JPH0412065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、エレベータのかご室壁などを構成
する化粧パネルの締結装置に関するものである。

【従来の技術】

従来、上記のような化粧パネルの締結装置とし
て第３図ないし第５図に示すものがあつた。 第３図において、１はエレベータのかご室、
２，３は隣接する化粧パネル、２ａ，３ａは化粧
パネル２，３の主部２ｂ，３ｂの両端部から裏面
（室外）側に直角に屈曲させた屈曲端部である。
そして、第４図に示すように、化粧パネル２，３
は鋼板などの金属製パネル４，４の表面全体に塩
化ビニールのような軟質の化粧シート５，５が貼
着されている。化粧パネル２，３の締結装置は、
これらの相対向する屈曲端部２ａ，３ａに貫通す
るボルト６ａとボルト６ａの先端部にスプリング
ワツシヤ６ｂを介して締付けたナツト６ｃとから
なる締結具６で締結されている。 また実公昭54−19636号公報に示す化粧パネル
の締結装置が知られている。この締結装置は、金
属製パネルの主部のみに化粧用内装板が接着され
た化粧パネルが用いられ、これらの屈曲端部間に
断面Ｔ字形の目地棒を挟んで、上記屈曲端部が締
結具で締結され、上記目地棒の両側部で内装板の
両端部がかご室内側から覆われたものである。

【考案が解決しようとする問題点】

上述した従来の締結装置のうち、実公昭54−
19636号公報に示すものは、内装板と目地棒との
間に、化粧パネルや目地棒の曲がりなどによつ
て、隙間が生じ、あるいは内装板の両端部が剥が
れて外観を損ね、また目地棒を化粧パネルの全高
にわたつて設ける必要があるので重要が重くなる
という問題点があつた。 また、第３図、第４図に示すものは、化粧パネ
ル２，３の表面全体に軟質のシートが貼付けてあ
るので、隣接パネル２，３の締結部付近で、第４
図，第５図に示すように、締結具６のボルト６ａ
の締付けによる面圧で化粧シート５，５がクリー
プを起し、これらのボルト６ａの周辺部がつぶ
れ、主部２ｂ，３ｂ表面に化粧シート５，５のず
れによる局部的なふくれ部５ａ，５ａが発生し、
外観を損なうという問題点があつた。 この考案は、上述した問題点を解決して、金属
製パネルの表面全体に軟質の化粧シート貼付けた
化粧パネルを用いた場合に、外観を損なうふくれ
部の発生を防止でき、また重量を重くすることな
く隣接化粧パネルを締結できるこれらの締結装置
を提供することを目的としている。

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案において
は、主部の両端から裏面側に屈曲した屈曲端部を
有する金属製パネルと、この金属製パネルの上記
屈曲端部を含む表面全体に貼り付けた軟質の化粧
シートとからなる２枚の化粧パネルとを、相対向
する屈曲端部で締結具によつて互いに締付けた化
粧パネルの締結装置において、これら屈曲端部の
化粧パネル相互間に挾着される薄板の挟み金を設
け、この挟み金には上記締結具のボルトを緩く挿
通させるＵ字形溝を室内側へ開口させて形成する
とともに、室外側端部に上記屈曲端部の室外側端
面に係合する屈曲部を形成し、この挟み金を化粧
パネルの主部表面より裏側に配置したことを特徴
としている。

