JPH04120033U - 輪転印刷機用見当調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 輪転印刷機において版胴の周方向および／ま
たは側方向での見当調整を、それぞれ他方の見当に影響
することなく容易に実施することのできる見当調整装置
を提供することにある。 【構成】 ダブル歯車がゴム胴の軸上に固定されてお
り、ゴム胴の軸はダブル歯車とともに軸方向に第１の移
動装置により移動させることができる。ダブル歯車の第
１の歯車は駆動歯車と噛合っており、ダブル歯車の第２
の歯車は版胴に回転不能で相対的にその軸方向にも移動
不能に結合されたもう１つの歯車と噛合っており、ダブ
ル歯車の第２の歯車ははすば歯車、第１の歯車は平歯車
で、ダブル歯車の両歯車は相互間では不動である。版胴
も軸方向に移動可能に支持されて第２の移動装置に結合
されている。そこで、ゴム胴はダブル歯車と共に、版胴
は歯車と共に、互いに無関係に軸方向に移動でき、した
がって一方の見当を他方の見当に影響を及ぼすことなく
調整することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はダブル歯車の第１の歯車と噛合う駆動歯車を備え、ダブル歯車の第２ の歯車は、版胴に回転不能で相対的にその軸方向にも移動不能に結合されたもう １つの歯車と噛合っており、ダブル歯車の一方の歯車ははずば歯車、他方の歯車 は前記はずば歯車とは歯すじの方向が異なっており、ダブル歯車の両歯車は相互 間では不動であるが、ダブル歯車全体としては軸方向に移動可能に支持されて第 １の移動装置に結合され、版胴も軸方向に移動可能に支持されて第２の移動装置 に結合されている、輪転印刷機における版胴の周方向およびまたは側方向の見当 調整のための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記のような装置はＤＥ−ＯＳ２９２１１５３によって公知である。傾き方向 が互いに逆になった２つのはすば歯車をもつダブル歯車が一方で駆動歯車と結合 されていて他方では版胴を駆動する。ダブル歯車自体は、オフセット印刷機の形 態の印刷機のゴム胴に結合されている。周方向の見当だけを調整するときは、ダ ブル歯車をゴム胴と共にその軸方向に移動させる。側方向の見当だけを調整する ときは、版胴に結合された歯車を胴と共にその長さ方向に移動させるが、この際 生じた周方向のずれを補償するため同時にダブル歯車を軸方向に移動させなけれ ばならない。ＤＥ−ＰＳ２１５７２７８で公知の装置においても同様に、側方向 の見当を調整する際には同時に周方向見当調整装置を動かさなければならない。 つまり、版胴のもう１つの歯車と共に移動した距離の正確に半分の距離だけダブ ル歯車を移動させなければならない。したがって、これら公知の見当調整装置は 面倒なものとなっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的はさきに述べた種類の装置において、周方向および／または側方 向の見当調整が可能であって、それが例えば連動軸とか別個の調整歯車といった 追加的調整機構を用いず、駆動歯車により直接、駆動軸を介して行われるような 装置を提供することである。一方の見当だけを調整するために両方の調整装置を 共に動かさなければならない限りにおいては、この共同の調整は１つの同じ量の 動きでなされるべきものとする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的は本考案によれば、ダブル歯車がゴム胴の軸に固定され、ダブル歯車 の前記はすば歯車とは歯すじの方向が異なる歯すじをもつ他方の歯車が平歯車で あること、およびゴム胴はダブル歯車と共に、版胴は歯車と共に互いに無関係に 軸方向に移動でき、したがって一方の見当を他方の見当に影響を及ぼすことなく 調整しうるように、ゴム胴および版胴のそれぞれに固有の移動装置が付属してい ることを特徴とする輪転印刷機用見当調整装置によって解決される。

【０００５】 本考案においては、ダブル歯車のうちの他方の歯車が駆動歯車と噛合っており 、したがって駆動歯車も平歯車となっている。この場合、オフセット印刷機にと っては、ゴム胴が周方向にずれることがないという利点が生ずる。ゴム胴をそれ に固定されたダブル歯車と共にその軸方向に移動させると版胴の周方向見当が変 化する。周方向の見当のずれを伴わずに版胴の側方向の見当を調整するには、ダ ブル歯車および版胴の「もう１つの歯車」を一緒に同じ距離だけそれらの軸方向 に移動させる。それにより、印刷中にダブリの図柄が生ずることのない側方向見 当調整ができる。

