JPH04122845U - 減速機兼差動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】減速機としての構造を備え、同時に差動装置と
しても使用できる装置。 【構成】軸１１にキー１２を介して固定した太陽歯車１
３を挟むように第一ホイル１４と第二ホイル１８とを前
記軸１１に回転自在に支持し、第一ホイル１４にピン１
６を介して支持した遊星歯車１７を前記太陽歯車１３に
係合する一方、第二ホイル１８のインターナルギヤ２１
にも前記遊星歯車１７を係合する。第一ホイル１４を固
定状態にし、軸１１を回転させ、太陽歯車１３と、遊星
歯車と、インターナルギヤ２１との歯数比に応じた減速
値で第二ホイル１８は回転する。この場合第一ホイル１
４を回転させると、差動装置としても作用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、遊星歯車式の減速機兼差動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、太陽歯車の回転でその周囲の遊星歯車を転がし、該遊星歯車の転がりに よってインターナルギャーを回転させ、各歯車相対間の歯数比に対応して減速す る装置は公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし前記減速機は、入力を減速して出力させるという機能だけしかもたず、 例えば出力によって稼働する物の位置を微調整する差動機能がないので、このよ うな機能を具備しょうとすれば、減速機とは別に差動装置を設けなければならな かった。そこで本考案は、遊星歯車減速機に差動装置の機能をも具備させたもの である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するために、軸１１に固定した太陽歯車１３を挟 むように前記軸に第１ホイル１４と第２ホイル１８とを回転自在に設け、一側の 第１ホイル１４の正面に突き出したピン１６に遊星歯車１７を支持し、該遊星歯 車１７を前記太陽歯車１３に係合する一方、他側の第２ホイル１８の背面に前記 遊星歯車の公転軌道を取り囲むようなボス２０を設け、該ボス内側のインターナ ルギャー２１に前記遊星歯車１７を係合して構成したものである。

【０００５】

【作用】

第１ホイル１４を固定の状態にし、軸１１により太陽歯車１３を回転させると 、該太陽歯車に係合する遊星歯車１７に回転力が伝達する。該遊星歯車１７はピ ン１６を介して前記第１ホイル１４に支持されているから、遊星歯車１７はその 位置を変えることなく回転する。この結果、遊星歯車１７に係合するインターナ ルギャー２１は軸の周囲を回転し、該インターナルギャーと一体の第２ホイル１ ８は各歯車相対間の歯数比に対応する減速度で回転するのである。

【０００６】 前記の減速作用中、第１ホイル１４を固定の状態から軸１１の回転方向に変移 させると、遊星歯車１３の位置が軸１１の回転方向と同じ方向に位置ずれを起こ すので、第２ホイル１８は、各歯車の歯数比によって設定された減速値よりもさ らに減速した微調整を受ける。それとは対称的に、第１ホイル１４を軸１１の回 転方向とは逆方向に変移させると、第２ホイル１８は各歯車の歯数比によって設 定された減速値よりも加速した微調整を受ける。

【０００７】 前記では第１ホイルを固定するように説明したが、それとは反対に第２ホイル １８を固定し、軸１１を回転させた場合でも、第１ホイル１４は各歯車歯数比に 対応した減速をするし、第２ホイル１８を変位させて減速値を微調整することも できる。

【０００８】

【実施例】

一端にモータ１０を連結した軸１１にキー１２を介して太陽歯車１３を固定す る。また前記軸に第１ホイル１４をボールベアリング１５を介して回転自在に支 持すると共に、該第１ホイル１４の正面に突き出した２本のピン１６，１６にそ れぞれ遊星歯車１７を回転自在に支持し、これら遊星歯車１７を前記太陽歯車１ ３に係合する。前記軸１１にさらに別の第２ホイル１８をボールベアリング１９ を介して回転自在に支持し、該第２ホイルの背面から前記遊星歯車１７を取り囲 むようにボス２０を突き出し、該ボス内面に形成したインターナルギャー２１に 前記遊星歯車１７を係合する。前記の第１，第２の各ホイルの周面全体にそれぞ れ連続的な歯２２，２３を形成し、軸受け２４に支持したハンドル軸２５に固定 したピニオン２６と前記第１ホイル１５の歯２２とを係合している。

【０００９】 ハンドル軸２５と軸受け２４との間には所定の摩擦があり、また第１ホイルの 歯２２とピニオン２６との間にはかなりの歯数差があるため、第１ホイル１４で ハンドル軸２５を回転させるのには大きなパワーを必要とし、このため第１ホイ ル１４は固定の状態にある。そこでモータ１０により軸と一体に図２のごとく太 陽歯車１３を時計方向に回転３０させると、第１ホイル１４に支持された遊星歯 車１７はその位置を保ったまま回転３１し、第２ホイル１８を従動３２させる。 仮に太陽歯車１３及び遊星歯車１７の歯数を２０枚とし、インターナルギャー２ １の歯数を６０枚だとすると、軸１１が３回転することにより、第２ホイル１８ は１回転に減速して歯２３からその減速動力が出力する。この場合、ハンドル軸 ２５を操作し、第１ホイル１４を右または左回りの方向に動かすことにより、こ の第１ホイル１４の回転が第２ホイル１８の回転に加減算され、差動装置として 機能する。

【００１０】

【効果】

本考案は、一側のホイルを固定状態にして軸を回転させ、この回転で遊星歯車 を介してインターナルギャーを動かし、該インターナルギャーを備える他側の第 ２ホイルを減速できるもので、この場合前記の一側のホイルの回転角を調整する ことによって差動装置として働き、例えば前記の減速運動でもって一定の往復運 動を行っている場合、差動装置でもってその往復動幅を微調整することができる から、従来のように減速機と差動装置とを別々に設ける必要がない経済的効果が ある。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施例の断面図。

【図２】 前図におけるＡ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１１−軸、 １３−太陽歯車、 １４−第一ホイル、
１７−遊星歯車、 １８−第二ホイル、 ２１−インタ
ーナルギヤ。−

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸１１に固定した太陽歯車１３を挟むよう
   に前記軸に第１ホイル１４と第２ホイル１８とを回転自
   在に設け、一側の第１ホイル１４の正面に突き出したピ
   ン１６に遊星歯車１７を支持し、該遊星歯車１７を前記
   太陽歯車１３に係合する一方、他側の第２ホイル１８の
   背面に前記遊星歯車の公転軌道を取り囲むようなボス２
   ０を設け、該ボス内側のインターナルギャー２１に前記
   遊星歯車１７を係合してなる減速機兼差動装置。