JPH04120531U - 空調機の壁掛け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 壁に係止される空調機を上下方向の軸心を中
心として回動可能に係止することにより、空調機の壁掛
け作業が容易にかつ安全に行えるようにする。 ［構成］ 板金製のベースと空調機とを左右方向の一端
部で上下方向の軸心を中心として回動可能に連結し、前
記ベースに壁止め用のピンが嵌合するピン孔を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空調機を壁に掛ける係止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術として図９および図１０に示すものがあった。図９および図１０に おいて、１は壁であり、この壁１は所定箇所に配管用の配管孔２が形成されてい る。３は壁１の内側に固定する板金製のベースである。このベース３は長方形状 に形成するとともに、その上部の左右両端部に鉤状の係止突起４を上方に向けて 突出形成し、主体部に複数個のピン孔（符号省略）を形成してなり、このピン孔 から小ねじ、釘等のピン５を壁１に打ち込んで該壁１に上記ベース３を固定する 。一方、暖房機あるいは冷房機等の空調機６の裏板６ａに係止孔７を明ける。こ の係止孔７は上記各係止突起４に対応させて裏板６ａ上部の左右両端部に明ける 。そして、上記係止孔７を係止突起４に嵌合させて空調機６をベース３に係止し 、次いで図９に示すように空調機６を壁１に対して上向きに回動させて空調機６ 側の内部配管８およびアース線を壁１の配管孔２に挿通し、次いで図１０に示す ように上記空調機６を下方に回動させてベース３に密着させるとともに、上記内 部配管８の端部を外部に突出させ、該端部を外部配管９に接続する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のものは、空調機６が壁に固定したベース３に対して上下方向に回動 するようになっていたため、取付け作業する際には、一方の手で空調機６を上方 に回動させ、他方の手で内部配管８あるいはアース線等を屈曲させたり配管孔２ に挿通したりせねばならず、取付け作業に労力および手数を要する欠点があった 。特に空調機の壁掛け位置は高所であるため、足場の確保が難しく取付け作業に 危険を伴う欠点があった。本考案は上記欠点を解消した新規な空調機の壁掛け装 置を得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、板金製の固定ベースと可動ベースとを 設け、該固定ベースと可動ベースとを左右方向の一端部で上下方向の軸心を中心 として回動可能に連結し、前記可動ベースと空調機とのうちの一方と他方とに、 互いに上下方向から係脱する鉤状の係止突起と係止孔とを設け、前記固定ベース に壁止め用のピンが嵌合するピン孔を設ける構成にしたものである。また、板金 製の取付ベースを設け、該取付ベースの左右方向の一端部と空調機の左右方向の 一端部とに互いに上下方向から係脱する複数個の鉤状の係止突起と複数個の環状 の係止孔とを設けるとともに、前記各係止突起および各係止孔は上下方向に同軸 に設け、前記取付ベースに壁止め用のピンが嵌合するピン孔を設ける構成にした ものである。

【０００５】

【作用】

本考案は上記構成にしたものであるから、固定ベースを壁に固定すると、可動 ベースが固定ベースに対して上下方向の軸心を中心として回動する。次いで空調 機を可動ベースに対面させて該可動ベースに対して上方から下方に移動させると 、各係止突起と各係止孔とが互いに係合して上記空調機が可動ベースに係止され る。これにより上記空調機は可動ベースを介して固定ベース、即ち壁に対して上 下方向の軸心を中心として水平方向に回動することになる。また、取付ベースを 壁に固定し、次いで空調機を取付ベースに対面させて該取付ベースに対して上方 から下方に移動させると、各係止突起と各係止孔とが互いに係合して上記空調機 が取付ベースに係止される。これにより上記空調機は取付ベース、即ち壁に対し て上下方向の軸心を中心として水平方向に回動することになる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図１は本考案の 第１実施例を示す開作動状態を示す要部断面平面図、図２はその閉作動状態を示 す要部断面平面図、図３は図１のIII−III断面図、図４は他の実施例を示す図３ 相当の断面図、図５は本考案の第２実施例を示す開作動状態を示す要部断面平面 図、図６はその閉作動状態を示す要部断面平面図、図７は本考案の第３実施例を 示す開作動状態を示す要部断面平面図、図８はその要部断面正面図である。

