JP2007315581A - 減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来技術による、歯数の異なる歯車を組み合わせ、その歯数比で減速率が定まる減速装置では、一対の歯車の組み合わせで得られる減速率に限界があり、高い減速率が必要な場合には、多段機構が必要となり、装置が複雑で大型となり、且つ、価格上昇の原因ともなっていた。
【解決手段】 本発明では、第一の手段として高速回転動力源に接続されて回転する回転軸上に設けられた偏心軸と前記偏心軸上に回転自在に取り付けられた遊星歯車を備え、前記遊星歯車とその歯数が少なくとも1個以上異なる固定内歯歯車を咬合させ、さらに、前記遊星歯車の側面に設けられた駆動孔を、回転輪上の摺動ピンに咬合させる事により、高い減速率を実現した。
また第二の手段として、前記遊星歯車と、その歯数が少なくとも1個以上異なる回転内歯歯車を咬合させ、さらに、前記遊星歯車の側面に設けられた摺動孔を、固定輪上の摺動ピンに咬合させる事により、同様に高い減速率を実現した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機等の高速回転動力源に接続され、その回転数を低減して、負荷となる各種回転機器に適切な回転数の動力を伝える機能を持つ、減速装置に関する。
電動機等の高速回転動力源の回転力を低速回転動作の機器類に伝えるには、平歯車、遊星歯車、ウオーム歯車等が組合された減速装置が用いられている。
従来の、各種歯車を組み合わせた減速装置では、その減速率は組合された歯車の歯数の比で決るが、一組の歯車の組み合わせでは、その減速率は高々十分の一程度であり、より高い減速率を実現するには、歯車の組み合わせ段数を増加させる必要があり、装置の大型化と価格の上昇を伴う原因となっていた。
ただ、ウオームギヤでは、一段当たり、かなり高い減速率が得られるが、回転軸を直交させる必要があり、且つ、咬合せの条件も平歯車等に比較して、かなり厳密となり、その使用範囲は限られていた。
本発明の、[請求項1]で示されている減速装置では、電動機等の高速回転源に接続されて回転する回転軸上に設けられた1個以上の偏心軸と、前記偏心軸上に回転自在に取り付けられ、その側面に2個以上の摺動孔を持つ遊星歯車を備え、前記遊星歯車上の摺動孔と咬合する摺動ピンを持ち、且つ、外部被駆動機器に接続されている出力軸に接続されている回転輪を設けると共に、前記遊星歯車と咬合し、少なくとも1個以上歯数の異なる固定内歯歯車を設けた。
本発明の、[請求項2]で示されている減速装置では、同様に電動機等の高速回転源に接続されて回転する回転軸上に設けられた1個以上の偏心軸と、前記偏心軸上に回転自在に取り付けられ、その側面に2個以上の摺動孔を持つ遊星歯車を備え、前記遊星歯車上の摺動孔と咬合する摺動ピンを持つ固定輪を設け、さらに、前記遊星歯車と咬合い、少なくとも1個以上歯数が異なり、且つ、外部被駆動機器に接続し適切な回転数の動力を伝達する出力軸に接続されている回転内歯歯車を設けた
本発明による減速装置では、少数の歯車の組み合わせからなる簡易な機構により、従来の技術では多段構成の減速機構を必要とした、数十分の一から数百分の一と言った、極めて大きい減速率を容易に実現する事が可能であり、設備や装置の小型化と価格の低減を可能にした。
装置の構成が簡単であり、通常設計の歯車の使用が可能であり、発明の実施に当たっては、適応範囲が広く、特に大きな制約は無い。
次に、本発明による減速装置の一実施例を、図面を参照して説明する。
[図1](a)は、本発明の、[請求項1]に係る減速装置の一実施例を示す部分分解斜視図である。
