JPH04117794U - ノツク式筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリップの係合段部と係止筒の係合突起を係
止させて筆記先端部を軸先端口から突出させる様にした
ノック式筆記具であって、従来のものがコスト高となる
点、品質のばらつき等が在る点を解決可能すると共に、
筆記先端部を突出させたままで胸のポケットに差しても
筆記先端部が軸筒内に没入可能とする。 【構成】 軸筒１に固着したクリップ８の玉部１２に係
合段部１４を設け、軸筒内に軸推移可能に筆記体３１を
嵌装して、筆記体３１の後端に配設した係止筒２１に係
合突起２２を設けて、ノックした時に相互が係止して筆
記先端部３２が突出状態となり、玉部１２の前面に係止
解除釦１６を軸筒１に梃子式に回動可能に止着して、係
止解除釦１６を押圧することで玉部１２を持ち上げて係
止状態が解除されて筆記先端部３２が収納され、係止筒
２１に止着したノック棒２７を後方に引き抜いて係止筒
２１を軸筒から離脱させて筆記体３１の交換を可能とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筆記先端部を軸先端口から突出した状態でクリップに設けた係止段 部とノック部位に設けた係合突起を係止させて固定し、その係止を解消すること によりコイルばねの弾発力で筆記体を後退させて筆記先端部を軸内部に没入させ るよう構成したノック式筆記具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

筆記部を軸先端口から突出させたままの状態で衣服の胸のポケットへ筆記具を 止着してその筆記部のインク等により衣服を汚損してしまわない様に工夫された 筆記具が存在する。その一例として図９及び図１０に示すように、クリップ１｀ の先端玉部２｀に係合部３｀を設けると共にその係合部３｀と対向する軸筒４｀ の側面に玉部２｀が没入可能な窓孔５｀を設け、又ノック体６｀の側面にも係合 部７｀を設け、ノック体６｀を前進させてリフィール８｀の先端筆記部９｀を軸 先端口１０｀から突出させた状態でクリップ１｀の係合部３｀とノック体６｀の 係合部７｀を係止させて固定し、クリップ１｀の後端に設けた押圧板部１１｀を 軸筒方向に押し下げることにより逆にクリップ１｀の先端部を持ち上げて、玉部 ２｀の係合部３｀とノック体６｀の係合部７｀の係止状態を解消したときにリフ ィール８｀及びノック体６｀がバネ１２｀により後退させられてリフィール８｀ の筆記部９｀が軸内部に没入するよう構成されたものが存在する。即ち、筆記部 ９｀が軸先端口１０｀から突出した状態ではクリップ１｀の係合部３｀とノック 体６｀の係合部７｀を係止させてクリップ１｀の使用を不能とし、よって胸ポケ ット等への止着を阻止し、又、無理にクリップ１｀を持ち上げてポケット等に止 着しようとするとクリップ１｀の係合部３｀とノック体６｀の係合部７｀の係止 状態が解消することになるのでリフィール８｀がバネ１２｀によって否応無く後 退して筆記部９｀が時期内部に没入するように成して筆記部９｀インク等による 衣服の汚損を防止するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前述した従来例の筆記具では、クリップ１｀の係合部３｀とノック 体６｀の係合部７｀の係止状態を解消する為にクリップ１｀の後端の押圧板部１ １｀を軸筒方向に押し下げることによりクリップ先端玉部２｀を持ち上げるよう 構成されているが、この構造ではクリップ１｀の取付基部１３｀に繰り返し荷重 が作用するので取付基部１３｀がへたり易い問題があり、その為この取付基部１ ３｀を合成樹脂製とすることには強度上の無理があるので例えば金属板等を用い ざるをえなかった。従って、クリップを軸筒と一体成形することは不可能で、材 料費や組立費の為にコストが嵩み、又、軸筒に対して、クリップを組付ける際の 組付具合によって品質上にばらつきが生ずる問題があった。本考案の課題はかか る問題点を解決することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前述した課題を解決する為に案出された本考案のノック式筆記具は、軸筒の後 端基部に止着したクリップの先端に係合段部を形成した玉部を固着し、筆記体を コイルばねにより後方へ附勢した状態で軸筒内に収納して、軸方向に於いて筆記 体と連動する係止筒を筆記体の後端に配設して筆記先端部が軸先端口から突出し た状態でクリップ玉部の係合段部と係止する係合突起を係止筒に設けて、玉部の 前面と対設して係止解除釦を軸筒側面に沿って梃子運動するように配設して、係 止筒の内孔に止着して軸筒の後端より突出したノック棒の後端をノックすること により筆記体を前進させて係止筒の係合突起がクリップ玉部を上動させて係合段 部に係止状態となって筆記先端部を軸先端口より突出させ、その状態より上記係 止解除釦を軸筒内方に押圧した時、その先端部が玉部の前面を押圧しながら玉部 を上動させて上記係止状態を解除すると共に筆記体が後退して筆記先端部が軸内 に収納され、上記係止筒の係合突起が可動自在に嵌装する軸筒の、クリップと対 向した側面に開設したスリットに後端に斜面を有した突起を形成して、筆記先端 部が収納状態に在る時に係止筒の係合突起が上記突起に当接して係止筒が軸筒か ら離脱するのを防止すると共に、係止筒の内孔に止着したノック棒を後方に引き 抜くことにより係止筒と共にノック棒を軸筒から離脱させて筆記体の交換が可能 となるように構成したことを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】