【０００７】 図１において、１０は壁であり、この壁１０は所定箇所に配管用の配管孔１１ が形成されている。１２は板金製のベースであり、壁１０の内側に固定される固 定ベース１３および後述する空調機２０を支持する可動ベース１４を有する。上 記固定ベース１３と可動ベース１４とは、共に略同形状の長方形状に形成し、両 者をその右端部にて蝶番等の連結具１５により上下方向の軸心を中心として回動 可能に連結する。上記固定ベース１３はその角部４箇所にピン孔（符号省略）を 明け、このピン孔から小ねじ、釘等のピン１６を壁１０に打ち込んで該壁１０に 上記固定ベース１３を固定する。上記可動ベース１４は、図３に示すように、そ の上部の左右両端部に鉤状の係止突起１７を上方に向けて突出形成する。

【０００８】 一方、暖房機あるいは冷房機等の空調機２０の裏板２０ａに係止孔２１を明け る。この係止孔２１は前述した各係止突起１７に対応させて裏板２０ａ上部の左 右両端部に明ける。また、上記固定ベース１３の左端部と空調機２０の左端部と に、互いに係脱するフック状の止め具２２，２３を設ける。そして、上記係止孔 ２１を係止突起１７に嵌合させて空調機２０を可動ベース１４に係止し、図１に 示すように可動ベース１４を介して空調機２０を壁１０に対して前方に回動させ 、空調機２０側の内部配管２４を室内で外部配管２５に接続し、これら内部配管 ２４および外部配管２５並びにアース線（図示省略）を一括して室内側から壁１ ０の配管孔１１に挿通して外部に露出させる。次いで図２に示すように上記空調 機２０を後方に回動させて固定ベース１３、つまり壁１０に密着させ、止め具２ ２，２３を互いに係合させる。

【０００９】 なお、前述した係止突起１７および係止孔２１は、図４に示すように、空調機 ２０の裏板２０ａ上部の左右両端部に鉤状の係止突起１７’を下方に向けて突出 形成し、可動ベース１４上部の左右両端部に上記係止突起１７’に嵌合する係止 孔２１’を形成するようにしてもよい、

【００１０】 図５および図６は第２実施例を示す。図５および図６において、３０は壁であ り、この壁３０は空調機２０が取付けられる箇所に凹部３１を形成し、この凹部 ３１の左部下面に、壁３０内に形成した配管孔３２を開口させる。上記凹部３１ に板金製のベース３３を嵌合させる。このベース３３は、上記凹部３１の奥面３ １ａに固定される固定ベース３４および空調機２０を支持する可動ベース３５を 有し、共に上記凹部３１の奥面３１ａおよび右側面に沿う如く平面視Ｌ字形に屈 曲させ、その右部前端にて蝶番等の連結具３６により上下方向の軸心を中心とし て回動可能に連結する。上記固定ベース３４はその角部４箇所にピン孔（符号省 略）を明け、このピン孔から小ねじ、釘等のピン３７を壁３０に打ち込んで該壁 ３０に固定する。上記可動ベース３５は、前述した第１実施例と同様に、その上 部の左右両端部に鉤状の係止突起３８を上方に向けて突出形成し、これら各係止 突起３８に空調機２０の裏板２０ａに明けた係止孔２１を嵌合させて該空調機２ ０を可動ベース３５に係止する。なお、２４は空調機２０に接続された内部配管 、３９ａ，３９ｂは壁３０と空調機２０の左端部とに設けた止め具であり、空調 機２０が凹部３１に嵌合した際に係合して該空調機２０の不用意な開作動を防止 するためのものである。

【００１１】 図７および図８は第３実施例を示す。図７および図８において、４０は取付ベ ースであり、板金材により空調機２０の後部を収容する箱状に形成する。この取 付ベース４０の右側壁の前縁部には、図８に示すように、環状の係止孔（符号省 略）が形成されたブラケット４１を上下に２個突出固定する。このブラケット４ １の係止孔は上下の軸線に対して同軸に形成する。また、空調機２０の右側壁に 上記各係止孔に係合する係止突起４２を上下に２個同軸に配置して固定する。こ の係止突起４２はその先端部が下方に向かって屈曲する鉤状に形成する。上記取 付ベース４０は、壁３０に形成した凹部３１に嵌合させ、取付ベース４０の四角 部に明けたピン孔（符号省略）から小ねじ、釘等のピン４３を壁３０に打ち込ん で該壁３０に固定する。そして上記空調機２０側の係止突起４２を取付ベース４ ０側のブラケット４１の係止孔に上方から対面させ、空調機２０を取付ベース４ ０に対して下方に移動させて上記係止突起４２を各ブラケット４１の係止孔に嵌 合させる。なお、上記ブラケット４１を空調機２０側に、係止突起４２を取付ベ ース４０側に設ける用にしてもよい。この場合、係止突起４２はその先端部を上 向きに屈曲させる必要がある。

