JPH0412116B2 - - Google Patents

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JPH0412116B2
JPH0412116B2 JP58109993A JP10999383A JPH0412116B2 JP H0412116 B2 JPH0412116 B2 JP H0412116B2 JP 58109993 A JP58109993 A JP 58109993A JP 10999383 A JP10999383 A JP 10999383A JP H0412116 B2 JPH0412116 B2 JP H0412116B2
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dihydrouracil
uracil
microorganisms
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phenanthroline
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Jun Oowaki
Kensaku Utsura
Yoshiaki Minami
Tadashi Nakai
Kyoshi Kusai
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NAGASE SEIKAGAKU KOGYO KK
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NAGASE SEIKAGAKU KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ジヒドロウラシルをラウシルに変換
する能力を有する微生物を利用してジヒドロウラ
シルからウラシルを製造する方法に関する。 本発明の目的は、医薬・農薬・化学と各方面に
幅広く有用なウラシルを工業的に有利に製造する
ことにある。 従来、ラウシルの製造は、化学的合成法〔メソ
ツズ・イン・エンジモロジー,626(1957);共
立出版株式会社発行、化学大辞典第1巻第791頁
(昭和44年版);ジヤーナル・オブ・アブライド・
ケミストリー,239(1952);ヘルヴエチカ・ヒ
ミカ・アクタ,850(1925);特開昭56−86172号
等〕、あるいは発酵法(酵母等を大量培養し、
RNA抽出、加水分解した後分離採取する方法
等)、あるいは発酵蓄積法(特公昭49−22710号、
特公昭57−18873号、特公昭57−30476号等)等で
行なわれている。 しかしながら、化学的合成法では、強酸下での
加熱反応であつたり、強酸下で還元触媒を必要と
しかつ水素気流下の反応であつたりして、強烈な
条件下の反応を必要とする欠点がある。また、発
酵法では、酵母等を大量培養後、リボ核酸を抽出
し、加水分解し、生成されたウラシルをイオン交
換樹脂等で分離採取する必要があり、また発酵蓄
積法では培養時間が長期であつたり、培地組成も
複雑多数必要とし、かつ発酵生産物がウラシル以
外を含むため、イオン交換樹脂でウラシルを分離
採取する必要がある等の欠点を有する。 このため上述した如き従来の多くの欠点を有す
る化学合成法、発酵法、発酵蓄積法とは異なり温
和な条件下で反応が進み簡便にウラシルを得るウ
ラシルの製造法が望まれていた。 本発明者等は、ジヒドロウラシルを原料とし
て、酵素反応を利用したウラシルの製造法を鋭意
検討した結果、従来の化学合成法、発酵法、発酵
蓄積法に比較して、はるかに温和な条件下で反応
が進みかつ簡便にウラシルを製造する方法を見い
だし、本発明を完成した。 本発明は、ジヒドロウラシルをウラシルに変換
する能力を有するロドトルラ(Rhodotorula)属
の微生物菌体、あるいはその凍結処理を施した微
生物菌体、あるいはその微生物菌体より抽出した
抽出物のうちいずれかをジヒドロウラシルに作用
せしめてウラシルに変換する方法に関する。 また本発明は上記方法においてその反応溶液中
に、フエナンスロリンまたはポリオキシエチレン
