JPH04119910A - 微細なポアを有する炭素材の製造方法 - Google Patents

微細なポアを有する炭素材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、るつぼ等のシリコン単結晶引き上げ装置用部
材、放電加工用電極、半導体製造用治具、メカニカルシ
ール軸受等の機械用カーボン、原子炉用カーボン及び医
療用カーボン等の用途に適する微細なボアを有する高密
度炭素材の製造方法に関するものである。
従来の技術 一般に、高密度炭素材用炭素質プレカーサーの粉砕方法
は、破砕と磨砕の2種類に大別できる(”粉体−理論と
応用−; P425〜456、丸善■、19B2) 、
炭素材を高密度化するためには、各製造工程において様
々な方法が考えられるが、粉砕に関しては、出来るだけ
微細かつ球状に粉砕することが必要となる。炭素質プレ
カーサーは、破砕によって比較的容易に微粉砕すること
が可能であるが、粉砕後の形状が針状となるために、成
型時にプレカーサー間でブリッジを形成し易く高密度化
の原料としては望ましいものではない、また、前述のよ
うにブリッジの形成された部分にはこれを炭素材とした
とき、ここにボアが形成されるため、粉砕されたプレカ
ーサーが針状である場合には、形成されるボアのサイズ
、形状が不均一となり易い。
一方、磨砕に関しては、球状に粉砕することができるも
のの、長時間にわたって磨砕すると、粉砕時に強いシェ
アがかかり、炭素質プレカーサーの結晶子が乱れ難黒鉛
化性となるために、良電気伝導性の炭素材が得られにく
い(”ハイテク炭素材料−複合材料への新しい展開−”
;P99〜104、輛工業調査会、19B?) 、また
、磨砕すると、磨砕後の粒度分布が広くなるために、炭
素材のボアサイズが不均一となり易い等の問題点があっ
た。
この様に、得られる炭素材のボア分布及び平均ボアサイ
ズは粉砕方法の違いによって大きく左右される。しかし
ながら、粉砕方法を変えることによって、炭素材のボア
分布及び平均ボアサイズを制御したという例は少ない。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、炭素質プレカーサーをその結晶子を乱
す事なく、微細且つ球状に粉砕し、この炭素質プレカー
サーを用いることによって、微細なボアを有する高密度
炭素材を製造する方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、炭素質プレカーサーを粉砕し、次いで成型、
焼成、黒鉛化する炭素材の製造方法において、粉砕をジ
ェットミルを用い閉回路方式で行ない、炭素質プレカー
サーの平均粒径を5μm以下、粒径15Bmを越える粒
子を1wt%以下、かつ、平均アスペクト比を1.3以
下にすることを特徴とする微細なボアを宥する高密度炭
素材の製造方法である。
本発明者等は、各種の高密度炭素材の作り分は技術を確
立するために、炭素質プレカーサーの粉砕に関する研究
を鋭意性なってきた。
その結果、原料となる炭素質プレカーサーを、ジェット
ミルを用い閉回路方式で破砕することによって、その結
晶子を乱すことなく、球状に微粉砕できること、および
、この炭素質プレカーサーを成型、焼成、黒鉛化するこ
とによって、微細なボアを有する炭素材を製造できるこ
とを見い出し、これらの知見をもとに本発明を完成した
以下、本発明の内容をさらに詳述する。
本発明における炭素質プレカーサーとは、コークス粉や
黒鉛粉等の骨材と、ピッチやフェノール樹脂等のバイン
ダーとの混線物、または、ピッチ等の重質油の熱処理に
よって得られた骨材自体にバインダー成分を有する様な
生コークスの事である。炭素質プレカーサーを、まず、
数層間程度に粗粉砕する。なお、数1I11程度に粗粉
砕する方法に関しては、いずれの粉砕方法でも良く特に
限定するものではない0次に、数mm程度に粗粉砕した
炭素質プレカーサーをジェットミルで粉砕し、分級機に
よって平均粒径5Bm以下及び粒径15gmを越える粒
