤を付けたり、あるいは乾 燥する手間がかからないので、安価な小型モータを提供できる。

【００１２】 さらに、チョークコイルのターミナルに接続されない方のリード端末は、絶縁 ワッシャによってターミナルと絶縁されると共に、チョークコイルの両リード端 末の位置が変わらないようにできるため、リード端末のターミナルおよびブラシ ホルダ端子等への取り付けが正確にできる。

【００１３】

【実 施 例】

図１ないし図７を参照しつつ本考案の小型モータにおけるチョークコイルの取 り付け装置を説明する。図１は本考案におけるチョークコイルを取り付けるため のターミナルおよび絶縁ワッシャを説明するための図である。図２はチョークコ イルをチョークコイル収納凹部に挿入する際の説明図である。図３はチョークコ イルがチョークコイル収納凹部に取り付けられた状態を説明する図である。図４ は図３のエンドベルを横から見た図である。図５は本考案における絶縁ワッシャ の一実施例説明図である。図６はチョークコイルを説明するための図である。図 ７はチョークコイル収納凹部を説明するための図である。図８はチョークコイル 収納凹部にチョークコイルを収納した状態を説明するための図である。

【００１４】 図１に示すターミナル２１、２１′は、図示されていない外部の電源と接続す る際に、接続ピンの端部を嵌合するための円筒状に形成された円筒部２２、２２ ′と、後述のエンドベル３１の係止部３３、３３′に係止する係合部（図示され ていない）と、ソフトフェライト１２の一端を押さえると共に、前記チョークコ イル１１のリード端末１３または１３′を電気的に接続する平坦部２４、２４′ とから構成される。

【００１５】 また、前記ターミナル２１、２１′は、絶縁ワッシャ２５を介して後述のチョ ークコイル１１、１１′のリード端末１４、１４′と電気的に短絡しないように 絶縁される。 図２において、図示されていない小型モータのハウジングの一端を塞ぐエンド ベル３１のたとえば、外表面には、前記チョークコイル１１、１１′を収納する チョークコイル収納凹部３２、３２′と、当該チョークコイル収納凹部３２、３ ２′に収納されたチョークコイル１１、１１′のソフトフェライト１２、１２′ を押さえるためのターミナル２１、２１′を固定する係止部３３、３３′と、同 じくターミナル２１、２１′の円筒部２２、２２′を嵌合するターミナル嵌合凹 部３４、３４′と、モータの軸受３６と、たとえば、図示されていないモータの ロータとステータとの間にガソリンが入っている場合のチェックバルブを挿入す る開口３７と、前記ターミナル２１、２１′の平坦部２４、２４′の動きを止め る突起部３８と、ブラシホルダ端子挿入孔（図では見えない）とが形成されてい る。

【００１６】 また、図４に示すように、エンドベル３１の反対側には、ブラシ１７、１７′ （１７′は図示されていない）を取り付けたブラシホルダ１５、１５′（１５′ は図示されていない）がブラシホルダ端子１８、１９を前記ブラシホルダ挿入孔 に挿入することによって固定されている。そして、ブラシホルダ１５、１５′に は、ブラシ１７、１７′と接続するピグテール接続部１６が設けられている。

【００１７】 図５において、絶縁ワッシャ２５は、たとえば、プラスチックのような絶縁性 板材から図示のごとく打ち抜いた絶縁板２７を形成した後、後述するチョークコ イル１１のソフトフェライト１２の径より大きい開口２８を設ける。さらに、開 口２８の内方に向かって爪部２６を成形し、ソフトフェライト１２が挿入された 際にガタつき防止となるような挿入孔２９を形成する。

【００１８】 図６において、コイル１５は、絶縁被覆銅線が巻回されており、一方のリード 端末１３が図示の下部からコイル１５の巻方向に沿って上方に、また、他方のリ ード端末１４がコイル１５の上方から横方向にそれぞれ導出されている。また、 上記コイル１５の中にソフトフェライト１２が挿入されている。

【００１９】 図７において、チョークコイル収納凹部３２は、エンドベル３１に縦長に形成 されていると共に、その底部３９に少なくとも一つのリブ３５が設けられている 。 以上のような構成のエンドベル３１に設けられたチョークコイル収納凹部３２ 、３２′の内部に、チョークコイル１１、１１′は、リード端末１３、１３′を 上部に向けた状態で挿入される。チョークコイル１１、１１′に挿入されている ソフトフェライト１２、１２′の端部は、チョークコイル収納凹部３２、３２′ の底部に形成されているリブ３５に押しつけられる。

【００２０】 次に、前記絶縁ワッシャ２５は、ソフトフェライト１２、１２′に嵌合される 。そして、ターミナル２１、２１′の円筒部２２、２２′と係合部２３、２３′ とは、ターミナル嵌合凹部３４、３４′と係止部３３、３３′とにそれぞれ嵌合 される。

【００２１】 ターミナル２１、２１′の上記取り付けと同時にターミナル２１、２１′の平 坦部２４、２４′は、前記チョークコイル１１、１１′の上端部を押さえる。そ して、チョークコイル１１、１１′のリード端末１３、１３′は、９０度折曲げ られてターミナル２１、２１′の平坦部２４、２４′に半田付けされる。

