JPH0714735Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は空気調和機に係り、特に天井カセット形、天吊
形等の天井面に吸込口をもつ空調機における吸込パネル
の取付け構造に関する。

〔従来の技術〕 空気調和機（以下、空調機又はエアコンと記す）には壁
掛型、床置型、天吊型、天井カセット型のユニットがあ
る。ビル空調の場合、必要な部分の局所空調が可能であ
り、動力エネルギーが少なくてすむファンコイルユニッ
トやパッケージエアコンが伸びている。これらの多くは
天井カセット型又は天井吊型のものである。

第９図は天井カセット型のエアコンユニットの吸込パネ
ル１周辺の取付構造を示すもので、ユニットのＡ側及び
Ｂ側でそれぞれ天井に固定されたピン軸２及び12に引掛
部３を引掛けて係止するようになっている。５は吊り金
具である。この構造は第10図に示すように、Ａ側の軸２
を中心とし、Ｂ側から開放するようになっている。さら
に、取外す場合は第11図に示すように、Ａ側の引掛部３
を押し上げることにより可能となっている。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところが、上記従来の取付構造においては、逆にＢ側の
軸を中心とし、Ａ側から開放することは不可能である。
この事は実際の市場でのメンテナンスを考慮すると、既
設の状態では外観からどちらに開くのかを判別すること
が出来ないので非常に不便である。例えば、脚立を立て
て、昇ってみたら逆側に開くことがわかり、再度脚立の
位置をかえて、昇り直すことになる。吸込パネルの開放
側をシールや刻印によりパネル表面に表示しているもの
もあるが、意匠上好ましくない。また、引掛部の部品、
即わち吊り金具をパネル部と別商品で考えた場合、吊り
金具が左右別部品となり、コストアップにつながる。

本考案は上記した点にかんがみてなされたもので、吸込
パネルが据付工事や保守の場合に、容易に開閉でき、且
つ開閉方向を選ばず、左右いずれの側から開閉でき、着
脱も容易であり、しかも安価で、意匠的にすぐれた空調
機を備えることである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は左右に切欠きを設け
て、天井に固定した軸に引掛ける引掛部を有する吸込パ
ネルを備えた天井面に吸込口をもつ空気調和機におい
て、前記左右の引掛部を左右対称に構成し、前記切欠き
は前記吸込パネルの係止位置から摺動時引掛側の軸の位
置となる端部までの距離が、前記係止位置から摺動時開
放側の位置となる端部までの距離と等しいか大きくした
ことを特徴とする空気調和機を備えるものである。

〔作用〕

本考案によれば、吸収パネルの吊り具の天井に固定した
軸に引掛ける引掛部を左右対称にしたことにより、吸収
パネルを開放する際はパネルを左右いずれか水平方向に
移動して開放でき、取り外しも左右いずれの方向から可
能である。従って、パネルの開閉や脱着が容易である。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付の図について説明する。

第１図は本考案の空調機の吸収パネルの天井取付構造の
実施例を示したもので、吸収パネル１に吊り金具５が備
えられており、その左右両端側A,Bに切欠きを設けて引
掛部3,13を形成し、天井に固定した軸2,12に引掛けるよ
うにしてある。第２図は第１図のＡ側の引掛部３の拡大
図で、図示の如く、切欠きは吸込パネルが軸に対して水
平運動しうるスリットと、斜めに運動して開放を可能に
する開口部からなり、吸込パネルを閉めた状態の定常時
においてはスリット中の凹部４に軸２が位置している。
凹部に深さｄを設けることにより地震等の横ゆれによる
吸込パネルの脱落や不慮の開放を防止している。開放又
は取り外しの際には吸込パネル１を左右いずれかの水平
方向にスライドさせる。

第３図に示す如く、吸込パネル１を左にスライドさせる
と、Ｂ側の軸の位置は図中スリット端部12aとなり、Ａ
側の軸は開口のスリット側端部2bの位置となる。第４図
に示す如く、スライドを右に移動すると、Ａ側の軸の位
置がスリット端部2aとなり、Ｂ側の軸が位置12bにな
る。凹部４の中心から位置2a又は12aまでの距離l₁と、
凹部４の中心から位置2b又は12bまでの距離l₂はl₁≧l₂
として形成してあるので、引掛側の軸が位置2a又は12a
に達した時又はそれ以前に開放側の軸が外れることにな
る。

更に第５図及び第６図に示す如く、片側を開放させた
後、逆方向に吸込パネル１をスライドさせることにより
引掛側の軸から開放することができるので、吸込パネル
そのものを取り外すことができる。

第７図及び第８図に本考案を応用したカセット形空調機
を天井に設置した状態を示したもので、ユニット本体10
は天井裏に埋め込んである。本体内部構造は省略してあ
る。

本考案のものは吸込側をパネル表面にシールや刻印等で
表示する必要がなく意匠的にすぐれている。

吸込パネルの吊り具部分はパネルの別部品で作成する場
合、左右同じものでよく、左右別に作る場合に比べてコ
ストが低減される。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る空調機は吸収パネルの天
井への取付構造が左右対称になっていることから、左右
いずれの側から容易に開閉でき、着脱も容易である。

また引掛部の部品をパネル部の別部品で考えた場合、左
右別部品とする必要がなく安価にできる。

更に開閉方向を示す目印しを必要としないので、美観を
損うことなく、意匠的にも良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の空調機の吸込パネルの天井取付構造の
実施例の断面斜視図、第２図は第１図のＡ側の引掛部の
拡大図、第３図及び第４図は吸込パネルの開放過程を示
す図、第５図及び第６図は吸込パネルの取外し過程を示
す図、第７図は本考案を応用した天井カセット形空調機
の斜視図、第８図は第７図の空調機の断面図、第９図は
従来の空調機の吸込パネルの天井取付構造の断面斜視
図、第10図は第９図の吸込パネルの開放過程を示す図、
第11図は第９図の吸込パネルの取外し過程を示す図であ
る。 １…吸込パネル、2,12…軸、3,13…引掛部、５…吊り金
具、４…係止用凹部、2a…摺動時の引掛側の軸の位置、
2b…摺動時の開放側の軸の位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右に切欠きを設けて、天井に固定した軸
   に引掛ける引掛部を構成する吊り具を有する吸込パネル
   を備えた天井面に吸込口をもつ空気調和機において、前
   記左右の引掛部を左右対称に構成し、前記切欠きは前記
   吸込パネルの係止位置から摺動時引掛側の軸の位置とな
   る端部までの距離が、前記係止位置から摺動時開放側の
   位置となる端部までの距離と等しいか大きくしたことを
   特徴とする空気調和機。