子が1wt%以下となった微粉とその他の粗粉とに分け
る。粗粉に関しては、再度ジェットミルで粉砕し、目標
とする平均粒径5Bm以下及び粒径15μmを越える粒
子が1wt%以下になるまで粉砕、分級の操作を繰り返
す、つまり、本発明で言う閉回路方式の粉砕とは、炭素
質プレカーサーがある一定の粒度になるまで粉砕、分級
操作を繰り返し行う粉砕方式のことである。なお、ジェ
ットミルの操業に際しては、ノズル圧力、ブロアー周波
数、コーン高さ等、様々な条件があるが、これらの最適
操業条件は炭素質プレカーサーの質や種類によって左右
されるので、予備的実験を行ない適宜選択すればよい、
また装置としては、粉砕機として、ジェットミルと分級
機とを兼ね備えているリサイクルタイプのジェットミル
を用いてもよい。
炭素質プレカーサーをジェットミルを用いて閉回路方式
により粉砕し、平均粒径5gm以下、粒径15JLmを
越える粒子を1wt%以下、しかも、その平均アスペク
ト比を1.3以下にすることによって、微細なボアを有
する炭素材を製造することができる。
炭素質プレカーサーは、平均粒径5gm以下、粒径15
μmを越える粒子を1wt%以下、好ましくは平均粒径
3μm以下、粒径15μmを越える粒子をOut%に粉
砕することがよい、すなわち、粒径は微細かつ均一なこ
とが望しいが、粒径15μmを越える粒子が1%程度ま
で存在することが許容できる。粉砕されたプレカーサー
の平均粒径が5gmを超えていると、得られる炭素材の
平均ボアサイズが、Hudsonの均−球の六方最密充
填(”粉粒体工学”; P139〜140、輛朝倉書店
、1B?2)より求められる充填体の空隙サイズからも
、lμm以下とはなり難いため、好ましくない。
また、粒径15gmを越える粒子が1wt%より多くな
ると、得られる炭素材の平均ボアサイズが1μmより大
きくなると共に、ボア分布が不均一となり、本発明の微
細なボアを有する炭素材が得られ難くなるためにやはり
好ましくない、つまり、炭素質プレカーサーの平均粒径
以外に、最大粒径も管理することが必要である。
粉砕された炭素質プレカーサーの平均アスペクト比は、
1.3以下、好ましくは1.2以下にすることがよい、
粉砕された炭素質プレカーサーの平均アスペクト比が1
.3を超えると、近年よく等方性炭素材の製造に用いら
れる冷間静水圧成型時等に、炭素質プレカーサー間にブ
リッジがかかり易くなり、得られる炭素材の高密度化が
困難になるとともに、本発明の微細なボアを有する炭素
材が得られ難くなる0本発明で言う平均アスペクト比と
は、粉砕された炭素質プレカーサーを楕円状球体と仮定
し、長軸と短軸の比で規定する。なお測定は、光学的異
方性組織を有する炭素質プレカーサーの反射率をデジタ
ル化することによって疑似粒子を求め、その長軸と短軸
の比から算出した。
ジェットミル粉砕が、破砕型式であるにもかかわらず、
炭素質プレカーサーを球状に粉砕できる理由としては、
一定の粒度に達しない粗粉を、再びジェットミルで粉砕
するという閉回路粉砕方式であることを挙げられる。つ
まり、ジェットミルは、粉砕する粒子に高速気流をあて
た時の衝撃、気流に乗った粒子相互間の衝撃、粒子と粉
砕機の内壁との間で起こる衝撃以外に、これらの間に生
じる磨砕効果も利用して粒子を粉砕するために、ジェッ
トミル粉砕を繰り返し行なうことによって、粒子の球状
化が回旋となるものと考えられる。また、閉回路方式の
ジェットミル粉砕でも。
一部磨砕の効果が期待できるのにもかかわらず、通常の
磨砕の様に結晶子に乱れが生じないのは、磨砕のエネル
ギーは、その初期段階においては、炭素層面にそっだせ
ん断変形に費やされ、その後、層面の不整として蓄えら
えていく事に起因していると思われる。つまり、確かに
ジェットミル粉砕でも磨砕効果は期待できるが、磨砕の
エネルギーの大部分は、せん断変形に消費されており、
層面の不整(結晶子の乱れ)には至っていないためであ
る。
さらに、閉回路方式の粉砕は、回分式の開回路方式の粉
砕と比較して、微粉による緩衝作用や過粉砕によるエネ