−アルキルフエニルエーテルまたはその両者を添
加してジヒドロウラシルをウラシルに変換させる
方法に関する。 本発明を実施するに当つてはロドトルラ層のジ
ヒドロウラシルをウラシルに変換する能力を有す
る微生物菌体、あるいはその凍結処理を施した微
生物菌体、またはその微生物菌体より抽出した抽
出物を、水溶液あるいは有機溶媒(例えばジヒド
ロウラシルの溶解性が良いジメチルスルホキシド
など)を加えた水溶液に0.1w/v%以上、好ま
しくは0.2w/v%〜飽和濃度で溶解したジヒド
ロウラシルに、室温以上、好ましくは20〜45℃
で、好ましくは好気的に作用せしめてラウシルに
変換する。また、上記方法において反応時に、フ
エナンスロリンあるいはポリオキシエチレン−ア
ルキルフエニルエーテルまたはその両者を添加し
てジヒドロウラシルをウラシルに変換させる。 なお上述した方法でウラシルを製造した反応混
合物は使用した菌体を除いた後反応溶液を冷却す
るか、あるいは濃縮冷却を行なうだけでウラシル
を結晶化でき、簡便にウラシルを採取することが
できる。 本発明者等はジヒドロウラシルよりウラシルへ
の変換を工業的に行なわせるには、温和な条件下
で効率よく反応が進む酵素を利用する方法が最適
であると考えた。しかしてジヒドロウラシルより
ウラシルへの変換を行なう酵素は、動物・植物・
微生物と各種起源より取舎選択して得ることが可
能であるが、安価・大量・簡便に得るには微生物
より求めることが適していると考えられる。この
ために有用な微生物は、自然界に存在する野生
株、あるいは公的な微生物保存機関に保存されて
いる菌株、あるいはそれらを自然的または人為的
に変異誘導させた菌株より、ジヒドロウラシルを
ウラシルに変換する能力を有無を調べることによ
つて選択した。この変換能の検定方法として、本
発明者等は例えば、次のような方法を用いた。先
ず、各種菌株に適応した栄養培地で菌体を培養
し、培養液1〜100mlを遠心分離で集菌し、緩衝
液(PH5〜9)で洗滌後、得た菌体を2等分し、
24×200mm試験管に採取する。一方の試験管には
対照として緩衝液(PH5〜9)を10ml、他方の試
験管には反応混合物として0.1〜1.0w/v%ジヒ
ドロウラシルを含む緩衝液(PH5〜9)を10ml加
え、20〜40℃に保つて、振盪反応を行ない、反応
溶液中の変換されたウラシルを測定し、ジヒドロ
ウラシルをウラシルに変換する能力を持つ菌株を
予備選択する。 上記方法で、ジヒドロウラシルをウラシルに変
換しうる微生物を0.5w/v%ジヒドロウラシル
反応液(PH7.4)を用いて、30℃振盪反応を40時
間行ない反応溶液中の生成ウラシルを測定して検
索したところ、ロドトルラ・グルチニス
(Rhodotorula glutinis)IFO−0389が0.9g/、
IFO−0415が0.2g/、IFO−0688(これらは発
酵研究所より入手可能である)が0.4g/とそ
れぞれ反応溶液中にウラシルを生成することを認
め、なかでもIFO−0389が優れたジヒドロウラシ
ルをウラシルに変換する能力を有していることを
見いだした。 以下の実施例については、ロドトルラ・グルチ
ニスIFO−0389を用いて実施したが、本菌株だけ
に限定されるものではなく、上述したIFO−0415
およびIFO−0688の外ジヒドロウラシルよりウラ
シルへの変換能を有するロドトルラ属に属する菌
株であれば全て応用可能であり、また変異処理を
施すことでジヒドロウラシルをウラシルに変換す
る能力を高めた菌体に誘導して本発明に使用する
ことも可能である。 本発明で用いるロドトルラ・グルチニスIFO−
0389は、一般的な天然栄養源を用いた通常の培地
で培養した場合でも菌体中に、ジヒドロウラシル
をウラシルに変換する能力を生成蓄積するが、培
地中に、ジヒドロウラシルあるいはウラシルを含
有させることにより、ジヒドロウラシルをウラシ
ルに変換する能力を一層増加させることができる
ことを見いだした。培地中に含有させるジヒドロ
ウラシル、あるいはウラシルの量は培地組成、経
済性などによつて変化するが、通常0.01w/v%
以上、好ましくは0.05〜0.2w/v%の範囲から選