【作用】

この考案における化粧パネルの締結装置は、隣
接化粧パネルの屈曲端部間の挟み金を挟着した部
分以外には僅かの隙間ができ、上記屈曲端部が密
接していないことにより、挟み金周辺部の化粧シ
ートのクリープによるずれを上記隙間部分に分散
させることができ、見苦しい曲部的なふくれ部の
発生を防止でき、また挟み金が薄くしかも挟み金
が化粧パネルの主部表面より裏側に配置してある
ため、壁の表面側からは屈曲端部間の隙間をほと
んど感じさせない。化粧パネルの継目となり、さ
らに挟み金が薄いためこれらがないものと比べて
重量もほとんど増加しない。しかもこの挟み金に
はボルトを緩く挿通させるＵ字形溝を室内側に開
口させて形成するとともに、室外側端部にパネル
屈曲端部の室外側端面に係合する屈曲部を形成し
ているため、パネル屈曲端部にボルトを挿通させ
て後、室外側から挟み金を相対向するパネル屈曲
端部間に容易に挿通させることができ、また挟み
金の屈曲部をパネル屈曲端部の室外側端面に係合
させて各挟み金のパネル主部表面から裏側への離
間位置を均一なものとすることが可能で、挟み金
の取付作業性および仕上り精度の改善に寄与する
ことができる。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を第１図、第２図に
よつて説明する。 第１図、第２図において、第３図ないし第５図
と同一符号は相当部分を示し、７は厚さ１mm以下
の薄板からなる挟み金である。挟み金７は、締結
具６のボルト６ａが嵌まるＵ字形溝７ａが形成さ
れ、室外側端に直角に屈曲した屈曲部７ｂ設けら
れている。そして、挟み金７は、隣接する化粧パ
ネル２，３の相対向する屈曲端部２ａ，３ａ間に
介挿され、Ｕ字形溝７ａにボルト６ａが係合さ
れ、さらに屈曲部７ｂが一方の化粧パネル２の屈
曲端部２ａの室外側端面に係止され、挟み金７の
室内側端が化粧パネル２，３の主部２ａ，３ａ表
面より裏側すなわち室外側に２mm以上離して配置
されている。なお、この実施例の上述した以外の
構成は第５図、第６図に示す従来のものと同様で
ある。 また、上述した実施例では、エレベータのかご
室壁を構成する化粧パネルの締結装置について述
べたが、この考案はかご室壁以外の壁などの面板
を締結する装置にも適用できる。

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、金属
製パネルの表面全体に軟質の化粧シートを貼付け
た２枚の化粧パネルの屈曲端部間に、薄板の挟み
金を、上記屈曲端部の締結部周辺に化粧パネルの
主部表面より裏側に配置して挟着したので、上記
化粧シートの締結部近くに局部的にふくらみが発
生することを防止でき、また化粧シートの主部表
面側からは屈曲端部間の隙間をほとんど感じさせ
ないことにより、外観がよい化粧パネルの締結装
置を、重くすることなく提供できるという効果が
得られる。しかもこの挟み金にはボルトを緩く挿
通させるＵ字形溝を室内側に開口させて形成する
とともに、室外側端部にパネル屈曲端部の室外側
端面に係合する屈曲部を形成しているため、パネ
ル屈曲端部にボルトを挿通させて後、室外側から
挟み金を相対向するパネル屈曲端部間に容易に挿
通させることができ、また挟み金の屈曲部をパネ
ル屈曲端部の室外側端面に係合させて各挟み金の
パネル主部表面から裏側への離間位置を均一なも
のとすることが可能で、挟み金の取付作業性およ
び仕上り精度の改善に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による化粧パネル
の締結装置を示す水平断面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は従来の化粧パネルの締
結装置を備えたエレベータかご室壁の概略水平断
面図、第４図は第３図部の拡大図、第５図は第
４図の−線断面図である。 ２，３……化粧パネル、２ａ，３ａ……屈曲端
部、２ｂ，３ｂ……主部、４……金属製パネル、
５……化粧シート、６……締結具、７……挟み
金。なお、図中同中符号は同一又は相当部分を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主部の両端から裏面側に屈曲した屈曲端部を有
   する金属製パネルと、この金属製パネルの上記屈
   曲端部を含む表面全体に貼り付けた軟質の化粧シ
   ートとからなる２枚の化粧パネルとを、相対向す
   る屈曲端部で締結具によつて互いに締付けた化粧
   パネルの締結装置において、両化粧パネルの締結
   部周辺の屈曲端部間に、これら屈曲端部の化粧パ
   ネル相互間に挾着される薄板の挟み金を設け、こ
   の挟み金には上記締結具のボルトを緩く挿通させ
   るＵ字形溝を室内側へ開口させて形成するととも
   に、室外側端部に上記屈曲端部の室外側端面に係
   合する屈曲部を形成し、この挟み金を化粧パネル
   の主部表面より裏側に配置したことを特徴とする
   化粧パネルの締結装置。