【００１２】 上記実施例の作用、効果について説明する。まず図１〜図６において、固定ベ ース１３（３４）を小ねじ、釘等のピン１６（３７）により壁１０（凹部３１） に固定する。さすれば可動ベース１４（３５）が固定ベース１３（３４）に対し 、連結具１５（３６）、つまり上下方向の軸心を中心として回動する。次いで空 調機２０を可動ベース１４（３５）に対面させるとともに、該可動ベース１４（ ３５）に対して上方から下方に移動させると、各係止突起１７（３８）と各係止 孔２１とが互いに係合して上記空調機２０が可動ベース１４（３５）に係止され る。この状態で空調機２０の左端部を手動により前方に引っ張ると、該空調機２ ０が可動ベース１４（３５）とともに連結具１５（３６）を中心として前方に回 動、つまり開く。この場合上記空調機２０は上下方向の軸心を中心として回動す るので、その負荷は小さくかつ手を放しても上記空調機２０は開いた状態を維持 することになる。これにより、内部配管２４と外部配管２５との接続、所定の電 気配線、内部、外部配管２４，２５およびアース線の配管孔１１（３２）への挿 通等の作業が両手で行えることになる。そして、上記作業が完了した後に上記空 調機２０の左部を後方に押して壁１０（凹部３１の奥面３１ａ）に密着させ、止 め具２２（３９ａ），２３（３９ｂ）を互いに係合させると、上記空調機２０は 壁１０（凹部３１）に一体的に固定される。

【００１３】 また図７および図８において、取付ベース４０をピン４３により壁３０の凹部 ３１内に固定する。次いで空調機２０を取付ベース４０に対面させて該取付ベー ス４０に対して上方から下方に移動させると、各係止突起４２が各ブラケット４ １の係止孔に係合し、上記空調機２０は上記係止突起４２、係止孔を介して上下 方向の軸心を中心として水平方向に回動可能となる。これにより、前述と同様に 両手でもって配管および配線の接続、配管の配管孔３２への挿通等の作業が行え ることになる。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな如く、本考案は、壁に取り付けられるベースとこれに 支持される空調機とを、左右方向の一端部で上下方向の軸心を中心として回動可 能に連結するようにしたので、空調機の壁掛け作業が容易にかつ安全に行える効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す開作動状態を示す要
部断面平面図である。

【図２】本考案の第１実施例を示す閉作動状態を示す要
部断面平面図である。

【図３】図１のIII−III断面図である。

【図４】他の実施例を示す図３相当の断面図である。

【図５】本考案の第２実施例を示す開作動状態を示す要
部断面平面図である。

【図６】本考案の第２実施例を示す閉作動状態を示す要
部断面平面図である。

【図７】本考案の第３実施例を示す開作動状態を示す要
部断面平面図である。

【図８】本考案の第３実施例を示す要部断面正面図であ
る。

【図９】従来例を示す開作動状態を示す要部断面側面図
である。

【図１０】従来例を示す閉作動状態を示す要部断面側面
図である。

【符号の説明】

１０ 壁 １１ 配管孔 １２ ベース １３ 固定ベース １４ 可動ベース １５ 連結具 １６ ピン １７ 係止突起 ２０ 空調機 ２０ａ 裏板 ２１ 係止孔 ２２ 止め具 ２３ 止め具 ２４ 内部配管 ２５ 外部配管 ３０ 壁 ３１ 凹部 ３１ａ 奥面 ３２ 配管孔 ４０ 取付ベース ４１ ブラケット（係止孔） ４２ 係止突起 ４３ ピン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板金製の固定ベースと可動ベースとを設
   け、該固定ベースと可動ベースとを左右方向の一端部で
   上下方向の軸心を中心として回動可能に連結し、前記可
   動ベースと空調機とのうちの一方と他方とに、互いに上
   下方向から係脱する鉤状の係止突起と係止孔とを設け、
   前記固定ベースに壁止め用のピンが嵌合するピン孔を設
   けたことを特徴とする空調機の壁掛け装置。
2. 【請求項２】 板金製の取付ベースを設け、該取付ベー
   スの左右方向の一端部と空調機の左右方向の一端部とに
   互いに上下方向から係脱する複数個の鉤状の係止突起と
   複数個の環状の係止孔とを設けるとともに、前記各係止
   突起および各係止孔は上下方向に同軸に設け、前記取付
   ベースに壁止め用のピンが嵌合するピン孔を設けたこと
   を特徴とする空調機の壁掛け装置。