ばれる使用量が適当である。 培養条件は、温度15〜35℃、好ましくは20〜30
%、PH3〜9、好ましくはPH4〜7において15〜
50時間培養するのが適当である。培養中には、通
気・撹拌を行なつて、微生物の生育の増加と共に
ジヒドロウラシルをウラシルに変換する能力の増
加を促進させうること見いだした。このようにし
て培養の経過と共に、菌体中にジヒドロウラシル
をウラシルに変換する能力が生成蓄積された。 また本発明者等によれば培養集菌したロドトル
ラ・グルチニスIFO−0389菌体を、1時間以上、
好ましくは12時間以上、零下10℃以下、好ましく
は零下20〜70℃で凍結処理することにより、ジヒ
ドロウラシルをウラシルに変換する能力が顕著に
増加することも見いだした。 また、ロドトルラ・グルチニスIFO−0389を利
用してジヒドロウラシルよりウラシルへの変換反
応を行なう際、反応効率を上げる各種添加剤をス
クリーニングしたところ、フエナンスロリンある
いは非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチ
レ−アルキルフエニルエーテルまたはその両者を
反応液中に添加することにより、ジヒドロウラシ
ルよりウラシルへの変換が画期的に増加すること
も見いだした。その濃度として、フエナンスロリ
ンは反応液中に0.1mM以上、好ましくは0.5〜5
mMの範囲で使用し、ポリオキシエチレン−アル
キルフエニルエーテルは反応液中に0.05w/v%
以上、好ましくは0.05〜0.2w/v%の範囲で使用
するのが好ましい。使用しうるフエナンスロリン
としては、o−、m−、p−フエナンスロリンの
何れでもよいが、o−フエナンスロリンが好まし
い。またポリオキシエチチン−アルキルフエニル
エーテルとしては米国のローム・アンド・ハース
社より市販されている商標名トリトンx−45、
100、102、114、165、305、および405等がある。 ジヒドロウラシルは水難溶性であるため、本発
明方法による反応時においては基質濃度を1w/
v%以上に上げることは不可能である。そこで、
ジヒドロウラシルを含有せしめた栄養培地で培養
したロドトルラ・グルチニスIFO−0389を用い
て、0.35w/v%のジヒドロウラシルを含むリン
酸緩衝液(PH7.8)に、ジヒドロウラシルを比較
的よく溶解せしめるジメチルスルホキシドを
5w/v%以上、好ましくは10〜50w/v%添加
した反応液で、好気下に30℃に保ち、39時間反応
を行なつた結果、ジメチルスルホキシド10〜
40w/v%添加した反応溶液で、77〜89%のジヒ
ドロウラシルがウラシルに変換していた。ジメチ
ルスルホキシドの添加による反応阻害が見られな
いことから、ジメチルスルホキシドを反応液に添
加することにより、水溶液反応に比べてジヒドロ
ウラシル濃度を上げて反応を行なうことが可能で
あることを見いだした。 ロドトルラ・グルチニスIFO−0389は簡単な遠
沈操作、例えば4000rpm、5分で容易に集菌可能
であるので、本菌体を繰り返し利用するのに便利
ではあるが、さらに連続反応を可能にせしめるに
は、最近行なわれている固定化菌体にすることが
有利である。固定化法については各種報告、参考
文献に詳細に解説されている(「固定化酵素」千
畑一郎編、講談社刊;「酵素工学」福井三郎、千
畑一郎、鈴木周一編、東京化学同人刊;等)。 本菌体も各種包括固定化法(ポリアクリルアミ
ドゲル、ポリビニールアルコール、光硬化樹脂、
ポリウレタン樹脂、コンニヤク粉、ゼラチン、コ
ラーゲン、アルギン酸、カラギーナンなどを用い
て菌体を包括する方法が一般に行なわれている)
で固定化することが可能である。本発明で使用す
るロドトルラ・グルチニスIFO−0389菌体をアル
ギン酸カルシウムゲル包括で固定化を行ない、振
盪反応、および通気反応で繰り返し反応を行なつ
たところ、菌体のままでは、2回目の反応で約50
%まで反応性が低下していたのに比べ、固定化を
行なつた場合は、2回目の反応でも90%以上の反
応性を保持していて、固定化を行なうことで、安
定性が増し、ジヒドロウラシルよりウラシルに変