ルギー損失が抑制されるので、能率良く微粉砕でき、か
つ、粒度分布のシャープな粉体が得られる等の利点もあ
る。
粉砕以後の工程については、プレス成型、冷間静水圧成
型等の公知の手段により所定の形状に成型した成型体を
得、これをマツフル炉、リードハンマー炉等の焼成炉に
おいて焼成し、更に2000℃以上の温度において黒鉛
化するが、これらの方法については特に限定するもので
はない。
上記方法で製造することによって、得られる炭素材の平
均ボアサイズがlμm以下で、かつ、ボア分布を均一な
ものとすることができる。なお。
平均ボアサイズ及びボア分布は、存在するボアが円筒状
であると仮定して、毛細管現象の法則に基づいた水銀圧
入法によって求めた。上記方法によって製造された炭素
材が微細且つ均一なボア分布を有する理由としては、粉
砕された炭素質プレカーサーが球状且つ平均粒径5μm
以下、しかも、シャープな粒度分布を有することに起因
している。
つまり、 1)球状に粉砕することにより、最密充填が
可能となり、2)平均粒径を5JLm以下とすることで
、最密充填時に生じるボアサイズがlμm以下の微細な
ものとなり、しかも、3)粒径15μmを越える粒子を
1wt%以下とすることでシャープな粒度分布となり、
ボアのサイズが均一となったためである。
本発明によって得られた炭素材は、微細かつ均−なボア
分布を有するため、黒鉛るつぼ等の容器や黒鉛電極等の
加工を施して使用される用途に適している0例えば、シ
リコン単結晶引上げ装置用黒鉛るつぼとして使用した場
合には、従来のるつぼに比べてその使用寿命を延ばすこ
とが可能となる。黒鉛製るつぼをシリコン単結晶引上げ
装置用部材として使用する場合、その寿命を低下させる
要因として、黒鉛るつぼと一酸化珪素の反応が考えられ
る。黒鉛るつぼと一酸化珪素の反応は、気体一固体反応
であるので、本発明により、炭素材の平均ボアサイズを
従来の2gm程度から1μm以下にすることによって、
−酸化珪素の拡散速度を抑えることができるので、−酸
化珪素との反応性も大幅に抑制でき、黒鉛るつぼの使用
寿命も延ばすことができるものと考えられる。また、本
発明の炭素材を放電加工用電極として使用する場合には
、精密仕上げ加工用に適した電極を製造する事ができる
。炭素材を放電加工用電極として使用する場合、荒加工
から精密仕上げと用途に応じて炭素材を使い分けるが、
被加工物の面仕上がりは、電極の表面状態(面粗さ)に
影響されるために、微細かつ均一なボア分布を有する炭
素材を用いることによって精密仕上げが可能になったも
のと考えられる。
以上のように、本発明の方法により得られた炭素材の平
均ボアサイズがlμm以下となることによって、耐−酸
化珪素反応性が向上し、成形性も改善されるから、特に
、半導体製造用治具及び放電加工用電極等の用途に適し
ていることが分かった。
実施例 次に、実施例により本発明の効果を明らかにする。
実施例1〜5 コールタールピッチを熱処理して、キノリンネ溶分92
wt%以下、トルエン不溶分98wt%以上に調製した
骨材自体にバインダー成分を有する炭素質プレカーサー
を、閉回路式のジェットミルで粉砕した時の炭素質プレ
カーサーの特性を表1に示した。
この炭素質プレカーサーを、金型で直径50mm、高さ
45■層の円柱状に一次成型後、2.Ot/cm2の圧
力で冷間静水圧成型を行った0次いで、この成型体を粉
コークスを詰めた容器内でアルゴン雰囲気中で1100
℃まで加熱して焼成し、さらに黒鉛化炉でアルゴン気流
中で2800℃にて黒鉛化を行った。
得られた炭素材の物性値を表2に示す。
比較例1〜3 コールタールピッチを熱処理して、キノリンネ溶分92
wt%以下、トルエン不溶分88wt%以上に調製した
骨材自体にバインダー成分を有する炭素質プレカーサー
を、開回路式のジェットミル、閉回路式ユニバーサルミ
ル及びアトライターで粉砕した時の、炭素質プレカーサ
ーの特性を表1に示した。
この炭素質プレカーサーを実施例と同一条件で成型、焼
成、黒鉛化した時に得られた炭素材の物性値を表2に示
