JPH04119479U - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示器の配置位置に自由度があり、、かつ表
示品位の良いヘッドアップディスプレイ型の車両用表示
装置の提供を目的とする。 【構成】 表示器１をダッシュボード３内に配置する。
ダッシュボード３の上部には開口部３ｃを設け、表示器
１の表示光は開口部３ｃを通してフロントガラス２面で
反射され運転者視点６に至らせる。表示器１と開口部３
ａとの間には透明な表板７を配置する。また、ダッシュ
ボード３の内部にデフロスト用ダクト８を配置し、その
開口部を表示器１用の開口部３ｃと共通にする。ダクト
８の下部からデフロスト用の風が吹き込まれると、風は
ダクト８を通り表板７に沿って上昇してダッシュボード
３の開口部３ｃからフロントガラス２面に吹きつけるよ
うになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダッシュボード内に配置された表示器の表示像を、ダッシュボード に設けられた開口部を通してフロントガラス面で反射させて運転者視点に導き、 フロントガラス前方に表示像の虚像を視認させる車両用表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、車両用表示装置として表示器の表示像を直接視認するようにしたもの が多数用いられている。これは、車両情報を表示する表示器をダッシュボードの 運転者側の面に配置したものであるが、車両前方の外景を見ていた運転者が表示 器の表示像を見るためには視線を一々大きく移動しなければならないという問題 がある。特に、高速走行中は遠方の外景を見ているために視線の移動がより大き くなるという問題がある。

【０００３】 このため、視線の移動を極力少なくしようとしてヘッドアップディスプレイ装 置が提案されかつ用いられている。その一例として、図３に示すように、ダッシ ュボード３内に蛍光表示管等からなる表示器１をその表示面を上に向けて配置し 、その表示像から出射した表示光をダッシュボード３に設けられた開口部３ａを 通してフロントガラス２の反射処理を施した反射面２ａで反射させて運転者視点 ６に導き、フロントガラス２の前方の外景に重畳して表示像の虚像Ｘを視認させ るようにしたものである。なお、図中の５はボンネットである。

【０００４】 また、通常、車両にはフロントガラスの内面に付着した霜（露）を蒸発させて 曇を取り、前方視界を確保するためにデフロスタが取り付けられている。上述し たようなフロントガラス面を表示光の反射面として利用するヘッドアップディス プレイ装置では、フロントガラスの曇は前方視界の妨げになるばかりでなく、表 示器の表示像の視認も困難になるため特にデフロスタを必要とする。そこで、図 ３に示すように、温風をダクト４によってダッシュボード３上部に設けた開口部 ３ｂまで導いてフロントガラス２面に当てて霜を蒸発させるようにしている。

【０００５】 また、実開昭６０−５６０８０号には、車両情報を表示する表示器を透過型の 液晶表示素子で構成して、このバックライト光源の冷却用の風をデフロスト用ダ クトに導きフロントガラスの霜取りに利用するものが提案されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、いずれの場合にあっても、ダッシュボード面にフロントガラスの曇 を除去するためのデフロスト用ダクトの開口部と、表示器用の開口部との２個の 開口部が設けられているために、図４に示すように、虚像の表示位置を変更して 運転者視点６から見て視線位置を６ａの位置から６ｂにしようとしても、フロン トガラスの傾斜角は車種により決まっているために表示器の位置を変えなければ ならないが、表示器の前方への移動はダクトの壁により制限をうけて不可能であ る。

【０００７】 また、表示器の表面には埃や霜が着きやすく、これらが付着した場合に表示像 が滲んで表示品位を低下させ視認性が悪くなる。表示器の表示面の上、例えばダ ッシュボードの開口部に透明なガラス等からなる板を配置しても、該板に付着し た埃や霜を一々拭き取らなけばならず面倒である。

【０００８】 本考案は、表示器の配置位置に自由度があり、、かつ表示品位の良いヘッドア ップディスプレイ型の車両用表示装置の提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ダッシュボード内に車両情報表示用の表示器を有し、該表示器の表 示像の光をダッシュボード上部に設けられた開口部を通してフロントガラス面で 反射させて運転者視点に導き、フロントガラス前方に表示像の虚像を視認させる 車両用表示装置において、前記表示器と前記ダッシュボードの開口部との間に透 明部材からなる表板を配置するとともに、該表板と前記ダッシュボードとの空間 をフロントガラスのデフロスト用ダクトの一部に構成して、デフロスト用の風を 該表板面に沿って通し前記ダッシュボードの開口部からフロントガラス面に当て るようにしたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】

上述構成に基づき、表示器の表示像から出射した光は透明部材からなる表板を 透過してダッシュボードの開口部を通り抜けてフロントガラス面で反射され運転 者視点に導かれる。このため、運転者視点から見ると、フロントガラスの前方に 外景と重畳して表示像の虚像が視認されることになる。また、車内の温度湿度等 の関係からフロントガラス内面が曇ったとき、デフロスト用のスイッチが入れら れると、風がデフロスト用ダクトの内を通り表板面に沿って通って、ダッシュボ ードの開口部からフロントガラス面に吹きつけられる。このため、フロントガラ ス面の曇が取れるとともに、表板面に付着した埃や霜も除去される。

