JPH04124858U - 小型モータのターミナル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ターミナルあるいは当該ターミナルに接続す
る接続ピンにおける寸法誤差を吸収することができる小
型モータのターミナルを提供する。 【構成】 チョークコイル１１は、小型モータのハウジ
ングの端部を塞ぐエンドベル３１に設けられたチョーク
コイル収納凹部３２に長さ方向に挿入した後に、チョー
クコイル１１の一端を押さえる。また、ターミナル２１
は、その係合部２３によって前記エンドベル３１に係止
して固定されると共に、前記チョークコイル１１のリー
ド端末１３が位置決め部２５によって位置決めされるよ
うに導出される構成とする。さらに、ターミナル２１に
成形された円筒部２２は、電力供給用接続ピンの端部を
挿入して接続する際に、塑性変形させて大きさに融通性
をもたせることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型モータに電力を供給するための接続線を接続するためのターミ ナル、特に、小型モータを自動車の燃料ポンプ等に使用する際に優れた小型モー タのターミナルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来例における小型モータのターミナルについて説明する。図６は従来例にお けるエンドベルとターミナルとの取り付け状態を説明するための図である。図６ において、エンドベル６１は、図示されていないモータにおけるハウジング（永 久磁石界磁が保持されているハウジング）の一端を塞ぐものであると共に、ハウ ジング内のブラシと外部の電源とを電気的に接続するターミナル６２を取り付け るためのものである。

【０００３】 そして、エンドベル６１には、前記ターミナル６２を取り付けるための嵌合孔 ６３が形成されている。ターミナル６２には、予め円筒部６４が成形されており 、この円筒部６４が前記エンドベル６１の嵌合孔６３に挿入される。 また、円筒部６４の先端は、導電体からなるブラシ６５を備えた円板部６６の 開口に挿入される。その後、ターミナル６２に成形された円筒部６４の先端部は 、折り返されて折返し部６７を成形することによって、ターミナル６２とブラシ ６５とがエンドベル６１に取り付けられる。このような構成の小型モータは、図 示されていない電源に接続されている接続ピンの端部をターミナル６２の円筒部 ６４に嵌合することによって電力がブラシ６５に供給されて回転する。

【０００４】 本考案はこれに限られるものではないが，小型モータを自動車の燃料ポンプ等 に使用することが行われる。このような場合における従来の小型モータにおいて はチョークコイルを配置することが行われている。以下、当該小型モータのター ミナルについて説明する。

【０００５】 図７はソフトフェライトを示す図である。図８はコイルを示す図である。図９ はソフトフェライトとコイルとにより組み立てられたチョークコイルを示す図で ある。図１０は小型モータにおけるチョークコイルを収納するための凹部を説明 する図である。図１１は小型モータにおけるエンドベルの凹部に収納されたチョ ークコイルを説明する図である。図１２は小型モータの外観を示す図である。

【０００６】 先ず、チョークコイル４１は、接着剤４４を付けた状態のソフトフェライト４ ２を絶縁被覆された導電線を巻回したコイル４３の内部に挿入させた後、接着剤 ４４を乾燥して完成される。一方、小型モータには、図１２に示されているごと く、ハウジング９１の一端から回転軸９２が突出し、ハウジング９１の他端を塞 ぐエンドベル６１の外面に図示されていない電源から電力を供給するターミナル ７３、７３′が形成されている。

【０００７】 また、図１０に示すごとく、エンドベル６１のたとえば、内端面には、チョー クコイル４１を収納するチョークコイル収納凹部７２、７２′と、前記ターミナ ル７３、７３′と電気的に接続されているターミナル端部７４、７４′と、図示 されていない整流子に電力を供給するブラシ７５、７５′と、端子７９、７９′ が形成されている。そして、チョークコイル収納凹部７２、７２′の内部には、 少なくとも一つのリブ７６が形成されている。前記チョークコイル４１は、前記 チョークコイル収納凹部７２に形成されたリブ７６に対し圧入されて収納される 。

【０００８】 絶縁被覆された導電線のみにより形成されているチョークコイルは、外部から の圧力に対して変形し易いが、ソフトフェライト４２と前記コイル４３とを接着 剤４４によって固定されたチョークコイル４１は、ある程度の強度を有するため 、チョークコイル収納凹部７２内に圧入しても変形しない。

【０００９】 また、ソフトフェライト４２は、コイル４３と接着剤４４により接着されてい るため、ソフトフェライト４２がチョークコイル収納凹部７２から単独で脱落す ることがない。このようにして、チョークコイル収納凹部７２に収納されたチョ ークコイル４１のリード端末４５および４５′は、ターミナル端部７４に形成さ れた切欠７７に仮付けした後、半田７８によって電気的に接続される。

【００１０】 以上のように構成された小型モータのターミナル７３には、図示されていない 電源の一端に接続された接続ピンの端部が接続される。そして、接続ピンの端部 に供給された電流は、ターミナル７３、ターミナル端部７４、チョークコイル４ １、端子７９、ブラシ７５′、図示されていない整流子、電機子を通り、他側の ブラシ７５、端子７９′、チョークコイル４１′、ターミナル端部７４′、ター ミナル７３′を通り図示されていない接続ピンから電源の他端に流れる。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