換する反応を繰り返し行うことの可能性を見いだ
した。 本発明によりロドトルラ・グルチニスIFO−
0389をジヒドロウラシルに作用せしめてウラシル
に変換させる際の反応条件は調べたところ、窒素
置換の嫌気下では反応はほとんど進まないが、静
置、振盪、通気、撹拌のいずれでも反応は進む
が、好気化条件下で反応を行なつた方がより効率
よくジヒドロウラシルよりウラシルへの変換反応
が起ることが判つた、このため反応効率を上げる
には酸素の必要性を見いだした。また、ロドトル
ラ・グルチニスIFO−0389菌体細胞を、集めた後
緩衝液で分散後通常行なわれている細胞破壊操作
(例えば、フレンチプレス・Xプレス・イエダプ
レス等による加圧型細胞破壊法、あるいは超音波
処理法、あるいはボールミル・ビブロゲンセルミ
ル・ダイノーミル等による擂潰法等の方法があ
る)で処理した後、遠心分離を行なつて無細胞抽
出液を得、除核酸、硫安分画を行なつた抽出物を
ジヒドロウラシルに作用せしめたところ、ウラシ
ルへの変換と同時に、正確なる反応機構について
の詳細は不明ではあるが、H2O2が反応溶液中に
放出していることを見いだした。 発酵法や発酵蓄積法によるウラシルの製造法で
は、ウラシルだけをイオン交換樹脂などで分離採
取する必要があるが、本発明によるウラシルの製
造法では、ロドトルラ・グルチニスIFO−0389菌
体をジヒドロウラシルに作用せしめて、ウラシル
に変換させた後、過または遠心分離等により反
応溶液より除菌し、得られた反応清澄液を冷却す
るか、あるいは濃縮冷却するかだけで容易にウラ
シルの粗結晶を得ることができた。 以下本発明方法の実施例を示すが、これにより
本発明方法は制限されるものではない。 なお、以下に示す実施例において、ウラシルの
定量法は高速液体クロマトグラフイーによる分離
定量、および260nmにおける吸光度の増加をウ
ラシルの260nmにおける分子吸光係数8200で除
する方法とで行なつた。両者の定量法とも同一の
値が得られた。 実施例 1 500ml容坂口フラスコに、酵母エキス0.3w/v
%、麦芽エキス0.3w/v%、ポリペプトン
0.5w/v%、グルコース1.0w/v%、ジヒドロ
ウラシル0.1w/v%(PH6.0)を100ml投入し、
120℃で15分オートクレープ処理後、ロドトル
ラ・グルチニスIFO−0389を三白金耳接種し、30
℃で24時間振盪培養し前培養液とした。次いで、
2容ミニジヤーに上記と同じ培地1とカラリ
ン(登録商標:三洋化成工業株式会社製、ポリア
ルキレングライコールエーテル)1gを投入し、
120℃で15分オートクレーブ処理後、上記前培養
液10mlを接触し、27℃、600rpm、1vvmにて24時
間通気撹拌培養を行なつた。培養終了後、培養液
を連続遠心分離(5000rpm)で集菌したところ、
3基の2容ミニジヤーで湿菌体135gを得た。
本湿菌体の一部をフリーザー(約零下30℃)で凍
結保存し、使用の都度融解して、リン酸緩衝液
(10mM PH7.4)で3回洗滌後、ジヒドロウラシ
ルからウラシルへの変換反応を供した。 24×200mm試験管に、未凍結菌体および凍結保
存菌体を0.53gずつ採取し、35mgジヒドロウラシ
ルを含むリン酸緩衝液(100mM PH7.8)を10ml
投入し、30℃で振盪反応を行ない、20時間目の反
応溶液中に生成したウラシルを定量したその結
果、表1の如く、零下30℃で12時間以上凍結する
ことにより、ジヒドロウラシルからウラシルへの
変換率が未凍結の場合の11%であるのに対し、69
%以上のジヒドロウラシルがウラシルに変換して
いた。
【表】 実施例 2 500ml容坂口フラスコに、酵母エキス0.3w/v
%、麦芽エキス0.3w/v%、ポリペプトン
0.5w/v%、グルコール1.0w/v%、ウラシル
0.1w/v%(PH6.0)を100ml投入し、120℃で15
分オートクレーブ処理後、ロドトルラ・グルチニ
スIFO−0389を三白金耳接種し、30℃で30時間振
盪培養を行ない、培養終了後培養液を遠心分離
(4000rpm、5分)で集菌し、リン酸緩衝液(10
mM PH7.4)で2回洗滌し、同緩衝液で30mlに