図１乃至図６は本考案の実施例を示している。先ず図１及び図２に示すように 軸筒１は樹脂製でその側面に後端開口縁から所要距離前方位置まで軸方向のスリ ット４を設けると共にスリット４の後端側面部に基部３が突設されている。又、 スリット４の先端近傍には支点２０が設けられて、後端にＵ字形の屈曲片を有し て後端両横側端部に脚部を備えたクリップ板１０の取付け部９を上記基部３の取 付け溝（図示せず）に挿入され圧着されると共にクリップ板１０の先端に孔１１ を穿設して、玉部１２の上面に形成した突起１５を孔１１に嵌着して玉部１２は クリップ板１０に固着されてクリップ８が構成されている。又、上記玉部１２の 下面には後述する係止筒２１の係合突起２２を嵌入させる溝１３が形成され、溝 １３の後端には係合段部１４が備えられている。

【０００６】 又、上記軸筒１に形成されたスリット４の略中央には後端に斜面６を有した突 起５が形成されている。又、係止筒２１はクリップ８と対向する側の側面に弾性 片２３と弾性片２３の先端には係合突起２２が形成され、係合突起２２の反対側 の側面にはスリット２４とスリット２４の先方部には前後端に夫々斜面２６ａ、 ２６ｂ（図４参照）が形成されている。

【０００７】 又、略中心下端に半円よりやや大きめの切欠円とした孔１８を有し、軸筒１の 後端側に先端部１７と先端側で上面に押し部１９を備えた係止解除釦１６が上記 軸筒１のスリット４の先端近傍に設けた断面が略半円状の支点２０に孔１８を弾 性的に嵌着して押し部１９を軸筒１の内方に押圧した時に先端部１７が梃子式に 上動するように取付けられている。

【０００８】 一方、筆記体３１は先端にボールペン等の筆記先端部３２を有した軸体の内部 にインクを充填したインク吸蔵体とそこから筆記先端部３２にインクを誘導する インク誘導芯が配設（図示せず）され、後端には尾栓３３が固着されている。又 筆記先端部３２の後方には外面段部３４を有して軸筒１の内孔部７の先方に形成 された内面段部３０と上記外面段部３４との間にコイルばね３５を附勢して筆記 体３１は軸筒１の内孔部７に嵌装される。