図１０に示すような形状のターミナル７３を備えた小型モータの場合には、絶 縁体からなるエンドベル６１と導体からなるターミナル７３を一体成形しなくて はならないので、コストが高価になるという欠点を有した。このために図６を参 照して説明した如きターミナル６２の構造に類似した構造を採用することが考慮 される。

【００１２】 しかし、当該図６に示す如き構造においては、エンドベル６１とターミナル６ ２の円筒部６４とが固定されているため、電源から電力を供給する図示されてい ない接続ピンの端部をターミナル６２の円筒部６４に圧入して取り付けるに当っ ては、ターミナル６２上にもうけられている２つの円筒部６４の間隔と当該２つ の円筒部６４に挿入する外部からの接続ピン間隔を厳密に管理する必要がある。 このような各寸法の管理は、小型モータのコストを高価にするだけでなく、寸法 精度が悪い場合には、小型モータの信頼性を悪くする。

【００１３】 本考案は、以上のような課題を解決するためのもので、小型モータのターミナ ルあるいは当該ターミナルに接続する接続ピンにおける寸法誤差を吸収すること ができる小型モータのターミナルを提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案における小型モータのターミナルは、小型 モータのハウジングの端部を塞ぐエンドベルに設けられたチョークコイル収納凹 部にチョークコイルをその長さ方向に挿入した際に、チョークコイルの一端を押 さえるものであって、前記エンドベルに係止して固定される係合部と、前記チョ ークコイルのリード端末に対する位置決め部と、電力供給用接続ピンを嵌合して 接続する際に、塑性変形させて大きさに対する融通性をもたせることができる円 筒部とから構成される。

【００１５】

【作 用】

本考案における小型モータのターミナルは、エンドベルの係止部にその係合部 が固定されると共に、エンドベルに形成されたチョークコイル収納凹部に挿入さ れているチョークコイルの上を押さえる。

【００１６】 また、ターミナルに電力を供給すべく外部からの接続ピンが挿入される円筒部 は、前記エンドベルのターミナル嵌合部に遊嵌された状態で挿入される。さらに 、ターミナルに設けられた円筒部は、たとえば、バーリング加工を施して、塑性 変形し得るように形成しておく。

【００１７】 このような構成の小型モータのターミナルから電力を供給するために、接続ピ ンの端部は、前記ターミナルの円筒部に挿入される。このとき、接続ピンの端部 が円筒部に挿入する部分の大きさに多少の誤差があっても、円筒部の可塑性と、 前記円筒部とターミナル嵌合部との隙間とによって、前記誤差は、吸収される。

【００１８】

【実 施 例】

図１ないし図５を参照しつつ本考案の小型モータのターミナルについて説明す る。図１はチョークコイルを固定する際の本考案におけるターミナルの一実施例 説明図である。図２は図１のエンドベルを横から見た図である。図３は本考案に おけるターミナルの一実施例説明図である。図４はターミナルを小型モータのエ ンドベルに固定する際の状態を説明するための図である。図５は本考案における ターミナルとチョークコイルとの取り付け状態を説明するための図である。

【００１９】 図１において、小型モータのハウジングの一端を塞ぐエンドベル３１における たとえば、外表面には、後述のチョークコイル１１、１１′を収納するチョーク コイル収納凹部３２、３２′と、当該チョークコイル収納凹部３２、３２′に収 納されたチョークコイル１１、１１′のソフトフェライト１２、１２′を押さえ るためのターミナル２１、２１′を固定する係止部３３、３３′と、同じくター ミナル２１、２１′の円筒部２２、２２′を挿入するターミナル嵌合凹部３４、 ３４′と、モータの軸受３６と、たとえば、ロータとステータとの間にガソリン が入っている場合のチェックバルブを挿入する開口３７と、前記ターミナル２１ の押さえ部の動きを止める突起部３８と、後述するブラシホルダ端子挿入孔（図 では見えない）とが形成されている。

【００２０】 また、図２に示すように、エンドベル３１の反対側には、ブラシ１７、１７′ （１７′は図示されていない）を取り付けたブラシホルダ１５、１５′（１５′ は図示されていない）がブラシホルダ端子１８、１９を前記ブラシホルダ端子挿 入孔に挿入することによって固定されている。そして、ブラシホルダ１５、１５ ′には、ブラシ１７、１７′と接続するピグテール接続部１６が設けられている 。

【００２１】 図３に示すターミナル２１は、一端に外部の電源と接続する際に図示されてい ない接続ピンの端部をその内部に挿入するために円筒状に形成された円筒部２２ と、前記エンドベル３１の係止部３３に係止する係合部２２と、他端にソフトフ ェライト１２の一端を押さえると共に、前記チョークコイル１１のリード端末１ ３を電気的に接続する平坦部２４と、図１に示すリード端末１３の位置を決める 位置決め部２５とから構成される。

