JPH0423034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ノツク操作により筆記体の筆記部を
軸先端口から突出させる共にその状態をクリツプ
により係止可能とし、クリツプによる係止状態を
解除することにより筆記体の筆記部を軸内に没入
可能とするよう構成したノツク式筆記具に関す
る。

〔従来の技術〕

筆記体の筆記部を軸先端口から突出させたまま
の状態で衣服のポケツトへ挿着して衣服を汚損す
ることを防止するための工夫を施したノツク式筆
記具として、例えば第６図及び第７図に示した如
き構造を有する従来例が存在する。当該従来例
は、軸１に固着されたクリツプ２に於ける先端玉
部３に対向する軸側面に窓孔４を設け、又、ノツ
ク体５の側面に係止凹部６を設け、ノツク体５を
前進させて筆記体７の筆記部を軸先端口から突出
させた状態に於てクリツプ２の玉部３を窓孔４か
らノツク体５の係止凹部６に没入係合させて（第
７図参照）、クリツプ２の使用を不可能となすこ
とにより筆記体７の筆記部を軸先端口から突出さ
せた状態でのポケツトへの挿着を阻止し、又、ク
リツプ２の後端を軸側面方向へ押圧してクリツプ
２の先端玉部３を持ち上げてノツク体５の係止凹
部６から抜脱させることにより筆記体７の前端部
へ装着したノツクスプリング（図示せず）の復元
力により筆記体７の筆記部を軸内部に没入させる
と共にノツク体５を後退させてポケツトへの挿着
可能な状態（第６図参照）となすよう構成されて
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで上記従来例のようにクリツプ２の玉部
３を持ち上げてその係止状態を解除するためにク
リツプ２の後端部を第７図の矢印方向に押圧する
ような構造とした場合はその押圧にかなり大きな
力を要するので、先ず使い勝手が悪いという問題
があり、又、クリツプを軸に一体的に樹脂成形す
ると押圧部が極めて疲労しやすくなるのでクリツ
プを別体の金属製として軸に取り付ける構造とせ
ざるをえずコスト高となるのみならずクリツプの
取付具合によつて品質にばらつきを生じる問題が
あつた。本考案の目的は斯かる問題点を解決した
ノツク式筆記具を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために案出された本考案
のノツク式筆記具は、先端玉部に係止段部を設け
たクリツプを軸に一体化し、クリツプの係止段部
に対向する軸側面に後端が係止段部より後方に位
置する所要長さの窓孔を設け、側面に係止突起を
設けたノツク体をその係止突起が窓孔を貫出する
ように軸内部に装着し、ノツク体がその係止突起
を窓孔の後端縁に衝止するまで後退した状態でノ
ツク体の前方に配した筆記体の筆記部が軸内部に
没入すると共に筆記体の筆記部が軸先端口から突
出するまでノツク体が前進した状態でノツク体の
係止突起がクリツプの係止段部に係合する地点に
位置するように寸法設定し、クリツプの係止段部
とノツク体の係止突起の係合状態を解除し得る距
離だけクリツプ先端部を横方向に弾性的に変位可
能としたことを特徴として構成されるものであ
る。

〔実施例〕

第１図乃至第５図は本考案の実施例に係るもの
で以下図面に基づき詳説する。先ず８は前端及び
後端を開口して前端が先細状となつた合成樹脂製
の軸であり、又９は軸８と一体的に樹脂成形され
たクリツプである。クリツプ９の先端内面部には
玉部１０が突設され、該玉部１０の前半部には切
欠部１１が形成されてその切欠部１１の後壁面に
軸線に対して垂直な係止段部１２が設けられてい
る。尚、切欠部１１の一方の横側部は開口して他
方の横側部は輪郭が切欠部１１のない完全な玉部
１０の形状をしたガイド壁面１３により閉塞され
ている。軸８に於けるクリツプ玉部１０と対向す
る側面には前端が係止段部１２より前方に位置す
ると共に後端は係止段部１２より後方に位置する
軸線方向に長い窓孔１４が穿設されている。１５
はノツク体であり、前端及び後端を開口した筒状
を呈し、側面の略中央部にコ字状のスリツト１６
により囲まれて半径方向に弾性変形可能なバネ板
部１７が形成される（第４図参照）と共に該バネ
板部１７の先端部に後面が軸線に対して垂直で前
面が軸線に対し鋭角に傾斜した係止突起１８が設
けられ、又、後端外面部に鍔１９が周設されると
共に後端内面部の円周上の所要箇所に弾性変形可
能な突起２０が設けられている。ノツク体５は軸
８の後端開口部から軸内部に挿入され、係止突起
１８がバネ板部１７を撓ませながら挿入されて軸
８の窓孔１４からバネ板部１７の復元に従つて貫
出するよう装着される。２１は筆記体としてのボ
ールペンリフイールであり、前端小径部の外周部
にノツクスプリング２２を嵌装した状態でノツク
体１５の後端開口部からノツク体１５の内面の突
起２０を弾性変形させながら挿入され、ノツクス
プリング２２の前端部を軸８を前端先細状部の内
面に形成された段部３３に衝接させると共に後端
面周縁部を突起２０の前面に係合するように装着
される。ノツク体１５はボールペンリフイール２
１を介してノツクスプリング２２によつて後方へ
押圧されて係止突起１８の後面が窓孔１４の後端
縁に衝止する位置まで後退し、このときボールペ
ンリフイール２１の筆記部２４が軸内部に没入す
るように窓孔１４の長さやボールペンリフイール
２１の長さが設定されている（第１図参照）。、
又、ノツク体１５の後端部を前方へ押圧してボー
ルペンリフイール２１の筆記部２４を軸前端開口
部から突出させたときに、ノツク体１５の係止突
起１８がクリツプ９の玉部１０を押し上げながら
その下を通過して切欠部１１の位置まで前進しノ
ツクスプリング２２の弾発力によりその後面を係
止段部１２に当接させるよう係止段部１２の位置
が適宜に設定されている（第２図参照）。又、ク
リツプ９の先端部を横方向、即ち第３図に示す矢
印方向に押圧したときに、クリツプ２の連結基部
２５に弾性的な捩りが生じて、クリツプ９の係止
段部１２とノツク体１５の係止突起１８との係合
状態が解除し得る程度にクリツプ２の先端部が横
方向に所望距離だけ弾性的に変位し得るようにク
リツプ２の連結基部２５の形状及び寸法が設定さ
れている。