【０００６】 ダブル歯車が必ずしも印刷機の１つの胴に結合されるものでなく、オフセット 印刷機の形態の印刷機のゴム胴に結合されるのは１つの望ましい実施態様でのこ とである。

【０００７】 本考案の１つの実施態様においては胴の歯車とは反対の側に電動モータが設け られ、これらの電動機は電気的制御手段により周方向および側方向の見当を互い に無関係に個別にあるいは同時に調整できるように、ねじ付きスピンドル、支持 ブロックの中のねじ付き孔、およびボールベアリングを介して軸に結合されてい る。

【０００８】 この実施態様の利点は、付加的な機構がなく、したがってそれによる可動部の ベアリングでの遊びを伴うことなく周方向および側方向の見当の互いに無関係な 調整が可能なことにある。

【０００９】 駆動歯車は駆動モータに直接に結合されるとは限らない。複数の印刷ユニット を有する印刷機においては一般に１つの駆動モータが１つより多くの印刷ユニッ トのために設けられる。つまりこのモータはただ１つの印刷ユニットの駆動歯車 とは直接に結合され得て、他の印刷ユニットの駆動歯車はモータに結合された駆 動ギヤと機械的に結合される。

【００１０】 本考案のその他の特色や利点は、本考案の本質的な個々の事柄を包含し、図面 に示されている本発明の実施例についての以下の説明および実用新案登録請求の 範囲から知られよう。個々の特色はそれら個々で、あるいは、多くはそうである が、任意の組合せとして本考案の実施態様の中で生きている。

【００１１】

【実施例】

自明のことであるが、本考案は一般には複数の印刷ユニットをもつ、つまり多 色刷りの印刷機に用いられるものである。しかし本考案の説明には１つの印刷ユ ニットだけを取上げればすむ。本考案の理解のために直接的に必要ではない個々 のものは図の中に示していない。

【００１２】 第１図において、機械のフレーム１の中にゴム胴４と版胴６が回転するよう取 付けられている。インキおよび水を版胴６に供給するための装置は示されていな い。印刷すべき紙の印刷を行うゴム胴４と共に軸８のうえにダブルギヤ１０が回 転固定そして軸方向にも不動なように取付けられており、このダブル歯車１０は 相互に回転固定で軸方向にも不動に結合された２個の歯車を有するもので、本実 施例においては個々の歯車の組合わせとなっている。そしてここでは平歯の第１ の歯車１２、およびはすばの第２の歯車１４がある。第１の歯車１２は平歯の駆 動歯車１６と噛合っていて駆動歯車１６は駆動源である電動モータ１８の軸に結 合されている。

【００１３】 第１図において電動モータ１８は駆動歯車１６と直接に結合されている。しか し、複数の印刷ユニットを有する印刷機においてのすべての印刷ユニットでこの ようであるのではなく、そのような機械の場合は電動モータ１８の軸は駆動機構 の中の任意の歯車に結合することが可能であることを記しておきたい。第１図に おいて駆動歯車１６は印刷機の他のどの胴とも結合されていない。しかし、駆動 歯車１６を、紙をゴム胴４に押付けるためのここでは示していない圧胴の駆動歯 車として構成することも可能である。

【００１４】 第２の歯車１４はそれと同じくはすばを有する歯車２０と噛合っていて、歯車 ２０は軸２２を経て版胴６と回転不能、そして軸方向にも不動に結合されている 。