分散定容した。その菌体分散液3mlを加えた表2
に示す反応液を用い、24×200mm試験管中で30℃
で振盪反応を行ない、20時間目の反応溶液中の生
成ウラシルを定量した結果、表2の如く、o−フ
エナンスロリン、あるいはトリトンx−100また
はその両者を添加した反応溶液では、ジヒドロウ
ラシルのウラシルへの変換率は無添加の場合は11
%であるのに対し、80%以上の変換率を示した。
【表】
【表】 実施例 3 実施例2と同様にして、500ml容坂口フラスコ
にてロドトルラ・グルチニスIFO−0389を培養し
て、4.9gの湿菌体を得た。得た湿菌体0.6gを水
1.4mlで分散した。120℃で15分オートクレーブ処
理後室温まで冷却した5w/v%アルギン酸ナト
リウム2gを上記分散液に加え、よく混合後、注
射器より1w/v%塩化カルシウムを含むトリス
−塩酸緩衝液(10mM PH8.4)500ml中へゆるや
かに撹拌しながら、上記の菌体・アルギン酸ナト
リウム混合溶液を滴下し、径3mm前後のビーズ状
の固定化菌体を作製した。滴下後、さらに1時
間、室温でゆるやかに撹拌下に放置した。得た固
定化菌体を紙過にて集め、紙上で5mM塩
化カルシウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液で
洗滌後、固定化菌体を24×200mm試験管に採取し、
下記反応液10mlを投入して、30℃で振盪反応を繰
り返し行なつた。固定化菌体の対照として、湿菌
体を0.6g24×200mm試験管に採取し、下記反応液
10mlを投入して、固定化菌体と同様に振盪反応を
繰り返し行なつた。反応溶液中に生成したウラシ
ルを定量した結果、表3の如く、固定化菌体の方
が繰り返し反応時の安定性が高かつた。 反応液 50mM トリス−塩酸緩衝液 5mM 塩化カルシウム 1mM o−フエナンスロリン 0.35% ジヒドロウラシル
【表】 実施例 4 実施例1での零下30℃で10日間凍結保存した菌
体ロドトルラ・グルチニスIFO−0389の湿重量
1.06gを水2.3mlに分散後、120℃で15分オートク
レーブ処理した5w/v%アルギン酸ナトリウム
溶液4gを用い、実施例3と同様に固定化を行な
い、得た固定化菌体を2等分し、21×200mm試験
管に採取し、下記反応液10ml投入し、30℃に保
ち、ガラススパジヤーによる通気静置反応の繰り
返しを行なつた。固定化菌体の対照としては、凍
結菌体を0.53gずつ、21×200mm試験管に採取し、
下記反応液10ml投入し、固定化菌体と同様に反応
を行なつた。反応溶液中の生成ウラシルを定量し
た結果、表4に示す如く、固定化することにより
繰り返し反応時の安定性が増大した。 反応液 50mM トリス−塩酸緩衝液(PH8.4) 5mM 塩化カルシウム 0.35% ジヒドロウラシル 50mM トリス−塩酸緩衝液 5mM 塩化カルシウム 1mM o−フエナンスロリン 0.35% ジヒドロウラシル
【表】 実施例 5 実施例1で得た、20日間零下30℃の凍結保存し
た菌体ロドトルラ・グルチニスIFO−0389の湿重
量8gを融解後、リン酸緩衝液(20mM PH7.8)
で3回洗滌、同緩衝液20mlで分散後、5〜20℃に
保つて、約30分間超音波処理を行ない、処理後遠
心分離(10000rpm、10分)で無細胞抽出液を得
た。この無細胞抽出液による、ジヒドロウラシル
からウラシルへの変換反応を、24×200mm試験管
を用い、30℃に保つて、振盪反応で行なつた結
果、表5の如く、o−フエナンスロリンおよびト
リトンx−100の添加有無にかかわらず、19時間
で74〜82%のジヒドロウラシルがウラシルに変換
された。
【表】 実施例 6 実施例1で得た、40日間零下30℃を凍結保存し
た菌体ロドトルラ・グルチニスIFO−0389を融解
後、湿重量49gと、ジヒドロウラシル3.5g、カ
ラリン1g、および1mMのo−フエナンスロリ
ンを含む100mMリン酸緩衝液(PH7.8)1とを
2容ミニジヤーに投入し、30℃に保つて通気撹
拌反応を47時間行なつた。反応終了後、遠心分離