【０００９】 又、係止筒２１が係合突起２２を弾性変位しながら軸筒１の内孔部７に挿入さ れて筆記体３１の尾栓３３の後端に当接し、係合突起２２はスリット４に嵌装し て上記スリット４に形成した突起５の前面に係止される。又、係止筒２１の内孔 には先方の側面に弾性片２９と共に突起２８を有し、後端に係止筒２１の外径よ りやや大きい鍔を有したノック棒２７が挿入され、上記突起２８が係止筒２１の スリット２４に嵌装し且つ鍔が係止筒２１の後端に当接した位置で突起２５の前 部に係合状態となっている。この状態でノック棒２７の後端をノックした時に、 筆記体３１と共に連動して軸推移し、係合突起２２が前述したクリップの玉部１ ２の溝１３に嵌入して係合段部１４に係止した時、筆記体３１の筆記先端部３２ が軸筒１の軸先端口２から適宜突出状態となる。（図２参照）

【００１０】 又、この状態より上記係止解除釦１６の押し部１９を軸筒１の内方に押圧する と梃子運動により先端部１７が上動してクリップの玉部１２を押し上げ、図１に 示すように玉部１２の係合段部１４から係止筒２１の係合突起２２が離脱して相 互の係止状態が解除され、コイルばね３５の復帰力により筆記体３１とノック部 位（係止筒とノック棒）は連動して後退し、筆記先端部３２が軸筒１内に没入す ると共に係止筒２１の係合突起２２は上記上記突起５の先端に当接して筆記体３ １と共にノック部位は軸筒１からの離脱が阻止される。

【００１１】

【作用】

上記の実施例に基づき作用を以下に説明する。先ず、図１の状態より、ノック 棒２７の後端をノックして筆記体３１を前進させ、その筆記先端部３２を軸先端 口２から突出させると係止筒２１の係合突起２２がクリップ玉部１２を上動させ て係合突起２２が係合段部１４に係止して図２の状態となる。この状態で筆記が 行われる。

【００１２】 筆記が終了した状態より図２に示す係止解除釦１６の押し部１９を軸筒１の内 方に押圧すると梃子運動によりその先端部１７がクリップの玉部１２の前面を押 し上げるので係合突起２２と係合段部１４の相互の係止が離脱して筆記体３１と ノック部位はコイルばね３５の復帰力により連動して後退し、筆記先端部３２は 軸筒１内に没入して係止筒２１の係合突起２２がスリット４の突起５に当接して ノック部位は筆記体３１と共に軸筒１からの離脱が阻止される。

【００１３】 又、筆記先端部３２が軸先端口２から突出したままの状態で筆記具を胸ポケッ ト等に止着しようとしてもクリップ玉部１２の係合段部１４と係止筒２１の係合 突起２２が係止しているのでクリップの使用が妨げられ胸ポケット等への止着が 阻止される。又、無理に胸ポケット等へ止着した場合はクリップの玉部１２の係 合段部１４と係止筒２１の係合突起２２の係止状態が解消したことになるので否 応なく筆記体３１はコイルばね３５の復帰力によって後退し筆記先端部３２を軸 筒１内に没入させることになる。従って筆記先端部３２を突出させたままの状態 で胸のポケット等へ止着して衣服を汚損することを未然に防止する。

【００１４】 又、筆記体３１を交換する場合は、図１の状態よりノック棒２７の鍔を指で軸 筒後方に引っ張ると係止筒のスリット２４内の突起２５からノック棒２７の突起 ２８が離脱して係止筒２１からノック棒２７が抜け出てくる。（図５参照）この 状態より更にノック棒２７を引っ張ると上記突起２８がスリット２４の後端に当 接してノック棒２７の後退が阻止され、ノック棒２７を更に引っ張ると図６に示 すように係止筒２１の弾性片２３が内方に撓み係合突起２２が突起５より離脱し て係止筒２１を軸筒１から抜き去ることが可能となり、筆記体３１の交換が可能 となる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上の通りであり、クリップ玉部の係合段部と係止筒の係合突起との 係止状態を解消する場合は軸筒側面の係止解除釦の押し部を押圧してクリップ玉 部を押し上げるだけでよく、クリップ玉部のみが作動してクリップの他の部位は 何ら荷重を受けることがなく、従来例の如くクリップ取付基部がへたることもな いので、極端にはクリップを軸筒と共に一体成形することも可能となり、従って コスト低減を図ることができ、又、クリップの軸筒に対する取付具合による品質 上のばらつきの問題も解消できる効果がある。又、ノックと係止解除釦の押圧で 筆記部の出没が行えるので、使い勝手がよく、構造が簡単なので安価に提供可能 となる。又更に、筆記先端部を突出させたまま胸のポケット等に止着しても筆記 先端部が軸筒内に没入するのでインクで衣服を汚損することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例であるノック式筆記具の縦断面
図で筆記体を軸内に収納した状態を示している。