図において、符号1は図示されていない高速回転動力源に接続されて回転する回転軸を示し、符号2aおよび2bは、前記回転軸1上に互いに対称位置に設けられている2個の偏心軸を示している。
符号4aおよび4bは、前記偏心軸上に回転自在に取り付けられている遊星歯車を示す。
遊星歯車4aおよび4bには符号5a,5b、5c、5d、5e、5fおよび5gで示される摺動孔が設けられている。
前記偏心歯車4aおよび4bは符号3で示される内歯歯車とその内面で咬合している。
また、内歯歯車3は、図示されていない支持材により、装置筺体等に固定されている。
更に、内歯歯車3と遊星歯車4a及び4bの歯数は少なくとも1個以上異なって作られている。
符号6は、図示されていない支持材により符号8で示す出力回転軸に固定的に取り付けられ、出力回転動力を外部被駆動機器に供給する回転輪である。
回転輪6には符号7a、7b及び7cで示される摺動ピンが設けられている。
摺動ピン7a、7bおよび7cは、遊星歯車4aおよび4bに設けられている、摺動孔5a,5b,5c,5d,5e,5fおよび5gと咬合し、その内面を摺動し回転動力の供給を受ける。
この実施例では、遊星歯車4aおよび4bに摺動孔を設け、回転輪6に摺動ピンを設けた場合について説明したが、遊星歯車4aまたは4bに摺動ピンを設け、遊星歯車4bまたは4aおよび回転輪6に摺動孔を設けても同様に機能させる事が可能である。
また、この実施例では遊星歯車が2個の場合について説明したが、遊星歯車が1個または3個以上でも同様に機能させる事が可能である。
この機構では、遊星歯車が1回公転すると、内歯歯車3と遊星歯車4a及び4bの歯数差だけ、その回転角度が進む事になる。
そして、この回転角度の差が摺動孔から摺動ピンに伝えられ、さらに回転輪6および出力軸8を経て外部被駆動機器に伝えられる事になる。
従って、この機構の減速率は内歯歯車3の歯数分の歯数差となる。
この実施例では、内歯歯車3および遊星歯車4aおよび4bが金属または合成樹脂製である場合について説明したが、[図1](b)に示す様に、どちらが一方または両方とも歯付ベルトを裏打ちした歯車を使用しても、同様に機能させる事が可能であり、且つ、騒音低減に有効である。
[図1](b)において符号10は金属製または合成樹脂製の固定輪を示し、符号11は前記固定輪内面に接着されている歯付ベルトを示している。
そして、この両者で固定内歯歯車3と同一機能を果たしている。
また、符号13で示す遊星輪の周囲には符号12で示される歯付ベルトが接着され、遊星歯車を構成する事は前述の固定内歯歯車と同様である。
これら両歯車はその歯が柔軟なゴムまたは合成樹脂で形成されているので、金属または合成樹脂製歯車のみに比し、騒音およびバックラッシの低減が可能となる。
更に、[図1](b)に示す様に、遊星歯車の摺動孔に符号14で示すベアリングを装着し、その内部に符号15で示す偏心孔を持つ回転輪を装着し、この偏心孔に回転輪6上の摺動ピンを咬合させる事により、より円滑な動作が可能となる。
[図2]は、本発明の[請求項2]に係る減速装置の一実施例を示す、部分分解斜視図を示している。
図において、符号20及び符号21以外はすべて[図1]と同様である。
[図2]において符号20は図示されていない支持材によって装置筐体等に固定されている、固定輪を示している。
また、符号21は出力軸8に図示されていない支持材によって接続されている回転内歯歯車を示している。
固定輪には、[図1]の回転輪6と同様に摺動ピン7a、7bおよび3cが設けられている。
さらに、回転内歯歯車21の歯数が、遊星歯車4aおよび4bの歯数と、少なくとも1個以上異なっている事も同様である。
遊星歯車4a、4b及び回転内歯歯車21のどちらが、または両方が歯付ベルトを裏打ちした構造を採用しても同様に機能させる事が可能である事は[実施例1]と同様である。