【００２２】 また、チョークコイル１１、１１′の他方のリード端末１４、１４′は、ブラ シホルダ端子１８、１８′にたとえば、半田によって電気的に接続される。この 時、図８に示す如く、リード端末１４、１４′は、絶縁ワッシャ２５によってタ ーミナル２１、２１′と短絡することがない。

【００２３】 図３にはこのようにしてエンドベル３１上にチョークコイル１１、１１′およ びターミナル２１、２１′を組み立てた状態が示されており、ブラシホルダ端子 １８、１８′および１９、１９′とチョークコイル１１、１１′のリード端末１ ３、１３′およびリード端末１４、１４′との接続は省略されている。また絶縁 ワッシャ２５は図示を省略されている。このようにして、接着剤を用いることな く、チョークコイル１１、１１′は、エンドベル３１に設けられたチョークコイ ル収納凹部３２、３２′とターミナルの平坦部２４、２４′とで固定される。

【００２４】 以上のように構成された小型モータでは、図示されていない電源から接続ピン の端部がターミナル嵌合凹部３４に嵌合される。そして、電源の一端から供給さ れた電流は、図示されていない接続ピンの端部、ターミナル２１の円筒部２２、 ターミナル２１の平坦部２４、平坦部２４に接続されたチョークコイル１１のリ ード端末１３を通り、チョークコイル１１、リード端末１４、ブラシホルダ端子 １８、ブラシ１７、図示されていない整流子、電機子を通り、他側のブラシ１７ ′、ブラシホルダ端子１８′、チョークコイル１１′のリード端末１４′、チョ ークコイル１１′、リード端末１３′、ターミナル２１′の平坦部２４′、円筒 部２２′、図示されていない接続ピンの端部、電源の他端に流れる。

【００２５】 このように電源から接続する接続ピンの端部とターミナルとの接続を容易にし かも確実に行うことができる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案によれば、チョークコイルとターミナルとの間に絶縁ワッシャを挿入し たことによって、チョークコイルのリード端末とターミナルとを絶縁するだけで なく、２つのチョークコイル間の距離が正しく所定に保たれることとなり、チョ ークコイルのリード端末と当該リード端末を接続する部分との位置関係が所定値 に決められるため、自動的に半田づけなどを行うに当っての取り付け精度および その信頼性が向上する。

【００２７】 また、チョークコイルを長さ方向にしてエンドベルに設けられた凹部に挿入し て、チョークコイルを前記凹部の底部とターミナルとで固定したので、接着剤を 使用しなくて済む。したがって、接着剤と接着剤の塗布および乾燥する手間とが 不要であるから、安価な小型モータを提供することができる。

【００２８】 さらに、接着剤が不要であるから放熱性の良い小型のチョークコイルを提供す ることができると共に、燃料ポンプ等に使用するモータに適する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案におけるチョークコイルを取り付けるた
めのターミナルおよび絶縁ワッシャを説明するための図
である。

【図２】チョークコイルをチョークコイル収納凹部に挿
入する際の説明図である。

【図３】チョークコイルがチョークコイル収納凹部に取
り付けられた状態を説明する図である。

【図４】図３のエンドベルを横から見た図である。

【図５】本考案における絶縁ワッシャの一実施例説明図
である。

【図６】チョークコイルを説明するための図である。

【図７】チョークコイル収納凹部を説明するための図で
ある。

【図８】チョークコイル収納凹部にチョークコイルを収
納した状態を説明するための図である。

【図９】チョークコイルをエンドベルに設けられたチョ
ークコイル収納凹部に挿入する際の説明図である。

【図１０】チョークコイルをチョークコイル収納凹部に
取り付けた際の断面図である。

【符号の説明】

１１、１１′ チョークコイル １２、１２′ ソフトフェライト １３、１３′ リード端末 １４、１４′ リード端末 ２１、２１′ ターミナル ２２、２２′ 円筒部 ２３、２３′ 係合部 ２４、２４′ 平坦部 ２５ 絶縁ワッシャ ２６ 爪部 ３１ エンドベル ３２、３２′ チョークコイル収納凹部 ３３、３３′ 係止部 ３４、３４′ ターミナル嵌合凹部 ３５ リブ ３６ 軸受 ３７ 開口 ３８ 突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小型モータのハウジングの端部を塞ぐエ
   ンドベルに形成された凹部にチョークコイルを収納した
   小型モータにおけるチョークコイルの取り付け装置にお
   いて、前記チョークコイルをその長さ方向に挿入するチ
   ョークコイル収納凹部と、前記チョークコイルの一方の
   リード端末を電気的に接続する部分によって前記チョー
   クコイルの一端を押圧すると共に、前記エンドベルに係
   止されるターミナルと、前記チョークコイル収納凹部に
   挿入されたチョークコイルに嵌合して他方のリード端末
   と前記ターミナルとを絶縁する絶縁ワッシャと、を備え
   たことを特徴とする小型モータにおけるチョークコイル
   の取り付け装置。