(4000rpm、5分)で除菌し、975mlの清澄液を得
た。本清澄液を冷蔵庫で冷却保存したところ、針
状の結晶物を得た。本結晶物を硬質紙で吸引
過後、紙上で少量のエタノールにて洗滌、約60
℃で乾燥、1.56gの結晶を得た。本結晶標品を
高速液体クロマトグラフイーで調べたところ、
97.4%のウラシル純度を示していた(収率45.4
%)。結晶標品を水に再溶解して再結晶を二度
行なつて得られた精製標品の元素分析はC:
42.89%、H:3.57%、N:25.00%、o:28.54%
(論理値c:42.86%、H:3.60%、N:24.99%、
o:28.55%)であり、そのUVスペクトルは純粋
なウラシルのものとよく一致していた。 先の結晶物を取り除いた母液約970mlをエバポ
レーターにて、約100mlまで濃縮後、冷蔵庫に冷
却保存して結晶を生成し、得た結晶を硬質紙で
吸引過後、紙上にて少量のエタノールで洗
滌、約60℃で乾燥、3.35gの結晶を得た。本結晶
標品を高速液体クロマトグラフイーで調べたと
ころ、52.8%のウラシル純度を示していた(収率
51.4%)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ジヒドロウラシルをウラシルに変換する能力
    を有するロドトルラ属に属する微生物菌体、ある
    いはその凍結処理を施した微生物菌体、あるいは
    その微生物菌体より抽出した抽出物の何れかをジ
    ヒドロウラシルに作用させることを特徴とするジ
    ヒドロウラシルよりウラシルを製造する方法。 2 ジヒドロウラシルをウラシルに変換する能力
    を有するロドトルラ属に属する微生物菌体、ある
    いはその凍結処理を施した微生物菌体、あるいは
    その微生物菌体より抽出した抽出物の何れかをジ
    ヒドロウラシルに作用させることによりジヒドロ
    ラウシルよりウラシルを製造する方法において、
    反応溶液中にフエナンスロリンまたはポリオキシ
    エチレン−アルキルフエニルエーテルまたはその
    両者を添加することを特徴とするジヒドロウラシ
    ルよりラウシルを製造する方法。 3 微生物菌体が固定化した微生物菌体である特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 4 凍結処理を施した微生物菌体が固定化した微
    生物菌体である特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の方法。 5 凍結処理を−10℃以下で1時間以上行なう特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 6 凍結処理を−20〜−70℃で12時間以上行なう
    特許請求の範囲第5項記載の方法。 7 フエナンスロリンはo−フエナンスロリンで
    ある特許請求の範囲第2項記載の方法。 8 o−フエナンスロリンを0.1mM以上使用す
    る特許請求の範囲第7項記載の方法。 9 o−フエナンスロリンを0.5〜5mM使用す
    る特許請求の範囲第8項記載の方法。 10 ポリオキシエチレン−アルキルフエニルエ
    ーテルがポリオキシエチレン−p−t−オクチル
    フエニルエーテルである特許請求の範囲第2項記
    載の方法。 11 ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフ
    エニルエーテルを0.05W/V%以上使用する特許
    請求の範囲第10項記載の方法。 12 ポリオキシエチレン−p−t−オクチルフ
    エニルエーテルを0.05〜0.2w/v%使用する特許
    請求の範囲第11項記載の方法。 13 ロドトルラ属に属する微生物菌体がIFO−
    0389、IFO−0415またはIFO−0688である特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の方法。
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