また、遊星歯車4aまたは4bに摺動ピンを設け、固定輪20に摺動孔を設けても同様に機能させる事が可能である事も、各摺動孔にベアリングと偏心孔を持つ回転輪を追加する事により、より円滑な動作を可能にする事は[実施例1]と同様である。
この機構では遊星歯車4aおよび4bが1回公転毎に、回転内歯歯車21は、両者の歯数差だけその角度が変化し、装置の減速率が回転内歯歯車の歯数分の歯数差となる事は[実施例1]と同様であるが、その回転方向は逆方向となる。
現在、産業界では、数十分の一、或るいは、数百分に一と言う高い減速率の減速装置がかなり使用されているが、それらの多くは、多段の平歯車機構または遊星歯車機構を使用している。
そして、それらの多くが、装置の大型化と価格の高騰を齎している。
本発明は、小型で低価格の高減速率減速装置を産業界に提供し、上記の様な問題を解消する手段を提供する事を可能とするものである。
(a)は、本発明による減速装置の第一の実施例を示す部分分解斜視図である。(b)は、歯付ベルトを、各歯車の歯部に使用したばあい、および遊星歯車の摺動孔に、ベアリングと偏心孔付き回転輪を追加した部分分解斜視図である。 本発明による、減速装置の第二の実施例を示す部分分解斜視図である。
符号の説明
1、・・・・・・・・・・・・・・・・回転軸
2a、2b、・・・・・・・・・・・・偏心軸
3、・・・・・・・・・・・・・・・・固定内歯歯車
4a、4b,・・・・・・・・・・・・遊星歯車
5a、5b、5c、5d、
5e,5f、5g、・・・・・・・・・摺動孔
6、・・・・・・・・・・・・・・・・回転輪
7a、7b、7c,・・・・・・・・・摺動ピン
8、・・・・・・・・・・・・・・・・出力軸
10、20、・・・・・・・・・・・・固定輪
11、12、・・・・・・・・・・・・歯付きベルト
14、・・・・・・・・・・・・・・・ベアリング
15、・・・・・・・・・・・・・・・偏心孔付き回転輪
21、・・・・・・・・・・・・・・・回転内歯歯車

Claims (2)

  1. 回転源に接続されて回転する回転軸上に設けられた、1個以上の偏心軸を備え、
    前記偏心軸上に回転自在に取り付けられ、その側面に2個以上の摺動孔が設けられた、偏心軸と同数の遊星歯車を備え、
    前記遊星歯車上の摺動孔と咬合する摺動ピンを備えた回転輪と、前記遊星歯車と咬合し、その歯数が前記遊星歯車の歯数と、少なくとも1個以上異なる固定内歯歯車を備え、
    前記回転輪が外部被駆動機器に接続され、回転動力を供給する出力軸に接続されている事を特徴とし、
    必要に応じ前記遊星歯車及び固定内歯歯車の一方または両方が歯付ベルトを金属製輪または合成樹脂製輪によって裏打ちされている構造である事を特徴とする減速装置。
  2. 回転源に接続されて回転する回転軸上に設けられた、1個以上の偏心軸を備え、
    前記偏心軸上に回転自在に取り付けられ、その側面に2個以上の摺動孔が設けられた、偏心軸と同数の遊星歯車を備え、
    前記遊星歯車上の摺動孔と咬合する摺動ピン備えた固定輪と、前記遊星歯車と咬合し、その歯数が前記遊星歯車の歯数と、少なくとも1個以上異なる回転内歯歯車を備え、
    前記回転内歯歯車が外部被駆動機器に接続され、回転動力を供給する出力軸に接続されている事を特徴とし、
    必要に応じ前記遊星歯車及び回転内歯歯車の一方または両方が歯付ベルトを金属製輪または合成樹脂製輪によって裏打ちされた構造である事を特徴とする減速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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