【００２２】 前記ターミナル２１の円筒部２２の成形は、たとえば、バーリング加工により 行う。バーリング加工によって成形されたターミナル２１の円筒部２２は、入口 部においてアールが設けられると共に、挿入するターミナル嵌合凹部３４との間 に隙間を有するような大きさに成形される。また、前記位置決め部２５の形状は 、切欠あるいは溝等リード端末１３の位置を規制できれば任意である。さらに、 エンドベル３１に形成されたチョークコイル収納凹部３２は、図５に示すように 、その底部に少なくとも一個のリブ３５が形成されている。

【００２３】 以上のような構成のエンドベル３１に設けられたチョークコイル収納凹部３２ の内部に挿入されたチョークコイル１１は、リード端末１３を上部に向けた状態 で挿入される。チョークコイル１１に挿入されているソフトフェライト１２の端 部は、チョークコイル収納凹部３２の底部に形成されているリブ３５に押しつけ られる。

【００２４】 次に、ターミナル２１の円筒部２２はターミナル嵌合凹部３４に遊嵌され、係 合部２３は、係止部３３に嵌着される。ターミナル２１の上記取り付けと同時に ターミナル２１の平坦部２４は、前記チョークコイル１１の上端部を押さえる。 この時、チョークコイル１１のリード端末１３は、ターミナル２１の位置決め部 ２５に当接するような位置関係になるので、９０度折曲げられてターミナル２１ の平坦部２４に半田２６によって半田付けされる。また、チョークコイル１１の 他方のリード端末１４は、ブラシホルダ端子１８にたとえば、半田によって電気 的に接続される。

【００２５】 以上のように構成された小型モータでは、図示されていない電源から接続ピン の端部がターミナル２１の円筒部２２に挿入される。この時、２つの接続ピンの 間隔に多少大小があって２つの円筒部２２の間隔と完全に一致していなくても、 ターミナル２１の円筒部２２が塑性変形されて挿入することができる。

【００２６】 このようにして、電源の一端から供給された電流は、図示されていない接続ピ ンの端部、ターミナル２１の円筒部２２、ターミナル２１の平坦部２４、当該平 坦部２４に接続されたチョークコイル１１のリード端末１３を通り、チョークコ イル１１、リード端末１４、ブラシホルダ端子１８、ブラシ１７、図示されてい ない整流子、電機子を通り、他側のブラシ１７′、ブラシホルダ端子１８′、チ ョークコイル１１′のリード端末１４′、チョークコイル１１′、リード端末１ ３′、ターミナル２１′の平坦部２４′、円筒部２２′、図示されていない接続 ピンの端部、電源の他端に流れる。

【００２７】 このように電源から接続する接続ピンの端部とターミナルとの接続を容易にし かも確実に行うことができる。

【００２８】

【考案の効果】

本考案によれば、エンドベルに形成されたターミナル嵌合凹部とターミナルに 塑性変形可能なように成形された円筒部とは、隙間を有するように遊嵌されてい るので、電源からターミナルに接続する接続ピンの端部をターミナルの円筒部に 挿入する際に、多少の誤差を吸収して確実に接続できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】チョークコイルを固定する際の本考案における
ターミナルの一実施例説明図である。

【図２】図１のエンドベルを横から見た図である。

【図３】本考案におけるターミナルの一実施例説明図で
ある。

【図４】ターミナルを小型モータのエンドベルに固定す
る際の状態を説明するための図である。

【図５】本考案におけるターミナルとチョークコイルと
の取り付け状態を説明するための図である。

【図６】従来例におけるエンドベルとターミナルとの取
り付け状態を説明するための図である。

【図７】ソフトフェライトを示す図である。

【図８】コイルを示す図である。

【図９】ソフトフェライトとコイルとにより組み立てら
れたチョークコイルを示す図である。

【図１０】小型モータにおけるチョークコイルを収納す
るための凹部を説明する図である。

【図１１】小型モータにおけるエンドベルの凹部に収納
されたチョークコイルを説明する図である。

【図１２】小型モータの外観を示す図である。

【符号の説明】

１１、１１′ チョークコイル １２、１２′ ソフトフェライト １３、１３′ リード端末 １４、１４′ リード端末 ２１、２１′ ターミナル ２２、２２′ 円筒部 ２３、２３′ 係合部 ２４、２４′ 平坦部 ２５、２５′ 位置決め部 ２６ 半田 ３１ エンドベル ３２、３２′ チョークコイル収納凹部 ３３、３３′ 係止部 ３４、３４′ ターミナル嵌合凹部 ３５ リブ ３６ 軸受 ３７ 開口 ３８ 突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 小型モータのハウジングの端部を塞ぐエ
   ンドベルに設けられたチョークコイル収納凹部にチョー
   クコイルをその長さ方向に挿入した際に、チョークコイ
   ルの一端を押さえるターミナルにおいて、前記エンドベ
   ルに係止して固定される係合部と、前記チョークコイル
   のリード端末に対する位置決め部と、電力供給用接続ピ
   ンを嵌合して接続する際に、塑性変形させて大きさに対
   する融通性をもたせることができる円筒部と、を備えた
   ことを特徴とする小型モータのターミナル。