【００１５】 胴４および６のギヤとは反対の側に移動装置が配置されている。すなわち、回 転方向がどちらかによって、ゴム胴４をダブル歯車１０と共に軸８に平行に一方 向あるいは逆方向に移動させる電動モータ２８がその回転方向により版胴６をそ れに固定された歯車２０と共に、同様に軸に平行に一方向あるいは逆方向に移動 させる。これら移動装置においては、電動機２６ないし２８の軸にねじ付きスピ ンドルが結合されおり、そのねじ付きスピンドルは支持ブロック３０の中にねじ 付き孔をもって形成された相手ピースと組合っていて、これらモータ２６ないし ２８の軸のモータをかわした軸端は、機械フレーム１の中で支持されている軸８ および２２の調整装置に近い方の端８’および２２’に、ボールベアリングを介 して互い同士の間は軸方向に移動不能に結合されているが、ゴム胴４とモータ２ ６との軸端同士、または、版胴６とモータ２８との軸端同士はそれぞれいっしょ に移動する。支持ブロック３０はモータ２６および２８を支えるものであるが、 これは機械フレーム１に固定されている。

【００１６】 版胴６の周方向見当だけを変えるべき場合、すなわち、駆動ギヤ１８を不動と した場合の版胴６の回転角度位置を変えるべき場合には、電動モータ２６によっ てゴム胴４をダブル歯車１０と共に長さ方向に移動させる。ダブル歯車１０の回 転角度位置は変らない。何となれば、駆動歯車１６を不動とした場合、平歯にな っている第１の歯車１２の回転角度位置を変らないからである。これに反し、は すばになっている第２の歯車の１４の長さ方向の移動によって版胴６に結合され ている歯車２０の回転角度位置は変る。

【００１７】 版胴６の側方向見当だけを生えるべき場合、すなわち、版胴６を、（駆動ギヤ １０は不動の場合）回転角度位置を変えることなく軸２２の長さ方向に移動すべ き場合は、ゴム胴４と版胴６を電動モータ２６および２８によって同時に同じだ け移動させる。軸８あるいは２２の長さ方向での相対的移動がこの場合第２の歯 車１４と歯車２０の間で起ることはなく、また第１の歯車１２と駆動歯車１６の 間の相対的移動は胴を回転させる働きをなさない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるオフセット印刷機の１つの印刷ユ
ニットの断面図である。

【符号の説明】

４ ゴム胴 ６ 版胴 ８ ゴム胴の軸 １０ ダブル歯車 １２ ダブル歯車の一方の歯車 １４ ダブル歯車の他方の歯車 １６ 駆動歯車 ２０ 版胴の歯車 ２２ 版胴の軸 ２６，２８ 移動装置 ３０ 支持ブロック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 アントン ロデイ ドイツ連邦共和国 6906 ライメン ３ カールスルーエ−シユトラーセ 12

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダブル歯車の第１の歯車と噛合う駆動歯
   車を備え、ダブル歯車の第２の歯車は、版胴に回転不能
   で相対的にその軸方向にも移動不能に結合されたもう１
   つの歯車と噛合っており、ダブル歯車の一方の歯車はは
   ずば歯車、他方の歯車は前記はずば歯車とは歯すじの方
   向が異なっており、ダブル歯車の両歯車は相互間では不
   動であるが、ダブル歯車全体としては軸方向に移動可能
   に支持されて第１の移動装置に結合され、版胴も軸方向
   に移動可能に支持されて第２の移動装置に結合されてい
   る、輪転印刷機における版胴の周方向およびまたは側方
   向の見当調整のための装置において、ダブル歯車（１
   ０）がゴム胴（４）の軸（８）に固定され、ダブル歯車
   （１０）の前記はすば歯車とは歯すじの方向が異なる歯
   すじをもつ他方の歯車（１２）が平歯車であり、かつ、
   駆動歯車（１６）と噛合っていること、およびゴム胴
   （４）はダブル歯車（１０）と共に、版胴（６）は歯車
   （２０）と共に互いに無関係に軸方向に移動でき、した
   がって一方の見当を他方の見当に影響を及ぼすことなく
   調整しうるように、ゴム胴（４）および版胴（６）のそ
   れぞれに専用の移動装置（２６，２８）が付属している
   ことを特徴とする輪転印刷機用見当調整装置。
2. 【請求項２】 胴（４，６）の歯車（１０，２０）とは
   反対の側に、電気的制御手段により周方向および側方向
   の見当が互いに無関係に個別にあるいは同時に調整でき
   るように、ねじ付きスピンドル、支持ブロック（３０）
   の中のねじ付き孔およびボールベアリングを介して軸
   （８’，２２’）に結合されている電動モータ（２６，
   ２８）が設けられている請求項１記載の装置。