JPH0453983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、筆記部が軸先端口に於て出没する筆
記具に関する。

（従来の技術） 筆記部が軸先端口に於て出没する筆記具には、
筆記部を没入させることを忘れて筆記部を突出さ
せたままの状態で衣服のポケツトへ止着して衣服
を汚損する虞がある。そこで筆記部を突出させた
ままではクリツプを使用不能としたり、クリツプ
を使用するときは必ず筆記部が軸内部に没入する
構造として、筆記部による衣服の汚損を防止する
筆記具が出現している。又、筆記部が軸先端口に
於て出没する筆記具は軸後端にノツク部を突出さ
せた構造が多く、ポケツトに止着した状態でこの
ノツク部が誤つてノツクされて筆記部を突出し衣
服を汚損する問題もあり、これを解決するために
ノツク部にストツパーを設けてポケツトの縁にス
トツパーを衝止させてノツク部の前進を阻止する
等の手段がとられていた。

（考案が解決しようとする問題点） 然しながらポケツトの布地が薄く柔かい場合は
ポケツトへ止着した状態でノツク部がノツクされ
るとポケツトの縁がストツパーを支え切れずにノ
ツク部が前進して筆記部が突出する虞がある。そ
こで本考案はポケツトへ止着した状態での筆記部
の突出がより有効に防止できる新な筆記具の提供
を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本考案の
筆記具は、クリツプの先端部に係止部を設け、該
係止部と対向する軸筒側面に窓孔を設け、リフイ
ール又はリフイールに装着されて一体的に連動す
る部品（以下リフイール等という）に軸筒の窓孔
から貫出してリフイールの先端筆記部が軸先端口
から突出した状態でクリツプの係止部と互に係合
する係止部を設け、クリツプの係止部とリフイー
ル等の係止部の係合を解除した状態でリフイール
の筆記部を軸内部に投入させるようリフイール等
を後方へ弾発するコイルばねを軸内部に装着し、
軸筒の側面部にはスライダーを軸内部のリフイー
ル等と連動させて軸方向に所要距離移動自在に装
着したことを特徴として構成されるものである。

（実施例） 図示した実施例は、樹脂により一体成形された
クリツプ１及び軸筒２と、リフイール３と、コイ
ルばね４と、スライダー５を構成部品とし、クリ
ツプ１はその前端玉部６（第３図参照）に係止段
部７を設けて前端部を横方向又は上下方向に所要
距離弾性変位可能なようにその後端の取付脚部８
を軸筒２の後端側面部に接続させ、軸筒２にはそ
のクリツプ１の玉部６に対向する位置に玉部６の
前後にわたる窓孔９を設けると共にクリツプ１の
取付脚部８の両サイドに軸方向に所要長さの凹部
１０を設け更に当該凹部１０の内部には軸筒２の
内部へ開通するスリツト１１を軸方向に所要長さ
設け、リフイール３にはその側面部に係止突起１
２を設けると共に後端部に係合溝１３を周設し又
その後端開口部には尾栓１４を嵌着し、スライダ
ー５は軸筒２の凹部１０に軸方向に所要距離移動
自在に嵌入する曲面状の操作板部１５と該操作板
部１５の上縁に接続してクリツプ１の取付脚部８
の側面に沿う立板部１６と操作板部１５の後端内
面部に突設した係合突起１７（第２図参照）と両
側の立板部１６の前端の内面間に架設されたスト
ツパー部１８とによつて構成し、リフイール３の
前端小径部の外周部にコイルばね４を装着してこ
れらを軸筒２の後端開口部からその内部に挿入し
てリフイール３の係止突起１２を軸筒２の窓孔９
から貫出させると共にコイルばね４の前端を軸筒
２の内面段部に衝合させてリフイール３を後方へ
弾発状態となし、スライダー５を軸筒２の前端方
向からその操作板部１５が凹部１０に嵌入する状
態に装着して立板部１６をクリツプ１の取付脚部
８の側面の横に又ストツパー部１８を取付脚部８
の前方に位置せしめると共に係合突起１７はスリ
ツト１１を貫通せしめて軸筒２の内部に収納され
たリフイール３の係合溝１３に係止させ、スライ
ダー５の操作板部１５を前方へ移動して該スライ
ダー５と連通するリフイール３がコイルばね４に
抗して前進してその前端筆記部１９が軸先端口２
０から突出した状態に於てリフイール３の係止突
起１２がクリツプ１の玉部６の係止段部７と係合
すると共にクリツプ１の前端部を横方向又は上方
に多少弾性変位させてクリツプ１の係止段部７と
リフイール３の係止突起１２の係合状態を解除し
た場合にリフイール３がコイルばね４の復元力に
より後退して係止突起１２が窓孔９の後縁に衝合
した状態でリフイール３の前端筆記部１９が軸先
端口２０の内部に没入すると共にリフイール３の
後端に嵌着した尾栓１４の後端面が軸筒３の後端
縁と略面一となるよう（第４図参照）寸法設定し
て成るものである。