尚、上記の実施例ではノツク体１５の後端を開
口してそこからリフイール２１を挿入する構造と
しているが、ノツク体１５の後端に着脱自在な尾
栓を取り付けて尾栓を外した状態でリフイール２
１を挿入する構造とした実施例も可能である。
又、ノツク体１５の後端を閉塞して軸８の先端部
に着脱自在に先軸を取り付けその先軸を外した状
態でリフイール２１を挿入する構造とした実施例
も可能である。

又、上記の実施例ではクリツプ９の玉部１０に
設けた切欠部１１の一方の横側部にはガイド壁面
１３が設けられているがこのガイド壁面１３を取
り除いた実施例も可能である。当該実施例はクリ
ツプ９の係止段部１２とノツク体１５の係止突起
１８の係合を解除する場合にクリツプ９の先端部
を横方向のどちら側に押しても良いので上述の図
示した実施例に比べて利便ではあるが、その反面
クリツプ９の玉部１０の間にポケツトの布地等を
挟む場合にガイド部がなくなるのでスムーズにゆ
かなくなる不利がある。

〔作用の効果〕

本考案の構成は以上のとおりであり、クリツプ
の玉部に設けた係止段部とノツク体に設けた係止
突起の係合を解除する手段としてクリツプの先端
部を横方向に変位させる手段を採用したので、ク
リツプの連結基部には多少の捩りが生じるが従来
例のようにクリツプ後端部を強く押圧する必要が
ないのでクリツプ基部に疲労が生じる割合が減少
するのでクリツプを軸に対し一体成形することが
可能となる。従つてクリツプを金属製等として軸
に取り付ける構造とせざるを得なかつた従来例の
如くコスト高となることもなく又取り付け具合に
よつて品質にばらつきが生じることもなくなり、
コスト及び品質上極めて有利となる。又、クリツ
プの先端部を横方向に押すことは極めて小さい力
で可能であり従来例の如く強い力でクリツプの後
端部を押していた場合に比べ極めて使い勝手も向
上する。尚、クリツプは軸と一体的に形成せず別
体として形成して軸に取り付ける構造としても勿
論クリツプ基部の疲労が減少すると共に使い勝手
が向上する利益は亨受できることは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施例に係るもの
で、第１図は筆記部没入状態の縦断面図、第２図
は筆記部突出状態の縦断面図、第３図はクリツプ
上面から見た平面図、第４図はノツク体の係止突
起の斜視図、第５図はクリツプ先端玉部の斜視図
である。又、第６図及び第７図は従来例に係るも
ので、第６図は筆記部没入状態の部分縦断面図、
第７図は筆記部突出状態の部分縦断面図である。 １……軸、２……クリツプ、３……玉部、４…
…窓孔、５……ノツク体、６……係止凹部、７…
…筆記体、８……軸、９……クリツプ、１０……
玉部、１１……切欠部、１２……係止段部、１３
……ガイド壁面、１４……窓孔、１５……ノツク
体、１６……スリツト、１７……バネ板部、１８
……係止突起、１９……鍔、２０……突起、２１
……リフイール、２２……ノツクスプリング、２
３……段部、２４……筆記部、２５……連結基
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリツプの先端玉部に係止段部を設け、クリツ
   プの係止段部に対向する軸側面に後端が係止段部
   より後方に位置する所要長さの窓孔を設け、側面
   に係止突起を設けたノツク体をその係止突起が窓
   孔を貫出するように軸内部に装着し、軸内部には
   ノツク体を後方へ押圧するスプリングを装着し、
   ノツク体がその係止突起を窓孔の後端縁に衝止す
   るまで後退した状態でノツク体の前方に配した筆
   記体の筆記部が軸内部に没入すると共に筆記体の
   筆記部が軸先端口から突出するまでノツク体が前
   進した状態でノツク体の係止突起がクリツプの係
   止段部に係合する地点に位置するように寸法設定
   し、クリツプの係止段部とノツク体の係止突起の
   係合状態を解除し得る距離だけクリツプ先端部を
   横方向に弾性的に変位可能としたことを特徴とす
   るノツク式筆記具。