【図２】本考案のノック式筆記具の縦断面図で筆記先端
部を軸先端口から突出させた状態を示している。

【図３】本考案のノック式筆記具の上面図である。

【図４】本考案のノック式筆記具の裏面図でスリット部
を開示している。

【図５】本考案のノック式筆記具で筆記体を交換する際
にノック棒の鍔を引っ張る初期状態を示した縦断面図で
ある。

【図６】係止筒からノック棒を引き抜いて係止筒を軸筒
から離脱する状態を示した縦断面図である。

【図７】従来のノック式筆記具で、筆記先端部を軸先端
口から突出させた状態を示した縦半断面図である。

【図８】従来のノック式筆記具で、筆記先端部を軸筒内
に没入させた状態を示した縦断面図である。

【符号の説明】

１ 軸筒 ２ 軸先端口 ３ 基部 ４ スリット ５ 突起 ６ 斜面 ７ 内孔部 ８ クリップ ９ 取付け部 １０ クリップ板 １１ 孔 １２ 玉部 １３ 溝 １４ 係合段部 １５ 突起 １６ 係止解除釦 １７ 先端部 １８ 孔 １９ 押し部 ２０ 支点 ２１ 係止筒 ２２ 係合突起 ２３ 弾性片 ２４ スリット ２５ 突起 ２６ａ 斜面 ２６ｂ 斜面 ２７ ノック棒 ２８ 突起 ２９ 弾性片 ３０ 内面段部 ３１ 筆記体 ３２ 筆記先端部 ３３ 尾栓 ３４ 外面段部 ３５ コイルばね １｀ クリップ ２｀ 玉部 ３｀ 係合部 ４｀ 軸筒 ５｀ 窓孔 ６｀ ノック体 ７｀ 係合部 ８｀ リフィール ９｀ 筆記部 １０｀ 軸先端口 １１｀ 押圧板部 １２｀ バネ １３｀ 取付基部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸筒の後端基部に止着したクリップの先
   端に係合段部を形成した玉部を固着し、筆記体をコイル
   ばねにより後方へ附勢した状態で軸筒内に収納して、軸
   方向に於いて筆記体と連動する係止筒を筆記体の後端に
   配設して筆記先端部が突出した状態でクリップ玉部の係
   合段部と係止する係合突起を上記係止筒に設け、更に玉
   部の前面と対設して係止解除釦を軸筒側面に沿って梃子
   運動するように配設して、係止筒に止着して軸筒の後端
   より突出したノック棒の後端をノックすることにより筆
   記体を前進させて係止筒の係合突起がクリップ玉部を上
   動させて係合段部に係止状態となって筆記先端部を軸先
   端口より突出させ、その状態より上記係止解除解除釦の
   押し部を軸内方向に押圧したとき、その先端部が玉部の
   前面を押圧しながら玉部を上動させて上記係止状態を解
   除すると共に、筆記体が後退して筆記先端部が軸内に収
   納され、上記係止筒の係合突起が可動自在に嵌装する軸
   筒の、クリップと対向した側面に開設したスリットに突
   起を形成して、筆記先端部が収納状態に在る時に係止筒
   の係合突起が上記突起の前面に当接して係止筒が軸筒か
   ら離脱するのを防止すると共に、係止筒の内孔に止着し
   たノック棒を適宜引き抜くことにより係止筒の係合突起
   を弾性変位させて係合突起と上記突起の係止状態を解除
   してノック棒と共に係止筒を軸筒から離脱させて筆記体
   の交換が可能となるように構成したことを特徴とするノ
   ック式筆記具。