尚、上記の実施例では、リフイール３の後端部
に係合溝１３を設けているがリフイール３の後端
に嵌着した尾栓１４にこの係合溝１３を設けても
よい。又リフイール３に係止突起１２や係止溝１
３を設ける代わりにリフイール３と連動する別部
品を装着してその部品に係止突起１２や係合溝１
３を設けてもよい。又、軸筒２はその後端を開口
してそこからリフイール３を挿入する構造となつ
ているが軸筒２の後端を閉塞して軸筒２の前端部
に着脱自在な口金等を設ける構造としてもよい。
又、クリツプ１は軸筒２と一体的に成形されてい
るが別体として取り付ける構造としてもよい。
又、クリツプ１の前端部を弾性変位することによ
りクリツプ１の係止段部７をリフイール３の係止
突起１２の係合の解除を行つているが、クリツプ
１に一体的に又は別体として押ボタンを設け該押
ボタンを押圧してリフイール等の係止部を弾性変
位させてクリツプ１とリフイール等との係合を解
除するようになしてもよい。

（作用及び効果） 本考案の構成は以上の通りであり、先ずポケツ
トへ止着する場合はクリツプの係止部とリフイー
ル等の係止部との係合が解除されてリフイールは
コイルばねの弾発力で後退して筆記部が軸内部に
投入するので衣服の汚損が防止される。次にポケ
ツトへ止着した状態でも従来の如く軸後端部にノ
ツク部が突出していないので誤つてノツクされて
筆記部が突出するようなことがなく衣服の汚損が
防止される。尚、実施例の如くスライダーにスト
ツパー部を設け該ストツパー部がクリツプの取付
脚部の前方に位置するようスライダーを配設すれ
ば、スライダーが誤つて前方へ押圧されることは
極めて起りにくいが万が一起つてもストツパー部
がポケツトの縁に衝止して筆記部の突出が阻止さ
れるので衣服の汚損防止は完全となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示したもので、第１図
は全体の分解斜視図、第２図はスライダー及びリ
フイールの後端部の斜視図、第３図は筆記部を軸
内部に没入した状態の側面図、第４図は筆記部を
軸内部に投入した状態の縦断面図、第５図は筆記
部を軸先端口から突出した状態の後端部側面図、
第６図は筆記部を軸先端口から突出した状態の半
縦断上面図である。 １……クリツプ、２……軸筒、３……リフイー
ル、４……コイルばね、５……スライダー、６…
…玉部、７……係止段部、８……取付脚部、９…
…窓孔、１０……凹部、１１……スリツト、１２
……係止突起、１３……係合溝、１４……尾栓、
１５……操作板部、１６……立板部、１７……係
合突起、１８……ストツパー部、１９……筆記
部、２０……軸先端口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ クリツプの先端部に係止部を設け、該係止部
   と対向する軸筒側面に窓孔を設け、リフイール
   又はリフイールに装着されて一体的に連動する
   部品（以下リフイール等という）に軸筒の窓孔
   から貫出してリフイールの先端筆記部が軸先端
   口から突出した状態でクリツプの係止部と互に
   係合する係止部を設け、クリツプの係止部とリ
   フイール等の係止部の係合を解除した状態でリ
   フイールの筆記部を軸内部に没入させるようリ
   フイール等を後方へ弾発するコイルばねを軸内
   部に装着し、軸筒の側面部にはスライダーを軸
   内部のリフイール等と連動させて軸方向に所要
   距離移動自在に装着したことを特徴とする筆記
   具。 ２ スライダーにストツパー部を設けて該ストツ
   パー部がクリツプの取付脚部の前方に位置する
   ようにスライダーを配設した実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の筆記具。