した。
また、第1図に実施例5及び比較例1で得られた炭素材
の1断片について、水銀圧入法で求めたボア分布を示し
た。
実施例1〜3と実施例4〜5との比較から、閉回路式ジ
ェットミルで粉砕を行なっても、最大粒径を管理し粒径
15Bmを越える粒子を0wt%とすることによって、
炭素質プレカーサーをより微細且つ球状に粉砕できるこ
とが分かる。さらには、これらの炭素質プレカーサーを
成型、焼成、黒鉛化することによって、より嵩密度が高
く、機械特性にも優れ、且つ微細なボアを有する炭素材
が得られることも分かった。
実施例1〜5と比較例1との比較から、粉砕機として同
じジェットミルを用いても、閉回路式のジェットミルで
粉砕することによって、炭素質プレカーサーを微細且つ
球状に粉砕できることが分かる。さらには、これらの炭
素質プレカーサーを成型、焼成、黒鉛化することによっ
て、成型時に、プレカーサー間にブリッジを形成し難か
ったために、比較例より嵩密度が高く、且つ機械特性及
び電気特性にも優れ、しかも、平均ボアサイズlμm以
下の微細なボアを有する炭素材が得られている、また、
第1図に得られた炭素材のボア分布の一例として、実施
例5と比較例1について測定結果を示した0図より、粉
砕機として同じジェットミルを用いても、閉回路式のジ
ェットミルで炭素質プレカーサーを粉砕し、この炭素質
プレカーサーを成型、焼成、黒鉛化することによって、
微細且つ均一なボア分布を有する炭素材の得られること
が分かる。
実施例1〜5と比較例2との比較から、粉砕方式として
同じ閉回路方式の粉砕を行っても、閉回路式ジェットミ
ルで粉砕することによって、炭素質プレカーサーを微細
且つ球状に粉砕できることが分かる。さらには、これら
の炭素質プレカーサーを成型、焼成、黒鉛化することに
よって、本発明の場合には特性の良好な炭素材が得られ
ることが分かった。また比較例3からは、炭素質プレカ
ーサーを磨砕することによっても微細且つ球状には粉砕
できるものの、粉砕後の炭素質プレカーサーの粒度分布
が広くなり、閉回路式ジェットミルの様に粒径15μm
を越える粒子を1wt%以下となるようには粉砕できな
いことが示されている。
さらには、これらの炭素質プレカーサーを成型、焼成、
黒鉛化することによって、本発明によれば比較例より機
械特性、特に電気特性に優れ、しかも、平均ボアサイズ
lμm以下の微細なボアを有する炭素材が得られている
。また、電気特性が優れていた事は、本発明のように閉
回路式ジェットミルを用いることによって、炭素質プレ
カーサーの結晶子を乱す車なく、微粉砕できることを示
している。
発明の効果 本発明によれば、閉回路式のジェットミルを用いること
によって、炭素質プレカーサーを、その結晶子を乱す事
なく、微細且つ球状に粉砕することができる。また、本
発明によって粉砕された炭素質プレカーサーを公知の手
段によって成型、焼成、黒鉛化することによって、容易
に高品質で、広い範囲の炭素材用途に適応し得る微細且
つ均一なボア分布を有する炭素材を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例5及び比較例1で得られた炭素材のボ
ア分布を示したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素質プレカーサーを粉砕し、次いで成型、焼成
    、黒鉛化する炭素材の製造方法において、粉砕をジェッ
    トミルを用いて閉回路方式で行い、粉砕された炭素質プ
    レカーサーの平均粒径を5μm以下、粒径15μmを越
    える粒子を1wt%以下、かつ、平均アスペクト比を1
    .3以下とすることを特徴とする微細なボアを有する炭
    素材の製造方法。
  2. (2)炭素材の平均ボアサイズが1μm以下である請求
    項1記載の微細なボアを有する炭素材の製造方法。
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