【００１１】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例について説明する。なお、従来例で説明 した車両用表示装置の部材と同じものは同符号を付す。

【００１２】 本考案に係る車両用表示装置は、図１に示すように、蛍光表示管からなる表示 器１を有しており、該表示器１はダッシュボード３内にその表示面を上に向けて 配置されている。また、ダッシュボード３の上部には開口部３ｃが設けられてお り、表示器１の表示光は該開口部３ｃを通してフロントガラス面で反射され運転 者視点６に至るようになっている。

【００１３】 また、表示器１と開口部３ａとの間には透明な耐熱アクリル樹脂製の表板７が 配置されており、該表板７により表示器１はダッシュボード３の外部と遮断され て、表示器１の表示面には塵等の付着が殆ど発生しないようになっている。なお 、表板７は車両前後方向に前部が高く後部が低く傾斜して設置されており、その 前部はダッシュボード３の裏面に保持されている。また、該表板７は本実施例で は透明な耐熱アクリル樹脂を用いているが透明なガラス板を用いてもよい。

【００１４】 また、ダッシュボード３の内部で前記表示器１の配置された位置よりも運転者 側にはデフロスト用ダクト８が配置されている。該ダクト８はダッシュボード３ 内を略垂直に立ち上がって、その上部が前記表板７に向かって曲げられて屈曲部 ８ａ，８ｂを構成し、前記表板７の後部は該屈曲部８ａ，８ｂの下の部分８ａで 支持されており、該屈曲部８ａ，８ｂの上の部分８ｂはダッシュボード３に接続 されている。

【００１５】 すなわち、このダクト８の上部の屈曲部８ａ，８ｂと表板７とダッシュボード ３の開口部３ｃ近傍の部分とは互いに接続されてダクト８の一部を構成し、ダク ト８の下部からデフロスト用の風が吹き込まれると、風はダクト８の上部の前記 曲げられた部分を通り、表板７に沿って上昇してダッシュボード３の開口部３ｃ からフロントガラス２面に吹きつけるようになっている。

【００１６】 以上のように構成されているので、表示器１の表示像から出射した光は透明な アクリル樹脂からなる表板７を透過してダッシュボード３の開口部３ｃを通り抜 けてフロントガラス２の反射面２ａで反射され運転者視点６に導かれる。このた め、運転者視点６から見ると、フロントガラス２の前方に外景と重畳して表示像 の虚像Ｘが視認されることになる。

【００１７】 また、車内の温度湿度等の関係からフロントガラス２内面が曇ったとき、デフ ロスト用のスイッチが入れられると、風がデフロスト用ダクト８の内を通り表板 ７面に沿って通って、ダッシュボード３の開口部３ｃからフロントガラス２面に 吹きつけられる。このため、フロントガラス２面の曇が取れるとともに、表板７ 面に付着した埃や塵も吹き飛ばされて除去される。

【００１８】 なお、図２は、表示器１から表示光が表板７を透過しフロントガラス２で反射 する状態と、ダクト８から送られた風がダッシュボード３の開口部３ｃからフロ ントガラス２面に吹きつける状態とを示すための斜視図である。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によると、表示器の表示光を通すダッシュボード の開口部とデフロスト用の風を通す開口部とを共通にしたので、スペースに余裕 ができ設計自由度が広がるため、車両前方に表示する表示像の虚像の表示目的に 応じて表示器の位置を自由に設定することができる。また、表板の表面に付着す る車室内の埃等をダクトの風によって速やかに取り除くことができ、かつフロン トガラス面と表板面に付く霜も取り除くことができるため、常に良好な表示品位 を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の車両用表示装置の側面図であ
る。

【図２】本考案実施例の車両用表示装置の斜視図であ
る。

【図３】従来の車両用表示装置の側面図である。

【図４】従来の車両用表示装置の不都合な点を説明する
図である。

【符号の説明】

１ 表示器 ２ フロントガラス ３ ダッシュボード ３ａ，３ｂ，３ｃ 開口部 ４，８ デフロスト用ダクト ６ 視点 ７ 表板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダッシュボード内に車両情報表示用の表
   示器を有し、該表示器の表示像の光をダッシュボード上
   部に設けられた開口部を通してフロントガラス面で反射
   させて運転者視点に導き、フロントガラス前方に表示像
   の虚像を視認させる車両用表示装置において、前記表示
   器と前記ダッシュボードの開口部との間に透明部材から
   なる表板を配置するとともに、該表板と前記ダッシュボ
   ードとの空間をフロントガラスのデフロスト用ダクトの
   一部に構成して、デフロスト用の風を該表板面に沿って
   通し前記ダッシュボードの開口部からフロントガラス面
   に当てるようにしたことを特徴とする車両用表示装置。